前編まえがき
ごめんなさい。またやってしまいました。
このおはなしは、ある意味、今まで書いた中で一番ひどいです。
殺し合うだけです。悲惨です。けものフレンズの世界を破壊しています。
文章は雑で投げやり、設定もいい加減です。
いろいろな意味でいろんな人に怒られそうな内容です。
このおはなしは、短編集「ジャパリ・フラグメンツ」の一編として書いたものです。ですが、書いてみたら長くなったため、単品で投稿しました。
携帯版などでは、変な所で改行されて、読みづらいかもしれません。
後編のあとがきに設定が書いてあります。
森の中の、けもの道。
3人の陸上自衛隊の隊員が、木の陰に隠れ、遠くをのぞき見ていた。
隊員A 「なんだあの子?」
隊員たちは小声で会話していた。
隊員B 「ビーストだ……」
隊員A 「まさか。あんなかわいい……」
ネコ科のビーストの耳がぴくッと動き、ビーストが隊員達の方を見た。
隊員C 「気づかれた!」
ビーストが走った。足元は凸凹で、木などの障害物が多いにもかかわらず、早かった。
ビースト 「ううああああーー!!」
隊員達は、小銃〔 89式小銃+ダットサイト 〕*1 をビーストに向けた。
数発の連射音がした。木の表面がはじけ飛び、枝が揺れた。
ビーストが隊員のそばを駆け抜けた直後、血しぶきが飛んだ。
ジャパリパークで、ビーストが大量発生していた。*2
パーク中で、ビーストがヒトを襲い、パークの職員、パークの客、警察官が死傷した。
パークの客や職員は、全員パークから避難した。
警察や海上保安庁ではビーストに対抗できず、自衛隊が出動する事態になった。
岩山や崖が多い岩石砂漠。*3
イヌ科のビーストが走っていた。それを戦車〔 10式戦車 〕が砂煙をあげながら追っていた。
戦車は同軸機銃〔 74式車載7.62mm機関銃 〕を撃った。それは何発かビーストに命中したが、何の効果もなく、ビーストは走り続けた。
ビーストが急にUターンして、戦車に向かってきた。
戦車と至近距離で、ビーストがジャンプした。ビーストと戦車がすれ違った。戦車の砲塔正面左側から左側面までの表面が剥がれ、中の装甲に深い傷ができた。*4
ビーストは着地して少し走り、戦車のほうに向きなおった。
戦車の砲塔が、ビーストに向かうように回り始めた。
戦車が、激しい砂煙をあげながら急旋回してUターンした。*5 車体が大きく動いても砲は安定しており、照準がビーストに合った。
車長 「撃てぇ!」
空気が波打つほどの凄まじい砲撃音*6 とともに、砲口から一瞬炎が広がり、それは煙に変わって広がった。
ビーストの体から、血煙とサンドスターが広がった。
ビーストの背後の、少し離れた所にある岩山から、着弾の煙があがって、一瞬遅れて着弾の音が聞こえた。
照準器を覗いていた砲手がつぶやいた。*7
砲手 「立ってる……」
ビーストは、腹の左側に大穴を開けられていた。体が二つにちぎれる寸前になっていて、穴からサンドスターが漏れ出していたが、戦う構えをとっていた。*8
ビースト「うううう……うああああ!!」
ビーストが、戦車に向かって走った。
車長 「全速後進!」
操縦手が、モニターを見ながらアクセルグリップをひねった*9
エンジンのうなりとともに、戦車の後ろから大量の黒い排気が広がり、戦車が後退を始めた。*10
戦車内の自動装填装置が作動した。
ビーストが、戦車に向かってジャンプした。
戦車の照準器の視界からビーストが消えた。*11
ビーストがつかんだ戦車の主砲の砲身が折れて、縦に立ち上がり、折れ口が操縦席付近に当たった。操縦席のハッチが割れた。*12 ビーストは勢いで砲塔の上に乗り、その爪が、戦車の砲塔の上面装甲を切り裂いた。*13 戦車の部品が飛んだ。
ビーストは戦車を飛びこえ、戦車の後方に着地したが、力尽きて倒れた。
後退を続けた戦車のキャタピラが、倒れたビーストに乗り上げた。グシャリと音がした。
戦車はゆるく旋回しながら高速で後退を続け、岩山に激しく衝突して止まった。
戦車の砲塔上面には、縦長の大きな穴が開いており、キューポラや機銃などが失われていた。戦車内の白い塗装は血まみれになっていた。車長は、目より上が無くなり、砲手は倒れて動かなくなっていた。操縦手は、血を流し動かなくなっていた。
鳥のフレンズ数人が飛来した。その中のひとりが、地上を見て目を見開き、一瞬放心したあと、目をそらし、声をもらした。
鳥の子A 「ひどい……」
戦車のキャタピラ跡の一部が赤黒かった。
