FGO4周年のイベントきましたね。福袋は謎のヒロインXでした。育成頑張りたいです。
さて最新話です。どうぞ
夢を見ている。
そう気づくのは簡単だった。これがヘラクレスの生前なのか、それとも座にいる本体に記憶された『お嬢様』との記憶なのか....。
視点はヘラクレスのようだ。自身の灰色の手足か視界に入っている。
季節は冬、場所は山の中なのだろうか。針葉樹の木々に雪がつもり、辺りは真っ白である。
イリヤスフィールに召喚され、初めて自身のマスターを見たとき、ヘラクレスはマスターを守り抜くと誓った。生前自身の手で殺してしまった子どものすがたを重ねてしまったのもあるのかもしれない。自身のマスターが聖杯戦争の為に作られた存在だと気づいたからなのかもしれない。
ヘラクレスはバーサーカーとして召喚されている。理性は失われているが、。彼の持つスキル心眼(偽)により本能が警鐘を鳴らす。マスターが危険だと。
自身を持て余したイリヤスフィールにヘラクレスは冬の森に見捨てられてしまっていた。ヘラクレスは知っていた。自身の存在自体がイリヤスフィールに大きすぎる負荷、負担をかけることを。それゆえヘラクレスは命令を聞かず、あえて動かなかった。しかしヘラクレスはバーサーカーである。本能でそのような行動をとったが、かえってさらなる負担をかけていることになっていた。またそれゆえイリヤスフィールもヘラクレスは手に負えないと判断して、見捨てたのだ。
自身とマスターを繋ぐ魔力のパスを頼りに、雪の中を進む。オオカミの遠吠えが聞こえる。
しばらく走っていると、オオカミに襲われているイリヤスフィールが視界に入る。ヘラクレスは覆いかぶさるように己がマスターを守る。
ヘラクレスはただ盾となっていた。襲ってくるオオカミには噛まれ続け、うなじからは出血もしている。
この時イリヤスフィールは己がサーヴァントが負担をかけないようにあえて動かなかったことに気づく。
『やっちゃえ、バーサーカー』
すぐにあたりにはオオカミの血と亡骸が転がった。
このときイリヤスフィールとヘラクレスの間に確かな絆がうまれた。
見ていた風景が暗転する。あたりが真っ暗になる。
次の場面がはじまる。
今度は城の中だった。ヘラクレスの記憶から冬木のあるアインツベルンの城だとわかる。目の前のは赤い聖骸布を纏い、白髪で褐色の肌の英雄が立っていた。ヘラクレスの命はすでにいくつか削られている。マスターからは油断なく殺せ。と命令が下っている。ヘラクレスの記憶から彼がアーチャーのサーヴァントと知る。赤い弓兵は自身の手から作り出した白い剣を照明に向かい投げる。あたりが真っ暗になる中、赤い弓兵は片膝をつき、最後の一節を唱える。
『Unlimited Blade Works』
満身創痍の赤い弓兵がそう唱えると、あたりの景色が一変する。空は夕焼けのように赤くなり、歯車が回っている。大地には無数の剣が突き刺さり、草木の一本すら生えてない。
『御覧の通り、貴様が挑むは無限の剣。剣撃の極致。恐れずしてかかってこい。』
結果、命を五個持っていかれたが赤い弓兵に勝利した。
また場面が変わる。
次の日なのだろうか。日が昇り、森の中での戦闘だ。といってもヘラクレスはすでに傷を負っていた。石の斧剣とそれを持つ腕は凍結しており、片腕は切り落とされている。セイバーのサーヴァントと、そのマスターには致命傷となる一撃を腹に受けている。
また近くに倒れている赤い服を着た若い魔術師には命を一つ持っていかれている。
セイバーのマスターである少年が作り出した剣。彼のサーヴァントが持っていた失われし『
「ソレはその男が作り上げた幻想にすぎん。所詮はまがい物。二度とは存在せぬ剣だ。だが、しかし――その幻想も侮れん。よもやただの一撃で、この身を七度も滅ぼすとはな。」
そう言うとヘラクレスは消滅した。
ここで目が覚めた。窓からは光が差し込み、波の音も聞こえてくる。
時刻は午前九時。朝ごはんを食べるため、食堂に向かう。廊下を歩いていると、霊体化をといたヘラクレスが近づいてきた。
「おはようヘラクレス。早速だが、夢で見た赤い弓兵は何者だ?」
『無銘の英雄だと言っていたな。実際は我を七度殺したセイバーのマスター。彼が辿りうる可能性の一つだそうだ。』
「ifの存在ということか。神秘の薄れた現代で英霊となったのか....」
『かの弓兵とは、理性のある状態で戦いたいと思った。彼の剣術は実戦経験に基づくものだろう。存分に研技を競い合いたかった。』
