Wars of Characters   作:ロードゲート

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FAIRY TAIL編最終話の前話となります。

最初の部分の語り手はユウトです。


第18話 知らされる事実、受け入れる現実

 

───あれから少しの時間が経過した。

 

 

ニルヴァーナは崩壊し、六魔のマスターであるゼロをも倒して、これでもう終わりだと思ってたけど…

 

 

──ジェラールが評議院に捕まった。

 

 

あと六魔の1人のホットアイ…“リチャード”って言った方が良いか。…が捕まった。

 

…まぁリチャードの場合は六魔の1人って事もあったから仕方が無いんだけども、ジェラールも捕まった事には驚いたよ。

俺が統合世界に行く前に色んな罪を犯したらしくて、それで捕まったんだ。

 

…勿論皆反対したよ、俺も評議院の3人か4人はぶん殴ったけど、今では物凄い罪悪感が…

 

エルザが何とか止めてくれたから収束はついたけどね…

 

 

───話は変わるけど、俺は今、化猫の宿(ケット・シェルター)がある村にいる。

 

ニルビット族の人達にも挨拶したりしたけど、優しく接してくれて、何だか有り難かった。

服も新しくなったし(猫柄だけど)。

因みに元々着ていた服は汚れを落とし、また着用する為に以前購入したキーホルダー式ポケット型チェストに収納しておいた。

モンスターボールみたいで縮小したりするから便利だわ。

因みに以前購入した金リンゴも入っていて、いつか食べようと思い、そのまま保管しておいた。

 

 

───ま、とりあえず全員収集なんで、行くとしますかね。

 

──────────────────────────────────

 

ユウト達は化猫の宿(ケット・シェルター)のマスター、ローバウルによって広場に収集される。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)青い天馬(ブルーペガサス)蛇姫の鱗(ラミアスケイル)、そしてウェンディにシャルル。…よくぞ六魔将軍(オラシオンセイス)を倒し、ニルヴァーナを止めてくれた。地方ギルド連盟を代表して、このローバウルが礼を言う。ありがとう、なぶらありがとう。」

 

 

ローバウルは感謝の言葉を伝え、一夜が前に立って敬礼をする。

 

 

「どういたしまして、マスターローバウル!!六魔将軍(オラシオンセイス)との激闘に次ぐ激闘!!楽な戦いではありませんでしたが、仲間との絆が我々を勝利に導いたのです!!」

「「「さすが先生!」」」

「ちゃっかり美味しいとこ持って行きやがって」

「てか彼奴、ユウトより活躍してないよね?」

「情けねぇよなぁ」

 

 

そう言って、ユウトのいる方向に視線を向けるグレイとルーシィ。

視線に気付いたユウトは彼等にピースサインを見せる。

 

 

「この流れは宴だろー!!」

「あいさー!!」

 

 

ナツの声に続き、一夜達が踊り出す。

 

 

「一夜が」

「一夜が!?」

「活躍」

「活躍!!」

「それ」

「「「ワッショイワッショイワッショイ!!」」」

 

 

青い天馬(ブルーペガサス)の謎の踊りを始める。

 

 

(うわ出た、学校に良くいそうな調子乗るバカ集団…)

 

 

と、言いつつ…

 

 

「ワッショイワッショイ!!」

 

 

この有り様である。

 

 

「さぁ、化猫の宿(ケット・シェルター)の皆さんもご一緒にィ!?」

「あ、そーれ!」

『ワッショイワッショイ!!』

「ワ…」

 

 

お祭りムードの一夜が化猫の宿(ケット・シェルター)の全員を誘い、踊る。

 

 

しかし、彼等が踊る事は無く、其処にはただただ風が吹く音がするのであった。

 

 

「皆さん、ニルビット族の事を隠していて、本当に申し訳ない。」

 

 

ローバウルが謝罪し始めた。

 

 

「そんな事で空気壊すの?」

「全然気にしてねぇのに、なぁ?」

「俺も気にしてないが…」

 

 

ナツ達の意見にウェンディも同意。

 

 

「マスター、私も気にしてませんよ?」

 

 

しかし、ローバウルの表情が変わる事は無く…

 

 

「皆さん、ワシがこれからするお話をよく聞いてくだされ。…まず始めに、ワシ等はニルビット族の末裔などではなく、ニルビット族そのもの。…400年前、ニルヴァーナを作ったのは、このワシじゃ」

「マジか!?」

「何!?」

「嘘…」

「400年前!?」

 

 

ローバウルから告げられる事実に、全員が驚愕する。

ナツは目を見開き、何も言わずにポカーンと彼を見据えていた。

 

 

「400年前…世界中に広がった戦争を止めようと、善悪反転の魔法、ニルヴァーナを造り出した。…ニルヴァーナはワシ等の国となり、平和の象徴として一時代を築いた。…しかし、強大な力には必ず反する力が生まれる。闇を光に変えた分だけ、ニルヴァーナはその“闇”を纏っていった。」

「………」

「…バランスを取っていたのだ。人間の人格を無制限に光に変える事など出来なかった。…闇に対して光が生まれ、光に対して必ず闇が生まれる。」

 