戦車から少し離れた場所には、頭が無くなったシカのような動物と、体がちぎれた中型ネコ科動物が倒れていて、内臓がこぼれていた。横転したりグシャグシャに壊れたりした車両が何台もあった。血まみれの自衛隊員が何人も倒れていて、ちぎれた手足も落ちていた。
自衛隊の装甲車〔 82式指揮通信車 〕、車内。
無線 「第1偵察班全滅。*14
指揮官 「たった3匹相手に……」
図書館の、広い読書スペース*16
助 手 「ヒトとビースト、どちらの味方をしますか?」
はかせ 「そんな言い方はやめるです。どちらにもつかないのです」
助 手 「争いは止められませんよ?」
はかせ 「…………ヒトと組んで、ビーストを抑えこむです」*17
助 手 「それが最善ですね。……ただ、ヒトはフレンズとビーストを間違え……ん?」
はかせ 「だれか来たのです」
ふたりのもとに、鳥のフレンズがやってきた。どこかあどけない感じのフレンズだった。
鳥の子B 「でんれい! はっ、はあ……でんれいですう! はあ、はあ……」
はかせ 「どうしたのですか? そんなにあわてて」
鳥の子B 「わたり鳥の子が……」
サバンナの丘の、カモフラージュされた自衛隊の簡易指揮所。
テーブルに置かれたノートパソコンと地図の周りに、5人の自衛隊員がいた。その中の一人、指揮官が、地図を指差した。
指揮官 「ビーストをサバンナの西、
隊員E 「捕獲なんて無理ですよ。この数で暴れられたら手が付けられません」
指揮官 「分かってる。表向きは捕獲だが、事実上の掃討作戦だ。殺しても構わん。それに……後方に控えがいる。その先も」
隊員E 「…………」
指揮官 「かわいそうだと思ったか?」
隊員E 「いえ……」
隊員F 「あいつらに何人殺されたか知ってるだろ! うちの若い連中だって……」
隊員Fは、悔しさをにじませた。
図書館。
はかせ 「なにを勝手なことを……」
はかせはうつむいていて、声には怒りがこもっていた。
助 手 「上からの命です。下も勝手に動いています。仕方ありません」
はかせ 「そんなことしたら、けが人が出るだけでは済まないのです!」
助 手 「すでに死者が出ているのです」
はかせ 「く……うう……」
はかせは苦い顔をした。
……………… 「うええ!」「うそでしょ!」「ほんとうなんだな?」「おそろしい……」
「なにそれ……」「許せない」「失望したな」「あいつらぁ……」「そんなー!」「命令?」
「なにを言ってるんだ?」「冗談だろ?」「むちゃくちゃだわ!」「なるほどねー」「むりだ!」
「わかった」「あぶないよ!」「どうにか避けられんのか?」 ………………
サバンナの丘の、崖に沿った道路。
バイクの偵察隊員が吹き飛ばされ、偵察用オートバイが真っ二つになった。大型トラック〔 73式大型トラック 〕が横転し、崖から転落した。観測ヘリ〔 OH-1A改*19 〕が墜落して炎上した。
……………… 「できるわけないです……」「ビーストとあそぶの?」「仕方ないわねぇ」
「いや……やりたくない……」「自殺行為だな」「ヒトってつよいの?」「こわい、こわい
よぅ……」「戦うしかないね」「やめてよみんなー!」「相手はセルリアンじゃないのよ?」
「ビーストの動きは読めるかもね」「そういう問題じゃないでしょ!」「余計なこと
しやがって……」「もう始まってるのね」 ………………
自衛隊の簡易指揮所。
指揮官 「どうなってる! なにが起きてるんだ!」
隊員Eは無線を聞いていた。
隊員E 「第4偵察班、通信不能! ヘリも落ちたようです! 加えて……なんだって?」
指揮官 「こっちにもビーストがいるのか!」
隊員E 「……ビーストではありません」
指揮官 「なに?」
……………… 「止められないのか……」「たいしたことないわ」「みんな死んじゃうよー!」
「落ちついて」「なんとかなるよ!」「やめてください!」「やってやろうじゃねーか」
「だめだめ! だめだってば!」「作戦は?」 ………………
自衛隊の簡易指揮所。
指揮官が指揮所から顔を出し、双眼鏡を覗いた。砂煙の先に、壊れた車両数台と、たくさんの人影と、光る目が見えた。空を飛ぶ、人のようなものもいくつか見えた。
指揮官 「フレンズは、ビーストの味方だ……」
図書館の屋上。
たくさんの鳥のフレンズが集まっていた。
はかせ 「サバンナに20か所、砂漠に10か所、ジャングルに3か所、森林に3か所、市街地に3か所、海岸線に3個所の大きな陣地を……」
はかせ 「ハンター経験者を中心とした機動部隊は、すでに動いているのです」
はかせ 「ほかには、防空飛行隊、偵察隊、連絡役、救護班……」
はかせ 「ヒトをけん制しつつ、機動部隊がおとりになり、ビーストを誘導して、ビーストをヒトから引き離すのです」
