戦姫絶唱シンフォギア ~奇跡の歌姫と戦士の物語~   作:イキスギコージー

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どうも皆さん、イキスギコージーです。
先日マキオンの家庭版が発表されましたね。
投稿者はアーケードでEXVS2はプレイしてるのですがアーケードと家庭版はやはり感じがちがうので発売が待ち遠しいです。

今回から新たに二人ほど新キャラを追加させていただきます。それではどうぞ…


ep22.黒いガングニールと天帝

フィーネ...櫻井了子が荷電粒子砲『カ・ディンギル』を使って引き起こした『ルナアタック事変』から数か月経った頃...

 

 

「なるほど...杖を届けたすぐあとにノイズが襲撃、担当していたウェル博士と一緒にソロモンの杖が行方不明になったと...」

『あぁ、その通りだ』

 

弦十郎からその後の報告を受けつつ、一人の男はモニターを見ていた。

「だがその報告が正しいなら、少し引っかかるところがあるな」

 

『やはり、君もそう思うか?』

 

先日行われたソロモンの杖輸送任務。広島の岩国の米軍基地までアークセプターである『ソロモンの杖』を輸送するのが目的であり、その際同行したのが響とクリスである。

翼は今夜開催される『Queen's Of Music』というライブがあるため任務から外れていた

。彼と奏は別方面でノイズが出現した際の対策として残っていた。

 

「杖を届けた後すぐに基地もろとも襲撃するなんて、まるでそこに行くことを知っていての襲撃に捉えられるが...」

『まさか...輸送作戦の中で裏で糸を引いている者がいるというのか?』

「可能性としては捨てきれない。俺はそう考えるな」

『わかった。ならその線を考えてもう一度調査してみよう』

「了解した。俺はこれからアレの改修に入る。俺も夜行かないと行けないんでね...」

『わかった。お前が行ってやればアイツも喜ぶだろう。頼むぞ!』

「あぁ、またなんかあったら連絡する...」

 

それを最後に、本部と連絡を切った。

 

「やはり、杖が奪われたようだね...隼人、いや...今は『ガイ・ノイフルス』だったね」

ふと、後ろから声を掛けられ、それに隼人ことガイが反応した。

 

「勉か...しかし、偽名とはいえ『ガイ』ってなんだかなぁ...」

「しょうがないじゃないか、わが友よ。君は先日の事変で公では死亡扱いになっているのだから」

「そうだけどなぁ...」

ガイは言い終わるとため息をついた。

 

「あの...」

ふと後ろから声を掛けられ、二人が反応する。振り向くと橙色がかった茶色の髪の少女がいた。

「任務の方は...」

「あぁ、してやられたって感じだな」

「そう、ですか...」

少女はショックを受けたかのような声を挙げる。

 

「だが心配しなくても大丈夫です。ここには先日の事変の『英雄』がおりますので...」

「おい、あんま余計な事言わないでくれ...俺は、ただ出来ることをしただけだ」

少女が顔を曇らせる中、ガイは明るく言ってのける。

 

「心配するな。俺はもちろんの事、奏や響、翼やクリス、勉に信頼できる大人たちがいる。それにアイツもな...心配することは何にもないさ」

 

「そう...ですね...そうですよね!」

少女は元気を取り戻したかのように声を明るくする。

「よし、今日は翼のデュエットライブだ。お相手はお前の大好きな」

「マリア・カデンツァヴナ・イヴです!」

「私も大好きなのだよ。わが友よ!!」

「お前もか...勉...」

 

 

 

彼女の名は『セレナ・ラバール・レヴェリー』

記憶を無くしてる少女だ。

 

 

彼女は、ソロモンの杖輸送作戦から1か月前にガイとはある場所であった。

 

 

 

 

 

「おいエボルト、こんなところに呼び出していったい何なんだ?」

「わりぃな。これから二人にある人物を任せたいんだ...」

「アタシも呼びつけておいていったい何なんだ?オッサン」

「オッサンじゃねぇ!!まぁいい...」

 

エボルトに呼び出されとある施設にきたガイと奏。

二人はエボルトについてきながら二人は思った。エボルトが言う会わせたい奴とは一体誰なのかと。

 

しばらくすると奥の部屋の扉が開きそこからエボルトと少女が歩いてきた。

「なぁ...惣一。これはどういうことだ?」

ガイはエボルトに聞いた。少女がいるため人間体の時の名前で呼んだ。

「見ての通り、俺の家族だ。書類上だがな...」

「書類上?どういうことだ?」

奏はエボルトに尋ねた。エボルトは話そうと思ったが...

