遅れた上にミス投稿、ごめんなさい。
キャラ崩壊や「このキャラはこんなこと言わない」等のことについての指摘は受け付けませんので、ご理解を。
紫戦。零のチート具合、魅せます。
では、どうぞ!
◆no side
「霊夢~?様子はどうかしら~?」
この場に似合わぬ声色で割り込んできた紫。零はレスキュラーを下ろした。
「何のつもりだ?二刀を使うつもりはない。」
返答次第ではお前も容赦しない。そう暗に伝えた。すると紫はやることは終えたと微笑を浮かべ、つらつらと語りだした。
「伝える義務があるわね。まず、
覚り妖怪が人里で見つかったのは、私の所為よ。」
紫が言うには、最近覚りの知名度が落ちたと感じ、『畏れ』の低下ではないかと危惧したという。そこで式神を覚りの姿にして人里に遣ったところ、かなりの大騒ぎになり、霊夢にも見つかり、覚りの事を教えた所で、地底で異変が発生したことを知り、この様だとか。
「宴会の件は?」
「え?明後日じゃないの?」
「は?」
「え?」
紫の連絡ミスである。さて、O.H.A.N.A.S.I といこうとしたとき、
レスキュラーが突如ポリゴンとなって消えた。
「な!?」
「仕事を終えたようね。」
「どういうことだ。」
「
紫は語り終えて去ろうとしたが、零の『膨張した妖力』に足を止めた。
「何よ。」
怪訝そうに問う。零は冷たい怒りを身に宿し、
「紫、今ここで
俺と戦え。」
こう言った。尤もなことである。しかし紫はスキマを開き逃げようとした。その瞬間、
「な、なにが?」
驚愕に顔を染める。そしてスキマをまた開く。が、開かない。
「何をしたの!?」
「
ありえない。誰ががこぼした。妨害不能なスキマを零は斬って捨てた。零は続ける。
「原作キリトには、『
他に干渉するスキマ等にしか使えないが、力は万能だ。お前に逃げる選択は存在しない。」
そう言い切った瞬間、零の体は飛んだ。エリュシデータを振り下ろす。紫は難なく回避する。体を捻って弾幕を撃つ。エリュシデータで切り裂く。幻想郷類をみない、
一方地霊殿内部。零によって暴走を止めたお空は、起きるや否やお燐の顔を目にした。
「うわぁ!!」
突然のことに驚くが、すぐに事情を思い出す。
「ごめんなさい!」
「いいの、こっちこそね。」
謝るも、やんわりと止められた。
「どうなってるの?」
「零さんがお空を止めて、宴会場に帰った。うるさいけど、よくわからない。」
「宴会場行こ!」
事情を知らぬお燐とお空は、宴会場(戦場)となった庭に向け走るが、途中でお空が脚を止めた。
「お燐!こっち来て!」
「なんで?」
「なんとなく!零に剣を持っていってあげたいの!」
勘とはときに恐ろしいものである。お燐は少し考え、この場合、宴会なのだから少しくらい遅れてもいいだろうと思い、地霊殿の武器庫に急いだ。
「うわぁ……」
お燐は引いた声を出す。地霊殿には人がいなくて武器は貯まりまくっているので、選り取りみどりだが、お空があっと言う間に一振り持ってきた。
「これ、どう?」
鞘から抜くと、柄から切っ先まで淡い蒼色一色に染められた剣が姿を現した。
「ね!似合ってるでしょ!」
「うん、そうだね、いこうか。」
戻る前に聞いた爆音が音楽のものであることを祈りながら、嫌な予感を抱えてお燐は庭に走った。
その頃、庭ではさとりが不安を抱えながら零を見守っていた。いくら零とはいえ相手は八雲紫、幻想郷の管理者である。その実力は伊達ではない。それでも零は果敢に斬りかかり、弾幕を斬り捨て、攻撃という攻撃をいなし続けた。そして、その瞬間は訪れた。
「終わり。」
「っがぁ!」
無造作に、紫が手を動かし、零が蹲る。
「零さん!」
「来るな!!」
さとりの声をかき消さんばかりの大音量で零は叫ぶ。
「止めてください!相手はあの八雲紫ですよ!?今回の件はミスで───」
「ならなんで俺の目に
悪意が映る!!」
さとりは驚き、紫を見る。そこには見下すような目をした紫が映った。
「それがユニコーンの能力?」
「ご明察。天狗が風を操るように、ユニコーンは相手の悪意を映す。」
「そう……」
邪魔な能力だとは思っていたが、ここまでとは紫も思っていなかった。小細工は通用しないことを悟った紫は、完全排除に動く。
「なら教えましょう。今回の真の目的は、『畏れの溜まり過ぎた妖怪の排除』。
「なら、この戦いの
「その通り。まぁ、さとりなら大丈夫でしょうからいいけど、
