気付いたら、カルデア新所長だった件   作:雪風冬人 弐式

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色々と忙しくて間が空いて、申し訳ない。

誤字報告やお気に入り登録ありがとうございます。

今回、俺TSUEEEE要素が過多となっています。
また、設定等もふわっと考えたものですので、公式とは違う部分があるかもしれません。

あと、最初に言っておきます。戦闘描写は苦手だ。

それでも良ければ、続きをどうぞ。


転 side space

 成層圏を浮遊する、とある大富豪が道楽でメイドの要望に応えて飛ばしたとされるスペースシャトルの中。

 管制室の中には機械だけでなく、見知らぬ言語や魔法陣も刻まれて科学と魔術が交差したようなSFチッキな空間となっていた。

 

「目標、確認。射程圏内に入りました」

「術式起動!マスターに変わって号令する。冠位決指定決戦(グランドオーダー)、開始!!」

 

 その日、世界中の宇宙関連の機関に困惑が広がった。

 地球に接近する一つの彗星とそれに随伴していた七つの隕石が、突如観測出来なくなったのだ。

 だが、その困惑も僅かな間だった。

 人々は自分達が、先程まで何に困惑し、慌てていたのか不思議に思いながらも通常業務に戻り、やがてその出来事を綺麗に忘れてしまったのだった。

 

―――全ては、夢の話。さてさて、ボクももう一仕事しないとね。

 

 何者かの声を聴いた気がしたとある研究員が、部屋の片隅に一輪の花が咲いているのを見かけた。

 しかし、もう一度見た時には消えており、その研究員は見間違いかと結論付けたのだった。

 

 

「団体様をごあんな~い!楽しい楽しい舞台の始まりね!光殻湛えし虚樹(クリフォー・ライゾォム)!」

「さて、取って置きのご開帳といこうじゃないか。刮目せよ、混元一陣(かたらずのじん)!!」

「地に瞬く願いの光。堕ちた月は、無垢なる願いを束ね天を望む。宇宙(そら)に夢を、星天を照らせ地の朔月(ほしにねがいを)!」

「さぁ~て、一仕事した後のボクにこんな大仕事とか。ほんとマスターはクズだなあ。さてさて、あるマスターの話をしよう永久に閉ざされた理想郷(ガーデン・オブ・アヴァロン)

 

異星の神。そう呼称される地球外生命体が、目標の星に根を下ろそうとした時、それは現れた。

 地球に向けて降下している最中に、目の前に昏い穴が開いたかと思うと彼等を呑み込み、気が付いた時には極彩色の空間が広がる大地の上であった。

 

「バカな!!サーヴァントの待ち伏せだと!?」

 

異星の神の尖兵として、蘇ったキリシュタリア・ヴォーダイムと彼によって甦ったクリプター達は有り得ない事態に思わず呆けてしまう。

その隙を逃す程、彼女達は甘くなく本体と七つある本体から延びる根に攻撃が加えられる。 

 咄嗟に防ごうと動くキリシュタリア達だったが、ロシア、北欧、イギリス、南米に根付く筈だった根が閃光に貫かれ、根元から切り払われ、修復不能なほど捻じ曲げられ、押し寄せた波によってポッカリと開いた漆黒の穴に吸い込まれて消えた。

 

「一本でも刈れればいいと考えていたが、四本も刈れるとはね。重畳重畳」

「メイド……だと!?」

 

そして、自分達の前に立ちはだかった人物達の統一された衣装にも、さらに驚くことになった。

 

「ひいふうみい、と。クリプターは六人。おやおや一人、足りないね」

「いないのは仕方ない。ボクらはボクらで、与えられた仕事をするまでだ。美遊ちゃん、辛かったら遠慮なく下がりなよ」

「大丈夫です、マーリンさん。皆さん、魔力のことは気にせず全力で戦って下さい!!」

 

 呆気に取られていると、キャスターと思われるメイド達によって各クリプター達とそのサーヴァントは戦闘に突入したメイドと共に再び別の空間に分断されてしまった。

 残ったのはキリシュタリアとそのサーヴァントたるギリシャの英雄カイニス、異星の神のみであった。

 対峙するのは、七人のメイド達。

 

「メイドセイバー、宮本武蔵!」

「メイドアーチャー、アルテラ・ザ・サン[タ]!」

「メイドランサー、個体名オルトリンデ!」

「メイドキャスター、マーリン!」

「メイドライダー、アルトリア・ペンドラゴン!」

「メイドアサシン、カーマ!」

「メイドバーサーカー、謎のヒロインX[オルタ]!」

「七人揃ってぇ!」

『メイド戦隊、グランドレンジャー!!』

 

 七人のメイドが各々が違うポーズを取って名乗りを上げると、何故か背後で爆発が起きた。

 

「おいマスター、アイツらふざけているがヤベぇぞ。下手すりゃ、冠位並みの霊基まで昇華してやがる」

「グランドサーヴァントが、各クラスで揃っている、だと!それじゃあ、私達はまさか……」

 

 キリシュタリアの前に立つカイニスは彼女達の実力を察して全神経を集中させているに対して、何かに気付いたキリシュタリアは顔を俯かせて体を震わせる。

 それは、武者震いなのか屈辱からなのか、本人にも理解出来ない複雑な感情から来るものであった。

 

「あなた達が地球を漂白して、人類史を造り直そうとするのがどんな想いから来ているかは興味はあります。が、知ったところで意味はありませんので、排除させてもらいます」

「オルトちゃん、言うようになったねぇ。ま、そんなわけで、倒させてもらうわ」

「私ィ、残業はしない主義なんで、抵抗しないと助かるんですが」

 

 メイド達の会話が聞こえていたキリシュタリアは、自分達が厄介者扱いされていることにとうとう自身の理性に限界に限界が来たのを感じた。

 

「我が令呪を持って、従者に命じる!奴等を殺せ。躊躇せず、一切合切滅するんだ!!私達の偉業を成し遂げる為に!!」

「応よ、マスター!目に物を見せてやるぜ!!」

 

 こうして、人知れず人類史を左右する侵略者との決戦の火蓋が落とされたのだった。 




 止めて!ここで戦隊物定番の合体武器攻撃をくらったら、カイニスはやられて戦力が無くなっちゃう!
 そうしたら、自信満々で自分達が正しい人類史を創るとイキってたなろう系主人公っぽいキリシュタリアはどうなっちゃうの!?
 大丈夫、まだ一言も喋らずに退場予定になっちゃってる異星の神様がいるから、まだマシな扱いだよネ!!

次回「キリシュタリア 死す」

※嘘です。

 カルデア側の予定です。

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