Wars of Characters   作:ロードゲート

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お待たせ致しました。
サボっては無いのでご安心を。


第8話 六魔将軍現る!

 

「ケット・シェルターから来たウェンディです。よろしくお願いします。」

「子供!?」

「女!?」

「ウェンディ…?」

 

 

六魔将軍(オラシオンセイス)を討つ為に組まれた連合軍に、化猫の宿(ケット・シェルター)から来た小柄で幼い少女、ウェンディ。

意外な人物の登場に驚愕するメンバーの中、“ウェンディ”と言う名前に違和感を覚えるナツ、そして仲間にしようとするユウト。

全員がウェンディに視線を向けていた。

 

 

「…これで全てのギルドが揃った」

「いや話進めるのかいっ!」

 

 

そんな中、話を進めるジュラにグレイが突っ込みを入れる。

 

 

しかし、バラム同盟の一角であるオラシオンセイスを討つ作戦に子供1人をよこすとは流石に無理があるのではないのか。

 

 

「こんな大がかりな討伐作戦にこんなお子様1人をよこすなんて、ケット・シェルターはどういうつもりなのかしら?」

「確かに。しかも女子」

 

 

シェリーは不満感を抱きながらそう口に出す。

ユウトは、彼女の言葉に共感した。

 

 

「あら、1人じゃないわ、ケバいお姉さん」

 

 

入口から白く小さな猫が喋りながら登場する。

どうやら彼女はウェンディの付き添いのようだ。

 

 

「“シャルル”ついて来ちゃったの!?」

「当然。アンタ1人じゃ不安で仕方ないもの。」

(そういやこいつもいたな。…で、ハッピーはここで彼女に…)

 

 

原作確認済みのユウトはシャルルの登場も記憶済みで、原作通りならとハッピーに視線を向ける。

予想通り、ハッピーはシャルルに一目惚れをしていた。

 

 

「や っ ぱ り」

「ねぇルーシィ、あの子にオイラの魚あげてきてよぉ」

「切っ掛けは自分で作らないとダメよ」

 

 

ハッピーはルーシィにシャルルに魚をあげてと頼むも、恋愛は自分で切っ掛けを作ろうと拒否した。

 

 

皆も、恋愛は切っ掛けを自分で作らないと駄目だからね!(by 恋愛経験無しの作者)

 

 

「あ…あの、私、戦闘は全然出来ませんが、役に立つサポート魔法いっぱい使えます。だから仲間外れにだけはしないでくださいぃ」

「そんなだから舐められんの、アンタは!」

「いや、仲間外れになんてするわけが無いだろ?」

「あぁ、少々驚いたがそんなつもりは毛頭無いさ。よろしく頼むぞ、ウェンディ。」

 

 

仲間外れにさせられると思い、泣きそうになるウェンディを安心させようと仲間外れをする事を否定し、逆に彼女を連合軍の1人として歓迎する。

ここで仲間外れにしたら後の戦いで相当不利になるのと、フェアリーテイルの名誉が傷が付く。

傷を付けたら、そこからは想像したくもない。

 

 

「ウェンディ、安心しろ。…お前を非難する奴は1人も居ないさ。」

「ありがとうございます。…あの、名前を教えてもらっても良いですか?」

「おう、俺の名前はユu」

「さ、お嬢ちゃんは此方へ」

「え、あの…」

「オイ!」

 

 

ユウトがウェンディに自分の名を名乗ろうとするが、遮るようにトライメンズにウェンディを取られてしまう。

 

 

「ナンパ共め…」

「ユウト殿、ウェンディ殿の魔力にお気付きだろうか?」

「え?…あぁ、馬鹿な俺でも感じ取れますよ。」

「あの娘、ただ者ではない香り(バルファム)がするぞ…」

 

 

ユウト達はウェンディがただ者ではない事に気付く。

彼女が、“あれ”を持つ魔導士だと言う事に。

 

 

「ウェンディ…ウェンディ…」

「どうした?ナツ」

「いや、何処かで聞いた事ある名前だなと…うーむ……思い出してくれねーか?」

「知るか!!」

 

 

ナツはウェンディの名前に聞き覚えがあると記憶を探しだす。

ナツとウェンディの目が合うと、彼女はにっこりと微笑むのを見て、考えるのをやめる。

 

 

「さて、役者は揃ったようだから私の方から作戦内容を伝えるとしよう。」

「お、やっとか」

 

