やはり俺の青春にデジモンが居て、俺がDATS隊員なのはまちがっているのか?(リメイク版)   作:ステルス兄貴

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17話

 

 

おもちゃの町を後にして、雪が降る山間部へとやってきた八幡たち。

真夏の服装で雪が降る中での野宿は危険だったが、運よく源泉を見つけた。

温泉には入れなかったが、源泉の蒸気で、暖はとれ、しかもその場には、何故か温泉地帯にはそぐわない冷蔵庫がポツンとあった。

中を見てみると、そこは沢山の卵があった‥‥

夕食は卵料理づくしとなり、食後、今後の方針で太一とヤマトが揉めた。

太一の主張ではファイル島で一番大きな山、ムゲンマウンテンへ登ってみようと言う提案。

しかし、ムゲンマウンテンには凶暴なデジモンが生息していると言う。

ヤマトはそんな危険な場所へわざわざ出向いてみんなを危険にさらすようなことは出来ないと言う。

両者の主張は平行線となり、結論は明日へと持ち越しとなる。

そんな中、メンバーの中で最年長の丈が、最年長者としての矜持なのか、プライドなのか、一人でムゲンマウンテンへと登っていく。

八幡、カマクラ、ゴマモンは丈の動きに気づいており、彼の後を追う。

当初、口では強がりを言っていた丈も内心、嬉しかったりもする。

そして、現在、八幡たちはムゲンマウンテンの登山道を歩いていた。

 

「それにしても大きな山だな」

 

「そうですね。しかも険しすぎ、段差も多いし、坂が急」

 

「もう根をあげたのか?」

 

「だらしねぇな」

 

人間組と異なり、デジモン組はまだまだ余裕がみられる。

 

「そんなんじゃないよ!」

 

「いざとなったらオイラが手を貸してやるよ!」

 

「え、手? それ手だったの?」

 

「怒るよ?」

 

「冗談、冗談」

 

「あは」

 

「どうした?」

 

「丈にも冗談言えるんだ‥‥いや、なんでもない、行くぜ!」

 

ゴマモンは嬉しそうに笑うと、ずんずんと歩き出した。

 

「なんだったんだ、今のは‥‥?」

 

「ゴマモンなりに、先輩を励ましたんじゃないんですか?」

 

「そうなのかな?」

 

「多分‥‥ああ、あと先輩」

 

「ん?なんだい?」

 

「あまり一人で抱え込まない方がいいぞ」

 

「えっ?」

 

「ボッチの俺と違って、先輩には大勢の仲間がいるでしょう」

 

「ボッチって‥‥」

 

「ああ、アンタは知らないが、コイツは学校でも親しい友人は存在しない。あたしが目を光らせているが、もし、デジモンと言う存在がなかったら、コイツは学校でも苛めの対象になっていた」

 

「ぐっ‥‥正論なだけに否定できない」

 

(カマクラ君の言い方だと、なんだか普通にデジモンと暮らしている様な口ぶりだな)

 

丈はカマクラの言う八幡の学校生活にて、デジモンが周囲に存在しているのが当たり前のように聞こえた。

だが、少なくともこのファイル島に来るまで、自分の周りにはデジモンなんて存在はなかった。

しかし、丈は忘れている‥‥

彼はお台場に来る前は光が丘と言う場所に住んでおり、そこで、デジモンを見たことを‥‥

 

カマクラの発言に疑問を感じつつも、今はこのムゲンマウンテンの調査を優先させた丈は八幡たちと共にムゲンマウンテンの登山道を登っていく。

川を超えたり、丸太の一本道を渡ったり、洞窟を通り抜けたりと、ムゲンマウンテンの登山は順調に歩を進めた。

 

「ひどい道だな……」

 

「こわっ!!」

 

一人がやっと通れる崖に遭遇したときはどうなるかと思ったが、無事渡ることが出来た。

先に登り終えた丈がゴマモンを抱え、地面に着地させた。

 

「はーちょっと休憩!まだあと半分くらいかな」

 

「結構やるじゃん、丈」

 

「ゴマモンもね」

 

「あと半分か‥‥」

 

八幡がムゲンマウンテンの頂を見上げる。

その瞬間、地面が揺れ出した。

 

「なんだ!?」

 

「地震!?」

 

「まさかこの山、火山なのか?」

 

「まさか、噴火か!?」

 

「ムゲンマウンテンは火山じゃないはずだぞ」

 

ゴマモンは、ムゲンマウンテンは火山ではなく普通の山であると言う。

では、この振動はなんなのか?

噴火でないとすると地震なのか?

