やはり俺の青春にデジモンが居て、俺がDATS隊員なのはまちがっているのか?(リメイク版) 作:ステルス兄貴
DATSの施設に居たはずなのにパソコンの画面に現れた謎のデジモンの力により、八幡とパートナーデジモンのカマクラ(ブラックテイルモン)はデジタルワールドにある島、ファイル島へと強制転移させられた。
彼はそこで、集団生活をしている幼年期のデジモンたちに出会う。
彼らはこのファイル島で自分たちのテイマーを待っている様子だった。
待っているテイマーが居るのであれば、八幡が強引に連れて行くわけにもいかない。
それに島を回っていればそのうち、DATSの隊員が自分を見つけてくれるだろう。
八幡はカマクラと共にその場を後にした。
しかし一日中、島のあちこちを回ってみてもDATSの隊員がこのファイル島を巡回している様子はなく、その日はホログラムで出来た木を見つけたので、その中で一夜を過ごした。
「一日待ってもDATSの隊員‥‥来なかったな‥‥」
「ああ‥‥でも、デジタルワールドと言っても、人間が観測した箇所はほんの一部だって話だ‥‥この島が、まだ人間が‥‥DATSが観測していない箇所なのかもしれない」
「どうする?そうなった場合、八幡、お前さんはしばらくの間、ここに住まなければならないぞ。サバイバル生活、できるのか?」
「ボッチを舐めるな‥‥夏休み、冬休み、そして春休み、家じゃずっと一人だったんだ‥‥これぐらいの事‥‥それに、デジヴァイスの中にはデジタルワールドについての情報が書かれているアプリもあるし、何よりも今の俺は一人じゃない‥‥お前がいるだろう?」
「むっ!?ま、まぁ、そうだな。ボッチのお前さんを憐れんで一緒に居てやるんだ。精々感謝しろよ」
「分かっているよ、相棒」
それから八幡とカマクラのサバイバル生活が始まった。
ベースはこのホログラムで出来た木を寝床として、まずは食料調達だ。
食べ物に関して、八幡のデジヴァイスの中にはデジタルワールドに関する情報が掲載されているアプリがあり、食べられる植物やキノコ、薬草になる植物などが写真付きで分かりやすく掲載されていたので、八幡とカマクラはそれを頼りに食料と薬草の確保を行った。
「この葉っぱは薬草に使える葉っぱで、こっちのキノコは食べられるデジダケ‥‥カマクラ、魚の方は?」
「‥‥」
八幡がカマクラに声をかけると、カマクラが真剣な顔でジッと川の中を見ており、一瞬目を細めたと思ったら、
バシャ!!
その鋭い爪が生えた手で川をはたくと、岸にはビタン、ビタンと跳ね飛ぶデジコイやデジマス、デジフナが数匹いた。
食べられるキノコや魚の他にも小さいながらも肉の畑を運よく見つけることが出来た。
マンガ肉を土から引っこ抜くと、不思議なことに肉の表面に土は一切ついていない。
(映像で肉の畑の事は知っていたけど、原理はどうなっているんだ?)
引っこ抜いた肉を見ながら、首を傾げる八幡。
このデジタルワールドで人間界の常識を求めてはいけないが、しかし見れば見るほどこの肉の畑というのは不思議なものだ。
火おこしに関してはカマクラが一度成長期まで退化して、黒ガブモンのプチファイアーで火をおこした。
調理方法もアプリに掲載されていたので、それを参考にして調理。
と言っても鍋やフライパンがないので、基本は、獲った魚や畑から収穫した肉を枝に刺して焼くだけだった。
そんなサバイバル生活を小学生の八幡がしていると、普通ならば心細くなり、不安になり、泣きわめいてしまいそうだが、彼の場合、家庭環境がちょっと特殊な為、こうした環境下でもカマクラが居てくれたおかげで、不安になったりはしなかった。
サバイバル生活を初めて、三日‥‥
この日も八幡とカマクラは食料調達に出かけていた。
すると、森の奥の空から、
ブゥ~ン‥‥
虫の羽音が聞こえてきた。
ふと八幡が空を見上げてみると、そこには大きな赤いクワガタが居た。
クワガーモン
レベル:成熟期 タイプ:昆虫型デジモン 属性:ウィルス
頭部に巨大な鋏を持った昆虫型デジモン。
強靭なパワーと硬い甲殻に守られており、特に鋏の部分のパワーは超強力で一度敵を挟み込むと、相手が生き絶えるまで締め上げる。
ワクチン属性のカブテリモンとは完全に敵対関係にある。
必殺技は硬質の物質を簡単に切り裂くことができる『シザーアームズ』
「やべぇ、クワガーモンだ」
とっさに身を隠すが、すでにクワガーモンは八幡とカマクラの姿を確認しており、彼らをロックオンしていた。