あなたが勝てば、ね。」
言うが速いか紫は自らの大技を使う。
「ま、ここで死ぬけどね。」
紫が使ったのは『生と死の境界』の操作。必中必殺の一撃。それですら───
「言っただろ?『他に干渉するものに使える。』と。ソードスキル『ホリゾンタル・アーク』」
零は斬って捨てた。左に水平に振り抜いた剣をそれがわからない速度で右に切り返す。
「まさか!?これも!?」
しかしそこまで、紫の能力と妖力を組み合わせた体術は霊夢の体術すら上回る。
「カハッ──」
吐血。長くはないと判断した紫は地上に降りた。
「(私には、見ていることしか、出来、なかった。私も、ここで、死ぬ───)「さとり様ーー!!」え?!」
涙に頬を濡らしていたさとりだが、剣を抱えたお燐とお空に目を遣った。
「これは?」
「畏れの溜まり過ぎた妖怪の排除に八雲様が来たの。さよなら、」
「まだです!」
見れば零は地面にエリュシデータを突き刺し、立とうとしていた。
「この剣を!」
「どうするの?」
「零さんに!」
「分かったわ、(この剣で、立って下さい、)零さん!」
その声は今まさに崩れ落ちんとしていた零に届き、顔を向けた。そして、死にたくない、というさとりの表情を見て奮い立ち、剣をかろうじて受け止める。
「(この、手に馴染むこの感覚、いけるか?)いや、
抜き放った剣は、全体を濃淡をつけて蒼く染められた、大振りの片手直剣。SAOアインクラッドを知るだれもが知っているであろう、キリト愛剣の一つ、
「いくぜ、エリュシデータ、そして───
───
「その剣は?」
そう聞く紫に不敵に笑い、
「あの世にいったら教えてやる。」
そう、言い返した。
「そう、じゃ、永遠に聞くことはないわ。スペルカード『静と動の均衡』。」
静止と行動の絶妙な均衡を要求されるスペルカードを、零はエリュシデータの腹を向け、
「ソードスキル『スピニングシールド』。」
剣の風圧で消し飛ばす。最早スペルカードルールなんぞどこ吹く風と言わんばかりの大技。しかし紫は焦ることなく近づき、殺す一手をうつ。
「(彼はソードスキルを出す、けどあれは諸刃の剣、避けさえすれば勝ち。)死になさい。」
「お前がな、」
零はソードスキルを使わず、弾き、ソードスキルを放つ。ここも紫の想定内。
「(きた!これを凌げば───)」
「凌げば、とでも思っているんだろ?いままでの俺と舐めるな。
空間を灼け。スターバースト・ストリーム。」
星屑舞い散る十六連、しかしそれは、妖夢の『人鬼 未来永劫斬』の数倍の速度。紫の知る彼ではない。
『模倣者』の黒の剣士。今も模倣に変わりはなくとも、エリュシデータとダークリパルサーがある。原作キリトと同じ土俵に立った零は、常識に囚われぬ幻想郷のなかでさらに常識外れな存在と化していた。
「ここよ!」
ソードスキルの終わり、その瞬間を狙った手刀。なんとか凌いだ紫は、ふと自分がスペルカードルールを無視していたことに気付き、止めた。
「なんで止めた、殺れただろ?」
「幻想郷らしく、スペルカードルールでやりましょう。」
「良いぜ、けど──「零、これを!」なんだ!?翔弥?!」
翔弥の投げたのはスペルカードの基となるカード。
「ありがたく使わさて貰うぜ、翔弥。」
「あったりめぇよ、頼んだぜ。」
敵前で大胆に笑う二人。
「いって下さい、零さん!あなたは、地霊殿、うんん、『
「………ありがとう、さとり。」
零は紫を向き直る。
「紫、俺達は『想像』で能力か出来ている。そして『想像力』が力になる。」
「そうね。」
「なら、終わりだ。スペルカード
『家族、地霊殿』。」
静かに宣告したスペルカード、これが、零初のスペルカードだった。
「まずは小手調べといこうか!『火焔猫 燐 キャッツウォーク』!」
「え?あたいの?!」
お燐のスペルカードを使う零、場の誰もが驚くのを気に留めない。
「『霊烏路 空 メガフレア』!」
「今度は私の!?」
「一体、これは──?」
スペルカードルールを知り尽くす霊夢ですら知らない部類のスペルカード。
「お次はこれだ!『古明地 こいし 弾幕のシャールロッハ』!」
「私のもだ!やったー!」
戦いにも関わらず元気なこいし。しかし困惑しっぱなしの周り。
「今度はお姉ちゃんのだよ!」「さとりのね!」
「だと思った?ならてめえは三流だ紫ぃ!『霊烏路 空 地獄極楽メルトダウン』!」
容赦のよどころかワイすらない。その後もお空を中心にお燐、こいしのスペルカードを乱打した。
