Wars of Characters   作:ロードゲート

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初の番外編です。
色々伏線があるかもなので、見ると本編が面白くなるかもしれません。

先に言わせて貰いますが、Another Storyはアナザー族のストーリーでは無く、もう1つの物語“死後の前世”を描いた物です。
アナザー族のストーリーは別の番外編で出す予定なので、しばしのお待ちを。

それでは、是非見ていってくれると嬉しいです。

※今回はいつもよりストーリーのバランス性、又は表現力が皆無になるかと思いますので、予めご了承ください。

※多少のキャラクター要素あり


Wars of Characters Special episode
#1 Another Story


 

───小学6年生の少年、ユウト。

 

彼は交通事故で死亡し、成仏せずに“統合世界”に転生し、各世界から集めた仲間と共に、「統合世界を元に戻す」事を目標に、各世界を冒険している。

 

 

しかし、彼が死んだ後の世界はなんとも悲しいものだった。

 

 

そんな前世の話を、これからしようと思う。

 

───────────────────────────────────

 

───2019年 地球

 

 

通学時間である午前8時に、それは起こった。

 

 

キィィイィイ

 

 

ブレーキを掛けているのか、タイヤの音を発てながら大型トラックが通学途中の少年に向かって走る。

少年は何故トラックが向かって来るのか、それは信号を見てから気付いたが…

 

 

「赤信ご──!?」

 

 

時既に遅し、トラックは既に少年の体と接触し、その衝撃で身体が吹き飛ばされ、交差点の中心に落ち、トラックは少年のすれすれの場所で動きを止めた。

 

 

「………っ」

「え……?」

 

 

その瞬間を目撃していた通行人は唖然としていた。

唖然するのも当然だ、

 

 

───人が、目の前で死んだのだから。

 

 

その沈黙を打破したのは救急車のサイレンであった。

 

 

「助かるのか、な?」

「…轢かれたのは兎も角、子供があれに轢かれた場合、生存率は極めて低い。だから…もう……」

「嘘…っ!」

 

 

男性にそう言われ、女子高生が口を押さえながら驚く。

他に唖然としている人々も、それは分かっていて。

 

 

「…………」

「どうだ?」

「…駄目です、この子はもう…」

「…っ……そうか…。…とりあえず、病院へ運ぶぞ。」

「…はい。」

 

 

悲しみを我慢し、遺体を担架に乗せ、救急車に乗せて、病院へと運んだ。

 

唖然とする通行人に見守られながら。

 

───────────────────────────────────

 

 

「───優斗君は、亡くなりました」

『『ガタッ』───!?』

 

 

突然の訃報に、教室にいる児童全員が驚愕し、騒がしくなる。

 

 

「はい皆さんお静かに!…今日の授業は予定を変えて、優斗君が無事に天国に旅立てるように、お別れの言葉を書きましょう」

 

 

色紙とペンを持ちながら小太りの教師がそう言い、色紙を回す。

回されたクラスメイト達は次々と色紙に別れの言葉を書き残す。

 

しかし、1人だけ書かない者がいた。

 

教師は1人分の枠が開いてない事に気付き、怒りながらその名前を呼ぶ。

 

 

「こら!柊さん、何で書いてないの!」

「あ?書きたきゃねぇよ、そんなゴミみてぇなもんによ」

「何ですって…!」

 

 

柊と呼ばれる少年の辛辣な発言。

教師は怒りを募らせ、我慢の限界からか怒号を放とうとした…

 

 

「柊さん!!廊下に…」

「おい、柊!!少しは優斗に対する思いやりって事も考えたらどうなんだよっ!!」

 

 

教師の怒号を遮るように、黒髪の児童の怒号が教室内を響き渡る。

しかし、彼はそれに表情を変える事もせず…

 

 

「あ?思いやり?何が思いやりだよ、彼奴は死んでねぇ!だから、そんな紙なんてゴミみてぇなもんじゃねぇか」

 

 

柊は優斗の死と言う現実を信用せず、死んでないからと勝手に決め付け、お別れの言葉を書かずにいた。

 

…そんな彼に対し、様々な言葉が飛び交う。

 

 

「優斗は死んだんだよ!」

「落ち着け、柊!」

「現実を受け止めなさい、柊」

「柊君…お願い、受け入れて…」

 

