それについては次章以降少しずつ明らかとなります。
…まぁ、今はFAIRY TAILの世界を味わいましょうや。
「…立て、
ブレインをも超える気迫を放ちながらそう言い放つジュラに、ユウト達は足をすくませていた。
「も、もしかしてこのオッサン…」
「滅茶苦茶強い…!?」
「これが、聖十の称号を持つ者の力…!」
ブレインは瓦礫をどかし、口に付いた血を拭う。
「成る程な、少々驚いたが…聖十の称号を少々見くびっていたが、やはり伊達じゃないと言う事か…」
冷静さを取り戻し、ブレインは立ち上がり、立ちそびえるジュラを見据える。
「
「これから死ぬ者が知る必要は無かろう。…“
「…“岩鉄壁”!!」
ブレインの持つ杖から魔法が放たれ、ジュラに襲いかかる。
しかし彼は冷静に土を固くした壁で防御する。
が…
「かかったな、“
先程の魔法は囮。
防いでいるジュラの背後に回り、ブレインは魔法を放つ。
しかし、ジュラはまるで読んでいるかのように岩を背後に曲げ、防御しようとするが…。
「無駄だ!“
ブレインの言った通り、“
「ふん!!」
しかし、彼は瞬時に岩を曲げ、魔法の接触部分を地面に叩きつけ、魔法の進行方向を空へと曲げる。
それに驚くブレインの隙を突くように、操っていた岩壁を壊し、ブレインの方向へ破片を飛ばす。
「ぐぉ、がっ、はぐ…!…な、何だ、これは…!?」
破片はブレインをまるで磁石に集まる金属のように集まり、全身を岩で閉じ込め…
「“覇王岩砕”!!」
「うあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
全身を覆っていた岩を爆破し、ブレインはボロボロになり、その場に倒れた。
「道理でリオンがさん付けで呼ぶ訳だ…」
「てかこいつ六魔のボスだろ!?それを無傷で倒すとか、凄すぎだろ!」
「あたし達勝っちゃった!?」
ジュラの強さに全員、驚愕の反応をする。
それもその筈、ブレインはオラシオンセイスのボス的存在。
そのブレインすら圧勝してしまう程の力を、ジュラは持っているのだから。
「…さぁ、ウェンディ殿のギルドを狙う理由を言え」
ジュラはブレインに歩み寄り、質問を繰り返す。
しかし、ブレインの口から質問の答えが出る事は無い。
「ま…まさか、この私が…やられる…とは……ミッドナイトよ…後を頼む…六魔は決して、倒れてはならぬ……6つの祈りが消える時……
「あの方?」
“あの方”と言う気になる言葉を言い残して、ブレインは気を失う。
そして気を失ったと同時に、ブレインの顔面にある模様のラインの1つが消滅した。
「ん?」
「どうしたの?」
「…今こいつの顔にある模様の1つが消えたように見えたんだが」
「不気味な事言わないでよぉ」
確かに、最初にブレインに会った時から顔面の模様が少なくなっている気がする。
ルーシィ達は気の所為と言う事にしたものの、後々になって、その模様の真相を知る事になるが、それはまだ当分の話…
「みなさーん!大変です!」
「やっぱりこの騒ぎはあんた達だったのね」
背後から幼い子供の声が聞こえ、ユウト達は後ろを振り返る。
そこには、青色の髪を揺らしながら駆け寄って来るウェンディと、呆れた顔をしてやって来る白猫のシャルルの姿が。
「ウェンディ!?」
「大変って、どうしたんだ?」
ユウトがウェンディにそう問いかける。
ユウト達の前に立ち、ウェンディは泣きそうなな顔で答える。
「この都市、私達のギルドに向かってるかもしれないんです!」
「…らしいが、もう大丈夫だ」
ウェンディの言葉に、グレイは微笑みながら答え、グレイはウェンディから視線を外し、ブレインの方に視線を向ける。
ウェンディも追うようにブレインに視線を向ける。
「え?……ひゃっ!?…この人って、オラシオンセイスの…?」
「そうだぜ。」
気を失うブレインの姿を見て、驚くウェンディの訊きに、相槌を打つようにユウトが答える。
「それに、ヘビ使いも向こうで倒れてるし」
グレイの言うヘビ使いとはコブラの事であろう。
コブラもナツに撃破され、此処にグレイがいると言う事は、レーサーも撃破したと言う事。
順調に撃破していっているオラシオンセイス。
それを理解し、ウェンディの表情に明るみの笑みが浮かぶ。
「それじゃあ…」
「恐らく、ニルヴァーナを操ってたのはこのブレインよ。それが倒れたって事はこの都市も止まるって事でしょ?…ね、ユウト?」
「んまぁ、そうだな。」
ルーシィにそう返事するユウト。
しかし、彼は少なからず疑問を抱いていた。
───変だな、このまま伏線未回収のまま終わるのは可笑しすぎる。
───ブレインの顔の模様の意味……そして、そのブレインが言っていた“あの方”ってのは一体誰なんだ?