心底残念そうにヘラクレスは答えた。
「青い服を着た騎士のようなサーヴァントもいたな。真名はわかるのか?」
『彼女はセイバーのサーヴァント。真名をアルトリア・ペンドラゴン。ブリテンの騎士王だ。』
「ブリテンの騎士王か。確かにセイバーとしてなら最強クラスだろうな。しかしアーサー王は女性だったのか。」
『しかも彼女はこの第四次聖杯戦争にも参加している。アインツベルンのマスター衛宮切嗣のサーヴァントとしてな。』
「切嗣に騎士王か。悪いが相性悪すぎるだろう。まぁ、切嗣がアサシンを召喚するのは避けたかったからまだいいのかな。しかしブリテンの騎士王は聖杯戦争に二連続で参加するのか。是が非でも叶えたい願いがあるのだろう。敵にまわすと厄介かもな。」
『一応だが、これらが間違いとなる可能性もある。我は第四次聖杯戦争に参加していない、またマスターのような魔術師もいたかどうかもわからないからな。それと我の聖杯戦争の記憶はまだあるからな。』
「パラレルワールドといったやつか。確かにヘラクレスから得る情報の鵜呑みは危険だな。まだ記憶あるのか。しばらくは早めに寝るかな。」
そんなことを話しながら進む。目の前のドアを開け食堂に入る。料理はすでにテーブルに並んでおり、女性陣座って待っている。
「おはよう」
「おはよう」
「おはようございます」
「ちょっと、遅いわよ」
三者三様のあいさつが返ってくる。テーブルについて、号令をかける。
「それでは、いただきます。」
「「「いただきます」」」
「食べながら聞いてほしい。作戦会議を開く。ヘラクレスにも共有しないといけない情報もある。そこれから聖杯戦争が終わるまで、この5人のチームで活動することになるのだが、まだ自己紹介していなかったな。」
「そーいえばそうだね。私はシャーレイよろしくね。」
彼女がそういうとヘラクレスは霊体化をとき、姿を現す。
「次は私か、ナタリア・カミンスキー。よろしく。」
コーヒーを飲み終えた彼女がタバコに火をつける。
「私は自己紹介なn『ぐっちゃんて呼んであげて。人間嫌いだから、大目に見t』余計な事言うな!」
若干キレ気味で答える彼女。
「最後は俺か。本名よりも通り名の方が有名だからな。昨夜言った通り、『ローグ』この名で通っている。呼ぶときはマスターとでも好きに呼んでくれ。さてヘラクレス、俺が異常なのはわかっているよな。」
『我がマスター。汝は受肉した英霊にそっくりだと思うのだが。』
「なるほど。半分正解だな。まぁ、見ればわかるさ。」
そう言って立ち上がる。途端に纏っている雰囲気が変化する。心なしか目が細くなり、隙のない立ち姿になっている。
「ギリシャ神話の大英雄か。お初にお目にかかる。縁あってこやつを依り代として、存在しているものだ。真名はのちのちお教えしよう。私は基本的には表には出てこないが、此度は聖杯戦争だ。私が表に出てくることもあるだろうな。いずれ主と戦ってみたい。。その時はよろしく頼むぞ。では御免。」
そう言うと雰囲気が戻る。
「まぁ、こんな感じだ。もう一人の自分もしくは、二重人格と世間から呼ばれるようだ。本来は二つの人格が合わさり、第三の人格になるそうだ。俺の場合、英霊との相性が抜群によかったため、英霊に精神を乗っ取られることもなく逆に俺自身が英霊に近い存在へ変化したようだ。老化も遅くなり、魔術回路の質も量も向上。おまけに回転数も格段に向上している。また俺を依り代としている英霊の宝具も使用できる。」
『中々得ばかりしているのでは?』
「それがそうとも限らないさ。身体の性能が良くなって、強力な力を得ても使いこなせなくては意味がない。事実この体に慣れるのに半年はかかったさ。魔力の操作や、加減も慣れるまで時間がかかったよ。宝具が使えるといっても真名解放はできないからな。何もない空間から武器が出るぐらいだな。」
『なるほどな。マスターも苦労したのだな。』
「さて、次の議題だ。ナタリア頼む。」
「さて私が調べてきたのはサーヴァントの触媒だ。現時点で裏まで取れているのは3つだ。」
・マントの切れ端
・コーンウォールで発掘されたもの
・最初に脱皮した蛇の抜け殻の化石
「最初に言った、マントはアレクサンドロス三世のものだ。古代ギリシャのアルゲアス朝マケドニア王国の国王。さらにエジプトのファラオも兼ねていたそうだ。またヘラクレスとアキレウスを祖先に持つとされているそうだぞ、ヘラクレス。」