 

クラスメイトの様々な声に、遂に怒りの限界を超えたのか、荷物を持ち始める。

 

 

「柊さん!?」

「…優斗は、死んじゃいねぇっ…!」

「お、おい…!」

 

 

そう吐き捨てて荷物を持ち、舌打ちをしながら颯爽と教室を退出した。

 

───────────────────────────────────

 

「…………っ」

 

 

小学校から遠く離れた場所、そこは、草や木、花以外には何も無いと言う、少し寂しい感じの草原。

そこに、体育座りで眺めていた柊の姿があった。

 

 

「畜生…っ!何であいつらは優斗が死んだって思ってるんだよ…っ」

 

 

───優斗の死。

 

 

親友であった柊にとって、それは悲しいもの。

 

 

「彼奴は死んで…っ」

 

 

しかし、何故此処まで彼は優斗の死を信用しないのか?

 

 

()()()……筈…なのに…っ」

 

 

彼の口から衝撃の事実が漏れる。

 

───「助けた」と。

 

 

あの時、柊はあの場に居たのか?

 

あの時、柊は優斗を助けたのか?

 

あの時、柊は「自分が優斗を助けた」と何故言い切れるのか?

 

 

「俺は…っ!」

 

 

 

 

「───助けた、と何故言い切れるのですか?」

「!?…誰だ…っ!?」

 

 

不意にそう話し掛ける女性の声に、柊は咄嗟に振り返り、誰なのかを確認する。

 

その人物は、

 

 

「八美…?」

「はい。貴方のタコさんですよ。」

 

 

赤いタコ足のような髪型が特徴的な少女、八美。

一言で言えばサングラスを外したタコゾ……やはり言うのはやめておこう。

 

彼女は柊のクラスとは別クラスの児童ではあるものの、柊に一目惚れをし、必ず柊に二人きりで会うと「貴方のタコさんですよ。」と言うのだそうだ。

 

しかし、彼女は何故此処に居るのだろうか。

 

 

「何でお前が此処に居るんだよ?」

「貴方が血相を変えて帰ったと聞いたので」

「…違うんだよ」

「?」

 

 

柊の言葉に、何も知らない八美は首を傾げる。

その姿を見たのか、柊は彼女に訳を話した。

 

───────────────────────────────────

 

──数分後

 

 

「柊はその優斗さんと言う方を助けたのですか?」

「その筈なんだよ…っ」

「?」

 

 

でも、誰も信用してくれない。

 

 

───だけど、彼女に話したら信用して貰える気がする。

 

 

 

 

───そう、八美なら…

 

 

 

 

「信じてもらえないと思うけど、話す」

「貴方の話、私信用します」

「ありがとう。…昨日の話だ」

 

───────────────────────────────────

 

──時は優斗の死後まで遡る。

 

とある病室で、とある少年──柊はもう動かない優斗の亡骸を見て泣き崩れ、街に出て彼から離れていても、泣いていた。

 

 

親友が死んだ悲しみ、そして信用する仲間を失った寂しさ、親友を殺した奴への怒り。

これらが全て混ざり、それが涙となって表れているのだ。

 

 

「優斗…」

 

 

ふと名前が口からこぼれる。

 

それほど寂しいのだ。

昨日まで笑っていた親友が居なくなると言うのは。

 

もうあの日見た笑顔すら、見ることも出来ないのだ。

 

 

───また、涙が…

 

 

「うぁああああ…」

 

 

誰か、こんな俺を助けてくれ…

 

 

 

「───おやおや、そんな悲しそうな顔をして」

「!?…誰だ?」

 

 

不意な女性の声が聞こえ、柊は後ろを振り返り、正体を確認する。

視線の先にはフードを被った少し小柄な老婆の姿。

彼女は此方を見据え、不気味な微笑みを向けてくる。

 

そんな彼女を見て真っ先に思い付いた言葉…

 

 

「魔女…」

「フフ、心配している年寄りを魔女扱いとは、酷いモノだねぇ」

 

 

彼女はハハハ、と笑いながらそう答え…

 

 

「ほれ、時計をあげよう」

 

 

