Wars of Characters   作:ロードゲート

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いつもの5話毎あらすじから。

尚今回、原作ではナツとルーシィが同じ場所で目覚めますが、ユウトは少し違う場所からのスタートとなります。


第15話 破滅の行進

 

5話毎前回までのあらすじ

 

 

ハッピーエンドを目指す為、統合世界に転生した小学生ユウト。

FAIRY TAIL編の世界で、彼は3つ目の目標を達成すべく、オラシオンセイスの討伐に参加。

その中の1人、エンジェルをルーシィの全魔力を込めた超魔法で撃破する。

物語は愈々、後半戦へと足を進めるのだった。

 

──────────────────────────────────

 

 

「───ん?」

 

 

気絶していたユウトの意識が覚醒する。

目覚めた場所は樹海の中。

エンジェル戦後、ナツを筏から降ろそうとして、激流に流されてからの記憶が無い。

 

 

「滝壺に落ちて…気を失ったのか」

 

 

ユウトは周りを見渡すが、ナツとルーシィの姿は見当たらない。

 

 

「はぐれたなこりゃ」

 

 

ナツとルーシィとは別の場所に流され、2人とはぐれてしまったようだ。

原作のようにはいかな……

 

 

「──あれ?」

 

 

ユウトは何かの違和感を感じた。

 

 

「思い出せない」

 

 

ユウトはそう言い、記憶の中から“何か”を探し出す。

 

 

「思い出せない、思い出せない、“あれ”が思い出せない!」

 

 

───妖精の尻尾での思い出?

 

 

「違う」

 

 

───統合世界に入った理由?

 

 

「違う!」

 

 

───ミントと会った時の思い出?

 

 

「違う!!…俺が無くしたのは…」

 

 

 

 

 

────“前世”の記憶が無くなったんだよ…

 

 

「何で?…何で無くなったんだ?頭を強打したから?俺が馬鹿だから?…何で…!」

 

 

──────────────────────────────────

 

 

『強烈な負の感情を持った光の者は…闇に落ちる』

 

 

『“自責の念”は負の感情だからね。もしユウト君が落ち着かせて無かったら、ウェンディちゃんは闇に落ちてしまったかもしれない』

 

──────────────────────────────────

 

 

「駄目だ、マイナスに考えるんじゃない…!…闇に落ちたらどうするんだ…?」

 

 

ヒビキの声が脳裏を過り、何とか闇に落ちずには済み、深呼吸をして冷静になる。

 

 

「…とりあえず、落ち着いてミントに連絡しよう。…彼奴なら何か分かるかもしれない。」

 

 

ユウトは通信機を取り出し、ミントに連絡を入れる。

 

 

《はーい、貴方の為のミントでーす!》

「…は?」

 

 

急に一夜を真似たような台詞に一瞬首を傾げるが、ユウトは直ぐに用件を伝える。

 

 

《冗談ですよ、冗談!》

「それどころじゃないんだ、前世の記憶が無くなったんだ、何か知ってるか!?」

《な、何ですか?いきなり…と言うか、知りませんよ!一応転生特典に入れてあるので前世の記憶は失われない筈ですよ!》

「なのに何で無くなるんだ!」

《知らないですよ!落ち着いて下さい!ニルヴァーナが闇に落とすって言われませんでしたか!?》

 

 

その言葉に、ユウトははっと正気に戻る。

 

 

「…すまねぇ、落ち着いたら掛け直す」

 

 

そう言って、ユウトは通信を切り、通信機を懐にしまう。

 

 

「はぁ、駄目なんだな…俺って。…行こう」

 

 

そう呟きながら、ユウトは光の柱の方に向かって歩き出す。

 

 

「…色変わってね?」

 

 

光の柱の色が変化している事に気付く。

第一段階から第二段階へと進化したのだろうか。

 

 

「だとしたら早く向かわねぇと…大変なことに──」

 

 

ユウトがニルヴァーナ阻止の為に走り出した瞬間、耳を劈くような暴音が訪れる。

何だ何だとユウトは空を見上げ、その光景に目を見開いた。

生き物のような足を生やし、その足の付け根には巨大な都市?のような建造物が建っている。

簡潔して言えばタコだ。

で、そのタコが…

 

 

「ニルヴァーナの、最終段階…!」

 

 

遂に本格的に発動してしまった、と言う訳だ。

そうなってしまったからには目的は一つ。

 

 

「ぶっ壊すしか無いだろォ!?」

 

 

小学生が何言ってるんだ、と思っているかも知れないが、彼は“自責の念”を取り払う為に、強気になったのだ。

 

 

「まぁ、とりあえず行ってみますか」

 

──────────────────────────────────

 

「着いた…」

 

 

あれから何十分経っただろうか。

動くタコ足をよじ登り、時に落ちそうになったり、時にはナツと思われる怒号が聞こえたので耳を塞ぎ、時には物を引っ掛けて下ったり、と、時間が物凄くかかってしまった。

 

 

「とは言え、まぁ登れたから良しとして…」

 

 

