東方黑剣士   作:鋏人

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どうも鋏人です。

サブタイトル、次回に回します。収まりきらなかった……

前回伏せた内容からスタートです。
今回はアンチ・ヘイト全開です。お気をつけを。

では、どうぞ!


第六話 VS異変解決組

◆side さとり

 

零さんが異変解決組を発見して大慌てでお燐とお空を迎えに行ってすぐ、異変解決組の皆さんがやって来ました。

 

「あんたがここの主人?」

 

やけに横柄な態度ですね、そして何か用事があるみたいです。

 

「そうです。私は古明地さとり、貴女は博麗霊夢。そうですね?」

「当たりよ、で、突然だけど───

 

 

 

 

 

 

 

 

消えて貰うわ。」

 

そう言って霊夢さんは私に向けて─────

 

「スペルカード、『霊符 夢想封印』」

 

スペルカードを撃ってきた。私は避けられずに被弾する。

 

「い、いきなり、なに、をするんですか。」

「心当たりあるでしょ?」

「なんの、ことか──」

「お姉ちゃん!スペルカード『弾幕のシャールロッハ』!」

「止めなさい!こいし!」

 

言ってももう遅い。霊夢さんの心を読んでみるけど、戦闘に集中しているのか何があったか分からない。

 

「邪魔よ、『霊符 封魔陣』」

 

霊夢さんのスペルカードでこいしは気絶、私も戦えるか分からない状態。なら天狗の方達に───

 

「天魔、あんたなんでここにいるのよ。」

「ん、霊夢か。いやぁ実はな、紫に頼んで宴会の許可を貰ったんだ。」

「そう、けどね、紫から『宴会は五日後』って聞いてるんだけど?」

「ファ!?」

「ついでに地上で異変があってね、ここに来てるの。」

「はぁ?!」

「おまけに人里で覚妖怪を見かけてね、全く、不可侵条約はど~こいったのかしら?」

 

こいしがやったのかと思って見ると、こいしは「違うよ!」と言ってくれました。確かに翔弥さんの心を読む限りだとそれもないですし霊夢さんも嘘ついてないですから、八雲さんのミスですね。

何はともあれ私はこの場を収めないと。

 

「霊夢さん、いいですか?」

「なに?」

「私達は宴会は三日後としました。あと人里には誰もよってません。」

「嘘っぱちも大概にしなさい、証言も多数、証拠も残ってるわ。あと、天狗達、あんた達も同罪よ、この件は紫自身の書類もあったわ。」

「だから嘘じゃ───」

「とりあえず堕ちて、『霊符 夢想封印』」

「あれ?」

 

どうやら狙いが狂ったようですね。助かりま───

 

そうでもありませんでした。どうやら狙われたのは天魔さん達天狗と

 

 

 

 

 

こいし!ギリギリで気付いて叫びましたが、紙一重で回避が遅れ、こいしと天狗達はたったの一撃で──いや、翔弥さんだけは能力で避けきったようです。零さんが戻って来る前に────

 

「敵対するならお相手するわ。スペルカード『想起 夢想封印』」

 

霊夢さんの心を読んでスペルカードを模倣、これが覚の戦い方。霊夢さんを叩いてしまえばいける。

 

「忘れて貰っちゃ困るのぜ!スペルカード『魔符 スターダストレヴァリエ』!」

「霊夢だけではね、スペルカード『幻象 ルナクロック』」

 

もう二人のスペルカードが襲ってきた。霊夢さんだけを相手にしていたからすっかり忘れてました。ギリギリで避けたものの、グレイズはどうしようもなかったです。三対一ですか翔弥さんももう二人を相手してますから援護はないでしょうし、どうしたものですかね。まぁ、やることはひとつです。

 

「自らのトラウマに囚われるがいいわ、スペルカード『想起 テリブルスーヴニール』」

 

この人達を、零さんの所へ行かせない─── 

 

 

 

 

 

 

 

◆no side

 

零が宴会場に着いたときは、それは大変な事になっていた。零のいない間に天魔を始めとした天狗、こいし達が全員揃ってぶっ倒れていたのだ。零は焦ってさとりの前に飛び出し、霊夢の放った弾幕を片手直剣用ソードスキル『サルベージ・フルクラム』三連撃で叩き落とす。

 

「いったいぜんたいどういう状況だ?」

 

霊夢を見据えて睨み、きつい口調で言う。

 

「あら、男?」

「なんなのぜ?」

「最近幻想入りした外来妖怪さ、んで、あんた方異変解決組だな?」

「その通りだぜ。」

「地上で何があった?」

 

霊夢が言うには、地上に大量の怨霊が発生する異変があった事と、覚妖怪が地上で見つかった事の二つのことで地霊殿に来たとのこと。天狗は宴会の日と違うので違反と判断して処理したということだった。それを聞き零は、

 