すると、背後の山が割れて、そこから黒い歯車が大量に出て来た。

 

「あっ、あれはっ!?」

 

「黒い歯車だ!」

 

「なぜあんなところから‥‥?」 

 

「行ってみよう、何かわかるかもしれない」

 

八幡たち黒い歯車が出て来た場所を目指して歩き出した。

 

「たしかここら辺だったんだけど‥‥」

 

「うーん‥‥仕掛けみたいなものは見当たらないな」

 

「確かにないですね。なんだったんだ一体」

 

しかしそこにはただ岩山があるだけで他は何もなかった。

だが、確かに黒い歯車はこの山間部から出ていくのを確かに確認できた。

 

「もっとよく探してみよう」

 

「ええ‥‥」

 

「待て‥‥何か来る‥‥」

 

「ん‥‥確かに、何か聞こえる」

 

「「えっ?」」

 

カマクラとゴマモンは何かを感じ取り、八幡たちも耳をすませる。

すると、太陽がすっかり登った空から羽ばたきながらなにかが来るのが見えた。

 

「馬?」

 

「いや、あれはペガサスか?」

 

「あ、ユニモンだ! 賢くて大人しいデジモンだよ」

 

「結構、レアなデジモンだ」

 

 

ユニモン

 

レベル:成熟期 タイプ:幻獣型デジモン 属性:ワクチン

 

伝説の聖獣、ユニコーンの角とペガサスの羽を持ち合わせた合成デジモン。

背中に生えた大きな翼で、コンピュータネットワークの世界を瞬時に駆け回り、額から伸びた鋭い角で敵を突き刺す。

野生のユニモンは暴れ馬のごとく気性が荒いが、手なずけてしまえば手足のように扱うことができる。

必殺技は大きな口から吐き出される気功弾『ホーリーショット』。

 

「隠れろ!」

 

丈はゴマモンを抱え、八幡の腕を引っ張った。

 

「なんだよ~ユニモンは大人しいんだから隠れなくても」

 

「君らのそのデジモン情報ってさ、当てにならないじゃん」

 

「確かに」

 

パートナーデジモンの野生のデジモン情報はこれまでことごとく外れてきた。

それはあの黒い歯車が原因なのだろう。

あの黒い歯車さえなければ、パートナーデジモンのたちのデジモン情報は当たっている筈だ。

実際にクワガーモンやヌメモンの情報は当たっていたし‥‥

 

「うーん、合っているとは思うんだけど、大体が縄張り争いをしていたり、あの黒い歯車が入っていたりしているから」

 

「なるほど、出会うタイミングが悪いんですね」

 

「そういうこと」

 

そんなことを話している間にユニモンは小さな滝まで飛んできて水を飲み始めた。

その光景は人間界では決して見ることのできない何だか幻想的で綺麗な光景だ。

 

「っあ、ほら。水を飲んでいる。あそこが水飲み場なんだ。綺麗だな‥‥」

 

八幡と同じことを思っていたらしい丈がぽつりと呟く。

 

「な? 大丈夫って言ったろう? もっと近くで見ようぜ」

 

「あっ、おい!」

 

ゴマモンがユニモンに近づこうとしたそのとき、突然音が聞こえてきた。

 

「ん?‥‥何か、来る」

 

その音は徐々に近づき、いつの間にか昇った太陽を背に現れる。

 

「なにっ!?」

 

「黒い歯車だ!!」

 

黒い歯車は真っ直ぐにユニモンめがけ飛んで来て、そのまま背中へと刺さってしまった。

 

「ああ!!」

 

「や、ヤバい」

 

「め、目が‥‥目が逝っちゃっているよぉ!?」

 

「こっちを見るな!!」

 

ユニモンの視線がこちらに移る。どうやら標的にされたようだ。

 

「逃げるぞ!」

 

八幡の言葉で、全力でユニモンから逃げた。

 

「うわあ!」

 

ユニモンの攻撃がすぐ近くに当たる。

 

「ゴマモン、何とか出来ないの!?」

 

「何とかって言っても‥‥」

 

「うわぁぁぁ!」

 

そしてついにユニモンが八幡たちの目の前に現れた。

後ろに逃げようと振り返ったが、既にユニモンの攻撃でふさがっていた。

こんな足場の少ない不安定な場所では、カマクラも満足に力を出せない。

 

「ダメだ、道がない!」

 

その間にもユニモンは口でチャージをしている。

もうすぐ放たれそうだ。

 

「くっ、イチかバチか‥‥カマクラ、アーマー進化だ」

 

八幡がデジヴァイスをカマクラに向ける。

すると、カマクラが首にかけている赤い真珠の首飾りがデジヴァイスと同調するかのように光りだす。

 

ブラックテイルモンアーマー進化―――――ネフェルティモン

 

