Wars of Characters   作:ロードゲート

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今回も中途半端に終わります。
すいません…。

(一部修正しました)


第13話 もう1人の星使い

 

 

───ニルヴァーナ。

 

 

樹海から上がる黒い光の柱に全員、目を見開きながら視線を向ける。

 

 

「ニルヴァーナなのか!?」

「まさかオラシオンセイスに先を越されたの!?」

「発動したって事は、そう言う事だな」

 

 

全員が驚愕する中で、ニルヴァーナを見続けながらナツが呟く。

 

 

「あの光に…ジェラールがいる!!」

「ジェラール!?……ナツ!ジェラールってどういう事!?」

「私の所為だ…私の…」

 

 

ジェラールが居る事を確信し、ナツはルーシィの質問を聞き流し、ニルヴァーナに向かって一直線に駆け抜ける。

それを聞いたウェンディは自分の所為なんだと自責する。

 

 

「会わせる訳にはいかねぇんだ、エルザには!!…彼奴はオレが、潰す!!」

 

 

ナツはそう呟きつつ、ジェラールが居るニルヴァーナの元へ一直線に向かって行った。

 

 

 

───エルザにその言葉が聞こえてしまっている事も知らずに。

 

 

 

───────────────────────────────────

 

一方、ニルヴァーナに視線を向けていたイヴとレンは…

 

 

「あの光、何だろう?」

 

 

指でニルヴァーナを指し示しながらイヴが言う。

レンは黒く染まった木を見て答える。

 

 

「見ろよ、あの不気味な“黒い木”から何かが流れ出てる。…あの光に吸い寄せられているんだ。」

「どういう事何だろう…?」

 

 

光から“黒い木”が吸い寄せられている…?

 

 

「まさかあの光の場所にニルヴァーナが!?」

「だとしたら誰かがもう見つけたって事!?」

「連合軍か、オラシオンセイスのどっちだ…?」

「とりあえず僕はウェンディちゃんの救出に専念するよ!」

「分かった、オレはあの光に向かってみる事にする。気を付けろよ!」

 

 

2人はそれぞれの場所に向かう為、それぞれ別れた。

 

───────────────────────────────────

 

「ナツを追うぞ!」

「ナツ、ジェラールって言って無かった?」

 

 

ナツの言葉が脳裏を過る。

ナツは確かにジェラールと言っていたが…

 

 

「説明は後だ!兎に角今はナツを…」

 

 

ユウトがルーシィに説明している暇は無いと追跡を急かそうとしたその時…

 

 

「あー!!!」

 

 

ユウトの言葉を遮るようにシャルルの叫び声が聴こえる。

何だ何だとユウトはシャルルの方に視線を向ける。

 

 

「エルザが居ない!!」

 

 

シャルルが見ている場所に横たわっていた筈のエルザの姿が見当たらないのだ。

彼女はユウト達の目を盗み、何処かに行ってしまったのだろう。

 

 

「何なのよ、あの女!ウェンディに礼も無しで何処をほっつき歩いてるのかしら!」

「もしかして、ジェラールって名前聞いて…」

「さっきエルザ目開けてたから可能性はあるな。」

「じゃあ何で止めなかったのよ!」

「気付いたら居なかったんだよ、仕方無いだろ!」

 

 

ユウトとシャルルが言い争っている中、ウェンディのマイナスな感情はどんどんエスカレートして行く。

 

 

「どうしよう、私の所為だ……私があの時ジェラールを治した所為で、ニルヴァーナ見つかっちゃって、ナツさんや…エルザさんや…」

 

 

ぶつぶつとそう自責するウェンディに、ユウトは落ち着かせようと駆け寄る。

 

 

「ウェンディ、お前の判断は間違っちゃいない。…お前は恩人を助けたい思いで助けたんだろ?自責する事なんて1つも無いじゃないか。」

「でも、私が助けた所為で…」

「そうマイナスに考えるな。」

 

 

ユウトはウェンディの頭に手を置き、その場にしゃがむ。

 

 

「さっきは復活なんかさせるなって言ったけど、過ぎた事はしょうがない。…過去は取り戻せないんだからな。」

「………。」

「過去は取り戻せない。けど、お前がもし彼奴を復活させて無かったら、お前は今頃、後悔と悲しみの涙を流しながら泣き崩れてただろうな。」

「後悔と、悲しみ?」

「あぁ。彼奴が死んでしまったって言う悲しみと、復活させておけば…って言う後悔。…でも、お前はジェラールを復活したおかげで、その後悔と悲しみが無い“今”を生きてるんじゃないか?」

