やはり俺の青春にデジモンが居て、俺がDATS隊員なのはまちがっているのか?(リメイク版) 作:ステルス兄貴
ピョコモンの村を出て再びサバンナを旅していると、サバンナのど真ん中に何かの工場があった。
工場に入ると、そこには巨大と電池とモーターがあり、なんと電池の中に入れた。
電池の内部にはパソコンのプログラムらしき文字の羅列があり、光子郎がパソコンを駆使してそれを調査するとテントモンとカマクラに異常が出始める。
慌てて光子郎がパソコンの電源を切ると、テントモンとカマクラの異変は治まる。
それから後すぐに八幡たちはヤマトたちを追った。
「みなさーん、すごい発見がありました!」
ようやくヤマトたちを見つけ、光子郎が呼びかけた。
「光子郎、八幡! なんだよ?」
「はい。この工場ではプログラムそのものがエネルギーを作っているんです! つまり、この世界ではデータとかプログラムとか本来ではただの情報でしかないものが実体化して……」
光子郎があの電池の中で分かったことをヤマトたちに説明していると、
「おーい!」
「あっ、太一さん! どうしたんですか?」
光子郎の説明の途中、太一たちがこちらに向かって走ってきていた。
その様子は心なしか慌てているようにもみえる。
「何か見つかったか!?」
「逃げろ、アンドロモンが!!」
「アンドロモン?」
ヤマトが太一に聞き返した瞬間、太一たちの後ろからサイボーグのようなデジモンが現れた。
アンドロモン
レベル:完全体 タイプ:サイボーグ型デジモン 属性:ワクチン
人型タイプのサイボーグデジモン。
完全体になりきれていないデジモンなど一撃で倒すことのできる高い戦闘力を持っている。
アンドロモンはサイボーグデジモンの試作型として開発され、機械ベースのアンドロモンと肉体ベースのサイボーグ「ボルトモン」は同時期に製造された。
その技術はメタルグレイモンやメガドラモンに流用されている。
試作型のデジモンのため意志や感情は持っておらず、プログラムされた行動に忠実である。
必殺技はアーム部分から発射されるエネルギー状の刃物『スパイラルソード』と胸のハッチの部分から繰り出す『ガトリングミサイル』。
「うわあ!!」
「やべぇ、アンドロモンは確か完全体のデジモンだ!!」
「侵入者捕捉……ガトリングミサイル!!」
アンドロモンは八幡たちの姿を確認すると、胸の八ッチからミサイルをニ発放った。
「うわっ!!」
八幡たちは二手に分かれて避けたのだが――。
「やだあ!!」
タケルが逃げ遅れてしまった。
このままだと当たってしまう!!
「タケルー!!」
「俺に任せて!」
ヤマトの叫びに反応してガブモンが飛び出した。
それと同時にヤマトのデジヴァイスが光る。
ガブモン進化―――――ガルルモン
ガルルモンが前足でミサイルを叩くと、一つはそのまま空中で爆発した。
しかしもう一つが太一たちの方へ飛んで行く。
ミサイルは口の部分を開けると、そこからガトリングガンを出して太一を銃撃してくる。
「うわ、うわ、うわ!!」
太一たちは後ろに下がりながら避けていく。妙に笑えるのは私だけだろうか。
タイミングを見計らって、アグモンが前に飛び出した。
そして太一のデジヴァイスが光り始める。
アグモン進化―――――グレイモン
グレイモンが尻尾でミサイルを壊したので、なんとか事なきを得た。
グレイモンとガルルモンはアンドロモンに飛びかかったが、簡単に払われた。
やはり、完全体のデジモン‥‥二体とはいえ成熟期のデジモンでは荷が重いようだ。
そのまま落ちたガルルモンとグレイモンを追い、アンドロモンは下に飛び降りる。
「グレイモン!」
「ガルルモン!」
太一たちは下を覗き込んで、戦いを見守った。
「スパイラルソード!!」
アンドロモンの攻撃がガルルモンに命中する。
「メガフレイム!」
「フォックスファイヤー!!」