「ここじゃあまりよくない...移動しながら話そう」

そう言って一行は施設を後にし本部に向かった。

 

 

 

隼人、ガイが中学生だったころ米国にあった聖遺物研究施設で事故があった。表向きでは施設の欠陥で崩落したことになっている。ガイはともかく、奏もその絡みの報告は弦十郎から聞いてたため疑いもしなかった。だがエボルトはその見解に疑問を抱いていた。

 

「実は感じ取っていたんだがな...こんなに禍々しい気を放つ奴があるのかって。しかも自分の意志を持っているから達が悪い」

「まさかその自立型聖遺物によって破壊されたと言いたいのか...」

「わからないが...ただこんな俺でもこれだけは言える

 

 

あれは...『アイツは』この世にあってはならないものだ」

ガイはエボルトの顔を見た。その時の顔はいつになく険しい顔になっていた。

 

 

 

ライブ会場にて。

 

 

 

ステージのセットが行われている中、一人の女性が花歌を歌いながら様子を眺めていた。

 

「コンディションは良さそうだな、マリア」

彼女に、一人の男が声をかける。

「えぇ、レイ。今日は私たちの覚悟を見せる日だもの」

男、上月レイの言葉に、女性、マリアは答えた。

「そうか。それはなによりだ」

レイはにこやかな顔でマリアに返した。

そこに、彼女の携帯に連絡が入った。

『こちらの準備は完了、サクリストSが到着次第、始められる手筈です』

聞えてきたのは一人の女の声。

「OK、マム。世界最後のステージの幕を上げましょう」

『任せましたよ』

それを最後に、マムと呼ばれた女との通話を切った。

その後、レイにも通信が入る。

『レイ、X13Aの調整は終わっています。今一度帰還してください』

「了解した」

そう言うとレイは通信機を切った。

「どうやら俺の方も準備は整ったようだ」

「そう、では貴方の方も準備をして頂戴」

「あぁ、取り掛かるとしよう」

二人はそう言って会場で別れた。

 

 

夕暮れの光に照らされる街、その影にあるとある場所に、一台の車両があった。

その中にいるのは、一人の初老の女と、見た目がサブリーダーっぽくてやたら体つきのいい男がいた。

「流石は世界の歌姫『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』。ステージは大盛りですな」

「しかし、彼女の歌をもってしても、アレを起動させられないのは事実です」

褒め称える男に、女は塩辛く対応する。

 

「しかし意外でしたよ。彼と彼女にとっては因縁のあるアレを使うことを選ばれるなんて。あなた自身も因縁があるはず・・・」

「そうでなければ世界は救えないからです」

車椅子に座る女は、冷酷に答える。

そこに、モニターに一つのメッセージが届く。

女はその顔に笑みを浮かべ、白衣を着た男は鼻で笑い声を静かに上げた。

 

 

マリア・カデンツァヴナ・イヴ......

デビュー僅かで全米ヒットチャートの頂点を昇りつめた気鋭の歌姫。

その力強い歌声は、国境を越え世界中に熱狂的なファンを多数獲得している。日本の著名人たちも目を置く歌姫的存在だった。

 

 

そのマリアが目の前で万来の喝采を受けていた。

 

 

 

