落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです   作:ウィングゼロ

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13話

 

正人くんから告げられた正人くんが歩んだ過去。

そしてその過去の中には明るかった正人くんを変えた要因もあって、長年の疑問が漸く晴れた。

正人くんが抱える…ううん、恐れていることはとても私なんかが軽く返して良いものじゃない。

かといってはやてちゃんが正人くんを言ったところではやてちゃん自体が起因の1つだからあまり効果もないのだろう。だからこそ、はやてちゃんも長年、手をこまねいていたのだ。

そして、私に正人くんを頼んだのも、はやてちゃんは私なら正人くんの抱えるこんでいる物を取り除けるかもしれないと賭けているのだろう。

……此処で引いたら、手の届かないところまで正人くんは行ってしまう。

そう、前に感じていたものは今はハッキリと分かる。だから、此処は前に踏み込むんだ!

 

「正人くんは……本当にそれでいいの?」

「……何を言っているんだ?それでいいって?何をだよ」

私の反論に戸惑いの声を震わせる正人くん、私はそんな正人くんを逃がさないように追求する。

「あの人のこと、正人くんの話だとクリスマスの日に命を絶ったって言ってたよね?けどこの世界であの人は生きてる。だからこそ、突然現れたあの人に詰め寄って言ったんだよね?」

「それは……そうだが…」

「あの言葉も正人くんの本心からの言葉だって私わかるよ。けど一度失敗しただけで、他人に押しつけるの?」

「っ!!リィンフォースは俺なんかより遥かに強い!もし俺も実力を全力で発揮できたとしても、リィンフォースはそれを上回る実力を持っているんだ!これは長年の状況判断からの最善な選択だ!」

正人くんの言葉荒くなってる。私が正人くんが内に秘めていることを次々と言い当てているから余裕を失いかけている。

「わかっていたとしても始めから諦めるなんてそんなの正人くんらしくないよ!正人くんはそんなに強いのに!」

「っ!お前に俺の何がわかるっていうんだ!!」

今まで感じたこともない覇気に私は身を竦ませた。正人くんの逆鱗を確実に触れたのだ。

「俺はなのはのように砲撃魔法が得意なわけでもないし、フェイトのように高機動戦闘ができるわけでもない。はやてのように広域殲滅ができるわけでもなく。シグナムのように剣の才があるわけでもない。」

それは自身のどれだけ劣等に見回れているのかの話。

「ヴィータのように突破力が優れているわけでも、シャマルのように回復魔法が使えるわけでもザフィーラのように鉄壁な守りができるわけでもないんだ!」

自身の抱える闇の部分をこれでもかと吐き出す正人くん、私は一歩も引くことなくその吐き出されたものを受け止める。

「………」

正人くんの言い様は太陽が照らされ、その光で濃く映り出される影のように…この場合は太陽がはやてちゃんで影は正人くん。

はやてちゃん達が強くなって行くに連れて、正人くんの劣等感でそれから思い出す、あの日の正人くんの何も出来なかった記憶が正人くんを締め付けているのだ。

「大体、どうして香織は俺にそこまで関わるんだ!俺が突き放してるのはわかってるんだろ!?だったら…」

一度爆発した感情は止まらない…正人くんの言葉という刃物が私に襲いかかってくる。けど私は挫けない

「そんなの決まってるよ…」

突き放してくる正人くんに対して私は漸く気付いた自分の胸の内に秘めている思いを口にする。

《漸く、繋がった…!》

「私は正人くんのことが好きだから!」

「……え?」

正真正銘な私の思い。これだけは誰にも譲れない。

「もう正人くんを一人になんてさせないよ。私が一生、正人くんを支えるから」

「香織……俺は…」

戸惑う正人くんは私から顔をそらす。

「正人くんを支えるために私も強くなるよ、だからもう一人で抱え込まないで……これからは私も一緒だから……!」 

「かおっ!?」

きっとそれを正人くんの親しい知り合いが全員望んでいる。そのためなら今の私は何だってできる気がする

私は正人くんの逸らした顔を手で真っ直ぐ向け、私は正人くんの唇を口で塞いだ。

ファーストキス…こんな所でしちゃった。

正人くんの口から唇を離すと、正人くんは頭の処理が追いつかずに完全に放心状態、私もきっと今の顔は幸せな顔をしているのだろう。そんな正人くんの胸に私は顔を埋め、子供をあやすように優しい手つきで頭を撫でた。

「大丈夫…大丈夫だから」

 

「………香織…俺は…」

正人くんの声からは怒りや不安といったものが感じられない。

  

《……こほん、すまない色々とお取り込み中だが…いい加減、こっちに気付いてもらいたい》

「「っ!?」」

突然第三者の声、それに驚き私は正人くんから離れると正人くんは心当たりがあるのかポーチから長方形の端末を取り出して、操作すると空中に浮かぶウィンドウに映像に男の人が映し出される。

「ク、ククク、クロノ!?」

正人くんは完全に拍子抜けな声を上げて、映像に映る人を凝視している。

もしかしたら正人くんが言っていた管理局の人達?

《君の魔力反応を感知して既に五日……どうやら君の今の状態は好ましいものでは無いようだな》

「……五日ってそんなにたってたのか……非常用の緊急回線まで開いて……ちょっと待て」

何日も日は経ってるって思ってたけどもう五日も経ってたんだ。変わり映えもないオルクス大迷宮で長い時間を過ごしていたから正確な経過日時を聞いて少し驚いたけど、正人くんは私の方をチラチラと見て別の何かを気にしていた。

《……すまないと思っている、回線が繋がったと思ったらまさかあんな状況とは思わなかったからな》

本当にすまないっと顔に出ているクロノさん。正人くんも顔に手を当てて頭を痛くしている用に見える。

「…それじゃあ、聞いてたんだな…さっきの俺達のやり取り…」

「私達の…やりとり…!!」

正人くんが顔を引きつりながら告げた言葉に漸く理解できた。

つまりクロノさんが回線が繋がったのは私達に声を掛けた時じゃなくて少し前、わ、私が正人くんに告白や、キ、キスしたところも聞かれていた感じだろう。

「あー、香織落ち着け、クロノの奴には後でエイミィさんに絞って貰うとして…」

「わ、わたし、お水くんでくるね!」

もう羞恥心でこの場にいるのが恥ずかしい、正人くんの静止を無視して私は五日前に私達が打ち上げられていた湖へと向かった。

 

 

ヴォルゲンリッターの先行加入を誰にするか(最終的には全員来ます)

  • シグナム
  • ヴィータ
  • シャマル
  • ザフィーラ
  • 誰も来ない
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