「(紫さん、後でO・H・A・N・A・S・I☆です。)」

 

多分、というか間違いなくで紫のミスだと判断して、紫への精神攻撃(物理)を確定した。それはともかく今はこの事態の収拾を付けなくてはならない。

 

「えっと、いいかな?」

「何?」

「その異変だけど俺が犯人とっちめたから終わったよ、後で謝罪しよう。で、覚妖怪はいつ見た?何色の髪だった?」

「異変はそれで終わったならいいわ、楽出来たし。覚は二日前で髪の色は桃色よ。」

「ファ?!」

 

異変が終わって安心した矢先、超弩級の驚きである。さとりが地上に出ていたことになるが、二日前となると宴会の準備と仕事でさとりは地霊殿を出ていない。これで誰かの策略が決まった。

 

「それさとりだよな。さとりは二日たった前は地霊殿にずっと居たぞ。」

「悪いけど目撃者も多数、私も見たわ。大人しく退治されて。」

「なら、

 

 

 

 

 

 

 

弾幕ごっこでケリをつけよう。」

 

斯くして博麗の巫女対模倣者の黒の剣士の対決が幕をあけた。

 

 

 

「ルールは?」

 

レスキュラーを抜いた零に霊夢が聞く。弾幕ごっこはその時その時でルールを変更出来る。今回零が選択したのは、

 

「被弾、スペルカード無制限、敗北条件気絶。んでそっちは皆さんで来てもいいぜ。こっちは翔弥も参加だ。」

「物騒な上にそっちに不利ね。」

「知ったことか、いくぞ!」

 

そう言って零はソードスキルを放つ。

単発重突進剣伎『ウォーパル・ストライク』

轟音と共に突進し、剣先は───

 

「させません!」

 

妖夢の刀で弾かれる。

 

「良い腕だ。」

「貴方こそ、スペルカード『天神剣 三魂七魄』!」

 

妖夢の切っ先が迫るが零はそれを正確にパリィし、ソードスキル『トライリニアー』で応戦する。すると後ろから

 

「私を忘れないでね。『メイド秘技 殺人ドール』」

「そう言うおまえもな、『風符 大型台風上陸』」

 

咲夜のナイフを翔弥の弾幕と風が叩き落とす。

 

「邪魔するなら、消えて貰うわ。」

「異変解決は私達の仕事だぜ!」

「さっさと帰らないとお嬢様に叱られるのよ。」

「事情は分かりませんが、とりあえず、斬る!」

「忘れて貰っては困ります。奇跡ようの力、お魅せしましょう!」

 

異変解決組が参加の名乗りを上げ、

 

「宴会台無しにした代金は払って貰うぜ、いくぞ、翔弥。」

「任せろ。こいしとは付き合い長いんでな、勝手されて黙ってるかよ。」

 

零と翔弥は静かに怒りを見せながら、翔弥は腰の刀、『緑刃 風斬剣(りょくじん ふうざんけん)』を抜き放ち、零はレスキュラーだけを右手に持つ。妖力と霊力が充満し、それに当てられた妖怪達か起きて遠巻きに見守る中、

 

「先手必勝!『魔符 スターダストレヴァリエ』!」

 

魔理沙のスペルカードで戦闘が始まった。

 

 

 

 走り出した零はソードスキルを使わず、弾幕を突き壊し、霊夢達に向かっていった。そして射程に入った時点で細剣最上位ソードスキル『フラッシング・ペネトレイター』で前に居た咲夜を突き飛ばす。

 

 

「危なかったわ。」

 

 

ことはなく、咲夜は少し離れた所に立っていた。

 

「おい翔弥、あいつの能力は?」

「時間停止だ。」

 

驚きを隠せない零。フラッシング・ペネトレイターはそもそも途轍もなく速い、そしてAGI特化に妖力を振っていた。回避はほぼ不可能に等しい一撃を避けた能力が時間停止とは、近接特化において天敵以外の何者でもない。

 

「下がれ、咲夜は俺が抑える。後の四人を。」

「了解だ。」

 

翔弥の『感知』の能力をもってすれば咲夜の奇襲は成し得ない。そう判断した翔弥は、咲夜を自分が相手することにした。

 

「さぁてかかってきな、メイドさん。」

「串刺しをご所望のようで。」

 

零はそれを横目に霊夢、魔理沙、妖夢、早苗と対峙する。

 

「さぁ、やろうか。」

 

剣には非殺傷設定の為妖力のコーティングが成されている。紫が天魔との戦いの後やってくれた。放つは突進ソードスキル『ソニックリープ』。妖夢はそれを弾いた。妖夢が一番の脅威、そう思った零は、一瞬で勝負を決めることを決断した。

 

「妖夢さん、貴女は強い。貴女と切り結ぶのも良いですが、また今度に。」

 

妖夢は二刀流の構えをとって

 

「いいでしょう、私の全力、お見せします。」

 