カマクラはネフェルティモンにアーマー進化した。

 

「カースオブクィーン!!」

 

カマクラのカースオブクィーンとユニモンのホーリーショットがぶつかり合う。

そして、ユニモンを吹っ飛ばす。

しかしユニモンはすぐ起き上がり、ネフェルティモンに攻撃をした。

 

「ぐあっ!!」

 

ネフェルティモンは攻撃に当たり崖の下へ落ちてゆく。

 

「カマクラ!!」

 

八幡はすぐにネフェルティモンのところへ崖を下った。

 

「やろぅ‥‥」

 

ネフェルティモンはすぐに起き上がり、再びユニモンに向かう。

 

「ロゼッタストーン!!」

 

しかしユニモンが体当たりをかまし、再び崖の下へ落ちていった。

ユニモンが近くを通ると、背中に黒い歯車が浮き出てきた。

 

「黒い歯車!? あれを外せば‥‥」

 

「先輩?」

 

「てえーい!」

 

突然丈がユニモンの背中へと飛び乗った。

 

「これを……!」

 

「丈!」

 

「これを抜けば‥‥!」

 

丈は黒い歯車を必死に抜こうとする。

すると、ユニモンが痛そうに声をあげた。

 

「丈、止めろ、無理だよ!!」

 

「駄目だ、僕がやらなきゃ! 僕が皆を守るんだ!」

 

しかしユニモンは暴れて丈を振りほどこうとする。

 

「危ない!!」

 

「僕が一番、大きいんだから! 僕がみんなを守る、ああ!!」

 

そしてついに、丈は振り落とされてしまった。

 

「丈!」

 

「うわぁぁぁぁー!!」

 

「じょおおお!!」

 

ゴマモンの声が辺りに響いたそのとき、まばゆい光が一面に広がった。

 

ゴマモン進化――――イッカクモン

 

 

ゴマモンは更に大きなセイウチの様なデジモンに進化した。

 

 

イッカクモン

 

レベル:成熟期 タイプ:海獣型デジモン 属性:ワクチン

 

分厚い毛皮と頑丈な体は、極寒の地でも耐えられるような構造をしている獣型デジモン。

鋭い角はレアメタルの一つ「ミスリル」でできており、毛皮の下の体皮も同等の硬度を持っている。

足先の爪にあたる部分は、自分の意思で高温を発することのできるヒートトップ。

そのため氷上では、ガッチリと足場を確保できるが、あまり素早く動くことはできない。

戦闘時はライオンに似た堂々とした吠え声で相手を威嚇する。

必殺技は再生可能な角を射出する『ハープーンバルカン』。

 

「うわあっ!?」

 

落ちていく丈を起き上がったネフェルティモンがキャッチする。

 

「お前も無茶するな‥‥」

 

自身のテイマーが無事に助けられたことを確認したイッカクモンは、ユニモンに体当たりをかます。

ユニモンの攻撃が当たったが、イッカクモンはびくともしなかった。

 

「ハープーンバルカン!」

 

イッカクモンが必殺技を放つ。

しかし、全てユニモンはよけていた。

 

「ダメだ、あいつ速いぞ!」

 

 しかしその角から更にミサイルが出てきた。

ユニモンを追跡して、見事当たる。

イッカクモンの攻撃によって、ユニモンの歯車は粉々になり消滅した。

ユニモンもそのまま去っていった。

 

「やった‥‥やった、やった!!」

 

丈が喜ぶ。

 

「先輩の勇気が、ゴマモンを進化させたんですね」

 

「いやあ~」

 

丈は照れているが、

 

「それは違うよ」

 

しかし、ゴマモンはそれを否定する。

 

「丈の勇気というより、オイラが頑張ったおかげだよ、多分。いや、そうだよ。絶対そうに違いない!」

 

八幡とカマクラが呆れて見つめている中、丈はゴマモンと目線を合わすようにしゃがんだ。

 

「なんだ、やるか?」

 

「ありがとう、ゴマモン。君のおかげで助かったよ」

 

「えっ? う、うん」

 

ゴマモンは顔を赤くして、丈と握手をした。

丈の対応はゴマモンにとって予想外の対応だったみたいだ。

 

「照れているのか?」

 

「うるさい、照れてなんかないやい!」

 

「いや、どうみても照れているだろう‥‥」

 

「カマクラと同じ反応だからな‥‥」

 

その後、丈が残してきたメッセージを見た他のメンバーが追いかけてきて、八幡たちはムゲンマウンテンを登り、無事頂上に着いた。

しかし、頂上からの景色を見た後、顔色を変えた。

 

「こ、これは‥‥」

 

ファイル島は絶海の孤島だったのだ‥‥

 

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