暗殺教室〜自分のスタンドは暗殺向きです〜 作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない
〜side銃俉〜
やあ、銃俉だ。あの自己紹介事件が終わり、今はクラスの席に座っている。はぁ…こんな始まり方で本当に友達なんかできるのかぁ〜?もう不安しかないぜ〜ッ、……………こうなったら、俺から何か行動を起こすしかないッ!…よし!そうと決まれば早速隣の席の子に話しかけてみるか!…?あッ!こいつ!朝に助けた少女たちの一人じゃあねーか!これはラッキーだ!少なくとも恩人の俺に悪印象は抱いてないはず!ククク………今こそ勝機!勝算あり!行くぜ〜ッ!
「やあ!朝ぶりだな!」
「…ん」
「いや〜しっかしまさか同じ学校だったとはな!」
「…ん」
「まぁなんかあったら、よろしく頼むぜ!」
「…ん」
無理ィィィィィィィィィィッ!!会話無理ィィィィッ!!
なんだコイツ!?話せないの!?「…ん」しか言えない呪いでもかけられてんのかぁ!?なんだ…?何が悪かった?……ハッ!そーだッ!俺はまだ世間話しかしてねぇ!次は相手を褒めるんだ!褒める事によって親しくなれるかもしれねぇ!…よし!
「あ、あんたって美人だよな!」
「ッ!?///」
「朝の奴らは行動こそ褒められたもんじゃあねーが、狙う人は間違ってなかったと思うぜーッ!」
どうだ!これで相手も「あっ、この人いい人」って思うはずだ!
「きっ///……急に何?キモいんだけど。初対面の人にそんなこと言えるなんてアンタおかしいんじゃないの?」
……………終わったァン………もう………終わったァン………
そうだよなぁ…冷静に考えて、初対面の人にそんな事言われたら、気持ち悪いですよなぁ〜ッ!当たり前ですよなぁ〜ッ!…はぁ…終わった………あんなに顔真っ赤にされるくらい怒られたらもう駄目だよなぁ………「むぅ〜っ!」…?なんだ?このふわふわした感じの子は?
「凛香ちゃんと鷹田君はもう仲良しなんだね〜」
………はぁ?こいつ、今までの俺たちの会話見てそんな事言ってんのか?しかもそんな事言ったら………
「は、はぁ!?///仲良くなんて…///そ、そんなに…仲良く見えるのかな…?ふふっ///」
ほらぁ〜ッ!怒ってるじゃん!完璧に怒ってるじゃん!つーかもう怒りすぎて逆に笑ってんじゃあねーか!
…これも全部このふわふわガールのせいだ!(逆ギレ)お詫びとして、こいつに友達になって貰おうッ!
そう思い、ふわふわガールの方を向くと、
「むぅ〜〜〜っ!!」
目の前にほっぺたをハムスターのように膨らませたふわふわガールがいた。
オイオイオイオイ、そんなに近づいてもいいのかい?離れないと俺という死人が出るぜ?
「なあ、アンタ、ちょっと離れてくんねーか?」
「陽菜乃」
「えっ?」
「陽菜乃って呼んでくれるまで離れない」
ええええええええッ!?なんで!?なんで友達ゼロの俺にそんな難易度が高い要望してくんだよぉ〜ッ!………しょーがねぇ、やるしかないッ!行くぞッ!せーのっ!
「ひっ、ひにゃのっ」
今僕すっご〜く死にたーい!なんで!?なんでいっつもこうなるんだ!?ほら見ろ!目の前の陽菜乃って名前の人凄え微妙な顔してんじゃあねーかッ!もう…もうおしまいだ…誰か俺に助けを差し伸べてくれる救世主はいないのか…?
「…っまあまあ!倉橋もその辺にしといてあげてくれ!転校生君も困ってるだろ?」
居たぁ〜〜!居たわ!救世主来たわー!黒髪のイケメン男子が俺を助けてくれているッ!!ありがとうございます!