と答える。

 

「やるのか?妖夢。」

 

魔理沙が聞けば、勿論と言わんばかりに頷く。

 

 

───一秒、音が消える。

 

───五秒、零はレスキュラーを引き絞り、妖夢はスペルカードを出す。

 

───十秒、お互いにどちらとも言うことなく

 

 

 

 

「スペルカード発動、『人鬼───」

「片手汎用OSS───」

 

「『マザーズ・ロザリオ』!!」

「未来永劫斬』!!」

 

 

───二つの剣伎が交錯する。

 

妖夢の剣は一瞬に七発の斬撃を零に叩き込む。零の剣は一瞬に五撃、瞬間火力でいえば妖夢に軍配が上がる。

 

「貰いました。」

 

五発は相殺されたが、残りは零を完璧に捉えた。妖夢が言い、魔理沙と霊夢もそう思った。しかし早苗だけはその正体に気付き始めていた。

 

「(ソードスキル?あれはSAOの──なら、あれは!)駄目です!妖夢さん、もう一枚!」

「え?」

「よく気付いた。けど、終わりだ!」

 

再び引き絞ったレスキュラーを、今度は妖夢の右肩から左腰まで五発、そして───

 

 

クロスした交点に向け、

 

 

「ラァ!」

 

 

刺突を放つ。

 

「ひゃあ!」

 

正確無比な刺突は、妖夢を壁まで突き飛ばす。

 

「まず、一人───」

「ですがそこまでです!スペルカード『秘法 九字刺し!』」

「っつ!」

 

伎後硬直を突いた早苗のスペルカードに被弾する。

 

「貴方の能力、ソードスキルですね?」

「なんで知ってる。」

「私も、元外来人ですから。」

 

知っている人がいる以上ソードスキルの乱発は危険と判断し、早苗に狙いを定めた───

 

 

一方、咲夜と翔弥の戦いも激しいものだった。ナイフは風で叩き落とす、剣は時間を停滞させて避ける。お互いにスペルカードを放つと、咲夜のは感知の能力で、翔弥のは加速と停滞で避けられる。どちらも攻めあぐねていた。

 

「これで仕舞いよ、『時符 ミステリアスジャック』」

「そっちこそな、『緑閃 風断』」

 

どちらも、笑っていた。この状況を楽しんでいた。咲夜は初見のスペルカードをこうも避けられるとは思っておらず、翔弥は風を悉く捌かれた事に、お互いに驚きながら、戦いを楽しんでいた。

 咲夜のナイフを翔弥の刀がかき分け、刀と共に翔弥が突進していく。そのモーションはソードスキル『ウォーパル・ストライク』とよく似ていた。風を裂き、妖力が轟音を上げて放出される。その切っ先は───

 

 

 

 

 

 

───咲夜を過たず突き飛ばした。

 

「やる………わね。」

「ああ、アイツ(こいし)に、過去を聞いたときに、言ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

『俺は、この世界(幻想郷)が敵になっても、|こいしの味方だ』ってな。」

 

一息置いて、続ける。

 

「だから、大見得切った以上、負けられないんだ。」

 

そう言い置き、零の方に目を遣った。

 

 

 

 早苗に狙いを定めた零は、小手調べにソードスキル『ホリゾンタル・スクエア』を放つ。腰に構えたレスキュラーを、早苗の右を駆け抜けざま切り払う。その勢いに乗って回転しながら後ろ、左、前の順に斬るが、早苗は見事に反応しきってみせた。

 

「これじゃ駄目か。なら──」

 

妖力をAGIに限界まで振り、放つは

 

細剣OSS『スターダスト・ブラスト』

 

「それは?!」

 

本にない零のオリジナルソードスキル、上段突き三連、バーチカルアークからのバーチカルの切り下ろし、斜め上へ切り上げ、溜めを作り、渾身の一突き、計七連を全て直撃させた。

 

「早苗!」

「よそ見厳禁だ!ソードスキル『スプラッシュ・ペネトレイト』」

 

上段からの切り下ろし、切り上げ、そこから五芒星の頂点を突く、計七連。早苗を気にした魔理沙を吹き飛ばす。

 

「あとは、霊夢、あんただけだ。」

「そのよ「霊夢~?様子はどう~?」ッチ。」

 

何故か陽気な声で現れたのは、幻想郷の管理者、八雲紫であった。

 

 

 




ハイ、終了です!

紫さん、大丈夫、だよね?←お前が言うな

誤字等あればご指摘お願いします。
では、次回の「東方黑剣士」は~?

「何のつもりだ、紫!」
「貴方を想ってのことよ。」
明らかになる真実!異変の原因とは?!

「頼むぜ、────、─────!」

遂に抜き放たれる二刀!しかし右手にはエリュシデータではなく?!

次回第七話「嫌われ者のヒーロー」
お楽しみに!
次回の前書きにてお会いしましょう!

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