IS──暴竜に仕える八首竜の巫女──   作:樹矢

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お久しぶりです。3ヶ月以上も空いてしまいましたね………。若干スランプになってきたきがする………。まあ完結させるつもりではありますが。
キリのいいところまでにしたら少し短くなってしまった気がします。

父いわく、父の会社は来年度採用する定員を当初の予定の半分にする事が決まったとか。今年と来年度の就活は厳しそうですね………
皆さん体に気をつけてお過ごしください。


クラス代表対抗戦1

 数日後のクラス対抗戦当日、一夏はセシリアと共に観客席にいた。

 

「結構な熱気ですね」

「優勝クラスには食堂のデザートの無料券が渡されますからね。気合が入るというものですわ」

 

 少しうるさく感じた一夏だが、全竜祭の熱気よりはマシだと思った。そもそも1つの学園の一学年の熱気と他国などからも集まる人間達の熱気は比べるものでは無いのだが。

 アリーナのスクリーンに対戦表が表示される。

 

「1回戦目は1組と2組ですか」

「話によれば鈴さんはほぼ1年で代表候補生になったと聞きます。その実力は只者ではないでしょう」

「ですね。そういえば私達の代表は何かしていましたか?」

 

 ふと思い出したようにセシリアに聞く。

 普通であれば対策を練るし、訓練もする。しかし秋一を知る一夏はそれをしていないと思い、聞いたのだ。

 

「少なくともわたくしは見ていませんわ」

 

 やはりと思う反面、変わらな過ぎて呆れてしまう一夏。

 

「そういえばどこで訓練をしていたのでしょう?」

「代表決定戦の時に言っていた言葉から察するに、『ブリュンヒルデ織斑 千冬の弟』であり、『天才』の自分は何もしなくても勝って当然とでも思っていると思いますよ?」

「流石にそれは……」

 

 ないと思うセシリアだが、一夏はそうだと確信していた。事実、秋一は一夏も呆れるほどに予想のど真ん中を突き抜けていた。

 そこへアリーナに射出される2機のIS。片方は秋一の〈白式〉。もう片方は龍を模し、背後に2つの非固定武装を装備した紅い機体。それには鈴音が搭乗していた。

 

「おや、出てきましたね」

「あれが中国の第三世代IS〈甲龍(シェンロン)〉ですか…………」

 

 アリーナに赤と白が現れ、観客席は歓声に包まれる。セシリアは鈴音のIS〈甲龍〉を見て分析を始めた。

 

「やあ、待っていたよ。君が僕の最初の相手だとはね」

「ええ、待っていたわ。悲鳴を上げる準備は出来ているかしら?」

「チャンスをあげるよ。この勝負、僕に勝ちを譲りなよ」

「へぇ、それは私に勝てないから?」

「まさか。君が僕に勝てる道理が無いからさ」

 

 互いに口撃を交わし合い、開始までの時間を待つ。

 

「何にもしないやつに負ける訳がないでしょ? それとも相変わらず天才だと疑っていないわけ?」

「当然だろ? 僕を凡人と笑えるのは千冬姉と束さんだけさ」

「そんな天才様は2度も負けているようだけど?」

「あれは油断しただけさ。今度はしない」

 

 そう言って余裕を見せる秋一に、鈴音は呆れ、ため息をついた。

 

「ねえ、一般的に天才って呼ばれているのは、どんな人達だと思う?」

「僕や千冬姉、束さんの様に才能のある人間さ」

「それもそうね。けど、歴史上の天才達はね、アンタみたいに何もしない人間じゃなくて、才能の上に努力を重ね、才能が無くても諦めなかった人間達よ」

 

 鈴音は青龍刀《双天牙月》を両手に構え、秋一へ向ける。

 

「アンタは才能に胡座をかいている凡人以下。無様に土でも舐めなさい」

 

 試合開始のブザーと共に瞬時加速(イグニッション・ブースト)で接近、片方で《雪片弐型》をいなし、もう片方の双天牙月を鈴音は叩き込む。そして蹴撃。近距離格闘戦の為に鈴音の実力に合わせて改修され、追加された脚部のブレードにより、更に白式のSEは減少する。

 

「舐めるなあ!!」

 

 秋一は『零落白夜』を起動。瞬時加速で接近する。

 

「───出し惜しみはしない。後で不利になろうとも、お前だけはここで必ず潰す!」

 

 甲龍の非固定武装が可動し、近づいてきた秋一を不可視の力が吹き飛ばした。

 

「……あれは?」

「中国の第三世代兵器《衝撃砲》ですわね」

「衝撃砲?」

 

 一夏が思わず呟いた疑問にセシリアが答え、一夏は更に質問を返す。

 

「空気を圧縮して砲身を形成。それによって発生した衝撃波を砲弾として発射する武装ですわ。ご覧のように砲弾も砲身も見えないため、回避するのは困難ですわね」

「なるほど。射程は空気と衝撃波という単語から中距離がメインと仮定して、射角はどれ程あるのでしょうか?」

「理論上では360度、全周囲を攻撃可能でしたわね。わたくしのBT兵器と同じで使用者の技量次第では背後の敵も狙えますが、完全に使いこなせなければ操縦者の有視界しか狙えませんわね」

「成程」

 

