やはり俺の青春にデジモンが居て、俺がDATS隊員なのはまちがっているのか?(リメイク版)   作:ステルス兄貴

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11話

 

標識の森、そして電信柱が突き刺さった砂漠を越えるとその先にあったのはピョコモンの村だった。

ピヨモンがピョコモンに交渉してくれて、今夜はこの村で一夜を明かすことになった。

しかも一食付きで‥‥

砂漠を歩いてきたと言うことで、まずは食事よりも水分補給をしたかったのだが、突如、村の噴水も池も干上がってしまう。

村の水源である、みはらし山で何かが起きたみたいで、その山の守護者であるメラモンが理由もなく、叫びながら山を下りてきた。

メラモンが通ったところには火が燃え移っていた。

 

「山火事を起こしているぞ、アイツ‥‥」

 

カマクラは冷静につっこむ。

 

「みんな! 逃げろー!!」

 

村に居たピョコモンたちと共に避難をする。

村はずれに船があった。――砂に半分沈んでいるが。下の辺りに穴があったので、そこに逃げ込む。

元は池に半分沈んでいる沈没船だったのだが、今は水が枯れ果てているので、簡単に逃げ込むことが出来た。

 

「タケル、早くしろ!」

 

人間はタケルと光子郎、八幡で最後のようだが、ピョコモンはまだ後ろに続いている。

 

(こいつら、こんなにいっぱいいたっけ?)

 

村のピョコモンがいきなり増えたように感じる八幡。

そんな中、

 

「いたっ!!」

 

避難中のピョコモンの一体が転ぶ。

 

「あっ!!」

 

八幡はそれに気づき、慌てて引き返すと、

 

「大丈夫か!?」

 

転んだピョコモンを抱き、逃げる。

この時は、ピョコモンは八幡の事を怖がることなく、彼に黙って抱かれていた。

 

八幡が甲鈑に行って下の様子を見ると、空が崖の方へ向かっていた。

 

「戻ってこい、空!!」

 

ヤマトが叫ぶ。

 

崖の上にはピヨモンがいた。

その後ろにはメラモンが迫る。

メラモンに殴られ、ピヨモンが地面へ落ちていった。

 

「ピヨモン!」

 

地面に激突する寸前のところで空がピヨモンをキャッチした。

ピヨモンはすぐに空から飛び立ち、メラモンに攻撃をした。

 

「マジカルファイアー!」

 

ピヨモンの攻撃はしっかりと当たっていた。

しかし、攻撃をする度にメラモンは大きくなっていった。

 

「あいつ、ピヨモンの炎を吸収しているんだ」

 

ピヨモンだけじゃ敵わない――そう思ったのか、デジモンたちが飛び出した。

太一と光子郎もその後に続いている。

 

「バーニングフィスト!」

 

ピヨモンはメラモンの攻撃で再び落とされてしまった。

 

「ピヨモン!」

 

「ベビーフレイム!」

 

「プチサンダー!」

 

「プチファイアー!」

 

「エアーショット!」

 

デジモンたちが必殺技を放った。

しかしいくら攻撃をしかけても、メラモンには効かず、それどころかアグモンとガブモンの炎の技を吸収して、大きくなる。

 

「炎系の攻撃はよせ!!かえって逆効果だ!!」

 

八幡は慌ててアグモンとガブモンに炎系の攻撃は控えるように言う。

メラモンは八幡の見立て通り、どうやら炎系の攻撃を吸収しているようだ。

かといって、素手でメラモンを殴れば逆にこっちがダメージを負う。

 

「俺は燃えているんだぜー!」

 

「いや、見りゃ分かるよ、そんなこと‥‥お前は松〇修〇か!?」

 

メラモンはそんなことを言いながら、どんどん大きくなっていく。

八幡がメラモンに思わずつっこむ。

 

「どうしたらいいの!?」

 

「あぁーもうダメだ!」

 

「燃えているぜー!」

 

「あ、危ない!」

 

メラモンが太一たちを襲おうとしたのを見て、たまらず叫んだ。

その時だった‥‥ピヨモンがバッと翼を広げた。

そして、進化の光がピヨモンを包む。

 