 

ウェンディに対する会話の後、一夜の方から作戦を伝えられる。

 

 

「──と、その前にトイレの香り(バルファム)を…」

「オイ」

「そこには香り(バルファム)って付けるなよ…」

 

 

──────────────────────────────────

 

トイレの香り(バルファム)を済ませ、戻って来た一夜は、早速作戦内容を伝える。

 

 

「ここから北に行くと“ワース樹海”が広がっている。古代人達はその樹海にある強大な魔法を封印した。…その名は“ニルヴァーナ”」

 

 

“ニルヴァーナ”。

かつて古代人達が“ワース樹海”と言う樹海に封印したとされる破壊魔法だ。

 

 

「ニルヴァーナ?」

「聞かぬ魔法だな」

「ジュラ様は?」

「いや、知らんな」

「シャルル知ってる?てか魚いる?」

「結構」

 

 

“ニルヴァーナ”は古代人が封印したのだからここに居る中で知る者はほぼ居ない。

 

 

「古代人達が封印するほどのとてつもなく強大な破壊魔法と言う事だけは分かっているが…」

「どんな魔法かは分からないんだ。」

「オラシオンセイスが樹海に集結した理由は、ニルヴァーナを手に入れる為なんだ。」

 

 

オラシオンセイスが集結した訳はワース樹海に封印されしニルヴァーナを入手する為。

何とかしてもそれだけは阻止をしなければならない。

 

 

「我々はそれを阻止する為に、オラシオンセイスを討つのだ!」

「でも敵の数は6人、こっち12人…圧倒じゃね?」

「だけど侮っちゃいけない。その6人がまたとんでもなく強いのさ」

 

 

ヒビキは魔法を使って、オラシオンセイスの6人の写真を空中に映し出す。

 

 

「毒蛇使いの魔導士、“コブラ”」

 

 

鋭い目をした残忍そうな顔の男、“コブラ”。

 

 

「その名からしてスピード魔法を使用すると思われる“レーサー”」

 

 

ゴーグルを付ける鼻が長い男、“レーサー”。

 

 

「天眼の“ホットアイ”」

 

 

まるで顔に直接彫刻したのかと思う程のカクカクした顔面を持つ男、“ホットアイ”。

 

 

「心を覗けると言う女、“エンジェル”」

 

 

その名の通り、まるで天使のような外観の銀髪の美女、“エンジェル”。

 

 

「この男は情報が少ないのだが、“ミッドナイト”と呼ばれている」

 

 

ミステリアスな青年、“ミッドナイト”。

 

 

「そして奴等の指令塔“ブレイン”」

 

 

顔面に所々左右対称の線模様が付いており、まるで闇っぽく感じ取れる銀髪の男、“ブレイン”。

 

 

「彼等はたった1人でギルド1つを潰せる程の魔力を持つ。我々は数的有利を利用する。」

 

 

相手は6人、此方は13人。

数的有利を利用する事で、討伐成功率がグッと上がる。

しかし、相手は1人ずつにギルド1つ潰せる程の強大な力を持つので、勝利するかどうかは努力とチームワーク次第である。

そんな強大な力を持つ彼等を倒すとなると、当然弱音を吐く者も…

 

 

「あ、あの…あたしは頭数に入れないで欲しいんだけど…」

「私も戦闘は苦手で…」

「ウェンディ、弱音吐かないの!」

「まぁ、無理も無いよなぁ」

 

 

ギルド1つを潰せる力を持つ彼等を相手にするとなると女子にとって無理も無い。

しかし、彼女達にとって朗報が耳に入る。

 

 

「安心したまえ、我々の作戦は戦闘だけにあらず、奴等の拠点を見つけてくれれば良い。」

「拠点?」

「今は奴等を捕捉していないが、樹海には奴等の仮説拠点があると推測される。」

 

 

ニルヴァーナを手に入れる為に樹海に集まったオラシオンセイスは、ここに滞在する為の仮説拠点が建っていると推測する。

 

 

「もし可能であれば、奴等全員をその拠点に集めて欲しい。」

「どうやって?」

「殴ってに決まってんだろ!」

「結局戦うのな…」

 

 

ナツの好戦的意見に突っ込みを入れる中、エルザが作戦に対する疑問を聞く。

 

 

「で、集めてどうするのだ?」

 

 

その疑問を聞いた一夜は、空に向かって人差し指を指す。

 

 