ユウトは滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の特性の一つである嗅覚の良さを利用し、ルーシィ達の匂いを辿る。

近づいて行くごとに人の匂いが強くなり、それに複数人集合してるらしく、匂いが強力になる。

 

 

そして…

 

 

「おーい!!」

「お、ユウトだ!」

「おぉ!ユウト殿!」

「無事だったのね!」

「おかげさまで。…いやー、別の場所に流されるなんて思いもしなかったなぁ」

「あたしも、死んじゃったかと思っちゃった」

「勝手に殺すなぁ!」

 

 

ツッコミを入れるユウトに、ルーシィは「ごめんごめん」と謝り、何とか許して貰った。

 

 

「ナツは?」

「ナツならハッピーと一緒に上にいるよ」

「バトってる可能性あるな…。さっきの怒号もそうだし。」

「あれうるさかったね」

「鼓膜死んだかと思った」

 

 

彼等がそうナツの話題を振っていると、ブレインに引き摺られてやって来た。

 

 

「あ、噂をすれば──ってか、どーしちゃったの!?」

「これ…乗り物だから…」

「…ネコ殿も無事か」

「ネコ殿!?」

 

 

そんな中、ユウトはブレインに視線を向け、会話を振る。

 

 

「何でナツ引き摺ってんの?」

「六魔も半数を失い、地に落ちた。…これより新たな六魔を作る為、この男を頂く。」

「あー、スカウトってやつだな」

「いつか本当に来るとは思っても無かったな…」

「ナツはあんた達の思い通りにはならないんだからね!」

「それについてはニルヴァーナがこやつの心を染めてくれる。…そしてこやつは私の手足となるのだ。」

 

 

笑いながら話すブレインに…

 

 

「なるか」

 

 

と、勢いをつけて、ブレインの腕に噛み付く。

 

 

「くっ、まだそんな力が!!」

「ぐほっ!!」

 

 

しかし、ナツの抵抗も虚しく、ブレインに叩きつけられ、起き上がる事なく倒れた。

 

 

「大丈夫なのか?」

 

 

ナツの弱った状態にジュラは心配するが、ユウトは苦笑を浮かべながら応じる。

 

 

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)は乗り物に極端に弱いから保証は出来ないね」

「あれ?でも何でユウトは大丈夫なの?」

「まだ半人前って事じゃね?」

「失敬な」

 

 

ユウトが何故乗り物酔いしないのかは置いといて、今はナツの件だ。

 

 

「早く…こいつ…倒し…て……コレ、止めてくれ…」

 

 

吐き気を堪え、所々途絶えながら告げるナツに、グレイが応じる。

 

 

「お前の為じゃねーけど、止めてやんよ!」

 

 

その言葉を聞いたブレインは、笑いながら答える。

 

 

「はっ、止める?このニルヴァーナを?…出来るものか。……この都市は間もなく第一の目的地…

 

 

 

───化猫の宿(ケット・シェルター)に到着する。」

 

 

ブレインが言い放った言葉に、ユウト達は目を見開く。

 

 

「ウェンディとシャルルのギルドだ…」

「何で?」

 

 

ハッピーとユウトの言葉に、ブレインは口角を上げるだけだ。

 

 

「目的を言え。…貴様は何故ウェンディ殿のギルドを狙う?」

 

 

殺気を当て、ブレインにそう質問するジュラ。

しかし、ブレインの表情に恐怖は無く、ニヤリと口角を上げながら語りだす。

 

 

「超反転魔法。その効果は一瞬にして光のギルドを闇に染める程の絶大さを誇る。…楽しみだな、地獄が見れるぞ?」

「エグいな…」

「こいつ、許せない…!」

 

 

そう挑発じみた言葉を放つブレインに対し、怒りを募らせるルーシィ達。

その後ろから強力な魔力の波動を感じ取り、背筋を凍らせる。

グレイ達は後ろにいる波動の根源に、恐る恐る視線を向ける。

 

 

「聞こえなかったか?目的を言え、と」

 

 

波動の根源はジュラ。

体内に宿る魔力を放出して、ブレインに対する威圧を放っていたのだ。

しかし、ブレインの表情には怯える様子は見られず…

 

 

「うぬのような雑魚に語る言葉は無い!!我は光と闇を審判する者なり、ひれ伏せぇ!!」

 

 

そう叫ぶブレインに、ジュラは溜め息を吐いた。

 

 

「……困った男だ、まともに会話も出来んとはな…」

「消え失せろ、(うじ)共が」

 

 

ブレインが挑発した直後、ジュラは彼に指を差し、背後へと吹き飛ばした。

その衝撃で背後に建つ建造物が破壊される。

 

 

これが、聖十大魔道の称号を持つ者の力なのか。

 

 

「立て、化猫の宿(ケット・シェルター)を狙う理由を口から吐くまでは寝かさんぞ」

 

 

ブレインをも超える気迫を放つジュラ。

その姿にユウト達は、足をすくませていたのだった。

 

 

To Be Continued...

 




次回に続きます。

因みにユウトは気迫を放つジュラに号泣しそうになったとか…
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