やはり俺の青春にデジモンが居て、俺がDATS隊員なのはまちがっているのか?(リメイク版) 作:ステルス兄貴
小学校の夏休み企画であるサマーキャンプに参加したお台場小学校に通う太一たちは、突如、ファイル島と言う島へ送られた。
そこにデジタルモンスター、通称、デジモンと呼ばれる生物が暮らしており、太一たちにはそれぞれにパートナーデジモンが自分たちを待っていた。
見たこともない場所、そして見たこともない生物との出会いに困惑している中、ファイル島に住む、凶暴なデジモン、クワガーモンに襲われる太一たち。
とうとう崖っぷちに追いやられ、絶体絶命のピンチとなる。
「あいつ、まだ生きてやがった!」
パートナーデジモンの泡攻撃をくらって木に激突したクワガーモンは全然ダメージを受けた様子がなかった。
「くそー、このままじゃ‥‥」
「いかなきゃ‥‥」
「え?」
コロモンの呟きに、太一が聞き返す。
「ぼくたちが戦わなきゃ、いけないんだ……!」
「何言ってるんだよ!」
太一は困った顔でコロモンを見つめる。
コロモンはこれまでのクワガーモンとの戦いで傷ついているし、さっきの攻撃だって全然効果がないことは分かり切っている。
それでも、コロモンはクワガーモンと戦うと言う。
「そうや、わいらはそのために待っとったんや」
「そんな……!」
光子郎も心配そうな表情でモチモンを見る。
「いくわ」
「無茶よ! あなたたちが束になっても、あいつにかなうはずないわ!」
空が必死に叫ぶ。
「でも、いかなきゃ!」
「ボクもーっ!」
「オイラもーっ!」
ツノモンにトコモン、プカモンもそれぞれのパートナーの腕の中で暴れる。
「‥‥タネモン、あなたも?」
「うん」
ミミの問いかけにタネモンは頷く。
「いっくぞー!!」
コロモンが掛け声を出すと、パートナーデジモンたちはクワガーモンへと向かって行く。
「ピョコモン!」
「モチモン!」
「ツノモン!」
「トコモン!」
「プカモン!」
「タネモン!」
「コロモオオオオオン!!」
太一たちがそれぞれのパートナーの名前を叫んだ、その時だった。
空から七色の光が降り注ぐと、その光はコロモンたちに真っ直ぐと伸びた。
コロモン進化――――――――アグモン
ピョコモン進化――――――――ピヨモン
モチモン進化――――――――テントモン
ツノモン進化――――――――ガブモン
トコモン進化――――――――パタモン
プカモン進化――――――――ゴマモン
タネモン進化――――――――パルモン
「な、なんだ……!?」
幼年期ⅱのコロモンたちは成長期のデジモンに進化した。
アグモン
レベル:幼成長期 タイプ:爬虫類型デジモン 属性:ワクチン
成長して二足歩行ができるようになった、小型の恐竜の様な姿をした爬虫類型デジモン。
まだ成長途中なので力は弱いが、性格はかなり獰猛で恐いもの知らず。
両手足には硬く鋭い爪が生えており、戦闘においても威力を発揮する。
力ある偉大なデジモンへの進化を予測させる存在でもある。必殺技は口から火炎の息を吐き、敵を攻撃する『ベビーフレイム』。
ピヨモン
レベル:成長期 タイプ:ひな鳥型デジモン 属性:ワクチン
翼の部分が腕の様に発達している雛鳥型デジモン。
翼を器用に動かし、物をつかんだりする事ができるが、そのために空を飛ぶ事は苦手。
普段は地上で生活しているが、危険が迫ると空を飛んで逃げる。
しかし飛行能力は低い。
必殺技は幻影の炎『マジカルファイアー』。
テントモン
レベル:成長期 タイプ:昆虫型デジモン 属性:ワクチン
硬い甲殻を持つが、まだ攻撃性の低い昆虫型デジモンの原初タイプ。
前肢に1本、中肢と後肢に4本の硬質爪を持ち、特に中肢は人間の手並に器用に物をつかんだりできる。
必殺技は、羽で増幅させた静電気を飛ばす『プチサンダー』。
ガブモン
レベル:成長期 タイプ:爬虫類型デジモン 属性:ワクチン
毛皮を被っているが、れっきとした爬虫類型デジモン。
とても臆病で恥ずかしがりやな性格で、ガルルモンの残留データで作られた毛皮を被っている。
必殺技は『プチファイアー』。
パタモン
レベル:成長期 タイプ:哺乳類型デジモン 属性:ワクチン
