暗殺教室〜自分のスタンドは暗殺向きです〜   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

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どうも、ナメツムリ絶認です。最近、机にぶつけた時に、足の小指より薬指の方が痛いんだと理解しました。
それでは、どうぞ!


病みの時間

…おはようございます、銃悟です。突然だが、質問だ。みんなは朝に布団の中で目が覚めたらすぐ起きるタイプかな?それとも、スマホとかを弄っちゃうタイプかな?…俺は後者だ。と言う訳で、枕元にあるスマホを手に取る。んー…何を見ようか。…時間もまだある事だし、最近話題の『ヒョヒョの異常な探検』でも見るかー。確か最新話が昨日配信だったはず……。そう思い、スマホのロックを解除する。すると、いつもの無骨な背景がーーーー

 

 

[おはようございます、銃悟さん!]

 

 

映るはずのスマホの画面には、紫色の髪の毛のクラスメイトが映っていた。

 

「……?……うん、…?」

 

分からない。何で俺のスマホに律がいるのか分からない。とりあえず、何故ここに居るのか理由を聞こうと、

 

「な、なぁ律?なんで俺のスマ[ねえねえ銃悟さん?何で、何で他の女の情報があるんですか?]ホォゥ……」

 

…?何で女の情報があったらダメなんだ?一応クラスのグループメールに入ってるからか?嫌、でも何故俺は責められてんだ?

 

[私、嬉しかったんですよ?私の記憶がそのままになっていた時に、銃悟さんは泣いて私に抱きついてきました。なんて可愛いんだろう、って思ったんです。あんなに私をかっこよく守ろうとしてくれた貴方が、そんな反応をするなんて…と思いましたし、それと同時にまだ見ぬ貴方を見たいと思ったんです。全て、全て、全ての貴方が見たいぃぃ…]

 

朝は十文字以上の言葉は分からなくなっておりますの!…と言えばどれだけ楽な事か。なんだ?呪文か?なんか律の目から光が無くなってるしよぉ〜っ。ドライアイなのか?

 

[なのに…なのになのになのになのにッ!!何で私以外の他の女が貴方の携帯にズカズカと入り込んでるのッ!?貴方の側に居るのは私だけで良いのにっ!!………もう、いらない子なんですか?散々あれだけして、すぐに捨てるんですか…?]

 

……眠い。やべー、マジに眠くなってきた。でも何か『返答』をしなければまずい。後には引けない気がする……ッ!…なんだ?最後だけ聞き取れたぞ…?『いらない子』…?『捨てる』…?……携帯の機種変更の話か?いや、現状で満足しているんだが…しかも最近のスマホはややこしいからなぁ〜ッ。変える気なんかさらさら無いね。

 

「律。俺は絶対に捨てない。もし捨てるとなると、これからの人生の幸せが無くなって行くからな。安心しろ。俺は、絶対に捨てないッ!」

 

[…じゃあ、じゃあなんなんですかコレは!?『〜幼馴染が俺に迫って来た!?…それなら、俺も責めてやる〜(R18)』って!!」

 

 

「キャーーーーーーーーーーッ!!!」

 

 

一人暮らしの男の家に、一人の乙女の様な声が響いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

エロい動画の所持を同じ学校のクラスメイトに知られ、さらにタイトルを音読された一人の哀しき男の姿が、そこにはあった。……って言うか、俺だった。……はあ。

 

「…なあ、何で俺のスマホにいるんだ?」

 

トーストを齧りながらスマホの中でこちらをじっと見ている律に問いかける。すると、律は朗らかな笑顔で、

 

[皆さんの携帯に私の端末を入れてみました。モバイル律とお呼び下さい!]

「へー…」

 

すごいな、そんなことも出来んのか。最近の機械はすげーなぁーっ。

…ちなみに、さっきの動画は律が消したらしい。怖かったなぁ…表情一つ変えずに三次元の女子より二次元の女子の良さを語るんだもん。最終的に「二次元カワイイ」って言ったら、[そ、そんなことないですよぅ…]って照れてんだよ。ちくしょう可愛い。

 

[さて、いつもの家を出る時間に近づいて来ましたね!それでは、私は先に教室に行ってます!くれぐれも浮気はしないように、ですよ?それでは!]