「悪い、遅くなった!」

「あ、ガイさんにセレナちゃん。...え~とその後ろにいるのは...勉さん??」

翼が用意してくれた特別席にガイとセレナと勉は駆け込む。そこには未来、板場、安藤、寺島、加え奏の五人がいた。

「遅いですよー!」

「すまない、何とか間に合ったが...勉がマリアのグッズをみた途端に引かれていってな...」

「何を言うんだわが友よ、ファンたるものグッズはしっかり確保するものだよ?」

「お、おう...だが、翼の出番には間に合って良かった...」

全身がある意味で完全装備された勉をみた一同。ガイもそれ以上言うのを止めた。

「あの、響は...」

「あぁ、作戦終了後に向うでさらにノイズが現れたみたいでな。それの対処に当たっているんだが、到着は少し遅れるみたいだ」

「そうですか...」

未来があからさまに落ち込む。やはり響がいないと寂しいのだろう。

「心配するな...響はちゃんと来る。信じてやってくれ...」

そんな未来を、ガイが励ました。

「はい。ありがとうございます。『ガイ』さん」

「...どうやら、始まるようだ...」

 

ステージの照明が消えステージの奥のモニター、その壇上からシャフトに乗って、二人の女性が出てくる。

片方は、黒と赤のライブ衣装を着こむ日本が誇るトップアーティスト『風鳴翼』。

もう片方は、純白のライブ衣装を纏う世界に名を馳せる歌姫『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』。

 

これが、このライブのメインイベント。

 

風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴの二人により一夜限りのユニットライブだ。

 

今、この空間を支配しているのは、マリアか、翼か...

奏でられる伴奏のメロディの中、二人の歌姫が歌いだす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その感情は会場全体を包み込み、会場を歓声で埋め尽くした。

その勢いは留まる事を知らないのか、激しく、炎の如く燃え上がっていた。

二人の歌姫が、その声援に感謝するように手を振り、やがて翼が前に進み出る。

「ありがとう、皆!」

その言葉に、会場はさらなる持ち上がりを見せる。

「私は、いつも皆から、沢山の勇気を分けてもらっている。だから今日は、私の歌を聞いてくれる人たちに、少しでも、勇気を分けてあげられたらと思っている」

その言葉は、会場をさらなる熱狂に包み込む。

そこで、マリアが一歩、進み出た。

「私の歌を全部、世界中にくれてあげる!」

このライブは、全世界を通して中継されている。だから、この声も、全て、世界中に届いているのだ。

「振り返らない、全力疾走だ。ついてこれる奴だけついて来い!」

自らを誇示する力強い言動。これが、彼女の人気の一つだ。

「今日のライブに参加出来た事に感謝している。そしてこの大舞台に、日本のトップアーティスト『風鳴翼』とユニットを組み、歌えた事を」

「私も、素晴らしいアーティストに巡り会えた事を、光栄に思う」

その手を差し出す翼。その手を、マリアは握り返した。その行為に、会場はさらに湧き上がる。

「私たちが世界に伝えていかなきゃね。歌には力があるって事を」

「それは、世界を変えていける力だ」

マリアの言葉に、翼もうなずく。ふとマリアが翼に背中を向け、会場の方を向く。

 

「――――そして、もう一つ」

 

 

 

その声音に、翼とガイは、違和感を覚えた。

マリアが、突如として腰布を靡かせた、その瞬間―――

 

会場に無数のノイズが出現した。

 

 

「な―――ッ!?」

「ノイズ!?」

それにガイは思わず立ち上がり、セレナは口元を抑えて驚く。突然のノイズの襲来に、会場は一気に大パニックに陥る。

「・・・狼狽えるな・・・」

そして、その会場に、とてつもない怒声が叩きつけられる。

「―――狼狽えるなッ!!!」

その声に、会場は一瞬にして静まり返る。

 

 

「ノイズの出現反応、多数!場所は、Queen’s of Musicの会場!」

「なんだと!?」

藤尭の報告に、弦十郎が立ち上がって声を挙げる。

 

 

「遅かりし・・・ですが、ようやく計画を始められます」

初老の女が会場の映像を見てそう呟く。

その部屋には、二人の少女の姿があり、また、オネエの男も笑う。

 

 

マリアの一言で、不安あるものの落ち着きを取り戻した会場では、攻撃する様子を見せないノイズが観客を囲んでいた。

「あ、アニメじゃないのよ・・・」

板場がそう呟く。

「なんで、また、こんな事に・・・」

安藤も、どうしてこうなったのか分からない様子だった。

「響・・・」

未来がそう呟く中、ガイが勉と奏に言う。

「とりあえず、俺が戦況を確認しに行く。二人は市民と彼女にたちを頼む...」

「あぁ...わかった」

「くれぐれも無茶だけはしないように。わが友よ」

ガイはそう言い他の皆に気づかれないように席を後にした。

 