「我がギルドが大陸に誇る天馬、“クリスティーナ”で拠点もろとも葬り去るのだ!」

「おぉ!!」

「魔導爆撃艇!?」

 

 

人差し指を指した先には、ペガサスがモチーフとなったブルーペガサス所有の魔導爆撃艇、“クリスティーナ”が浮遊していた。

これで拠点に集めたオラシオンセイスを、纏めて潰そうと言う作戦のようだ。

 

しかしそれに対し、ルーシィは…

 

 

「てか、人間相手にそこまでやるか…?」

「そう言う相手なのだ。…いいか、戦闘になったら決して1人で戦ってはいかんぞ、敵1人相手に必ず2人以上でやるのだぞ。」

「え…」

 

 

それほど怖いと言う事を理解したようで、ルーシィの顔色が真っ青に染まる。

そんな彼女に対し…

 

 

「燃えて来たぞ、6人纏めてオレが相手してやるぞぉ!!!」

「おい、ちょ…待てよ!」

「作戦聞いてないだろ!ナツ!」

 

 

物凄くやる気になったナツに作戦内容が耳に入る事は無く、6人纏めて倒そうとその場から飛び出してしまう。

それに続いて、他のメンバー達も動き始める。

 

 

「大丈夫かな…」

 

 

置いて行かれたユウトも、心配しながら彼等に付いていくのだった。

 

 

──────────────────────────────────

 

次元間世界

 

 

「レート様、ユウトについてなのですが…」

「なんだい?」

 

 

ユウトの一連の行動を監視していた次元間世界では、レインがユウトについて話し掛ける。

 

 

「彼、前世の記憶を無くした方が良いと思うんですよね…」

「それは僕も疑問視しているよ。…原作終了まで閲覧していた彼にとって、このまま記憶したままだと歴史を変え兼ねないからね…。」

 

 

前世でFAIRY TAILを原作終了まで閲覧していたユウト。

彼がこのまま歴史を変えるのでは無いのかと、次元間世界で議題となっている。

 

 

「記憶消去が望ましいか…?」

「あるいは記憶を保ったままにする…?」

「「うーん…」」

 

 

2人揃って考えた後、同時に答えが浮かび上がる。

 

 

「「様子を見る!」」

「で、良いよね?」

「で、良いですよね?」

「分かった」

「分かりました」

 

 

気が合うのでは無いのか?と言いたいのは分かる。

2人は様子を見るとふんで、各々の持ち場に戻っていった。

 

 

───────────────────────────────────

 

 

「見えてきた、樹海だ!!」

「待てよ、ナツ!」

「やーだねー!」

「1人で先走るな」

「みんな…足…速すぎ…」

 

 

一方、オラシオンセイス探しをしていたナツ達は、樹海の目前に到着していた。

他の者達も、次々とナツに引き続き樹海の目前に到着した。

 

 

「樹海漫画で見てたけど、生で見るとこんなに綺麗なんだなって感じ取れる…」

「何言ってるの?」

「いや、独り言。」

 

 

そんなこんな会話をしていると、上空が暗くなる。

その状況に一同、上を見る為にその場に止まる。

上空には、作戦に利用する為の飛行艇が姿を現していた。

ペガサスをモチーフにしたそれは、絶大な巨大さと迫力さを物語っていて、メンバー達の目を輝かせる。

 

 

「魔導爆撃艇“クリスティーナ”!」

「おぉ、素晴らしい!」

「あれが噂の天馬!」

 

 

作戦の為にこれから移動する天馬。

 

 

 

 

 

と、クリスティーナからいきなり噴煙が上がる。

 

 

 

 

「え?」

「そんな…!」

「クリスティーナが…爆撃された!?」

 

 

次第に火は拡大し、浮遊していた飛行艇が噴煙を上げながら墜落。

木屑となってしまったクリスティーナの噴煙から、複数の人影が浮かび上がる。

 

 

「誰か出て来るぞ…」

「ひぇー!」

「ウェンディ!」

 

 

ザッザッ

 

 

足音を上げ、次第に煙に映る影の色が濃くなって行き、正体を見せる。

 

 

 

6人の、将軍が。

 

 

 

六魔将軍(オラシオンセイス)!!』

 

 

六魔将軍、現る!!

 

 

To Be Continued...

 




ウェンディ仲間にしたらフェアリーテイルどうなんだろって思ってたら夏休み終わってました。

目標とは。

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