暗殺教室〜自分のスタンドは暗殺向きです〜 作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない
〜銃俉side〜
………知らない天井だ。いやマジで。えーと、俺はどうなったんだ…?不良の奴らに制裁を加えて…それで俺は…フラフラし始めたんだっけ…?そっから……、駄目だ、思い出せねぇ。
(そーいや、神崎と茅野は大丈夫だったのか…?とてもあの後不良達がまた襲って来るなんてそんな事は無いとは思うが…)
……まぁ、今はここがどこなのか確認しねーといけねーな。そう判断し、俺は隣に寝ている神崎を起こさない様に起きる。
えぇ……?何でぇ…?
何で俺が寝てたすぐ横で一緒に寝てるんですかねぇこの子俺男だよ?ねぇ俺男だよ?そこの所分かっててこんな事してんの?よし分かったそこまでの『覚悟』があるのだったら致し方なし、俺も『覚悟』を決めなくてはならないな(ゲス顔)。不詳、この鷹田銃俉、男になります!覚悟はいいか?俺は出来て「んぅ…」ってキャァァァァァァッ!!抱きついて来たよこの子ッ!?何してんのッ!?あぁ〜なんか柔らかいんじゃあ〜ッ。不味い、このままだと不味い!さっきの『覚悟』はすまん、ありゃ嘘だった。こんな事を見せられて、通報しねぇ奴なんか居ねぇッ!!…と、とりあえず起こさない様に離れて…
「んー…んん?たかだくん…?」
終 わ っ た 。
えぇそりゃ見事に終わりましたよね。…どうする?マジで。
①ハンサムな銃俉は突如この窮地を逃れられる返答を思いつく。
②仲間が来て助けてくれる。
③もうどうにもならない。現実は非情である。
個人的には②を推したいが助けに来た奴がカルマだったりしたらそれは間違いなく③のルートに行くことになる。とはいえ、①はそんなに俺は口は上手くない。そんなベストな対応もできるわけない。しかし③は駄目だ。③だけはやめてくれ。
すると、神崎に変化が訪れた。
「た…鷹田、君…?」
と、潤んだ瞳でこちらを見てきた。
答えは③ッ!現実は非情であったッ!
「鷹田君ッ!!」
うおおおおおっ!?何故抱きつく!?何で俺に抱きついてくるんだッ!?
「良かった…本当に良かった…鷹田君…血がいっぱい出てて…輸血しないといけない量で…」
…そうだったのか。俺、結構ヤバい状況だったんだなぁ〜ッ。…そう考えると、よく生きてたな俺。車から振り落とされても、無事生還って…我ながら悪運強いって思うぜ〜ッ。
「大丈夫だ。俺はラッキーマンだからな!こんな事じゃ死なねーよ」
「それでも!!」
俺は大丈夫だと言っても、神崎は自分を責めていた。…やれやれだ。俺は、また泣きそうになっている神崎の額に向けて、
「そいやっ」
強めのデコピンを放った。
「あうっ!?」
急に額を襲う軽い痛みに驚く神崎。俺はそれを気にも止めず、神崎に話す。
「神崎。あのな?『過去』のお前のミスであんな状況になった。それは確かだけどな?
「……え…?」
「お前は『今』、確実に困難を乗り越えて先に進んで行ってる。…それだったら、今回みたいな『トラブル』だったとしても、俺は喜んで『巻き込まれて』やる。…それが、お前のためになるんだったらな」
「……!」
…アレ?なんか俯いたまま動かないぞ?…や、やっぱりちょっとキザっぽかった?
「ま、まあ、どんなに危険な事が起きても、俺と『ピストルズ』が居れば安心だけどなぁ〜ッ!」
「………」
く、空気が重い……。
「そ、そういうことだから!じ、じゃあ俺はもうちょっと寝とくよ…」
どんよりした空気から逃げるように、俺は布団を被る。…しばらくして、神崎も動き始めた。…とりあえず、寝よう。そう思い、俺も体制を変える。すると、
布団の中に神崎が潜り込んできた。
「えぇ……?」
なんでぇ…?どういう動機でこんな事をしたのか詳しく教えてくれると助かるんですが。
「……♪」
どうしてそんなに楽しそうに俺に密着してくるんでしょうかねェ!?
「お、おい神崎?何を血迷ったかは知らんが、とりあえず布団から出てくれ」
「や」
「嫌…「や」じゃなくてね?」
「これは…お礼。私を守ってくれたお礼」
「いや、気持ちだけで充分だから…とりあえず出て「嫌。だって、これも私にとっては『前に進む』為の重要な事なの。だから出ない」
えぇ……?」
「それに、今は私だけを見てくれるチャンスだから…絶対離れない」
おおぅ…。今、背筋がゾクッてしたぞ…なんだ今の……!?おいおい、やめろ!脚を絡めるなッ!?何考えてんだこいつッ!?
「おいっ!ちょっと…マジで…!」
ギュゥゥゥゥゥゥッ!!
なんだこれ!?蛇みたいに絡んで来て離れないぞッ!?
「ん〜♪」
グオオオオオオオッ!?柔らかい物が俺の背中にィィィィッ!
ま、マズイッ!この状況はマズイッ!早く抜け出さないと…!
「鷹田!大丈夫!?お見舞い来、た、けど…」
「あらら〜?これ、俺たちもしかしてお邪魔しちゃった?」
「鷹田ァ…………ッッ!!!」
何でこの状況で来るかなぁッ!?渚の気持ちは嬉しいけど!嬉しいけど今は違うじゃん!?しかも一番バレたら厄介になる野郎もいるしよぉ〜ッ!?杉野は…なぜか血涙流してる。…なんかゴメン。
「いやぁ〜!良いものを見せさせて貰いましたよ〜?鷹田君」
「何でナチュラルにここに居んだよタコ野郎!?」
「カッコよかったですねぇ〜、『俺は喜んで巻き込まれてやる(キリッ)』なーんて!」
「…こいつ殺す!絶対殺す!オイコラこのドグサレタコモドキがぁーーーーッ!!」
殺意が湧き出て来るぜぇーーーッ!!
俺がタコへの殺意を改めて実感した所で、また新たな人物が部屋に入って来た。
「大丈夫!?ジューく…ん……?」
「起きたって聞いたから来たんだけど………」
「………」
陽菜野と片岡と速水が揃って死んだような目でこちらを見ていた。
「あのですね?これは偶然という偶然が重なって…」
「黙れ、死ね」
「エェッ!?」
って!おいっ!エアガン撃ってくんなよ!俺怪我人だぞ!?いくらなんでもそれは…ギャーーーーーーッ!!
…こうして、俺の修学旅行は終わっていった。…はぁ。
ありがとうございました!