「“今”…」

 

 

ユウトはウェンディの頭に置いた手で、彼女の頭を擦る。

 

 

「お前はハッピーエンドを迎えられる事をしたんだ、自責する事なんか無い。…寧ろ喜ぶんだ。」

「喜べる状況じゃないでしょ」

「へへ、まぁな」

 

 

ウェンディの先程まで暗かった表情が明るくなる。

 

 

「…そうだ、ね。私がネガティブに考える事じゃ無いもんね。…ジェラールを復活させて良かったんだ。…何で自責なんかしたんだろ」

 

 

次第にウェンディの目から涙が流れる。

 

 

「ありがとう、大事な事に気付かせてくれて。」

「礼は良いよ。…俺はただ落ち着かせようとしただけだよ。」

「格好付けピーマン」

「るせーな」

 

 

ハッピーの茶々にユウトが顔を赤らめながら否定する。

それを見て、ウェンディは笑いながらその場に気を失う。

 

 

「ウェンディ!!」

「…疲れただけ、心配は要らないよ。」

 

 

ユウトの言葉にシャルルは「そう…」と安堵する。

 

 

「これで一先ず安心だな。」

「最悪、僕が魔法を使って気絶させる所だったけど、ユウト君が落ち着かせてくれてとても助かったよ」

「いやいや、ただこのままだと危ないなと思ってやっただけだから、礼は良いよ。」

「また格好付けた」

「ハッピー後で覚えてろよ」

「ごめんなさい」

 

 

ハッピーとユウトのやりくりにルーシィ達は笑い出す。

その後、ヒビキがユウト達に話掛ける。

 

 

「それより、ナツ君を追い掛けなきゃ」

「そうだな。」

「ニルヴァーナも出てきてるしね。」

「行くぞー!」

『オー!!』

 

 

全員声を出し、ナツを追い掛けつつニルヴァーナへと向かう。

 

 

───────────────────────────────────

 

 

「で、ニルヴァーナって何?」

 

 

ユウトの訊きにヒビキが反応する。

 

 

「僕が説明するよ。…簡単に言えば…光と闇を入れ替える魔法だ。」

「光と…」

「闇を…」

「入れ替える!?」

 

 

驚きの反応をする彼女等にしかし、とヒビキは続ける。

 

 

「それはまだ最終段階。まず封印が解かれると黒い光が上がる。」

「あの光の柱か」

 

 

ユウトの言葉にヒビキは相槌を打つように頷く。

 

 

「手始めに、黒い光は光と闇の狭間にいる者を逆の属性にする。強烈な負の感情を持った光の者は、闇に落ちる。」

「ウェンディの自責も?」

「あぁ、“自責の念”は負の感情だからね。もしユウト君が落ち着かせて無かったら、ウェンディちゃんは闇に落ちていたかもしれない。」

 

 

もう一度、ヒビキはユウトにありがとうと言うと、ユウトは相槌を打つ。

あのままユウトがウェンディを落ち着かせて無かったら、ウェンディは闇に落ちていただろう。

 

 

「ちょっと待って!!それじゃ“怒り”は!?ナツもやばいって事!?」

「何とも言えない…。その怒りが誰かの為ならそれは負の感情とも言い切れないし」

「それにエルザの為の怒りだと思われるから、多分彼奴が落ちる事は無いと思うけど…」

 

 

ルーシィの質問にヒビキとユウトが答える。

ナツの怒りは負の感情では無い(確証は無いが)と思われるので大丈夫だろうが、安心はできない。

此処までの話を聞いてハッピーは頭を抱える。

 

 

「どうしよう、意味が分からない」

「あんた馬鹿でしょ。」

「要するに、ニルヴァーナの封印が解かれた時、正義と悪とで心が動いている者の性格が変わるって事だ。」

「それが僕がこの魔法について黙っていた理由だ。人間は物事の善悪を意識し始めると思いもよらない負の感情を生む。」

 

 

 

──あの人さえ居なければ…

 

 

 

──辛い思いは誰の所為?