「これで仕舞いだ!『親友 火焔猫 燐』!」
「え?そんな風に……」
嬉しそうに頬を緩めるお燐。しかし弾幕は苛烈。回避もなく紫は被弾する。
「続けてぇ『家族 霊烏路 空』!」
「やった!」
小出しお空の『爆符 ペタフレア』すら生ぬるい程の火球を放つ。紫は爆発に巻き込まれて飛ぶ。
「ラストぉ!『妹 古明地 こいし』!」
「なんなの?!このスペルカードは?!」
「さて、ネタばらしだ。先程聞いたな『想像力が力になる』と。なら、『自分の中で大きい存在』を模倣したら?これがその結論だ。
時間だ、墜ちろ。」
こいしの「嫌われ者のフィロソフィ」と「サブタレイニアンローズ」を組み合わせたスペルカード。一応回避は出来るが安置にたどり着けるかは保証しない。そんなスペルカード。一方さとりは
「(大きな存在、私は、それじゃないのかな?嫌われたかな?)」
ネガティブ思考再来である。それを零は知ってか知らずか、次なるスペルカードを使う。
「これで弾幕は仕舞いだ。『親愛 古明地 さとり』。」
「え、、(零さん、親、愛?)」
「ここに来た日、さとりは温かく迎えてくれた。
さとりの持ちうる全スペルカードを組み合わせ、放つは
「スペルカード発動、『ロスト&ゲット』。」
不可能弾幕。
「そうだ、紫。これ無理だから気にしなくていいぜ。」
「甘いわ!『不可能弾幕結界』!」
「な?!」
油断した隙に弾幕が衝突し、爆発を起こす。巻き込まれた二人は地面に落下したものの、紫はすぐに立った。零は───
「(ちぃ、動けねぇ。)」
「終わりね、約束通り───」
紫はゆっくりとさとりに歩み寄る。死に震えるさとりに手を伸ばす。
「零、さん、助け───」
「(畜生!動け、動きやがれ!)──めろ」
「うるさいわ、これで───」
「(止めろ、止めろ!)──っ!────っ!」
「ううう………助け………」
「(動けってんだ!)
ギリギリで間に合ったソードスキルは、紫を
「なぜ?」
「妖力のコーティングを無くした。まあ今の一瞬が限度だが。
さぁ、次でラストだ、耐えてみろ。」
「いいわ、来なさい。『深弾幕結界 -夢幻泡影-』」
弾幕が迫り、当たるが気にしない、
「ソードスキル、『エンド・リボルバー』」
二刀による全方位攻撃、弾幕を消し飛ばす。
そして一つ深呼吸をして、左手のエリュシデータを左腰まで引き、右手のダークリパルサーを少し前に、これで準備は整った。
「(太陽の、コロナのように、)ただ速く、鋭く、正確に、あらゆる方向から、襲う─────
二刀流最上位ソードスキル、
『ジ・イクリプス』」
睨む目は鋭く、剣は重く、速く、正面に立っているはずが、あらゆる方向から剣が襲い来る。
これこそ二刀流最上位ソードスキル、『ジ・イクリプス』二十七連撃。零には、この一瞬すら長く感じた。
「(速く、もっと速く、原作を超え、斬る!)
ハァァ──────!!」
「(見たことあるわ、)」
いくら速くとも、知られてらいては無理がある。紫はひらりとかわす、負けた、そう、誰もが
『零以外の』誰もが思ったとき、
剣は途切れる。絶望的硬直、敗北確定、
「終わりね、」
「ああ、終わりだ、
てめえがな!!!
ソードスキル、『メテオ・サーキュラー』!」
零のOSS、『メテオ・サーキュラー』は八連撃、二刀流にしては少ないが、真髄は
「この伎の真髄は───
───システム外スキル、『ステータススイッチ』。」
零は妖力を消費してステータスを切り替えられる。それをソードスキルの最中に行う。保証はない、オマケにぶっつけ本番の危険な賭け、しかし他に手はない。そんな状況の時の零はぶっ飛んでいた。ぶっつけ本番を成功させるほどに。剣を振るのはAGI、当てる瞬間STRに妖力を回す。
「これでっ!終わりだぁ────!」
体を捻って回転斬り、吹き飛ぶ紫を見て零は不敵に笑う。
「八八八、俺の、勝ち………」
「そうね、負け、、よ、、」
ボロの紫を見て、勝ちを悟って、安心した零は──
「さとり、勝ったよ、」
「ええ!零さん!」
飛び込むさとりを受け止め、倒れた。
ハイ、終了です。
やり過ぎかな?と思うくらいの設定改変、自己解釈、チートの盛り放題でした。まぁね、紫さん相手だからしょうがないね。
次回の「東方黑剣士」は?
やっとの平穏!起きた零は
「?なんだ?」
なにを見た?
「よし!宴会ね!」
ようやくまともに宴会スタート!
次回!第八話「手にした