尚今回、原作ではナツとルーシィが同じ場所で目覚めますが、ユウトは少し違う場所からのスタートとなります。
5話毎前回までのあらすじ
ハッピーエンドを目指す為、統合世界に転生した小学生ユウト。
FAIRY TAIL編の世界で、彼は3つ目の目標を達成すべく、オラシオンセイスの討伐に参加。
その中の1人、エンジェルをルーシィの全魔力を込めた超魔法で撃破する。
物語は愈々、後半戦へと足を進めるのだった。
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「───ん?」
気絶していたユウトの意識が覚醒する。
目覚めた場所は樹海の中。
エンジェル戦後、ナツを筏から降ろそうとして、激流に流されてからの記憶が無い。
「滝壺に落ちて…気を失ったのか」
ユウトは周りを見渡すが、ナツとルーシィの姿は見当たらない。
「はぐれたなこりゃ」
ナツとルーシィとは別の場所に流され、2人とはぐれてしまったようだ。
原作のようにはいかな……
「──あれ?」
ユウトは何かの違和感を感じた。
「思い出せない」
ユウトはそう言い、記憶の中から“何か”を探し出す。
「思い出せない、思い出せない、“あれ”が思い出せない!」
───妖精の尻尾での思い出?
「違う」
───統合世界に入った理由?
「違う!」
───ミントと会った時の思い出?
「違う!!…俺が無くしたのは…」
────“前世”の記憶が無くなったんだよ…
「何で?…何で無くなったんだ?頭を強打したから?俺が馬鹿だから?…何で…!」
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『強烈な負の感情を持った光の者は…闇に落ちる』
『“自責の念”は負の感情だからね。もしユウト君が落ち着かせて無かったら、ウェンディちゃんは闇に落ちてしまったかもしれない』
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「駄目だ、マイナスに考えるんじゃない…!…闇に落ちたらどうするんだ…?」
ヒビキの声が脳裏を過り、何とか闇に落ちずには済み、深呼吸をして冷静になる。
「…とりあえず、落ち着いてミントに連絡しよう。…彼奴なら何か分かるかもしれない。」
ユウトは通信機を取り出し、ミントに連絡を入れる。
《はーい、貴方の為のミントでーす!》
「…は?」
急に一夜を真似たような台詞に一瞬首を傾げるが、ユウトは直ぐに用件を伝える。
《冗談ですよ、冗談!》
「それどころじゃないんだ、前世の記憶が無くなったんだ、何か知ってるか!?」
《な、何ですか?いきなり…と言うか、知りませんよ!一応転生特典に入れてあるので前世の記憶は失われない筈ですよ!》
「なのに何で無くなるんだ!」
《知らないですよ!落ち着いて下さい!ニルヴァーナが闇に落とすって言われませんでしたか!?》
その言葉に、ユウトははっと正気に戻る。
「…すまねぇ、落ち着いたら掛け直す」
そう言って、ユウトは通信を切り、通信機を懐にしまう。
「はぁ、駄目なんだな…俺って。…行こう」
そう呟きながら、ユウトは光の柱の方に向かって歩き出す。
「…色変わってね?」
光の柱の色が変化している事に気付く。
第一段階から第二段階へと進化したのだろうか。
「だとしたら早く向かわねぇと…大変なことに──」
ユウトがニルヴァーナ阻止の為に走り出した瞬間、耳を劈くような暴音が訪れる。
何だ何だとユウトは空を見上げ、その光景に目を見開いた。
生き物のような足を生やし、その足の付け根には巨大な都市?のような建造物が建っている。
簡潔して言えばタコだ。
で、そのタコが…
「ニルヴァーナの、最終段階…!」
遂に本格的に発動してしまった、と言う訳だ。
そうなってしまったからには目的は一つ。
「ぶっ壊すしか無いだろォ!?」
小学生が何言ってるんだ、と思っているかも知れないが、彼は“自責の念”を取り払う為に、強気になったのだ。
「まぁ、とりあえず行ってみますか」
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「着いた…」
あれから何十分経っただろうか。