 

 

 

──何で自分ばかり…

 

 

 

「それらの負の感情全てがニルヴァーナによりジャッジされるんだ。」

 

 

要するにネガティブになりすぎると鬱になると言う事だ。

 

 

「そのニルヴァーナが完全に起動したら、あたし達みんな悪人になっちゃうの?」

「でもさ、それって逆に言うと闇ギルドの奴等は良い人になるって事でしょ?」

「そう言う事も可能だと思う。」

 

 

ただ、とヒビキは続ける。

 

 

「ニルヴァーナの恐ろしさはそれを意図的にコントロール出来る点なんだ。」

「マジか」

「例えば、ギルドに対してニルヴァーナが使われた場合…仲間同士での躊躇無しの殺し合いや他ギルドとの理由無き戦争…そんな事が簡単に起こせる。」

「それってつまり…」

「あぁ。一刻も早く止めなければ、光のギルドは全滅するだろう。」

 

 

そうなれば大陸中否、世界中が闇に染まってしまう。

しかもここは統合世界。

ヒーロー達がニルヴァーナによって闇に落ちてしまってはもはや誰にも止める事は出来ない。

 

 

「急ごう!」

 

 

そう考えると尚更早く止めなければいけないと考え、ユウト達はニルヴァーナへと向かう。

 

 

───────────────────────────────────

 

一方、ナツはジェラールのいるニルヴァーナへと向かっていた。

 

 

「ジェラール!!首洗って待ってろよー!!…ん?」

 

 

ジェラールを追う途中、川に溺れて浮かぶ人を見つける。

その人をよく見てみると、なんとグレイが川に浮かんでいたのだ。

 

 

「グレイ!?…お前何やってんだよこんな所で!てかあの速ぇのどうなったんだ?」

 

 

ナツがグレイにそう訊くが、彼が反応する様子は無い。

彼は本当に溺れてしまったのだろうか。

 

 

「お、おい…」

 

 

ナツはニルヴァーナを睨んで舌打ちをする。

急がなければジェラールがその場を去ってしまうだろうと思ったのだろう。

 

 

「ったくよ、此方は急いでんだっつーの!…起きろ、馬鹿!」

 

 

ナツがグレイを起こすと、彼は罠にハマったなと言わんばかりの表情でナツを見る。

すると、水面からイカダが姿を見せ、木に巻いてあったロープが外れ、イカダが水流に流される。

ナツが乗り物嫌いと言う事を利用した罠のようだ。

 

 

「お……乗り…も…おぷ」

「かかったなナツ、確かお前の弱点は乗り物だ。」

「お、おま…」

 

 

グレイは氷で槍を作り、それをナツに向ける。

 

 

「あばよ、ナツ……死ね」

 

 

氷の槍がナツに振り下ろされる瞬間、氷の流れ弾によって槍を手から離させ、攻撃を阻止する。

グレイは弾を撃ってきた方向に視線を向ける。

 

 

「あぶねぇ、“アイススコープ”が無きゃ死んでたな」

「間一髪だったわね…」

 

 

ユウトの“超距離狙撃氷銃(アイススコープ)”により、グレイの攻撃を間一髪阻止させたのだった。

 

 

「氷竜のユウトか…ドラゴンスレイヤーとしての実力はかなりあるようだが、アイスメイクの実力はまぁまぁだな」

「何言ってんだ、お前」

 

 

初対面のような反応に、ユウトは首を傾げる。

 

 

「グレイ、まさか闇に落ちたの?」

「…グレイから見たルーシィ。フェアリーテイルの新人、ルックスはかなり好み、少し気がある」

「はぁ?な、何よ?」

 

 

グレイとルーシィのやり取りの隙を狙い、ハッピーはナツの救助に向かうが…

 

 

「フン」

 

 

カキンッ!