そう言いながら、老婆は柊に不気味なデザインが目立つ時計を手渡す。

 

 

「時計?…気味が悪いデザインだけど」

「そう思うじゃろ?じゃが普通の時計じゃない」

「普通じゃない?」

 

 

普通じゃないと言われるが、一見怪しいボタンのような物は見当たらず、ただカチカチと針が動いている時計。

 

その普通じゃないとは…

 

 

「時間を、巻き戻す」

「!?」

「───と、言いたい所じゃが、今の日本の技術的にはそれは不可能でのぅ」

「巻き戻せないのか!?」

「うむ。じゃから、指定した人物を()()()()蘇生する、と言う機能を付けたのじゃ」

「じゃあ、生き返るって事!?」

 

 

柊は老婆の言葉を聞き、優斗は生き返ると言う期待の表情を浮かべる。

 

しかし…

 

 

「話を最後まで聞きなされ。」

「…?」

「その時計には確かに蘇生する機能を持っておる。…じゃが、その対象者に多大なリスクを背負わせなければならんのじゃ」

「リスク?」

「…“転生”じゃ」

 

 

“転生”。

1度死亡した者を成仏させず、別の世界に身体を復活させる事。

異世界転生、とも呼ぶ。

 

その転生と言うリスクを優斗に背負わせるのは少々無理があって…

 

 

「無理だよ、彼奴身体能力無いし」

「じゃあ蘇生はしないんじゃな?」

「ぐ……分かった。それで彼奴が生き返るんなら、例え危険だろうとやってやる。」

「その意気じゃ。…じゃあ、その時計のガラス部分を押すのじゃ」

「ガラス?」

 

 

ガラス部分の場所はすぐに分かった。

老婆の言う通りに、レンズ部分を親指で押してみる。

 

しかし、何も起こる気配は無く…

 

 

「?…何も起きないけど…」

「いいや、これでお主の親友殿の転生が決まった」

「本当に?」

「うむ。」

 

 

柊は老婆に疑いの目を向けるも、直ぐに彼女を信用し、疑いも掛けなかった。

 

 

「…信じるよ、あんたを」

「信じてくれて有り難いのぉ」

「それじゃ、俺は行くよ」

「気を付けてなぁ」

 

 

老婆の言葉に反応するように手を挙げ、柊はそのまま大通りの奥へと消えて行った。

老婆はそれを見送りながら…

 

 

「“タコの脅威”にな…」

 

 

そう呟いたのだった。

 

───────────────────────────────────

 

──翌日

 

 

「やっぱり学校に行けないなぁ」

 

 

昨日の事を思い出し、クラスメイトの顔を合わせられず、柊はいつもの草原で居座って居たのだった。

 

 

「暇だなぁ、誰か来て欲しいなぁ」

 

 

その時だった。

柊の頭に、

 

 

 

(シューター)が向けられていたのは。

 

 

 

「…は?」

「柊、私は貴方を撃ちます」

「何を言って…!?」

 

 

柊は抵抗しようと体を動かそうとするが体が動かず、もがく事しか出来ない。

 

それでも、彼女はニヤリと微笑みながら続ける。

 

 

「だっテ、あなタのタコさンですカラ。」

「──やめ」

 

 

 

パァン!!

 

 

 

銃声の音が草原に響き渡る。

同時に頭に激痛が走り、柊の意識は途切 れ た …

 

 

───────────────────────────────────

 

 

「タコは少年を統合世界へと連れて行ったか…」

 

 

老婆が煎餅を食べながらそう呟く。

彼女は時計のレンズのボタンを押し、何事もなかったかのように、また煎餅を食べたのだった。

 

 

「煎餅美味しいのう」

 

#1 END




本当は良いお年をとか明けましておめでとうございますとかを此処で言いたかったのですが…すいません…

はい、えぇと、また殺人です。
ちょっと長めでお送りしたのですが、どうでしたか?

柊とタコさん──八美…この2人が後々本編に関わるなんて、ユウトには分からないでしょうね。

さて、蘇生時計でユウトが転生した訳ですが、第2話でミントが呼ばせて頂きましたと言いましたよね?
ちょっと辻褄が合いませんが、考察すれば簡単な事です。

この先は、あなたの番です。

はい、またドラマ要素()
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