やはり俺の青春にデジモンが居て、俺がDATS隊員なのはまちがっているのか?(リメイク版)   作:ステルス兄貴

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6話

 

 

ファイル島と呼ばれる見たこともない聞いたこともない島に突然送られた太一たち‥‥

そこで、彼らはデジモンと呼ばれる未知の生物と出会う。

そして、クワガーモンと呼ばれる凶暴なデジモンに襲われ崖から落ちるが、ゴマモンのおかげで何とか助かった。

岸へと無事についた時、アグモンに自分たち以外の人間の姿を見たことがないかと訊ねると、アグモンは、黒いテイルモンを連れた人間の姿を見たと言う。

しかし、アグモンたちはその黒いテイルモンを連れた人間がどこに行ったのかは分からないと言う。

 

「確か、ファイル島‥‥って言っていたわね」

 

「本当に島なのか?」

 

「聞いたことない名前ですよね」

 

「日本じゃないのか‥‥?」

 

「まぁ、少なくとも‥‥」

 

「どうする?さっきいた場所に戻りますか?もしかしたら、あのホログラムで出来た木に人が戻ってくるかもしれませんし‥‥」

 

「えぇ~あの森に戻るの!?」

 

最初に落ちた場所に戻るか、それとも別の場所に行くか、今後の方針が決まらない中、

 

「とにかく行こうぜ! ここでじっとしていてもしょうがないよ」

 

太一は行動あるのみと言わんばかりに歩き始める。

 

「おい、どこに行く気だ!?」

 

ヤマトは意気揚々として歩き出す太一を止めた。

 

「さっき、海が見えたんだよ!」

 

「海?」

 

「そう。だから、行ってみようぜ!」

 

太一はみんなの返事も聞かず、アグモンを連れてずんずんと進んでいった。

 

「行ってみるか?」

 

「ええ」

 

人が居るのが分かったのだが、肝心の居場所が分からない。

いつまでもここにいては先程のクワガーモンみたいな凶暴なデジモンに襲われかねない。

だからと言って、先程ほどの場所へ戻るにしても距離があり過ぎる。

それならと思い、ヤマトも空も太一についていく。

他のみんなも同じだった。

ただ一人、力説していた丈を除いて‥‥

 

「丈ー! 早くおいでよー!」

 

彼はゴマモンの呼ぶ声で自分が取り残されていることを知り、慌ててみんなを追いかけた。

太一を先頭に、一同は川沿いに道を進んでいった。

なお、ゴマモンは歩くよりも泳いだ方が早いのか、川で泳ぎながら進んでいる。

 

「見たことのない木ね」

 

「亜熱帯かと思ったけど、どうやらそれも違うようです」

 

空と光子郎が辺りを見渡しながら呟く。

 

「やっぱり日本じゃないのかな、どうも妙だ」

 

丈は未だにここが日本だと思い込んでいる様だ。

 

「大体このデジタルモンスターっていうもんからして妙だぞ」

 

「へ?」

 

ヤマトの言葉に、ガブモンが首を傾げる。

 

「デジタルモンスター……電子的なモンスター……」

 

「普通はデジモンでよろしいで」

 

デジモンたちの中では、略称で呼ぶのが常識のようだ。

 

「デジタルって言うような電子的な感じしないなぁ‥‥」

 

「え? 電気でっか? 出せますで、ほれ」

 

テントモンはバチバチと電気を出す。

 

「やめろよ!」

 

光子郎は慌てて止める。

こんな近くで電気なんて出されて感電したら大変だ。

 

「そういえば、黒いテイルモンを連れた人は、わてらの事を見ても、そんなに驚いてへんかったなぁ‥‥」

 

「それはデジモンを連れた後だったからじゃないんですか?」

 

「そうかもしれへんけど‥‥」

 

テントモンはあの時、出会った黒いテイルモンを連れた人間が光子郎たちとは異なり、あまりにもデジモン慣れをしている印象を感じていた。

 

「パタモンってさっき飛んでいたよね?」

 

「飛べるよ、ほら」

 

パタモンは耳らしき部分を一生懸命にはばたかせながら、飛んでいた。

 

「うわあ! すごーい! でも歩いた方が速くない?」

 

しかし、タケルの歩くスピードより遅いのが難点のようだ。

 

「あたしの方が速いわよ、ほら!」

 

ピョコモンも対抗心からか、両手の翼を羽ばたかせながら飛ぶが、

 

「どっちも変わらないわよ」

 

ピヨモンも歩いていた空に先を越されていた。

まさに団栗の背比べであった。

 

 

「パルモンって、何だか植物みたいよね」

 

「そうよ。光合成も出来るのよ」

 

「すごーい。やってやってー!」

 

「ミミ、光合成って何かわかっている?」

 

「えっ?よく知らないわ。どんなことなの?」

 

「いやあ、あたしもよく知らないんだけど」

 