 

 

「ぎゃっ!!」

 

 

グレイの魔法によって氷漬けにされ、地面に落ちる。

 

 

「オスネコ!」

「ハッピーに何すんのよ!?」

「ハッピーは空を飛ぶ、運べるのは1人、戦闘力は無し…情報収集完了」

「情報収集?」

「それに、ルーシィは見た目によらず純情、星霊魔導士…へぇ、星霊ねぇ…面白い!」

 

 

グレイがルーシィに向かって魔法を放つが、それはユウトによって止められる。

 

 

「お前、グレイじゃないな」

「え?グレイじゃない?」

 

 

ユウトの言葉にルーシィが目を見開く。

 

 

「だって明らかに情報収集とか訳分からない事言ってるから分かるっしょ?」

「まぁ確かに、怪しい気がするけど…」

「で、誰なんだ?」

 

 

すると、グレイの体から煙が上がり、煙が晴れると、姿がルーシィへと変わっているのだった。

 

 

「あ、あたし!!」

「君、頭悪いだろ?僕達が分かっている時点でルーシィさんに変身しても騙されないよ」

 

 

ヒビキは睨みながら偽ルーシィにそう言うが…

 

 

「そうかしら?あんたみたいな男は女に弱いでしょ?」

 

 

そう言った後、偽ルーシィは上着を脱ぎ、上半身を晒す。

 

 

「おぉぉぉお!!」

「俺はまだ小学生だ見てはいけない」

「きゃあぁぁあ!!!」

 

 

ヒビキは目を見開き、ユウトは自分の目を手で隠し、ルーシィの星霊であるサジタリウスも目を見開き、ルーシィは絶叫する。

 

 

「星霊情報収集完了…へぇ、凄いなぁ…」

 

 

ニヤリと微笑する偽ルーシィに何かを察し、キュイイインとアイススコープをチャージする。

 

 

「サジタリウス、お願いね」

 

 

偽ルーシィがそう命令すると、サジタリウスがヒビキに向かって矢を発射するが、事前にチャージしたアイススコープによって粉砕する。

 

 

「ルーシィ、早急にサジタリウスを強制閉門するんだ!」

「え?」

「早く!!」

「サジタリウス、強制閉門!!」

「申し訳無いですからして、もしもし……」

 

 

ルーシィの強制閉門によって、サジタリウスが星霊界へと戻されるが…

 

 

「開け、人馬宮の扉…“サジタリウス”!!」

「お呼びでありますか、もしもし……って、あれ?」

 

 

偽ルーシィによってサジタリウスが召喚されてしまうのであった。

 

 

「えぇぇっ!!?」

 

 

向こうも呼べてしまうと言う状況にルーシィは目を見開く。

偽ルーシィは気絶したウェンディを運び、避難するシャルルに指を指す。

 

 

「あの飛んでる猫射ち殺して!」

「いや…しかし、それがしは…」

 

 

無理な命令にサジタリウスも流石に従う事はできない。

しかし無理矢理射たされてしまう可能性もある為、ルーシィは強制閉門を試みる。

 

 

「強制閉門!!」

「無理よ、あたしが呼んだ星霊だもん。」

「そんな…」

 

 

しかし、今いるサジタリウスは偽の方のサジタリウス。

本物が強制閉門する事は事実上不可能なのだ。

 

 

「早くあの猫射って!」

「うぐ…」

 

 

遂にサジタリウスの抵抗が難しくなり、偽ルーシィの命令に沿ってシャルルを射とうと弓を構える…その時だった。

 

 

「もう良いゾ。ニルヴァーナが発見されたからもうあの餓鬼の役目は終わってるゾ」

 

 

近いて来る足音と共に女性の声が聞こえる。

その声が聞こえた途端、偽ルーシィはそっか、と言った直後に煙と化し、変身を解いたであろう双子の小人に姿を変える。

それと同時に偽ルーシィによって召喚されたサジタリウスも星霊界へと戻される。

 

 

「ピーリッ!」

「ピーリッ!」

「はーい、ルーシィちゃん、エンジェルちゃん参上だゾ」

「!オラシオンセイスか!」

 

 

オラシオンセイスの1人、“エンジェル”。

先程エンジェルの姿を見ていた為、直ぐにオラシオンセイスの1人だと分かった。

 

 

「その子達は双子宮の“ジェミニ”。私が召喚したんだゾ。」

「お前が召喚した…と言う事は…」

「そう。私もルーシィちゃんと同じ星霊魔導士だゾ」

 

 

星霊魔導士のルーシィと同じく星霊魔導士のエンジェル。

 

 

次回、星霊魔導士同士の戦いが繰り広げられる!

 

 

To Be Continued...

 




一部修正し、投稿し直しました。
これでユウトとウェンディの距離は縮まったかな?(もしかして恋愛狙い?)

所々矛盾している点があるかと思われます。
その時はご報告を。
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