冬月のユイに対する片思い語り。
碇ユイの設定は新劇のものです。
(結婚前は綾波姓)
最後はQに繋がっているという流れにしてます。
冬月の設定はテレビアニメ版と旧劇の設定を元にしています。細かな違いがあるかもしれません。詳しくはテレビアニメの冬月エピソードを参照ください。
セカンドインパクト関連とネルフに入るエピそして、碇ゲンドウとの会話は省いています。
また碇ユイの会話もねつ造しています。
冬月と碇ユイの話ですが冬月の片思い話なので人を選ぶかもしれません。興味がある方はどうぞ。
ふと思いつき書いてみました。
冬月の内面は案外書かれてないのでもしかしたらこんな風にユイを思っていたのではないかというお話です。
色々間違い誤字脱字あったらすみません。
「君が碇のことを気に入るとは…信じがたいな」
「みんなそう言います。でもあの人かわいいところあるんですよ。そういうところ、とても好きなんです」
「綾波君は碇と正式に付き合っているのかね?」
「ええ、もちろんですわ冬月先生」
もう随分と昔の話だっただろうか、まだ綾波ユイという女性がこの世に存在していて私と会話したのは。京都大学で少しばかり教諭を勤めていた頃、彼女と碇ゲンドウという男に出会った。
綾波ユイは私が研究していた形而上生物学の講義を受けに来たことがきっかけで仲良くなり
研究やプライベートなことも話せるほどうち解けていった。
だが、彼女を一人の女性として愛していたというわけでなくしかして友人のように思っていたわけでもない。曖昧なだが、程よい距離感がある関係。
言葉にして表せばこれは歳の離れた親子のようなものだろうか、この歳まで連れ添う相手すら持たなかった。
無意識に繋がりを求め、優しい彼女の蜘蛛の糸に心を絡め取られてしまったのかもしれない。
しかしそんな淡いプラトニックな想いを天災はたやすく引き裂く。
セカンドインパクト。未曾有の大災害に世界中は見舞われ、日本も大きな被害を受けた。
頭の中が真っ白になった。
大学で教諭を勤めているわけにもいかず、
被害の大きい地域で医者の真似事をして心の中の虚無感を埋めていく日々。
物はなく衛生面は最悪だ。
夜には物取りや強盗が跋扈していた。
なんでもないはずの怪我が致命傷になりかねず
大病になれば治療する施設もほとんどない。
まさしくどん底の時代だった。
災害からしばらくして日本にやっと復興の兆しが見え始めた頃、国連調査団から召集を受ける。
そこで綾波ユイではなく碇ユイと再会することになるとは思いもよらなかった。
そう、綾波ユイは碇と結婚し碇姓に変わっていたのだ。
セカンドインパクト前に碇と付き合っている旨を聞いていたが、あまりに突然の報告に驚きを隠せなかったの確かだ。
「冬月先生。私、碇さんと結婚しました。」
「そうか、おめでとう…式の方は?」
「あまり目立つことをするのもどうかと思いますし、式は2人と身内だけで済ませるつもりです」
「わかった。末永く幸せに」
「ありがとうございます。あの人、私がいないとダメになってしまうでしょうから」
幸福を欲しいままにしている顔。
それを見て彼女が好きになった男を否定できるだろうか。できまい。
胸中は苦虫を噛み潰した気持ちだったがそれを平静なふりをしてごまかし冬月は碇ユイへの気持ちを押し隠した。
それから、しばらしくして碇ユイはエヴァへダイレクトエントリーする実験の被験者に自らなりエヴァ初号機の中に取り込まれたまま帰らぬ人となった。
冬月がネルフへ誘われたのはその頃だった。
しかしそれも瑣末なことに過ぎない。
全ては人類補完計画の礎でしかない。
「ユイ君は初号機の中で生き続けているか
果たしてそれは幸いなのか、不幸なのか」
それは本人にしかわからないことだろう。
時々冬月は考える。
あの一時の心地よい時間が続いたらまた違った人生を歩んでいたのではないかと。
「だが、時は不可逆だ。遡って戻ることはできない。」
「私ではユイ君を愛することはできなかっただろうしな、碇でなければそれは叶わなかった」
「ひとときの甘い時間か…老人にはひどく堪える想い出になったな」
冬月は廃墟と化したネルフ本部にひとり佇む。
残された時間を憂うように碇ユイの残骸を探すように。
終劇
読んでいただきありがとうございます。
間が空くと思いますが次も短編書きます。
よろしくお願いします。