最初の部分の語り手はユウトです。
───あれから少しの時間が経過した。
ニルヴァーナは崩壊し、六魔のマスターであるゼロをも倒して、これでもう終わりだと思ってたけど…
──ジェラールが評議院に捕まった。
あと六魔の1人のホットアイ…“リチャード”って言った方が良いか。…が捕まった。
…まぁリチャードの場合は六魔の1人って事もあったから仕方が無いんだけども、ジェラールも捕まった事には驚いたよ。
俺が統合世界に行く前に色んな罪を犯したらしくて、それで捕まったんだ。
…勿論皆反対したよ、俺も評議院の3人か4人はぶん殴ったけど、今では物凄い罪悪感が…
エルザが何とか止めてくれたから収束はついたけどね…
───話は変わるけど、俺は今、
ニルビット族の人達にも挨拶したりしたけど、優しく接してくれて、何だか有り難かった。
服も新しくなったし(猫柄だけど)。
因みに元々着ていた服は汚れを落とし、また着用する為に以前購入したキーホルダー式ポケット型チェストに収納しておいた。
モンスターボールみたいで縮小したりするから便利だわ。
因みに以前購入した金リンゴも入っていて、いつか食べようと思い、そのまま保管しておいた。
───ま、とりあえず全員収集なんで、行くとしますかね。
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ユウト達は
「
ローバウルは感謝の言葉を伝え、一夜が前に立って敬礼をする。
「どういたしまして、マスターローバウル!!
「「「さすが先生!」」」
「ちゃっかり美味しいとこ持って行きやがって」
「てか彼奴、ユウトより活躍してないよね?」
「情けねぇよなぁ」
そう言って、ユウトのいる方向に視線を向けるグレイとルーシィ。
視線に気付いたユウトは彼等にピースサインを見せる。
「この流れは宴だろー!!」
「あいさー!!」
ナツの声に続き、一夜達が踊り出す。
「一夜が」
「一夜が!?」
「活躍」
「活躍!!」
「それ」
「「「ワッショイワッショイワッショイ!!」」」
(うわ出た、学校に良くいそうな調子乗るバカ集団…)
と、言いつつ…
「ワッショイワッショイ!!」
この有り様である。
「さぁ、
「あ、そーれ!」
『ワッショイワッショイ!!』
「ワ…」
お祭りムードの一夜が
しかし、彼等が踊る事は無く、其処にはただただ風が吹く音がするのであった。
「皆さん、ニルビット族の事を隠していて、本当に申し訳ない。」
ローバウルが謝罪し始めた。
「そんな事で空気壊すの?」
「全然気にしてねぇのに、なぁ?」
「俺も気にしてないが…」
ナツ達の意見にウェンディも同意。
「マスター、私も気にしてませんよ?」
しかし、ローバウルの表情が変わる事は無く…
「皆さん、ワシがこれからするお話をよく聞いてくだされ。…まず始めに、ワシ等はニルビット族の末裔などではなく、ニルビット族そのもの。…400年前、ニルヴァーナを作ったのは、このワシじゃ」
「マジか!?」
「何!?」
「嘘…」
「400年前!?」
ローバウルから告げられる事実に、全員が驚愕する。
ナツは目を見開き、何も言わずにポカーンと彼を見据えていた。
「400年前…世界中に広がった戦争を止めようと、善悪反転の魔法、ニルヴァーナを造り出した。…ニルヴァーナはワシ等の国となり、平和の象徴として一時代を築いた。…しかし、強大な力には必ず反する力が生まれる。闇を光に変えた分だけ、ニルヴァーナはその“闇”を纏っていった。」
「………」
「…バランスを取っていたのだ。人間の人格を無制限に光に変える事など出来なかった。…闇に対して光が生まれ、光に対して必ず闇が生まれる。」
ローバウルの言葉を聞き、グレイは「そう言われれば確かに…」と呟いていた。
「…人々から失われた闇は、我々ニルビット族に纏わりついた。」
「そんな…」