動くタコ足をよじ登り、時に落ちそうになったり、時にはナツと思われる怒号が聞こえたので耳を塞ぎ、時には物を引っ掛けて下ったり、と、時間が物凄くかかってしまった。
「とは言え、まぁ登れたから良しとして…」
ユウトは
近づいて行くごとに人の匂いが強くなり、それに複数人集合してるらしく、匂いが強力になる。
そして…
「おーい!!」
「お、ユウトだ!」
「おぉ!ユウト殿!」
「無事だったのね!」
「おかげさまで。…いやー、別の場所に流されるなんて思いもしなかったなぁ」
「あたしも、死んじゃったかと思っちゃった」
「勝手に殺すなぁ!」
ツッコミを入れるユウトに、ルーシィは「ごめんごめん」と謝り、何とか許して貰った。
「ナツは?」
「ナツならハッピーと一緒に上にいるよ」
「バトってる可能性あるな…。さっきの怒号もそうだし。」
「あれうるさかったね」
「鼓膜死んだかと思った」
彼等がそうナツの話題を振っていると、ブレインに引き摺られてやって来た。
「あ、噂をすれば──ってか、どーしちゃったの!?」
「これ…乗り物だから…」
「…ネコ殿も無事か」
「ネコ殿!?」
そんな中、ユウトはブレインに視線を向け、会話を振る。
「何でナツ引き摺ってんの?」
「六魔も半数を失い、地に落ちた。…これより新たな六魔を作る為、この男を頂く。」
「あー、スカウトってやつだな」
「いつか本当に来るとは思っても無かったな…」
「ナツはあんた達の思い通りにはならないんだからね!」
「それについてはニルヴァーナがこやつの心を染めてくれる。…そしてこやつは私の手足となるのだ。」
笑いながら話すブレインに…
「なるか」
と、勢いをつけて、ブレインの腕に噛み付く。
「くっ、まだそんな力が!!」
「ぐほっ!!」
しかし、ナツの抵抗も虚しく、ブレインに叩きつけられ、起き上がる事なく倒れた。
「大丈夫なのか?」
ナツの弱った状態にジュラは心配するが、ユウトは苦笑を浮かべながら応じる。
「
「あれ?でも何でユウトは大丈夫なの?」
「まだ半人前って事じゃね?」
「失敬な」
ユウトが何故乗り物酔いしないのかは置いといて、今はナツの件だ。
「早く…こいつ…倒し…て……コレ、止めてくれ…」
吐き気を堪え、所々途絶えながら告げるナツに、グレイが応じる。
「お前の為じゃねーけど、止めてやんよ!」
その言葉を聞いたブレインは、笑いながら答える。
「はっ、止める?このニルヴァーナを?…出来るものか。……この都市は間もなく第一の目的地…
───
ブレインが言い放った言葉に、ユウト達は目を見開く。
「ウェンディとシャルルのギルドだ…」
「何で?」
ハッピーとユウトの言葉に、ブレインは口角を上げるだけだ。
「目的を言え。…貴様は何故ウェンディ殿のギルドを狙う?」
殺気を当て、ブレインにそう質問するジュラ。
しかし、ブレインの表情に恐怖は無く、ニヤリと口角を上げながら語りだす。
「超反転魔法。その効果は一瞬にして光のギルドを闇に染める程の絶大さを誇る。…楽しみだな、地獄が見れるぞ?」
「エグいな…」
「こいつ、許せない…!」
そう挑発じみた言葉を放つブレインに対し、怒りを募らせるルーシィ達。
その後ろから強力な魔力の波動を感じ取り、背筋を凍らせる。
グレイ達は後ろにいる波動の根源に、恐る恐る視線を向ける。
「聞こえなかったか?目的を言え、と」
波動の根源はジュラ。
体内に宿る魔力を放出して、ブレインに対する威圧を放っていたのだ。
しかし、ブレインの表情には怯える様子は見られず…
「うぬのような雑魚に語る言葉は無い!!我は光と闇を審判する者なり、ひれ伏せぇ!!」
そう叫ぶブレインに、ジュラは溜め息を吐いた。
「……困った男だ、まともに会話も出来んとはな…」
「消え失せろ、
ブレインが挑発した直後、ジュラは彼に指を差し、背後へと吹き飛ばした。
その衝撃で背後に建つ建造物が破壊される。
これが、聖十大魔道の称号を持つ者の力なのか。
「立て、
ブレインをも超える気迫を放つジュラ。
その姿にユウト達は、足をすくませていたのだった。
To Be Continued...
次回に続きます。
因みにユウトは気迫を放つジュラに号泣しそうになったとか…