クワガーモンは八幡とカマクラめがけて急降下してくる。
「くっ‥‥」
「ちっ‥‥」
八幡とカマクラは左右に跳び、クワガーモンの急降下アタックを躱す。
「やろう‥‥」
カマクラがクワガーモンを睨みつける。
キャッツアイもネコパンチも空を飛べるクワガーモン相手では効果が薄い。
クワガーモンは狙いやすい八幡を狙ってくる。
「ネコキック!!」
カマクラは八幡を囮に、クワガーモンの眉間?にネコキックをいれる。
クワガーモンは一瞬怯んだが、首を振り回し、カマクラを薙ぎ払う。
「ぐはっ!!」
カマクラは大木にたたきつけられる。
クワガーモンは八幡から自分の顔に傷をつけたカマクラに標的を変更した。
「はぁっ!!ネコパンチ!!」
真っ直ぐ突っ込んでくるクワガーモンに対してカマクラはネコパンチで応戦する。
クワガーモンの顔面にカマクラのネコパンチが当たるが、決定打ではない。
やはり、相手が空を飛んでいるせいか、衝撃が弱まっているのだ。
クワガーモンは、今度はカマクラを空へと放り投げる。
そして、逃げ場のないカマクラにとどめを刺そうと、その発達した二本の鋏の先端で串刺しするつもりだった。
「やばい、空じゃあ逃げ場が‥‥」
「カマクラ!!」
「くそっ、空を飛べたら‥‥」
その時、カマクラが首にかけている赤い真珠の首飾りが光った。
(なんだ‥‥?力が‥‥湧いてくる‥‥)
赤い光に包まれたカマクラは‥‥
ブラックテイルモン アーマー進化―――――――ネフェルティモン
ネフェルティモン(黒)
レベル:アーマー体 タイプ:魔獣型デジモン 属性:フリー
ブラックテイルモンがデジメンタルのパワーによって進化した、アーマー体の魔獣型デジモン。
古代種族の末裔でないテイルモンも、体を構成するデータの中に眠っていた特殊能力に目覚めアーマー進化できるようになったように、亜種でもあるブラックテイルモンも同様の進化を遂げた。
必殺技は通常のネフェルティモンと同じ、額の飾りから高熱の赤い光線を出す『カースオブクィーン』と、デジ文字が刻まれた古代碑文の巨石を召還して敵を攻撃する『ロゼッタストーン』。
「進化‥‥したのか?」
八幡にはカマクラの変化が分からなかった。
しかし、新たに進化したカマクラはその黒い翼を使って空を自由に飛ぶことが出来るようになった。
そして、下からカマクラを串刺しにしようとしたクワガーモンに対して、
「カースオブクィーン!!」
額の飾りから高熱の赤い光線を出すと、それはクワガーモンの口の中に入る。
「ぐぎゃぁぁぁー!!」
口の中に高熱の光線をぶち込まれたクワガーモンは墜落していく。
「八幡!!」
クワガーモンは完全に倒してはいないので、いつ起き上がるのか分からない。
カマクラは空から降りてくると、そのまま八幡を背中に乗せてこの場から逃げた。
そしてある程度、逃げると地上に降りた。
「ふぅ~‥‥ここまでくれば、あのクワガタ野郎も追ってこないだろう」
「それにしても、カマクラ、お前その姿‥‥」
「分からない‥‥この首飾りが光ったと思ったら‥‥」
「その‥‥進化‥‥だよな、姿が変わっているし‥‥」
八幡はもしかして完全体に進化したのかと思い、デジヴァイスに搭載されているデジモンアナライザーで今のカマクラをスキャンする。
すると、そこに表示されていたレベルは完全体ではなく、アーマー体と表示されていた。
「アーマー体?」
聞いたこともないレベルに首を傾げる八幡。
そこで、調べてみると、進化するには一部のデジモンとデジメンタルと呼ばれる特殊なアイテムが必要なのだという。
そして基本、アーマー体のレベルは成熟期と同レベルだと書かれていた。
ただし、これまでの観測の中でアーマー体に進化したデジモンは、ブイモン、アルマジモン、ホークモン、パタモン、ワームモン、そしてテイルモン‥‥
「そうか、カマクラもテイルモンの亜種だもんな‥‥でも、デジメンタルなんてアイテムは持っていないはず‥‥」
「いや、進化する直前、首にかかっているこの首飾りが光った」
「その首飾りが‥‥?じゃあ、その首飾りがデジメンタルなのか‥‥それにしても‥‥」
八幡はカマクラの首からぶら下げている赤い真珠の首飾りを見た後、カマクラの顔をジッと見て、
「な、なんだよ‥‥?」
「今のお前の顔、怖いな‥‥鉄仮面で、無表情‥‥夜、暗闇でその顔を見たり、朝起きて、目を覚ました時、隣で寝ていたら、マジで怖いぞ」
ネフェルティモン状態のカマクラの顔が怖いと言う。
すると、
「ふんっ!!」
ゴン!!