アンドロモンは成熟期デジモン二体の必殺技でさえ、軽くあしらっていた。
「なるほど、確かに進化している!」
「パワー、スピード……どれをとってもあたしたちのデジモンよりレベルが上だわ!」
「どうやったら勝てるんだよ!?」
「それなら、もう一体増えたら変わるかもな‥‥」
「えっ?」
「カマクラ?」
カマクラはアンドロモンを見て、不敵な笑みを浮かべている。
「お、おい、カマクラ、お前もしかして‥‥」
八幡は何か嫌な予感がした。
「まさか、完全体とこんなところでやり合えるとはな‥‥」
「お、おい!!」
八幡が止める間もなく、カマクラはアンドロモンに向かって行く。
「むっ?」
アンドロモンもカマクラを捕捉する。
「スパイラルソード!!」
アンドロモンは右手にエネルギー状の刃物を形成させてカマクラに飛ばす。
カマクラはその体の小ささを利用してアンドロモンのスパイラルソードを躱し、アンドロモンの懐まで入ると、
「ネコパンチ!!」
アンドロモンの胸部にパンチを撃ちこむが、やはり効果がない。
「ネコキック!!」
続いて、キックを撃ちこむがやはり効果がない。
それでもカマクラはキックとパンチのラッシュをアンドロモンの胸部に打ち込む。
「カマクラ!!」
「ふん!!」
「がっ!!」
アンドロモンもパンチを繰り出すと、カマクラを吹っ飛ばす。
「ぬぉぉぉぉー!!」
グレイモンが噛み付こうと口を開け、アンドロモンとの攻防戦を続けている。
その隙にガルルモンが飛び掛ろうとしたが、アンドロモンが投げ飛ばしたグレイモンの下敷きになってしまった。
「頑張れ、グレイモン!」
「ガルルモンしっかり!」
「光子郎はん!」
「ん?」
そんなときテントモンが光子郎に声を掛けた。
「さっきのあのプログラム!」
「いいのか?」
「はいな!」
「……よし」
光子郎はパソコンの電源を入れた。
「行くぞ!」
光子郎はさっきと同じようにキーボードを叩いていく。そして文字が動き始めて――!
「うおお!? なんや、力がみなぎってくるー!!」
テントモンの全身が光り始めた。
「大丈夫か!?」
テントモン進化―――――カブテリモン
カブテリモン
レベル:成熟期 タイプ:昆虫型デジモン 属性:ワクチン
新たに発見されたデジモンのなかでも、かなり特異な昆虫型デジモン。
どのような経緯で昆虫タイプに進化したのかは不明だが、蟻のようなパワーと甲虫が持つ完璧な防御能力を併せ持っている。
頭部は金属化しており、鉄壁の防御を誇る。
必殺技は青白いエネルギー弾を発生させて相手にぶつける『メガブラスター』。
テントモンはなんとも形容しがたい大きな昆虫型デジモンに進化した。
しかし、その間もグレイモン、ガルルモン、カマクラはアンドロモンに一方的な戦いをされていた。
カブテリモンは空中からアンドロモンに突進したが避けられて地面に突っ伏した。
それでも飛び上がって再び体当たりをしたが、アンドロモンに投げ払われた。
「ガトリングミサイル!!」
ミサイルがカブテリモンを追跡する。
「くそぉ、アンドロモンに弱点はないのか!?」
「弱点……」
丈の言葉にアンドロモンを見つめる。
すると右足から電流が出ていた。
しかも、右足の部分はアーマーの部分が少なく、人間の筋肉とわずかな金属部品がむき出しの足となっている。
「あ! 右足だ!」
「ええ! ……カブテリモン、右足だ! アンドロモンの右足を狙え!!」
カブテリモンはミサイルを避けて、アンドロモンへ向かう。
「メガブラスター!!」
光子郎の指示通り、カブテリモンは右足に必殺技を放ち、見事命中した。
すると、アンドロモンの右足から、メラモンの時と同じ黒い歯車が出てきた。
「あれはっ!?」
「黒い歯車‥‥」
アンドロモンの右足から出てきた黒い歯車は空中で消滅した。
「消えた‥‥」
ふとアンドロモンを見ると、地面に四つん這いになっていた。