ユウトの脳裏に数々の疑問が浮かび上がる。
確かに、ブレインの言っていた“あの方”と言うのは、恐らくオラシオンセイスの“本当のボス”と言う意味を差しているのではないのだろうか?
「…ユウト君?」
ぶつぶつと呟くユウトに、ウェンディが心配の声をかけるも、すぐさま「大丈夫」と返す。
(ま、それらについて後程考えるとするか…)
「でも気に入らないわね、結局、
「まぁ深い意味はねぇんじゃねぇのか?」
怪訝そうな表情を浮かべるシャルルに、グレイがそう告げた。
「気になる事は多少あるが、これで終わるのだな」
「お、終わって…ねぇよ……早く、これ…止め……うぷ」
「ナツさん、まさか毒に侵されて…!?」
※毒× 乗り物酔い○
「全くオスネコもだらしないわね!」
「あい…」
シャルルの辛口な言葉にハッピーは弱々しくそう答えるのだった。
──────────────────────────────────
ユウト達はニルヴァーナによって改心したホットアイ改め“リチャード”から聞いた“王の間”と言われる場所へと向かっていた。
ここでニルヴァーナを制御していると言っていたのだが…
「どうなってやがる…」
「何これ…」
「む…」
「マジで此処が王の間って場所なのか?…何一つそれらしき物が無いんだけど!?」
ユウト達が目の当たりにした光景は、操縦席が無く、またそれらしき魔法陣も見当たらず、ただただ何かが破壊されたような跡しか残っていなかった。
「どうやって止めればいいの?」
「制御する魔法陣すらねぇからな…」
「そもそもブレインを倒せば止められるかと思ってたぜ…」
グレイ達が操縦席を探している間、ユウトはその場に座り込む。
「お前も探せよ、ユウト!」
「疲れたんだよ、さっき魔力切れになりかけたし」
エンジェル戦の時、ルーシィの護衛に大量の魔力を消耗したユウト。
疲れるのも致し方無い。
一方、ウェンディはナツの解毒に回っていた。
「どうしよう?解毒の魔法をかけたのに、一向に治らないなんて…」
「ナツは
「情けないわね…」
溜め息を吐き、呆れた声でそう言うシャルルの前のハッピーの言葉に、ウェンディはピンと来たのか…
「ハッピー、さっきのもう一度言ってもらっても良い?」
「え?ナツは
「ありがとう」
ウェンディはハッピーにお礼を言って、とある回復魔法で試してみる事に。
「乗り物酔いならバランス感覚を養う、この魔法が効くかも……“トロイア”」
ウェンディは詠唱し、ナツの体に手を翳す。
すると、ナツの顔色が段々治っていき…
「うぉ!おおおおおっ!!平気だ、平気だぞ!!」
乗り物酔いが平気になったのが余程嬉しかったのか、まるで子供のように飛び跳ねるナツを見て、ウェンディは微笑んだ。
「良かったです、効き目があって」
「すげぇなウェンディ!その魔法是非教えてくれ!」
「天空魔法ですし無理ですよ」
ナツはウェンディに教えて貰うように頼むが、天空魔法と言う事で無理だと言う。
しかし、興奮が収まらない彼は、ルーシィに船や列車の星霊を呼び出すように頼んでいた。
それを見ていたユウトはクスクスと笑いながら「良かったな」と呟いていた。
「止め方が分からねぇんだ、見ての通りこの部屋には何もねぇ」
グレイはナツに事情を伝える。
「そもそもなんだけどさ、その情報って嘘なんじゃ無いのか?」
ユウトがそう問いかけるが…
「リチャード殿が嘘をつくとは思えんからな…」
ジュラによってそれは否定される。
全員が制御装置の事に入り浸っている中…
「止めるとかどうとか言う前に、もっと不自然な事に誰も気付けない訳なの!?」