 

プツン、と画面が真っ暗になる。トーストを食べ終えた俺は、ぽつりと呟いた。

 

 

 

「……なんで俺の家出る時間知ってんの?」

 

ピロン。

 

メールが来る。そこに書いてあったのはーーー

 

 

[イツモ、見テマスカラーーーーー]

 

 

 

 

……ヒェッ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言いようのない恐怖感に襲われた俺は、早めに登校し、学校の正門でクラスメイトを待っていた。一人で教室に入れなかったのだ。…笑えよ。

 

「あれ、鷹田君?何してんの?」

「…矢田」

 

やさぐれていると、傘を持った矢田が現れた。矢田は心配した様子でこちらを覗き混んでくる。ああ…今日も俺の天使。

 

「いや…自分の弱さに嫌気が刺してな。今ここで『自己嫌悪』中って訳だぜ…」

「………」

 

はあ…。同級生、しかも女子にこんな姿を見せるなんて…なんてヤローなんだ、俺は…情けなくて涙が出てくるぜ「そんなことないよ」…?

 

「鷹田君は弱くなんかない。みんなを元気にさせてくれるもん。それだけでも凄いことでしょ?それに、神崎さんの件だって…真っ先に動いたのは鷹田君だった。そんなこと、普通の人には出来ないよ」

 

「矢田…」

 

「鷹田君には『自己嫌悪』する資格はないよ。……だって、嫌悪するところが無いんだもん。だから…さ?元気出して?」

 

「元気になったよーーーーーーーーーッッ!!!」

 

 

上目遣い+励ましの言葉+はにかみ笑顔=女神ッ!めっ!がっ!みッ!

…何を迷っていたんだ、俺は。そうだよな…うじうじしてちゃ何も変わらねえッ!!俺は矢田の手を掴んだ。

 

「ひゃっ!…た、鷹田君…?」

「ありがとう!矢田!元気出たぜ〜ッ!」

「う…うん!良かったよ!元気出してくれて…。元気が無い鷹田君なんて、私の気になる鷹田君じゃあーーーーーー」

「律がなんぼのもんじゃーい!『怖い』?いいや、違うねッ!!あんなの『可愛い』もんさ!ッハッハッハッハーーー」

 

 

 

 

 

 

       「は?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーッッ!!?ッ!!?

 

 

 

 

「可愛い…ねぇ…?ふぅ〜ん、そんなこと言っちゃうんだ」

 

さっきまで天使の様な笑みを浮かべていた矢田が、俯く。…嫌な予感がする……ッ!?

 

「……律は確かに可愛いもんね!その気持ち分かるよ〜?」

 

……あれっ。さっきまでの寒気が無くなったぞ?…あれ、気のせいだったのか…?うーむ………。

ま、いっか!

 

《ジューゴ…モシカシテ分カッテナイ?》

《アイツヤッベエナー…(戦慄)》

《『鈍感』モココマデクルト逆ニ尊敬スルゼェーーッ》

 

 

 

 

[おはようございます!銃悟さん!矢田さん!] 

 

いつもの笑みで挨拶をしてくる律。しかし、その目は笑ってはおらず、ずっと俺の方を見ていた。

 

[…ところで、今日はお二人で登校だなんて…。珍しいですね?何かあったのですか?]