 

その一方で、岩国の米軍基地からヘリで帰投している響たちも、その様子は見ていた。

「どうなってんだこりゃあ・・・・」

先ほどまで歓喜に包まれていた会場は一辺、恐怖のステージへと早変わりしている様を響、クリスの二人はヘリにあるテレビで見ていた。

「了解です。装者二名、状況介入まで四十分を予定。事態の収拾にあたります」

ヘリの助手席で友里が本部からの連絡に応じている。

「聞いての通りよ。昨日を抜かずの三連戦になるけど、お願い」

友里の言葉に、二人は頷く。

「またしても操られたノイズ・・・」

「詳細はまだ分からないわ。だけど・・・」

「だけど?」

友里の言葉に、響が聞き返す。

「ソロモンの杖を狙った襲撃と、ライブ会場に出現したノイズが、全くの無関係とは思えない」

その友里の推察に、彼らは一抹の不安を覚えるのだった。

 

ガイは人影のいない所で弦十郎と通信をした。

『ガイ君、他の皆はどうした?!』

「勉と奏に任せてきた。いざとなった時は彼らの判断に任せている」

『そうか...ひとまずといった所か...』

「あぁ、俺はこれから状況を確認次第、事によっては介入に入る...」

『それは...つまり...』

「そうだ、またアレを使うことになる。先日のこともあるからあまり表向きでは出したくないが...」

『わかった、後のことは俺に任せてもらおう!ガイ君の判断に任せる』

「了解した...」

そういいガイは通信を切った。だがガイは先ほどの事とは別に感じる部分があった。

(なんだ...この妙な感じは...今までに感じたことのない感覚だ...)

その不安を抱えながらガイは会場を駆けた。

 

 

そして、ライブスタンドにて...

「怖い子ね」

首の衣装を取り外しながら、マリアを睨みつける翼に、マリアはそう告げる。

「この状況にあっても、私に飛び掛かる機を伺っているなんて」

まさしく、歴戦の戦士である翼は、大胆不敵に佇むマリアをどうしようかと考えていた。首の衣装の下には、緊急時を考えてギアを隠していたのだが、どうやら使う時が来たようだ。

だが―――

「でもはやらないの。観客たちが、ノイズからの攻撃を防げると思って?」

「くっ・・・」

一般人がノイズに触れればその時点でアウト、死だ。だから迂闊に動けない。

「それに―――」

マリアが、会場に取り付けられた世界中のニュースを映すモニターを見やる。

「ライブの模様は世界中に中継されているのよ?日本政府はシンフォギアに対する概要を公開しても、その装者については秘匿したままじゃなかったかしら?ねえ、風鳴翼さん」

挑発的なマリアの言葉に、翼は毅然と言い返す。

「甘く見ないでもらいたい。そうとでも言えば、私が鞘走る事を躊躇うとでも思ったか!?」

その手の剣型のマイクを突きつけ、悠然と答える。

「フッ、貴方のそういう所、嫌いじゃないわ。貴方のように誰もが誰かの為に戦えたら、世界は、もう少しまともだったかもしれないわね」

そう、切実そうに語るマリア。

「なん・・・だと・・・?」

その言葉に、翼は首を傾げる。

「マリア・カデンツァヴナ・イヴ・・・貴様は一体・・・・」

「そうね、そろそろ頃合いかしら?」

いつものような口調に戻ったマリアが、その手のマイクを軽々と回転させて掴み取り、そしてそれを口に近付けた。

そして、宣言する

「私たちは、ノイズを操る力をもってして、この星の全ての国家に要求する!!」

高らかに告げられる、マリアの言葉。

「世界を敵に回しての交渉・・・!?これはまるで・・・」

「・・・宣戦布告」

舞台の袖の二人の死角から険しい顔をしてガイはそう呟く。

 

「...そこのいるのでしょう...骸骨の戦士(クロスボーンガンダム)さん」

 