「…どう言う事?」
シャルルの言葉にハッピーが首を傾げ、問いかける。
その質問にユウトが答える。
「…操縦席は無い、王の間には誰も居ない…そして、ボス的存在であるブレインを倒しても尚動き続けるニルヴァーナ。」
「まさか、自動操縦か!?…既にニルヴァーナ発射までセットされて…!」
グレイの言葉にユウトは相槌を打つ。
「恐らくそうだろう。…ブレインを倒しても止まらなかったからな……此処に何もねぇし」
ユウトの憶測に、ウェンディの目に涙が浮かび上がる。
「私達の…ギルドが…」
「大丈夫、ギルドはやらせねぇ。必ず守ってやる!」
ウェンディのギルドを必ず守ると言うナツの言葉に、ユウトは立ち上がって…
「絶対に守って、皆が笑えるハッピーエンドを見せてやる。…それまで涙は取っとけ、な?」
ユウトの笑顔に、ウェンディは涙を拭い…
「はい!」
と、笑みを浮かべた。
「でも、止めるって言ってもどうやって止めれば良いの?」
「ぶっ壊す」
「またそーゆー考え!?」
「あ、良いねそれ」
「子供が言う事じゃありません」
「あ、俺子供なのね」
「てか、こんなバカでけーもんどうやって壊すんだよ」
正論。
ナツの考えも悪くは無いがいかんせん巨大な建造物を一瞬で壊せる筈が無いのだ。
「…やはりブレインに聞くのが早そうだな」
「そう簡単に教えてくれるかしら?」
「…もしかして、ジェラールなら…?」
ウェンディがぼそりとそう呟き…
「…私、ちょっと心当たりがあるので探してきますね!」
「ちょっとウェンディ!?待ちなさいよ!!」
ウェンディはそう言うと、何処かに飛び出し、シャルルも後を追うように飛び去って行った。
ユウトも彼女を1人にしてはマズイと判断し、追いかける。
「俺もちょっと行ってくる!」
「はぁ!?」
「ちょ、ユウト!?」
ユウトはルーシィ達の声に止まる事は無く、「後頼むわ」と言い残し、そのままウェンディを追いかけて行った。
──────────────────────────────────
「…見失った」
ユウトはウェンディを追いかけていたものの、彼女は小柄な体型で、しかも足も少し速いので見失ってしまい、さらには迷ってしまうと言う、そんな状況だ。
「戻りたくても戻れねぇし、いねぇし…」
匂いを辿ろうとしても余程遠くへ行ってしまったのか、匂いすらしなかった。
まさに絶望的である。
「探せば見つかると思うし、探してみるか…」
ユウトがウェンディを探そうと来た道を戻ろうとしたその時だった。
「…ん?何だ?」
地鳴りが起こり、周辺の建造物が揺れ始める。
地震だろうか、それとも…
「…発射か」
地面から離れている上空での地震はまず有り得ない。
…となると、発射の確率が非常に高い。
「…ヤバいっ!」
──────────────────────────────────
───一方、
「マスタぁー…」
「ひぇ~」
「もう終わりだ…」
ギルドに所属する“ニルビット族”達の目の前には、発射される直前のニルヴァーナが。
ケット・シェルターのギルドマスター、“ローバウル”の元に集まり、訪れる死に怯えるニルビット族の者達。
しかしローバウルは冷静沈着にいた。
「何をうろたえるか。…これがワシ等の運命。なぶら重き罪の制裁。」
「善意よ、滅びるが良い!!」
「やめてぇー!!」
「ニルヴァーナ、発射だァ!!!」
遂に発射されたニルヴァーナ。
ケット・シェルターの運命、そしてニルヴァーナを発射する男の正体とは!?
To Be Continued...
もう少しで終わりだァ!!