ピヨモン進化――――バードラモン

 

 

バードラモン

 

レベル:成熟期 タイプ:巨鳥型デジモン タイプ:ワクチン

 

燃え盛る炎を纏った姿をした、巨鳥型デジモン。

その巨大な翼を羽ばたかせ、大空を飛びまわる。決して好戦的な性格ではないが、襲い掛かる敵に対しては狂暴なまでに反撃を繰り出す。必殺技は翼を羽ばたかせ流星のように羽を飛ばす『メテオウィング』。

 

 

「ピヨモンが進化した‥‥」

 

「ピヨモーン!!」

 

バードラモンはメラモンを掴み、上空を飛んだ。

そして崖の上に落とす。

その衝撃で、地響きが起きた。

 

「俺は……メラメラに燃えているんだぜ――――!!」

 

バードラモンが向きを変え、船側へ飛んだ。

 

「バーニングフィスト!」

 

背を向けているバードラモンに、メラモンが攻撃を放つ。

 

 

「バードラモン!」

 

「俺は……俺はメラメラに燃えているぜ! 燃えているぜ!」

 

メラモンは燃えているぜ、と叫ぶ度に攻撃をぶつける。

しかしバードラモンは怯まずに近づいていった。

 

「キャッツアイ!!」

 

カマクラの鋭い眼光でメラモンを睨みつけると、メラモンが体勢を崩した。

 

「ナイス、アシスト。カマクラ!!」

 

「バードラモン、頑張って!!」

 

「メテオウィング!!」

 

そのままバードラモンはメラモンに必殺技を放った。

 

「うわあああああ!!」

 

バードラモンの炎を吸収しきれなくなったのか、メラモンの体が小さくなっていった。

その際にメラモンの体から黒い歯車が飛び出し、そのまま空の上で消滅した。

 

「あの黒い歯車が、メラモンの体の中に入っていたんだ‥‥そのせいで、メラモンが凶暴化したんだ!」

 

「バードラモンの勝ちだぁ!!」

 

タケルが両手を上げて喜んだ。

ふと丈を見ると、ゴマモンを腕に抱えながらピョコモンたちを背負っていた。

 

「モテモテみたいだな」

 

「そういう比企谷君も同じじゃないか‥‥」

 

「えっ?」

 

八幡が自分の体を見ると、丈と同じくピョコモンたちが引っ付いていた。

 

 

「緊急事態で気づかなかった‥‥」

 

八幡も丈もだけど、ピョコモンを背負いながら応援していたのか、傍から見ていたら思わず吹き出したかもしれない。

 

空は降りてきたピヨモンの体を受け止め、ぎゅっと抱きしめていた。

なおこの時、ピヨモンはバードラモンから退化して成長期のピヨモンに戻っていた。

 

夕暮れ時になると、みはらし山と辺りの火はすっかり収まっていた。

 

「メラモン、目が覚めた?」

 

「どうして、俺はここに……?」

 

メラモンは何故、山のふもとのピョコモンの村に居るのか記憶がないみたいだ。

 

「よかった、メラモン目が覚めた!」

 

「どうして暴れた? メラモン何があった?」

 

「空から歯車が落ちてきて、それから……」

 

「メラモンにも分からない?」

 

「メラモン! また元のようにみはらし山守って!」

 

守護者だけあって、ピョコモンたちはメラモンが大好きみたいだ。

普段はいいデジモンみたいだ。

 

(それにしてもあの歯車、一体どこから? 何か目的でもあるのだろうか?)

 

(メラモンの様子やピョコモンの話を聞く限り、もしかして、あの黒い歯車は温厚なデジモンを暴走させる力があるのか‥‥?)

 

八幡はあの黒い歯車が、ただの歯車ではなく、デジモンを暴走させる力があるモノだと推測する。

 

(しかし、そんな歯車を一体誰が、なんのために‥‥)

 

歯車事態に意志があるとは思えない。

歯車を作り、歯車をばら撒いている黒幕が存在している筈‥‥

今回の事件の首謀者は、一筋縄ではいかぬ奴かもしれない。

それが人間なのか?