 一夏は近づこうとすれば吹き飛ばされ、離れようとすれば近寄られ切りつけられる秋一を見ながら鈴音への対処法を考える。

 

「とりあえずは衝撃砲を回避しながら接近、または射程外から《衝撃砲》を撃ち抜いて破壊。或いは使われる前に接近し、切り裂いて破壊するのが優先ですね」

「その通りですが……どうやって避けるのですか?」

「《衝撃砲》も射撃兵装。ならば必ず()()()()()というプロセスが発生します。大抵の場合、相手を狙う為に視線が動くのでそれを読んでしまえば避けられるでしょう。銃などというわかりやすいものであれば銃口の向きから予測して回避も容易いかと」

 

 一夏にとって相手の視線を読むのは機竜で戦闘するのに必要な基礎技術の1つだ。しかしそれは簡単にできるものではなく、一夏も実戦に通用するレベルのものを身につけるには苦労した。通常のワイバーン一機で神装機竜との連戦(1番二度とやりたくない訓練方法)などという狂った方法など、本気で発案者(夜架)の正気と人間性を疑ったものである。使い手達が実力派揃いなのが余計に救いを無くしていた。

 

「それか周囲の波長を計測して砲弾の衝撃波を見つけ出して回避、或いはさっさと砲弾の合間を縫って接近し、使えなくするくらいでしょうか」

 

 そしてそれを当然の手段として言った一夏に、セシリアは自分の耳と正気を疑い、そもそも実力が違うと言い聞かせ…………

 

「…………誰ができるのですか、そんなこと」

 

 られなかった。その呟きを聞いた一夏は答える。

 

「私の師達ならやれそうですね」

 

「特に夜架さんは」と付け足す。なんなら夜架以外の全員もやりかねないとすら一夏は思う。

 ルクスのように純粋な技量によるものや、クルルシファーの〈ファフニール〉の未来予知、セリスティアの〈リンドヴルム〉によるワープ。それかリーズシャルテの〈ティアマト〉のようにそもそも使う暇を与えない(初手で天声でねじ伏せる)か、フィルフィの〈テュポーン〉よろしく効果が薄い(陸戦型は伊達じゃない)ものやその他諸々。数をあげればキリが無くなりそうになったので思考を止める。

 セシリアの目は見なかった。確実に目が死んでいそうな気がしたからだ。実際に過去に行った夜架との訓練でそれをやられた一夏は見ずに察した。ふと一夏の脳裏に顔をのぞかせた一定時間無敵(クエレブレ)は頭の隅から追放された。

 

「おや」

 

 そしてアリーナの中では新たな動きが始まった。

 鈴音は敢えて衝撃砲を撃たず、秋一を接近させる。弾数に限りがあると判断した秋一は、自分の少ないSEを確認し、一撃必殺を狙い接近する。念の為とフェイントをいつでもかけられる様にしながら近づき、『零落白夜』と共に雪片弍型を振り下ろす。その瞬間、《双天牙月》が格納され、秋一の攻撃を鈴音は紙一重で回避、隙だらけの秋一の腹部に拳を叩き込む。

 

「ハァッ!!」

「うがっ!?」

 

 その腕は先程までと違い、龍の頭部をイメージしたガントレットが装備されていた。

 

「どう? 腕部衝撃砲《龍牙》の味は」

 

 もう1発、次は顔に。そして放たれる連撃。中国の拳法を取り入れた鈴音の近接格闘の為に最適化された龍牙から、拳が入れられると同時に衝撃砲が放たれる。

 

「鬱陶しいし、コレ邪魔ね」

 

 秋一の背後に回り込み、その背中を踏みつけて地面に縫い付ける。そしてPICを使い、白式を固定。PICと防御用以外の全エネルギーを腕部に回し、白式のウィングスラスターを無理矢理引き千切る。そして引きちぎったそれを白式に叩きつけ、空中に移動して衝撃砲を全門叩き込む。ウィングスラスターに蓄えられていた推進用エネルギーが爆発を起こし、一連のダメージによって一気に白式のSEは減った。

 しかし鈴音は油断しない。こういう時に油断した者から、不意を突かれて返り討ちに合うのを何度も見てきたのだから。

 

「うおおおおおおお!!!」

 

 鈴音の予想通り、ウィングスラスターが無いにも関わらず零落白夜を発動させて秋一は突貫してくる。

 

「残念、見えてんのよ」

 

 振り下ろされたその一閃を体の向きを変えるだけで避ける。そして秋一の後頭部を掴み、がら空きとなった顔面に膝蹴りを叩き込む。秋一の手から離れた雪片弐型を蹴り飛ばし、一切の武装を無くした秋一を背負い投げで地面に叩きつける。

 

「これで…………!」

 

 トドメ、再び双天牙月を展開し、切りかかろうとする。

 しかし()()()I()S()()()()()()()()()()()()()()()がアリーナのシールドを破壊し、2人の間に突き刺さり、何かが侵入した。

 

「…………っ何よ?」

 

 一体……と言おうとした鈴音はそれを途中でやめた。大きく土煙を上げて割り込んできたそれは、頭部が陥没したような異形の機体だった。




ホントに戦闘描写が上手く書けない………。他の作者さん達の作品も読んでるんですけどね。あんなに上手く戦闘描写がかけるのは尊敬しか無いです。
少し戦闘描写を練習する為の作品でも書こうかな………
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