ミミとパルモンの漫才の様なやりとりはみんなから気づかれずにスルーされた。

 

「ここにはデジモンしかいないんだよな?」

 

「そうだよー。でも、太一たちが来る前に確かに一人は居たよー」

 

「さっきのクワガーモンもデジモンなのか?」

 

「そうだよ」

 

太一の質問にアグモンが答えていく。

 

「あんなでっかいのがいるなんて……他にもいるのかな?」

 

「ここにはデジモンしかいてませんって、でも、アグモンの言うとり、確かに光子郎はんらが来る前に一人、人間が居てはったわ‥‥」

 

アグモンもテントモンも太一が来る前、確かに自分たちは黒いテイルモンを連れた人間と出会ったと主張する。

彼らが嘘をついている様子もない。

 

「ん? 海の匂いがしてきた!」

 

「おお! 見えたよ! 海だーい!」

 

ガブモンに続いて、ゴマモンが叫ぶ。

一同は海岸へとやってきた。

すると突然、

 

ジリリリリ‥‥ン

 

と、電話の音が鳴り響いた。

 

「ああ?」

 

「こんなところで電話の音……?」

 

気になった太一たちは、海に向かって走り出した。

海には七基の電話ボックスがあった。

こんなところに電話ボックスなんて妙だと感じながらも、太一はさっそく家に電話しようと電話ボックスに駆け込み、電話をするが、受話器の向こうから聞こえてくるのは出鱈目な情報ばかり。

太一たちは早々に切り上げたが、丈は諦めずに電話をかけ続けている。

 

「結構しつこい性格しているんですね」

 

光子郎はそんな丈を見て、何気に酷いことを言う。

 

「丈らしいよ」

 

太一は笑いながら言った。

 

「どこにかけても、聞こえてくるのはでたらめな情報ばかりだな」

 

「もう諦めて移動しようぜ」

 

「ちょっと待て!」

 

立ち上がる太一をヤマトが止める。

 

「こっちからかけられなくても、向こうからかかってくる可能性があるんじゃないか? さっきみたいに」

 

「ここでじっとしていても、時間の無駄だよ」

 

「しばらく様子を見たらどうだと言っているんだ! みんな疲れているんだぞ!」

 

ヤマトの言う通り、にみんな、疲れた表情をしている。

特に体力のないタケルとミミの疲労は目に見えている。

 

「お腹も減ってきましたね」

 

「そうだなー。お昼もまだだったもんな‥‥よし、休憩だ! 休憩!」

 

休憩することになり、空はみんなの持ち物を訊ねる。

その時、皆は、空から落ちてきたあのポケベルの様な機械を持っていたことに気づくが、今は役立ちそうにない。

今は自分たちの空腹を満たす食べ物が役立つ。

何か食べ物はないか?

役立つモノはないか?

その結果、タケルが持っていたお菓子、丈が持っていた非常食、ミミが持っていたサバイバルキットが役立ちそうだった。

タケルのお菓子と丈の非常食を人数と日数で分ける。

デジモンたちは自分で食料調達はするので、大丈夫だと言うが、お腹が減っている様子に見える。

太一は自分の分の非常食をアグモンに食べさせていた。

 

「どうだ?うまいか?」

 

「うん」

 

「あぁーそれは人間用だって言ったのに!!」

 

「いいじゃねぇか、別に」

 

パートナーデジモンの中でアグモンだけはこうして食にありつけた。

休憩していると、ピヨモンがバッと立ち上がった。

 

「どうしたの?」

 

「……来る!」

 

海の方をキッと鋭い目で睨みながらピヨモンはそう言った。

次の瞬間、砂から水が吹き出した。

その水で、どんどん電話ボックスが破壊されていく。

そして砂の中から現れたのは大きなヤドカリのようなデジモンだった。

 

 

シェルモン

 

レベル:成熟期 タイプ:軟体型デジモン 属性:データ

 

「ネットの海」の浅い海底に棲むヤドカリの様なデジモン。

貝殻の中に住み着いたカメの様な風体をしているが、実際は軟体動物のように柔らかい体をしている。

成長すると体がどんどん大きくなるため、その度に住処を替え小さな岩山程の大きさになってしまう。

また、体がすっぽり入るものなら、何にでも住み着いてしまう習性を持っている。

知性は低く、好戦的な性格なのでシェルモンに出会ったら気をつけねばならない。

必殺技は、液体を高圧で発射する『ハイドロプレッシャー』。

 

 

「シェルモンや!」

 

「シェルモン!?」

 

「この辺はあいつの縄張りやったんか!」

 

「シェールー!!」

 

「皆、こっちへ!」

 

丈が崖を登るが、シェルモンに見つかり水鉄砲で落とされる。

 

「うわぁぁぁぁぁー!!」

 

「丈ー!」

 

海で泳いでいたゴマモンがこちらに戻るが、水鉄砲でやられていた。

 