 

首を傾げる律。すると、矢田はーーー

 

「ううん、ちょうど正門で会ったんだー。そこから一緒に来たの」

[あら、そうだったのですか!…へぇ……]

 

ずーーっと見てる。ずーーっと見てるよあの子ォ!?矢田と話してんのに一回も矢田の方見てねぇ!?…よし、逃げるか。俺は笑い合っている二人から離れ、自分の席に座る。

 

「おはよ…ねぇ、あの二人、どうしたの?何か背後からドス黒いオーラが出てるんだけど…」

「おっす…イヤ、俺にも何がなんだか……」

 

凛香が不審そうに問いかけてくる…が、俺にも理由は分からなかった。

 

 

 

 

 

今日もいつものように授業は進行した。…途中、殺せんせーの頭が『湿気』で巨大化すると言うこともあったが、それは置いておこう。無事に学校が終わる。

 

「ふぅ……」

[お疲れ様でした、銃悟さん!さあさあ、早く帰りましょう!そしていっぱい話しましょうそうしましょう何を話しますか個人的には私たちの将来を考えたいです」

「うん!分かった!(ヤケクソ)」

 

元気に叫ぶ。というか、叫ぶ事しかできなかった。若干疲れながらも、靴箱に向かう。外を見てみると、しとしとと雨が降っていた。

モバイル律を胸ポケットに入れて、予め鞄に入れていた折り畳み傘を開く。

 

「つーかよぉー、なんで律は矢田と喧嘩してたんだよ」

 

ふと気になり、律に聞く。何故あんなにも冷戦状態だったのだろうか。律は、恥ずかしそうに言う。

 

[いや…なんと言いますか、衝動が溢れたと言いますか…まあ、強いて言うなら『同族嫌悪』…でしょうか…?]

「『同族嫌悪』……?」

 

なんだよそれ。矢田と律は全然違うぞ?どこが似てんだ?

 

[どこか似ている気がするんです。矢田さんと…]

「ふーん……」

 

まあ、本人がそう言うんだからそうなんだろ。…それはそうと腹が減ったなぁ…何か、腹が満たされるところは………

 

[お任せ下さい!………この先、50メートル先に、カフェがありますよ!]

「何で俺の考えてる事が分かるの?」

[『愛』故です!]

「アッハイ」

 

そんな会話をしつつ、俺たちはカフェへ向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

カフェに着いた俺は、サンドウィッチを頼む。

 

[私も一緒に食べたいのですが…機械の悪い所ですね]

「あー…何かスマン」

[大丈夫です!私は銃悟さんを見ているだけで充分ですから!]

「穴が開くほど凝視されてもですねぇ…」

 

そう、律との会話を楽しんでいた。その時だった。

 

 

「あれぇ〜?E組の奴じゃん」

「ウソ…また?も〜、ホントにダルいんだけどー」

 

 

この高圧的な態度、そして『E組』というキーワード…そこから察するにッ!俺は振り返る。

 

(……誰だ?)

 

誰だ?(2回目)いや、マジに分からない…、何がなんだか知らんが、この男と女が見るだけで視力が落ちる顔をしてるのがわかった。

 

「ねぇねぇ、アレ、見てよ」

「あん?…プッ!お、お前…!なんだよそのスマホの画面…!プククッ!」

 

スマホを覗き込まれた。…おお、律。お前、壁紙みたいになってんじゃねーか。そんなことも出来るのか!

 

「オイオイ、E組はキモオタの集まりなんですかぁ〜ッ?そんなモンに喋りかけてたのかよ!お前!ギャハハハハハハッ!」

「イヤ、別にいいだろ…?そんな笑うかよ…?」

 

狂ったように笑う男子を他所に、足腰が悪そうなお爺ちゃんとお婆ちゃんを奥の席へ通す。すると、女が喋り出した。

 

「アンタみたいなクズはね、弱いからそんな幻想に頼るしか無いの。だから言ってあげるわ。クズはクズらしく、項垂れながら学校に何もせずにダラダラ過ごしときゃいいのよ。大体、そんな物に話しかけてるとか!キャハハッ!もう一回小学校からやり直したら?」

 

と、二人は紅茶を飲む。俺は相手にしないほうが良いと考えた。相手にすればするほど、調子に乗ってしまうからだ。……しかし、壁紙の律の表情が、悲しそうな笑みを浮かべたのを見た瞬間に、その考えは消え失せたのだった。

 

 

「なあ、そーいうの、やめた方がいいぞ」

「ハア…?」

「何?怒ってんの?E組の分際で?」

 