大きな耳が特徴的な哺乳類型デジモン。この大きな羽を使って空を飛ぶことができるが、時速1kmのスピードしか出ないため、歩いたほうが断然に早いと言われている。
その飛行速度はピヨモンとほぼ同じ。
とても素直な性格で教えたことは良く守る。
またパタモンはホーリーリングを身に付けなくても、秘められた聖なる力を発揮することができる、古代種デジモンの遺伝子を受け継いでいるらしい。
必殺技は空気を吸い込んで一気に空気弾を吐き出す『エアショット』と大きな両耳で敵を叩く『ハネビンタ』。
ゴマモン
レベル:成長期 タイプ:海獣型デジモン 属性:ワクチン
陸上での活動が可能になり、体温を保つ毛皮で覆われた海獣型デジモン。
体を覆う短く白い体毛は成長するほど長くなり、更に成長すると茶色く変色していくという。
性格は、見るもの全てにちょっかいを出すやんちゃ坊主タイプ。
頭から背中にかけて生えている赤い毛はゴマモンの感情に合わせて動き、怒っているときは毛が逆立つ。
ゴマモンの爪は硬い氷を簡単に砕くほどで、侮っているといたい目をみる。
必殺技は子分の小魚達を操る『マーチングフィッシィーズ』。
パルモン
レベル:成長期 タイプ:植物型デジモン 属性:データ
頭にトロピカルな花を咲かせた植物型デジモン。
昼間は花と葉の様な腕を広げ光合成をしている。
普段は地中に根の様な足を埋め、養分を吸っているが、歩行することも可能。
頭部の花は、楽しい時や嬉しい時は甘い香りを漂わせ、怒った時や危険を感じた時は大型デジモンも逃げ出すほどの臭い匂いを放出する。
必殺技は強烈な毒性を帯びたツタを敵に絡ませる『ポイズンアイビー』。
「みんな、行くぞ!!」
太一たちが唖然としている中、アグモンの掛け声でパートナーデジモンたちは一斉に飛び出した。
進化してもさほど驚かないのか、クワガーモンは再び襲ってきた。
アグモンたちがなぎ払われ、地面に突っ伏す。
「これくらい大丈夫!」
しかし、すぐに立ち上がり、体制を整えていた。
進化したことで、防御力もアップしていた。
「ポイズンアイビー!!」
「エアショット!!」
「プチサンダー!!」
空に飛び上がろうとするクワガーモンをパルモンが自らのツタを絡ませ、動きを鈍らせる。
そこへ、パルモンとテントモンが上から必殺技を当てる。
その隙にゴマモンがクワガーモンの足元に上手く入り込み、クワガーモンを転ばした。
「みんな離れろ! ベビーフレイム!!」
「プチファイアー!!」
「マジカルファイアー!!」
片膝をついているクワガーモンに、アグモンとガブモン、そしてピヨモンが炎を放った。
「よし、もう一度だ!!」
パートナーデジモンが今度は一斉にそれぞれの必殺技をクワガーモンに当てると、身体を炎に包まれクワガーモンは倒れた。
これで、クワガーモンを倒したかと思い、パートナーデジモンと太一たちが喜んでいたら、クワガーモンはまだ倒されておらず、クワガーモンはハサミを地面に突き刺した。どんどんヒビが入っていき……そして、ついに割れた。
『うわぁぁぁぁぁー!!』
太一たちとパートナーデジモンは崖下に落ちていった。
コロモンたちがクワガーモンと戦っている時、海岸に居た八幡は、海岸を散策しようとしていたら、
ジリリリリン‥‥
公衆電話が鳴りだした。
八幡が電話に出てみると、
「も、もしもし‥‥」
「今日は7月65日、時刻は84時12分です」
「はぁ?」
受話器の向こうからはいたずら電話のようなでたらめな時報が聞こえてきた。
そして最後に、
「電話をかけても、無駄ですよ、むーだ!!」
(イラッ)
そう言って切れた。
「なんだ?これ?本当にイタ電だったんじゃ‥‥」
当然、これが外部からの連絡だとは思えないが、これが外部からのイタ電だったら、マジで質が悪い。
カマクラが出ていたら、きっと公衆電話にネコパンチをくらわせて破壊していただろう。
八幡が受話器を戻した時、コロモンたちを進化させた進化の光は海岸に居た八幡も確認できた。
「ん?なんだ?あの光は‥‥?」
「あれは‥‥進化の光だ‥‥」
「進化の光?」
「ああ‥どこかの誰かが進化したんだ‥‥」
「七つの進化の光‥‥」
カマクラが言うには同時に七体のデジモンが進化したことになる。
同時に七体のデジモンが進化することなんてあるのだろうか?