 

ローバウルの言葉を聞き、グレイは「そう言われれば確かに…」と呟いていた。

 

 

「…人々から失われた闇は、我々ニルビット族に纏わりついた。」

「そんな…」

 

 

目を伏せるローバウルの脳裏には、400年前の地獄絵図が映し出されていた。

 

 

「地獄じゃ。…ワシ等は共に殺し合い、全滅した。」

『…っ』

 

 

その言葉に、ユウト達は言葉を発せなかった。

…その様子を見ていたミントでさえも。

 

 

「生き残ったのはワシ一人だけじゃった。…いや、今となってはその表現も少し違うな。我が肉体はとうの昔に滅び、今は思念体に近い存在じゃ。…ワシはその罪を償う為…また、力無き亡霊(ワシ)の代わりに、ニルヴァーナを破壊出来るものが現れるまで、400年もの長い間、ずっと見守って来た。…そして今…ようやく役目を終えた。」

 

 

例え肉体が無くなっても、ずっと此処で、ニルヴァーナを破壊する者を待ってたのか。

 

 

「俺達が、ローバウルさんの使命の終止符を打ったって訳か…」

「……そ、そんな話…!」

 

 

…その時だった。

ウェンディ達の目の前にいた化猫の宿(ケット・シェルター)のメンバー達が皆、次々と姿を消していったのだ。

 

 

「マグナ!?ペペル!?何これ…!?みんなっ!」

「アンタ達!?」

 

 

ウェンディとシャルルが驚きを見せているのに対し、消えていく人々の顔には、明るい表情が浮かんでいた。

 

 

「どうなってるんだ!?」

「次々に人が…!?」

「…騙していてすまなかったな、ウェンディ、そしてシャルル。…ギルドのメンバーは皆……ワシの作り出した幻じゃ」

「……え?」

「何だとォ!?」

「人格がある幻だと!?」

「何と言う魔力なのだ…!」

 

 

ローバウルの言葉に全員が驚愕する。

先程まで普通の人間と同じく、ユウト達と挨拶を交わせていた筈。

それ等が幻だったとは…

 

 

「ワシはニルヴァーナを守る為に、この()()1()()で住んでいた。……7年前、1人の少年がワシの所に来た…」

 

──────────────────────────────────

 

『この子を預かってください』

 

──────────────────────────────────

 

「少年のあまりに真っ直ぐな眼にワシはつい承諾してしまった。…1人で居ようと決めてたのにな……預けられたウェンディはワシに、此処がギルドなのかと訊き、ワシはギルドだと伝え、幻の仲間を作り、彼女にギルドだと思い込ませたのだ。」

「…ウェンディの為に造られたギルドって事か」

 

 

化猫の宿(ケット・シェルター)”、それは少女に寂しい思いをさせない為にと造られた、幻のギルドだったのだ。

 

 

「そんな話、聞きたくないよ…!」

 

 

知らされる事実、そして受け入れる辛い現実に、ウェンディは涙を流しながら耳を塞ぐ。

 

 

「ウェンディ、シャルル……もうお前達に偽りの仲間はいらない」

 

 

ローバウルはユウト達に指を差し…

 

 

 

「……本当の仲間がいるではないか」

 

 

微笑むローバウルの体が消えかけていく…

 

 

「お前達の未来は、始まったばかりだ……あと、ユウト君…」

「?はい?」

 

 

ローバウルに名前を呼ばれ、ユウトは目を合わせる。

 

 

「…先程拾った玉を、君に譲ろう」

「玉、ですか?」

「うむ。…この融合した世界を冒険する君にとって、とても大事な物だ。保管しておいて欲しい」

 

 

そう言って渡された玉には、赤い炎の色に染まり、暖かいような感じがしていた。

 

 

と言うか…

 

 

「え?何で統合世界の事を知ってるんすか?」

「…と、もう時間は無いようじゃ」

「えぇ…」

「……それじゃあ皆さん、本当にありがとう。…ウェンディとシャルルを、頼みます」

 

 

その直後、ローバウルの体は完全に消滅し、同時にウェンディの右肩の紋章も消えた。

彼女は膝をつき、大声で泣いた。

 

 

悲痛な叫びが響く。

余程、辛かったのだろう。

 

 

そんな彼女に、1人の少年が歩み寄る。

 

 

「別れって言うのは辛いよな…喪失感もあって…でもその辛さは仲間が埋めてくれるんだぜ?……だからさ──、」

 

 

紺色の少年の言葉に、涙を流す彼女が振り向く。

少年は、口角を上げ、こう言った。

 

 

 

 

 

「───来いよ、俺達の所へ」

 

 

それは、統合世界を冒険する小学生ユウトと、仲間が居なくなった少女、ウェンディとの物語の始まりであった。

 

 

To Be Continued...

 




当初、玉はナツから渡して貰おうと思ったのですが、最終的にローバウルに渡させました。

その理由は後程。


「さて、これからどう連れて行くか…」

…ユウトと作者が思った事です。
連れづらくなった…w
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