それともデジモンなのか?

それさえもまだわからない状況だった。

 

「もう悪いデジモンに戻んなよ!!」

 

「これからもみはらし山を守ってねー!」

 

メラモンを見送っていると、誰かのお腹が鳴った。

 

「そうだ! ピョコモンたちにご飯ご馳走してもらう約束!」

 

「僕、お腹ぺこぺこ……」

 

タケルがお腹をさする。

 

「任せとけっ!」

 

ピョコモンたちが声を揃えて言った。

 

「やったー!」

 

(大丈夫か?)

 

太一たちはピョコモンのごちそうに期待している様子だが、八幡はやや不安だった。

そして、ピョコモンたちが、太一たちにもてなしのご馳走を差し出す。

そのご馳走を見た太一たちは‥‥

 

「ご馳走って、これかよ……」

 

ピョコモンたちから差し出されたご馳走は雑穀だった。

 

(やっぱりね‥‥鶏の気分で味わえばいいのか?)

 

「空、どうして食べないの? 美味しいよ」

 

「そうそう、ミミも食べたらいいのに」

 

ピヨモンとパルモンは美味しそうに雑穀を食べている。

 

「人間は、こういうのを普段食べないのよ」

 

空は困惑気味だ。

そりゃあ、鶏じゃないんだから、雑穀なんて普段は食べることはないだろう。

 

「ねぇ、比企谷君、海で食べていたお肉ってもうないの?」

 

「そうだ、あの肉ってもうないのか?」

 

ミミが八幡に肉の畑でとれた肉がないのかと聞いてくると、太一も聞いてきた。

ヤマト、タケル、空、光子郎、丈も期待に満ちた目をしている。

 

「残り少ないが、半分にすれば、皆に行き渡るな‥‥」

 

「半分で良いから、頂戴!!」

 

「俺にもくれ!!」

 

「俺にも‥‥」

 

「ボクも!!」

 

「僕も欲しい!!」

 

「ぼ、僕も‥‥」

 

「私も‥‥」

 

八幡は肉を取り出し、カマクラがそれを真っ二つに切り、それを太一たちに分ける。

 

「いいのか?これで、肉はもう売り切れだぞ」

 

カマクラがもう肉が品切れだと言う。

 

「しかたないさ、ここでいざこざを起こすわけにはいかないだろう?」

 

食べ物の恨みは恐ろしい。

こういう非常識な環境下では物資を巡っての争いが起きやすい。

それを避けるためにも八幡にしては珍しく協力姿勢を見せたのだ。

八幡からもらった肉とピョコモンたちから振る舞われた雑穀が今日の夕飯となった。

 

八幡は肉を一口食べ、次に雑穀を食べる。

 

「おっ、意外といけるな」

 

八幡はもしゃもしゃと食べ始めた。

空腹は最高のスパイスってやつだった。

 

「えっ?八幡、お前それを食ったのか?」

 

太一は雑穀を食べた八幡を信じられないと言った顔で見ている。

 

「この状況下だ。食い物は無駄には出来ないし、なによりもピョコモンたちの好意を無駄にする」

 

そう言って、八幡は再び雑穀を口に運ぶ。

 

「比企谷君の言う通りね‥‥」

 

「僕も食べちゃおう!」

 

「背に腹は代えられねぇか」

 

「食っちゃお、食っちゃお!」

 

なんだかんだ言いつつ、空と男性陣は雑穀を食べ始める。

空腹はなによりのスパイスなのだ。

 

「うん、よく噛めば食べられないこともないよ」

 

「いやー! あたしやっぱりお家に帰りたーい!!」

 

丈のその言葉がトドメで、ミミはついに叫んでしまった。

そんなミミを見て、皆は笑い合った。

しかし、ミミも空腹には勝てなかったのか、ピョコモンからもらった雑穀を食べ始めた。

そして、食べる前は引いていたのだが、いざ、雑穀を食べてみると、

 

「おいしい!!」

 

と言って、雑穀を食べていた。

 

 

 

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