Wars of Characters   作:ロードゲート

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第2話 異世界転生

 

 

「──…は?」

 

 

ミントの“異世界転生”と言う言葉に優斗は意味が分からないと言わんばかりに首を傾げる。

 

…そもそも、優斗は“異世界転生”ジャンルの小説は興味が無いからと一切読んだ事はなく、この単語は彼にとって全く知識に無いのだ。

そんな事を知らないミントは彼に聞こえなかったかな、と勘違いし、もう一度発言する。

 

 

「異世界転生を……」

「それは知ってるんだけど、その異世界転生って単語の意味を教えてくれる?」

「あ、そう言う事ですか。」

 

 

ミントは彼が“異世界転生”と言う単語すら知らないと言う事を知り、意味を示教する。

 

 

「えっと、“異世界転生”とは、私達と同じように転生神のミスで亡くなってしまった人達を別世界で生活させる──と言う事です。」

「……。」

 

 

一般人には全く理解出来ない程に下手なミントの説明に優斗は一旦黙り込む。

意味が通じなかったのだろうか。

 

 

(あれ?伝わらなかったかな?)

「あ、そう言うことか!」

(あっさり納得したーーー!)

 

 

なんとミントの理解不能な説明を優斗はあっさり納得したのだ。

彼女は理解してくれた事に安堵すると、直ぐに転生の話を進める。

 

 

「で、早速ですが今回転生してもらう異世界は───。」

「ちょっと待って」

「?……あ、はい、どうされました?」

 

 

彼女が異世界の名を言う前に優斗は待ったを掛ける。

彼は思い出すように何かを考えると、彼は彼女に頼み込む。

 

 

「あの、いきなりで悪いんだけど、統合世界ってとこで良いかい?」

「…え?」

 

 

優斗が本来転生する場所を変更する事にミントは目を丸くする。

彼女は、彼に提案理由を聞き出す。

 

 

「えー…何で統合世界を?」

「今日テレビで、アニメやゲーム、二次元世界って言うのかな?…の各世界に他所の世界の敵が出現して混乱してるってやってたんだ。」

(世界統合の事…かな?まさか下界にも影響するなんて…。)

 

 

優斗が言うには、下界のテレビニュース等で二次元世界が統合し、現在、様々な作者達に多大な混乱状態を引き起こしていると聞き、彼はそれぞれの世界を元に戻すために統合世界を選んだようだ。

 

 

「何故その決意を?」

 

 

彼は何故、世界を元に戻そうと決意したのか、とミントに訊かれると、彼は思い出すように話し出す。

 

 

「俺が幼稚園児位の時今は亡きじいちゃんが遺した言葉を思い出したんだ。」

 

 

───────────────────────────────────

 

───時は8年前に遡る。

 

優斗が幼稚園児の時、今は亡き祖父に教えてもらった言葉がある。

 

 

「優斗や、お前はこの世界が他の世界と統合したらどうする?」

 

 

祖父が優斗に訊く。

 

 

「友だちがいっぱいできるからうれしいなー!」

「あはは、今はそう思うかもしれないがな、わし達にとっては危険なのじゃ」

「どーしてー?」

 

 

優斗は何故危険なのかと疑問しながら耳を傾ける。

 

 

「この世界に悪役が出てきて乗っ取られたり、現実(ここ)との区別がつかなくなるからじゃ。」

「げん、じつ?」

「お前がいずれ大きくなれば分かるさ。…優斗、お前は将来この世界を守るのじゃ。」

「このせかいをまもるの?」

「うむ。そうすればこの世界を救えて、ハッピーエンドになるのじゃ。」

「ハッピーエンドかぁ…ぼく、しょうらいになったらこのせかいをまもってみせるよ!」

「おぉ!その意気じゃ!」

 

 

───────────────────────────────────

 

 

「しかし、俺のじいちゃんはその三日後に死んだ。俺は悲しくてその日は一日中泣きまくったさ。」

「───。」

 

 

優斗の過去を聞いたミントは宝石のように輝く目を涙で潤しながら相槌を打ちながら聞く。

 

 

「泣き止んだ俺はそれからじいちゃんに言われた通り下界を守る為に必死に強くなってみせた。力は全然無いけどね。」

「力は無いんですね…」

「だけど強くなくても他の世界を救って、ハッピーエンドを迎えたいんだ!…だから、統合世界に転生してくれっ、頼むッ!!」

「───。」

 

 

優斗は土下座しながらミントに頼み込む。

彼女は一旦優斗の提案に考え込むが、彼の嘘偽りの無い言葉と真剣な表情を見ると、考えが変わり、その提案を受け入れる。

 

 

「──分かりました。貴方の願い、受け入れましょう。」

「やった!」

「しかし、条件があります。」

 

 

彼女は彼の希望を了承するが、条件を付けると告げる。

 

 

 

 

その条件とは──。

 

 

 

 

「私を、ご同行させて貰います。」

 

 

何とミントを付き添いさせると告げたのだ。

この発言に優斗は納得いかないと拒み始める。

 

 

「はぁ!?──あんたが何でついてくんの?てかもっとマシな条件無かったのか!?」

「じゃあこの話はなかった事に…」

「ウ、ウソウソ!冗談だって!……良いよ、付き添わせますよ!」

「はい、成立です。」

 

 

彼女の冗談に優斗は冷や汗をかきながら素直に受け入れる。

 

 

「しかし、私は実体化できないので通信の付き添いになります。」

「よかった…他の人にリア充だと思われたくなかったからね…。」

 

 

彼女は外界での実体化は不可能で、通信機器を使っての付き添いとなる(それって付き添いじゃ無いやn)。

 

 

「分かったから早く転生してくれっ!!」

「そんなに忙しなくても良いですよ。じゃあ早く転生させますね。」

「お願いしまっす!!」

 

 

彼の急かしに彼女は冷静に、早急に転生準備をする。

 

 

「貴方が統合世界を救ってくれると信じます。では。」

「え?ちょっといきな───。」

 

 

ミントが杖を白く硬い地面に叩いた直後、彼女の前から優斗の姿が消える。

 

 

どうやら統合世界に転移したようだ。

彼女は彼の転移成功した事を杖の上にある水晶玉を見て確認し、彼女は彼を見ながら心の中で彼に対して祈る。

 

 

「…健闘を祈ります。」

 

 

───────────────────────────────────

 

───数秒後

 

 

「──うお!?」

 

 

優斗はとある砂漠の中央の方に転送されたようだ。

一面砂で覆われていて、さらに砂嵐で目が開けられない。

 

だが優斗から見て後方に街があることは分かった。

しかも見覚えがある街なので、彼はそこが何処なのか確信し、呟きだす。

 

 

 

「──まさかここからスタートとはね、マグノリア。」

 

 

 

彼が転生した場所は、“FAIRY TAIL”の世界に存在する、マグノリアの街にある出入口の門前でもあった。

 

To be continued...

 




次回からFT編スタートです!

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