黒い歯車が抜けて、正気になったアンドロモンと話をした。
「機械に紛れ込んだ黒い歯車を取ろうとして、あんなことになってしまった」
「黒い歯車?」
「また?」
アンドロモンの話を聞く限り、やはりこの前のメラモンと同じようだ。
「助けてもらったのに、本当に申し訳ないことをした‥‥」
「気にすんなって、故障なんだから」
さらりとヤマトがアンドロモンにフォローを入れた。
「君たちの疑問に答えてあげたいが、私も答えを知らない……その代わり、ここから出る方法をアドバイスできる。地下水道を行くといい」
アンドロモンはそう言うと、後ろにあった地下に降りるための穴を指差した。
「ありがとう、アンドロモン」
「君たちの幸運を祈る……無事、元の世界に帰れるように」
アンドロモンは、アグモンたちが言うようにいいデジモンだった。
八幡たちはアンドロモンが記した工場の穴から地下水道に辿り着いた。
「よいしょっと!」
最後尾のミミが地下道の穴から飛び降りてきた。
「よーし、これで全員出てきたな!」
太一が確認をし、みんなで歩き始めた。
下水道を歩いていると、
「なんか、ジメジメして気持ちの悪いところだな」
「ああ……」
水の滴る音もずっとしていて、気分が晴れるようなところではない。
まぁ、下水道なのだから仕方がない。
(この環境下だとアイツらがいるかもしれないな‥‥)
八幡はこのジメジメとした薄暗い環境下を好むあのデジモンが多数生息しているのではないかと思った。
しかし、実際にその姿も痕跡も確認していないので、何とも言えなかった。
「ねぇ、光子郎さん。さっきパソコンでテントモンを進化させたんでしょ?」
タケルが光子郎に訊ねた。
「そうだよ」
「僕のパタモンも進化させられるの?」
「出来るかもしれないな」
「ほんと!?」
タケルが喜びの声をあげる。
「あ、あたしも進化出来るかもしれないのか!?」
すると、カマクラも光子郎に訊ねる。
「えっ?ええ、できるかもしれません」
「じゃあ、やってくれ!!」
「僕も!!」
カマクラとパタモンが光子郎に自分たちも進化させてくれと頼む。
「いいですよ。……あれ?」
光子郎がプログラムを打ちながら歩いていると、パソコンの電源がいきなり切れた。
「あれ?おかしいな……」
「どうした?また壊れたのか?」
「じゃないと思うんだけど……」
光子郎は首を捻る。
「工場から離れたから、とか?」
「そうなんですかね……」
さっきはバッテリーなくても動いていたのに‥‥
(携帯電話かよ‥‥)
光子郎のパソコンの現状に思わず心の中でツッコミを入れる八幡。
「そういうときは、叩くに限る!」
「そうさ!」
すると太一とアグモンがうきうきと拳を上げて、光子郎に近づいてきた。
「うわ!」
光子郎が前に逸れると太一とアグモンはそれぞれの拳にぶつかり、頬と頭にたんこぶが出来た。
「いてえ……!!」
「いたい‥‥」
「あんたたちの能天気は、叩いたって直らないって!」
空は腰に手を当て、太一とアグモンを叱った。
二人が肩を落とすのを見て、みんなは思わず笑い出した。
しかし、そんな中でカマクラは、
(あたしだって、完全体に進化出来れば‥‥)
自身が完全体のデジモンに進化できるかもしれないチャンスだったのだが、それが今回は、お流れとなったことに悔しがっていた。
とはいえ、光子郎に工場に戻って進化させてくれとは言わなかったことはカマクラも八幡のことを思って、それをグッと言葉を飲み込んだのだろう。
それに光子郎のやり方で進化したのは成長期のデジモンが成熟期デジモンに進化した。
既に成熟期ある自分が光子郎のやり方で完全体のデジモンに進化できると言う確実な保証はなかった。
カマクラが光子郎に強くせがまなかったのはそうした要因もあったからだ。
しかし、今回の件でカマクラに完全体への進化に対して、執着を抱かせるには十分な出来事であった。