そう言ってヘラクレスを見るナタリア。
『身に覚えはないのだがな。』
「仕方あるまい。真偽は今となってはわからないからな。話を戻そう。このアレキサンドロス三世は、{世界の果て}に到達するためインドまで侵略したそうだ。
次にコーンウォールで発掘されたものなのだが、何が発掘されたのかまではわからなかった。あそこはアインツベルンの所有する土地だからな。裏は取れていないが聖剣エクスカリバーの鞘だという情報がある。そうなると呼ばれ英霊はアーサー王もしくはその周辺だろうな。」
「なるほど。その発掘されたものはエクスカリバーの鞘で間違いないだろう。ヘラクレスの記憶からアーサー王が第四次聖杯戦争に参加していることを確認している。問題は次のやつか。」
「その通りだ。最古の蛇の化石。これがどの英雄の触媒となるかが全く分からない。蛇自体多くの神話に登場しているからな。この触媒の調査は召喚されるであろう英霊を予想するために行っていたが....。」
その場にいる者が食べる手を止め考えている中、ヘラクレスが口を開く。
『その触媒から召喚される英霊は英雄王ギルガメッシュだろう。』
「ウルクの王様だったよね?」
そうシャーレイが言う。それにヘラクレスが答える。
『奴はこの第四次聖杯戦争にて受肉し、第五次聖杯戦争に参加している。我もギルガメッシュを相手に無様に敗北している。第四次聖杯戦争において一番の強敵であり、例外的に倒すべきだと考えているサーヴァントだ。』
マスターが口を開く。
「ギルガメッシュには勝てるのか?」
『我一人では決して勝てないだろうな。英雄王は慢心することが多いがそれは彼が王であり、自身の実力もあるからだ。我が勝つには、その慢心を付き一撃で殺すしかあるまい。我かマスターが囮になり、その間に倒すしかない。真っ向勝負は危険だ。』
そうヘラクレスは答えた。しかし周りの女性陣はさらに頭を抱え、ため息をついている。
「そうか、強いのか。これは戦うのが楽しみだな。俺の力は英雄たちの王に通ずるのか....。最近は前ほど死徒たちも表立って活動していないからな。体がなまっていないか心配だよ。」
笑いながらそう答えるマスター。
彼は若干戦闘狂な一面がある。英霊に憑依されてから、彼の運動能力は格段に上昇した。また憑依された英霊に指導を受けながら、着実に力をつけてきた。そこで彼は自身の力がどれぐらいのものか試したくなり始めた。彼自身は謙虚であり、思慮深い性格である。しかし時々「戦いたい」と思うことがある。本人曰く「無性に戦いたくなる」とのこと。彼はそうなると基本イタリアへ一人で旅立つ。一週間で帰ってくることもあれば、三か月返ってこなかったこともある。帰ってきたときはスッキリとした表情を見せることが多い。
「英霊を甘く見てはいけないわ。戦いたいなら、ヘラクレスと戦えばいいじゃない。」
そう言うぐっちゃん。←ぐっちゃん言うなとツッコミが入る。
「まぁ、ヘラクレスの戦闘のよる消費魔力がどれぐらいかも知りたかったし、ヘラクレスに稽古をつけてもらうかな」
そう言って皿の料理を食べきるマスター。やる気満々である。
『仕方あるまい、少し現実を見てもらうか。』
あきれながらも自身のマスターを知る機会だと考える。また彼の実力に興味があったので以外に乗り気な、ヘラクレス。
「まだ聖杯戦争のマスターと成りうる人物の経歴等調べてはあるのだが....。」
ナタリアはそう言うが、既にマスターは自室へ向かい、ヘラクレスも庭から見えるビーチで体を動かしている。
「こうなるともう意味ないね。情報をまとめて後で渡そう。あと片付けしないと。」
そう言って皿などをキッチンへ運び出すシャーレイ。ナタリアも皿をもってキッチンへと歩いていく。
「ヒナコさんビーチの二人の面倒見てくださいね。」
キッチンからシャーレイの声が聞こえる。ダルそうに芥 ヒナコは立ち上がり、外へ向かう。
照りつける日差しから、今日も暑くなりそうだ。なんて考える。ビーチについて少しすると、マスターが訓練用の武器を持ってやって来る。
そして稽古という名の戦闘が始まった。
ちょっと補足。
主人公『ローグ』は擬似サーヴァントが受肉したものに一番近いです。しかしApocryphaのジークのような側面もあります。あそこまで外見は変化しませんが。
ついでに主人公の本名は「鑢 鍋之介」といいます。
次回で少しタグが増えそうです。
それでは次回をお楽しみに! 読んでくれたことに感謝を。感想お待ちしています。