カマクラは八幡に頭突きをしてきた。
「いてぇ!!」
相手は鉄仮面で不意打ちな頭突き‥‥
痛い筈である。
「何しやがる!!」
「それはこっちのセリフだ!!いきなり人の顔を見て、失礼なことを言いやがって!!」
カマクラは顔が怖いと言われ、カチンと来たようだ。
それからカマクラは成熟期のブラックテイルモンに戻った。
「とりあえず、アーマー進化やデジメンタルについてもう少し調べてみよう」
八幡は額をさすりながら、デジヴァイスに入っているアプリを駆使して、アーマー進化、そしてデジメンタルについての情報を集めた。
「何かわかったか?」
「うーん‥‥それがどうも妙なんだ」
「ん?」
「これまでDATSが確認したデジメンタルは全部で8個‥‥そのどのデジメンタルにも所有者がいる‥‥」
「じゃあ、これは9個目のデジメンタルってことか?」
「おそらく‥‥でも、もう一つ気になることがある」
「なんだよ?」
「デジメンタルの形状だ」
「形状?」
「ああ、これを見ろ」
八幡はデジヴァイスの画面をカマクラに見せる。
そこには、勇気、友情、愛情、純真、知識、誠実、光、希望のデジメンタルの画像が映し出されていた。
それは、今、カマクラが首から下げている様な首飾り状のモノではなく、様々な形の置物の様な形状をしていた。
「これが、デジメンタル‥‥」
「ああ、DATSが所有者の人から貸してもらって撮影したモノらしい‥‥」
公式で存在が確認されているデジメンタルとカマクラが今、身に着けているとされるデジメンタルとではその形状も異なっていた。
「一体コイツはなんなんだ?本当にデジメンタルなのか?」
八幡はカマクラが身に着けている赤い真珠の首飾りが本当にデジメンタルなのか怪しくなった。
しかし、現にカマクラは今、目の前でアーマー進化を確かにした。
カマクラの証言が正しければ、カマクラが身に着けている赤い真珠の首飾りはデジメンタルと言うことになる。
ネフェルティモンに進化したと言うことはこの赤い真珠の首飾りは光のデジメンタルと言うことになるはずだが、ウィルス種‥‥しかも名前からして闇であるブラックが入るのに、光のデジメンタルで進化というモノ妙だ。
それにあの時のネフェルティモンはデジモンアナライザーに表記されているネフェルティモンと異なり、黒い体に黒い翼を持っていた。
まぁ、元となったカマクラがブラックテイルモンなので、当然なのかもしれないが‥‥
「あぁ~もう、分からん!!」
平凡な小学生の八幡では、デジモンの謎を解析するのには無理があった。
「まぁ、いいんじゃねぇか、これで空を飛ぶ奴もぶっ飛ばせるわけだし」
カマクラ本人は、そんな難しいことを一々気にせず、飛行可能となったことで、今後はクワガーモンの様に空を飛ぶデジモンとも戦えると不敵な笑みを浮かべていた。
「一応、お前自身のことなんだから、もう少し気にしたらどうだ?」
身体に何らかの影響が出るかもしれな進化にお気楽なパートナーデジモンに呆れる八幡だった。
テイルモンがアーマー進化できるのであれば、その亜種であるブラックテイルモンもデジメンタルがあればアーマー進化できる筈だと思い、今回カマクラはアーマー進化しました。
このデジメンタルは02のデジメンタルよりもVテイマーに登場したデジメンタルに近い代物です。
八幡の言う通り、ネフェルティモンの顔は‥‥ちょっとね‥‥
八幡のデジヴァイスはスマホをイメージしていただけたらと思います。
アプリに掲載されているデジタルワールドの情報の監修は八幡の世界の光子郎
薬草に関しての監修は丈
料理はミミの監修です。