「行くぞ、みんなー!」

 

「頼んだぞ、アグモン!」

 

「ベビーフレイム!」

 

「プチファイヤー‥‥あれ?」

 

「マジカルファイヤ‥‥あ?」

 

「プチサンダー‥‥ああ?」

 

アグモン以外のデジモンの必殺技は不発に終わる。

そしてシェルモンの水鉄砲でデジモンたちが吹き飛ばされてしまった。

 

 

「アグモン!」

 

「くそぉ‥‥」

 

アグモンだけは立ち上がり、再びシェルモンに向かっていく。

 

「エアーショット‥‥あれ?うわぁぁー!」

 

「ポイズンアイビー……あら?いやぁぁぁぁぁー!」

 

「ベビーフレイム!」 

 

やはり、アグモン以外のデジモンの必殺技は不発に終わる。

 

「なんでアグモンだけが!?」

 

「すんまへん、腹がへって‥‥」

 

「え?」

 

「ガブモン!」

 

「力が出ない~」

 

テントモンとガブモンは息絶え絶えにそう答えた。

 

「そうか、さっきアグモンはご飯食べたから!」

 

空がピヨモンを抱えて声を上げた。

 

「アグモン、俺たちだけでなんとかするぞ!」

 

「わかった太一!」

 

アグモンは太一さんの声に頷くと、再びシェルモンの元へ駆け出した。

 

 

その頃、八幡とカマクラは、クワガーモンを倒し、一度ベースとなるホログラムで出来た木に戻ったその時、

 

「ん?靴の後‥‥」

 

そこには人間の靴の痕があった。

 

「誰か来たってことか?」

 

「もしかして、DATSの隊員か?」

 

「いや、靴の大きさからして俺と同世代の大きさだ‥‥誰か他にも俺と同世代の人間が‥‥あっ‥‥」

 

そこで八幡は、ここに来た時、奇妙な集団生活をしているデジモンたちの事を思い出した。

たしかあの場に居たデジモンは七体‥‥

そして海に居た時、見た進化の光も七つ‥‥

 

「もしかして‥‥」

 

八幡はここに来たのは、あの奇妙な集団生活をしていたデジモンたちのテイマーではないかと思った。

テイマーならば、デジヴァイスを所持している筈だ。

近くに居るなら、デジヴァイスに反応がある筈。

八幡はデジヴァイスをサーチャーモードにして、他のデジヴァイスの反応を探る。

すると、さっきまで自分たちが居た海岸に七つのデジヴァイスの反応があった。

 

「入れ違いかよ!!」

 

デジヴァイスの反応に思わず突っ込んでしまう。

 

「いくぞ、カマクラ」

 

八幡は寝床に隠してあった食料や薬草を持ち、ネフェルティモンに進化したカマクラの背中に乗り、海岸を目指した。

 

その海岸では太一のアグモンが成熟期のグレイモンに進化した。

 

 

グレイモン

 

レベル:成熟期 タイプ:恐竜型デジモン 属性:ワクチン

 

頭部の皮膚が硬化して甲虫のような殻に覆われた恐竜型デジモン。

 

鋭い爪、巨大な角を持った全身凶器のような体で、非常に攻撃的なデジモンである。

しかし、知性が高く手なづけることが出来れば恐らくこれほど強いモンスターはいない。

必殺技の『メガフレイム』は口から超高熱火炎を吐き出し全てを焼き払う。

 

 

「メガフレイム!!」

 

グレイモンが口から超高熱火炎を吐き出し、シェルモンは頭部から水鉄砲を放った。

水が蒸発して、水蒸気が湧き出ている。

互いに必殺技をぶつけ合うが、成熟期に進化したばかりのグレイモンと成熟期の時間が長いシェルモンの戦いは、時間が長引けばシェルモンの方が有利であった。

徐々にシェルモンの水鉄砲がおしてくる。

このまま負けてしまうのか?

その時、

 

「ロゼッタストーン!!」

 

シェルモンの頭に岩の塊が落ちてきた。

 

「シェェェルゥゥゥゥー」

 

突然の頭部への奇襲によろめくシェルモン。

グレイモンはその隙を見逃さず、頭の角にシェルモンを乗せて海へと放り投げる。

 

「シェェェルゥゥゥゥー」

 

叫び声を上げながらシェルモンは海の彼方へと落ちた。

そして、グレイモンは光を帯びて、アグモンに戻った。

 

「ア、アグモン! 戻ったんだ‥大丈夫か?アグモン!?」

 

「太一ぃ~‥‥」

 

「ん?」

 

「腹減ったぁ‥‥」

 

「は、はは」

 

思わず太一は笑みをこぼした。

そして、太一たちが空を見上げると、そこには黒い翼の生えた鉄仮面を被った猫の様なデジモンとその背中に乗る同世代の少年が居た。

 

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