はかせ 「ヒトに攻撃されて、死の危険を感じたときは……野生開放しても……」
はかせ 「…………」
はかせが言葉につまって、少しうつむいた。
助 手 「はかせ、つづきを」
はかせが顔を上げた。
はかせ 「ヒトを、殺してもかまわないのです」
ビーストと、フレンズと、ヒトの、戦いが始まった。
ジャングル。
ふたりのフレンズが走っていて、それをビーストが追っていた。ふたりは茂みを抜け、浅い川へ出た。ふたりは川を走って渡った。
突然、目の前にヘリ〔 UH-60JA 〕が現れた。ビーストはふたりを追うのをやめて、ヘリへ向かっていった。ヘリが、ドアガン〔 12.7mm重機関銃M2 〕を連射した。銃弾は、ビーストとふたりのフレンズに当たった。*20 少量のサンドスターが飛び散り、ふたりのフレンズが倒れた。ビーストがジャンプして、ヘリコプターに飛び乗り、機関銃の射手を殴った。ヘリの床が血に染まった。ビーストがコックピットのシートを破壊して、パイロットの頭を殴ると、ヘルメットが凹み、パイロットの首が折れた。ヘリは水平方向に回転しながらジャングルに墜落し、炎上した。
銃弾を受けたふたりのフレンズのうちひとりが、血を流しながら立ち上がった。そして、相棒が倒れた所を見て、顔をしかめて、歯を食いしばった。
倒れたサルが、川に浮かんでゆっくりと流されていた。そのまわりの水が赤く染まっていった。
市街地。
数人のビーストが、自衛隊の車列を襲撃した。隊員達は、小銃や、軽装甲機動車に据え付けた機関銃〔 MINIMI 〕を撃ったが、軽く針を刺す程度の効果しかなかった。トラックや高機動車や軽装甲機動車が、隊員もろとも切り裂かれた。
ビルの屋上から降下してきた鳥のフレンズが、ビーストを後ろから蹴って、ビーストの前を低く飛んで離れていった。ビースト達がそれを追った。
フレンズの機動部隊は、いくつかのビーストの群れを引き寄せることに成功した。機動部隊は、ビーストを、フレンズ側の陣地、主にサバンナへと誘導した。
だが自衛隊はビーストへの攻撃の手を緩めず、誘導した先で、フレンズとビーストと自衛隊の衝突が起きた。
陣地で待機していたフレンズの群れが、機動部隊の応援へ向かった。自衛隊も応援を呼んだ。
戦闘は激しさを増していき、戦いの“前線”が生まれた。
サバンナの前線。*21
8輪の戦車のような、機動戦闘車〔 16式機動戦闘車 〕の砲撃で、ビーストの右腕が吹き飛んだ。機動戦闘車が高速移動を始めた。茂みから突然現れたフレンズが、武器で機動戦闘車の横っ腹を攻撃し、機動戦闘車は横転した。別のビーストが、倒れた機動戦闘車の底面を切り裂き、引きはがし、内部を破壊した。車内には、血まみれの乗員が倒れていた。*22
輸送ヘリ〔 CH-47JA 〕が飛来し、高度を下げていった。木の上からジャンプしたビーストが、爪で輸送ヘリの胴体側面を切り裂いた。輸送ヘリのキャビンにいた隊員が、一緒に切り裂かれ、縦に三つにスライスされた。輸送ヘリは高度を上げ、急旋回を始めた。再度、ジャンプしたビーストが爪攻撃をした。攻撃は胴体後部に当たった。ヘリ後部のランプドアが落ち、衝撃で胴体側面の裂け目が広がって胴体が変形し、輸送ヘリは大きく傾いて墜落した。
夜。サバンナ上空。前線より後方。
はかせと助手は、上空で戦闘を見ていた。ふたりの目は、双眼鏡のように遠くを見ることができた。 音もはっきりと聞こえた。
遠くでは、暗い中、カメラのフラッシュを何倍にもしたような、オレンジ色の閃光がいくつも見えた。閃光から少し遅れて、砲撃の音が聞こえた。光った瞬間だけ、戦車や機動戦闘車の姿が見えた。数え切れないほどの銃声が響いていた。飛び散るサンドスターがいくつも見えた。
はかせ 「双方とも……犠牲者多数……なのです……」
はかせは、暗い顔で、声を震わせた。
助 手 「機動部隊もビーストも、勝手に動いていますね」
はかせ 「引くのです! 早く!」
助 手 「連絡役たちが戻ってこないのです」
はかせ 「代わりにわれわれが!」
はかせが、前線に向かって飛ぼうとした。
助 手 「だめなのです!」
助手が、腕ではかせを制止した。
はかせ 「もうすこし近くに……ぅえ?」
はかせが何かに気づき、上を見た。助手も上を見た。ジェットエンジンの音*23 が聞こえた。
はかせが何かを見つけた。
はかせ 「あれは……なんなのです?」
高高度を、細長い翼を持った、大型の無人偵察機〔 RQ-4B 〕が飛んでいた。それは地上を見下ろしながら、ゆっくりと通過していった。*24
助 手 「死神なのです」
後編へ続く