「鷹田君…だよね?よかったらこっちで話さない?」
………今、俺の名前を呼んだのか?鷹田?………うん、俺だよな?後ろから掛けられた声の方を向くと、水色の髪をした中性的な顔の男子生徒がこちらの方を見て、手招きしている。
言われるがままに、水色の髪の男子生徒の前まで行く。
「あはは…ゴメンね?うちのクラス、個性的な人が多いからさ…」
と、疲れた顔で目の前の少年はため息をつく。
「あ、ああ…でも、悪い奴ではないんだろ?なら良いじゃあねーか」
「あはは…ありがと。 えっと…僕の名前は潮田渚。気軽に渚って呼んでね!」
と、渚は手を差し出してきた。…やった、初めての友達だ!…そうそう、こうだよ、俺が求めていた『友情』ってのは!クゥ〜ッ!ようやく普通の青春を感じれる時が来たぜぇ〜〜ッ!
喜びを噛み締めながら、俺は渚の手を取ろうとする。
「…ああ、よろしく頼「皆さーーん!授業の時間ですよーーーッ!」む……」
「おわっ!殺せんせー!どしたの?凄えテンション高いじゃん!」
「いい質問です前原君!実はですねぇ〜!先生好みの新しいお宝を手に入れたんですよ!ヌルフフフフフヘヘヘヘヘヘ!!」
「興奮しすぎて本格的な変態みたいな笑い方になってんぞ!?」
殺せんせーが持っているその本…それは、俺と始めて会った時、殺せんせーが購入したあの『エロ本』だった。
……………………
「あー、あはは………まあ、よろしくね、銃俉君」
…隣の渚が気まずそうな顔でそう言った。………
あンのエロタコ野郎ォォーーーーッ!
「おいッ!殺せんせーッ!なんてことしてくれてんだぁ〜ッ!?」
俺は教卓に近づいて行く。
「アンタのせいで生まれて初めての友達と気まずい雰囲気になっちまったじゃあねーかよぉーーーーッ!」
俺はそう言いながら、殺せんせーへと詰め寄っていく。
「に、にゅやっ?そ、それは申し訳ない………ん?今銃俉君、『生まれて初めての友達』って言いました!?」
「あっ………このタコォォォーーーーッ!」
「これは先生のせいじゃないですよねえ!?ていうか今あなた小さく『あっ』て言いましたよねぇ!?」
くっ…人の弱みにつけ込みやがって!こうなったら………
「今日の昼休憩ッ!お前を『暗殺』してやるッ!」
『ッ!?』
俺の発言にクラス全員が驚く。
「おい、なんで馬鹿正直に言うんだよ!たとえ暗殺するんだったとしても、宣言せずに暗殺した方が成功率上がるだろーがッ!」
と、坊主の生徒が俺に言う。さらに、
「そうだよ!それに、殺せんせーはマッハ20で動くんだよ!一対一で殺せるわけないよ!」
と、ひ…陽菜乃が言う。…まぁ、その点においては何の問題もないな。
「安心しろよ。こっちは『七人』いるからよぉ〜〜ッ!」
〜渚side〜
「安心しろよ。こっちは『七人』いるからよぉ〜〜ッ!」
銃俉君の言葉に、クラス全員が困惑する。
「『七人』?誰か助っ人でも呼ぶのか?」
と、千葉君が考える。しかし、
「いや、助っ人呼んだって、マッハ20の化け物に敵うはずねーだろ?」と、木村君が返す。
………確かに、烏間先生や、ビッチ先生など数々の強者を軽くあしらってきた殺せんせーに、生半可な助っ人は通じない。しかし、あの銃俉君の圧倒的な『自信』は何なのだろう?その場にいる生徒は、分かっていない様子だ。そして、それを聞いた殺せんせーは、
「ヌルフフフフフ。いいでしょう!かかってきなさい!」
と、顔が緑のしましま模様の状態で言うのであった。
アァ………早くゥ………スタンドだしてぇよお………
ありがとうございました!