「行ってみるか?」
八幡が疑問に思っていると、カマクラが確認のために見に行ってみるかと聞いてきたので、
「ああ」
八幡はネフェルティモンの背中に乗り、七つの進化の光が灯った箇所へと向かった。
しかし、その場に居たのは一体のクワガーモンだった。
進化の光は七つあった‥‥
だが、この場に居るのはクワガーモン一体。
どう見ても、さっきの進化の光はこのクワガーモンではない。
では、進化の光を浴びたと思われる七体のデジモンたちはどこへ行ったのだろうか?
「あっ、このクワガーモンは‥‥」
「あの時のクワガーモンか‥‥」
八幡とカマクラはこのクワガーモンに見覚えがあった。
初めてカマクラがネフェルティモンの進化した時に出会ったクワガーモンだった。
クワガーモンは、あの時の屈辱を返すつもりなのか、ネフェルティモンに襲い掛かってきた。
「単純馬鹿め‥‥ロゼッタストーン!!」
自分に向かってくるクワガーモンに対して、ネフェルティモンは、クワガーモンの頭上にデジ文字が刻まれた古代碑文の巨石を召還してそれをぶち当てた。
「ぐわぁぁぁぁぁー!!」
ロゼッタストーンを頭上からくらったクワガーモンはその一撃でノックアウトされた。
「ふん、口ほどにもねぇ」
最初はあんなに苦戦していたクワガーモンだったが、サバイバル生活を経て、野生のデジモンと戦い経験を積んだカマクラはパワーアップしていた。
ノックアウトされたクワガーモンをカマクラはつまらなさそうに一瞥した。
一方、崖下に落ちた太一たちは、ゴマモンの必殺技、マーチングフィッシィーズで、魚たちを筏代わりにして川を下った。
そして、無事に岸についた。
「これからどうする?」
ヤマトはみんなに今後の方針を訊ねる。
「とりあえず、元の場所に戻ろう。大人たちが助けに来るのを待つんだ」
丈は元の場所へ戻り、そこで救助を待とう言う。
「戻るって言ってもなぁ‥‥」
「随分流されちゃったし‥‥」
「戻るって言っても、簡単じゃなさそうだぞ」
空とヤマトは丈の意見に難色を示した。
「じゃあどうしたらいいんだ? まず、道を探して‥‥」
「大体ここはどこなんだ? どう考えてみてもキャンプ場の近くじゃないぜ」
丈の言葉を遮り、ヤマトが疑問をぶつけた。
「そうですね、植物がまるで亜熱帯みたいだ」
「ほんまや!」
「え、わかるの!?」
「いんや」
テントモンの適当さに、光子郎は思わず肩を落とした。
「降りてきたんだから、戻る道もあるはずだ」
「そうね。とにかく戻ってみたら、どうしてこんなところに来たのか何か手がかりがあるかも」
丈の考えに空が賛同した。
「ええ!? でもさっきみたいのが他にもいるんじゃない?」
ミミはクワガーモンがトラウマになっているみたいだ。
「いるわよ」
そんなミミに対して、パルモンは森には普通に凶暴な野生デジモンが居ると伝える。
「ほらぁ!!」
「危険はおかしたくないな‥‥」
「他の人間は?」
太一が話題を変えてアグモンに訊ねた。
「にんげん? 太一みたいな?」
「うん」
「そういえば、この前一人会ったな‥‥」
「えっ?」
アグモンの答えに太一は唖然とする。
「本当にいたのか!?人間が‥‥」
「うん。黒いテイルモンを連れている人間だった」
「黒いテイルモン‥‥?」
聞いたことのないデジモンの名前に首をかしげる太一。
「そういえば、あの見せかけの木‥‥あそこには確かに誰かが生活をしている跡がありましたし‥‥」
光子郎は最初にクワガーモンに襲われた際に逃げ込んだホログラムで出来た木の中で、あそこには確かに生活感会ったことを思い出す。
「なぁ、ソイツ、どこに居るのか知っているか!?」
「わかんない。一回しか会っていないし‥‥」
「テントモンも知りませんか?」
「わてもあの人がどこへ行ったのか皆目見当もつかへん。すんまへんなぁ」
折角、人が居ることが分かったのだが、その人物がどこに居るのか、分からないことに落胆する太一たちだった。