目を伏せるローバウルの脳裏には、400年前の地獄絵図が映し出されていた。
「地獄じゃ。…ワシ等は共に殺し合い、全滅した。」
『…っ』
その言葉に、ユウト達は言葉を発せなかった。
…その様子を見ていたミントでさえも。
「生き残ったのはワシ一人だけじゃった。…いや、今となってはその表現も少し違うな。我が肉体はとうの昔に滅び、今は思念体に近い存在じゃ。…ワシはその罪を償う為…また、力無き
例え肉体が無くなっても、ずっと此処で、ニルヴァーナを破壊する者を待ってたのか。
「俺達が、ローバウルさんの使命の終止符を打ったって訳か…」
「……そ、そんな話…!」
…その時だった。
ウェンディ達の目の前にいた
「マグナ!?ペペル!?何これ…!?みんなっ!」
「アンタ達!?」
ウェンディとシャルルが驚きを見せているのに対し、消えていく人々の顔には、明るい表情が浮かんでいた。
「どうなってるんだ!?」
「次々に人が…!?」
「…騙していてすまなかったな、ウェンディ、そしてシャルル。…ギルドのメンバーは皆……ワシの作り出した幻じゃ」
「……え?」
「何だとォ!?」
「人格がある幻だと!?」
「何と言う魔力なのだ…!」
ローバウルの言葉に全員が驚愕する。
先程まで普通の人間と同じく、ユウト達と挨拶を交わせていた筈。
それ等が幻だったとは…
「ワシはニルヴァーナを守る為に、この
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『この子を預かってください』
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「少年のあまりに真っ直ぐな眼にワシはつい承諾してしまった。…1人で居ようと決めてたのにな……預けられたウェンディはワシに、此処がギルドなのかと訊き、ワシはギルドだと伝え、幻の仲間を作り、彼女にギルドだと思い込ませたのだ。」
「…ウェンディの為に造られたギルドって事か」
“
「そんな話、聞きたくないよ…!」
知らされる事実、そして受け入れる辛い現実に、ウェンディは涙を流しながら耳を塞ぐ。
「ウェンディ、シャルル……もうお前達に偽りの仲間はいらない」
ローバウルはユウト達に指を差し…
「……本当の仲間がいるではないか」
微笑むローバウルの体が消えかけていく…
「お前達の未来は、始まったばかりだ……あと、ユウト君…」
「?はい?」
ローバウルに名前を呼ばれ、ユウトは目を合わせる。
「…先程拾った玉を、君に譲ろう」
「玉、ですか?」
「うむ。…この融合した世界を冒険する君にとって、とても大事な物だ。保管しておいて欲しい」
そう言って渡された玉には、赤い炎の色に染まり、暖かいような感じがしていた。
と言うか…
「え?何で統合世界の事を知ってるんすか?」
「…と、もう時間は無いようじゃ」
「えぇ…」
「……それじゃあ皆さん、本当にありがとう。…ウェンディとシャルルを、頼みます」
その直後、ローバウルの体は完全に消滅し、同時にウェンディの右肩の紋章も消えた。
彼女は膝をつき、大声で泣いた。
悲痛な叫びが響く。
余程、辛かったのだろう。
そんな彼女に、1人の少年が歩み寄る。
「別れって言うのは辛いよな…喪失感もあって…でもその辛さは仲間が埋めてくれるんだぜ?……だからさ──、」
紺色の少年の言葉に、涙を流す彼女が振り向く。
少年は、口角を上げ、こう言った。
「───来いよ、俺達の所へ」
それは、統合世界を冒険する小学生ユウトと、仲間が居なくなった少女、ウェンディとの物語の始まりであった。
To Be Continued...
当初、玉はナツから渡して貰おうと思ったのですが、最終的にローバウルに渡させました。
その理由は後程。
「さて、これからどう連れて行くか…」
…ユウトと作者が思った事です。
連れづらくなった…w