「だから、そーいうのだよ。この馬鹿共」

 

目の前の二人は一瞬、何を言われたのかわからない、という表情であった。しかし、俺の発した言葉を理解したのか、顔が林檎の様に真っ赤になって怒っていた。

 

「…調子に乗るなよ、E組の分際で!」

「アンタ、分かってんの?アンタはE組。私たちは、選ばれた者たちなの。アンタみたいな奴が気軽に話しかけていい物じゃないのよ」

 

 

「ーーー『喧嘩』とは、同じ格差の物がする愚かな行為だ。だから俺は激情しない。それをしたら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からな」

 

「さっき、お前らは『E組の分際で』とか、『私たちは選ばれた存在』だとかほざいていたがーーーーお前らにそんな大層な言葉、必要あるのか?」

 

目の前の二人は分かってない様子だ。…本当に頭良いのか?こいつら。

 

「いいか、今お前らは学校に守られているだけのただのガキなんだよ。E組の制度やらで、自分が一番偉いとか見当違いなことを考えてる。ーーー今、お婆ちゃん達が通ろうとしたにも関わらず、お前らは足を引っ込めなかった。そこなんだよ、可笑しいのは」

 

後ろのお婆ちゃん達が息を飲む。

 

「たかが数年ちょっとしか生きていない俺たちが、その何倍も生きている『先輩』に『敬意』を払わずにどうするんだ?選ばれた存在?はっ、笑わせんな。お前らは他人から見たら、自分の地位が高いと勘違いしている哀れなクズなんだよ。良かったな!俺たちと同類だぜ?」

 

ーーー『同族嫌悪』ーーーたしかに、この言葉がしっくりくるな。まあ、俺のクラスメイトはこいつらとは違うが。

 

「あとよぉ〜ッ。何か俺のスマホの画面みて笑ってたけどよー、何で笑ってんのか知りてーんだよなぁーッ。別にいいじゃあねーか、人の趣味だろ?」

 

すこし間が空いて、返答を返す男。

 

「そ、それはお前の趣味が悪いからーーー」

 

 

「『大好き』な()を、『大好き』って言う事の何が悪いんだよ」

[……………!!]

「別にお前らなんかにこんなこと分かってもらう必要ねーし、分かってもらいたくもねー。…アンタみたいな性悪クソアマより、ウチの律の方が何億倍も良いね」

 

そう、俺が嘲笑する。すると、激情した二人がーーー

 

「うるせぇぇぇぇぇーーー……ウ、ウがッ!?は、腹が……」

「お、お腹が痛いッ!」

 

顔を真っ青にし、腹を押さえてうずくまっていた。

ええ…?

そのあと、ここのトイレが使えなかったことを知った二人は、100メートル先のコンビニのトイレを使用するために、醜い争いをしながら走り去っていった。

 

「はぁ…何だったんだ。おーい、律ー。もう動いてもーーー」

[ッッ〜〜〜〜〜〜ッ!]

 

律は、俺のアプリを保管しているフォルダに、何故か高速で入って行った。…?ってか、熱っつ!スマホ熱っ!ヤバイヤバイ!ちょ、ちょい律!ど、どうにかしてくれーーーッ!?

その後も、スマホは熱く、律は出てこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

〜律side〜

大好きって言った!大好きって言った!彼が私のことを大好きって言ってくれた!嬉しい!嬉しい!嬉しい!私も大好きって言いたい!…けど、彼の表情を見るだけしか出来ない。大好きって言ったとしても、倉橋さんや、神崎さんの様に行動に移すことが出来ない。……………………………………。そうだ。

 

彼をこっちに引きずり込めばいいんだ。デジタル化…、そうすれば私は彼と一緒になれる!ああ、ああ!勉強しなくちゃ!彼との幸せを過ごすためにもーーーーー!




人間と触れ合うことが出来ないのなら、人間をこちらの世界に持ってくればいいじゃない!
律さんヤバイ子。
ありがとうございました!
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