ガイはマリアの言葉に一瞬驚いた。市民があの騒ぎの中こっちの存在に気付くなんて彼自身予想もしていなかった。

しかも弦十郎によって存在をもみ消したはずの『クロスボーンガンダム』。勿論ルナアタックに居合わせた人々たちはその存在は知っているがそれでもガイの周りの人間と響と未来の友人たちしかその存在を知らない。ガイは隠れるのをあきらめ存在を消した戦士『クロスボーンガンダムX1』を纏い舞台に出てきた。

 

「まさか、世界の歌姫様に俺の名を知っていただいてるなんて光栄だよ...」

「当然よ、月の欠片の破壊、そして奇跡の生還を果たした人物だもの。知らないわけないわ」

「なるほど。それはそれはで...ならこちらも聞こう。さっきの宣戦布告...どこまで本気だ?」

「全部...といったら、アナタはどうする?」

 

マリアが言うとX1はザンバスターをマリアの頭に照準を合わせた。

 

「俺はこの引き金を引くことになる...」

「思っていた以上に物騒な人ね...アナタ」

「あぁ、俺もそう思うさ。だが小火が大火事になる前に対処しとくもんだろ?」

「そうね。でも...

 

アナタは引き金を引くことはできないわ」

マリアが言い終わるとX1は何かを感じたのか飛び始めた。

 

(なんだ、この奇妙な感じは...!!)

「上からだと!!」

X1はすぐにビームシールドを展開しながら回避をする。だがビームの飛んでくる方向がおかしい。下にはマリアと翼がいるだけで敵などはいなかった。だが飛んだあとX1の上下、左右いたるところからビームが飛んでくる。ガイは咄嗟にビームシールドとビーム・ザンバーではじくが背中に直撃し舞台に叩き落される。

背中のスラスター2機をやられたX1。それをみた翼はX1に近づく。

「ガイ、上空で何があった!!」

「まさか...これは全方位射撃!」

X1はなんとか立ち上がり空を確認する。すると上空にシンフォギアではない、人型が空に滞空していた。やがてそれは地上に降りてきてこう言った。

 

「俺の攻撃をあの程度に抑えるとは...敵ながら出来るな...」

「この射撃の物量、イチイバルと同じ...いや。それ以上か!!」

上空にいる人型、左手には大型のシールドとサーベルの複合兵装をもち、右手の銃は肩に掛けるほど大きいライフル。そして背中にはさっきの大量のビームを発射できる大型のビーム砲と小型ビーム砲を搭載したプラットフォームを装備している。そして顔には仮面を模したフェイスカバーが付いていた。

ガイは人型に向けて問った

「お前は...一体...だれなんだ...」

X1の問いに謎の人型は答えた。

「プロヴィデンス...新世界の扉を開く者だ...」

 

「そして、アナタの敵は、彼だけではない―――」

マリアは、その手のマイクを天高く投げる。

 

そして――――――()()()()()

 

 

「―――Granzizel bilfen gungnir zizzl(溢れ始める秘めた情熱)―――」

 

 

「これは―――!?」

その光景を目の当たりにして、翼とガイは呆然とする。

 

今、彼女〈アイツ〉はなんと言った?

 

 

gungnir(ガングニール)と言ったのか?

 

 

黒いマントをなびかせ、黒い装甲をその身に纏った、世界の歌姫。それは、紛れもない二課の持つものと同じ『シンフォギア』そして、本来ではあり得ない、三本目の―――

 

「黒い・・・ガングニール・・・!?」

 

茫然とする最中で、ガングニールを纏ったマリアはマイクを口元に近付ける。

「私は―――」

そして、高らかにその正体を告げた。

 

「―――私たちは『フィーネ』!そう・・・『終局(終わり)』の名をもつものだ!」

 

 

今、世界の滅亡を賭けた戦いの幕があがった。

 




次回のシンフォギアは!!

「やってるやってる、ワタシもそろそろ…行こうかしら…!」
オネエの男、生身の状態でX1と対峙する。

「痛みを知らない貴方に『誰かのために』なんて言って欲しくない!!」
ガイの意思はことごとく否定される…

「X1の新技をみせてやる!!」
奏と勉の3人による新技発動!


それが偽善なら…俺は…なんのために…

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