落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです 作:ウィングゼロ
香織SIDE
「あうぅ…」
洞穴から飛び出し私は湖の近くで三角座りで羞恥心に必死に戦っていた。
色々と抑えきれなかったこともあるけど勢い任せで告白してしまった。
でもそれのお陰なのか正人くんが立ち直ったみたいだから結果オーライ…なのかな?
「いけないいけない、此処に長居してたら駄目だよね」
此処は迷宮区の中なのだ。この五日はあの洞穴に身を潜めていたけど魔物が出てきても可笑しくない。
どういう言い訳すれば良いのかな…
そんなことを思いながら私は立ち上がり洞穴に向かおうとしたが直ぐに足を止めた。
私の周りには大型犬ぐらいの大きさの二尾の白い狼が六体。それが私を囲いながら一定の距離を保っている。
「囲まれてる…!」
悪いことに私には気配感知という技能はない。だからこそもっと周囲に気を配らないといけなかったのに
そんな後悔をしても状況は変わらない。今の私はアーティファクトがないのだ
戦う力なんて微々たるもの、術者の私が攻撃する暇などもうない。
打つ手なしの状況に恐怖が立ちこめるが脳裏に正人くんの姿が浮かぶ。
駄目だ此処で私が死んだらきっと正人くんが壊れてしまう。
「諦めない。きっと助かる方法が…!」
こんなことで挫けちゃ駄目だと私自身に鼓舞をすると二体がこちらに飛びかかってくる。
何としてでも避けないとっと体を動かそうとしたそのとき
「香織に手を出すな!」
その声と共に飛びかかる二体に紺色の光の矢が貫き貫通した穴と狼の口から血飛沫が舞う。
一瞬呆然としていたが直ぐに放たれた方向を見ると先程とは違う質素な服装に見たこともない弓を持つ正人くんの姿があった。
「正人くん!」
「っ!戦闘中によそ見するな!」
私は嬉しくて正人くんを見つめているが今は戦闘の最中、隙を見せた私に一体が研ぎ澄まされている牙で喰らおうと大きく口を上げて突撃してくるのを正人くんは見過ごす訳がなかった。
ある程度離れていた距離など関係ないようにすかさず私と魔物の合間に割って入り、ベヒモスの突撃を防いだシールドを張り飛びかかりを受け流し態勢を崩した狼に正人くんは弓の中心を両手で持ち弓の弦が消えると中心で分離し弓から2本の曲刀に早変わりし仰け反った狼を切り裂く。
僅かな時間で既に半分の狼を倒しあっちにも動揺があるのだろう。正人くんを自分達を上回る強者と認識し残った三匹は逃走を計る。
けどそれで攻めの手を緩める正人くんではない。双剣を連結し弓に戻すと正人くんの周囲に紺色の球体が6つ出現する。
『アストロスフィア、シュート!』
正人くんの号令と共に発射される球体、6つの球体は一匹2つの球体が高速で追尾していき、逃げた三匹を確実に捉えた。
呆気ない幕引きだと思うが中には1発を避けた個体もいた。だけどその避けた先にもう1発の球体が狼の体を貫いた。
「……敵はもう近くにはいないみたいだな。オリオン、周囲警戒を怠らないでくれ」
[了解しました]
気配感知で敵がいないのを感じたのかそれでも気を緩められないと正人くんが持つ弓に語ると弓から機械音声が聞こえてくる。あれってそう言うのもできるんだっと感心しているとじと目で見つめる正人くんの姿。
そういう反応をされても致し方ないと思う。
「全く急いで駆けつけてみれば、この状況…はぁ、クロノの奴マジで覚えてろよ」
っと先程話し合っていた人物を軽く怨む正人くんは、私に手を差し伸べた。
「戻るぞ、血に飢えた魔物が寄ってくるかもしれない」
「…うん」
私は正人くんの手を取りまた洞穴へと戻った。
正人SIDE
俺達の洞穴に戻ると取りあえず、座るのに問題ない岩に座る。色々と話さないといけない。だが先ずは…
「…香織、ありがとう」
「え?」
「ありがとうって言ったんだもし香織があのまま俺のことを見放していたら、きっと俺は今までと変わらなかった。香織の言葉があったからおれはまた前へ進めることができるんだ」
香織がこの場にいなければ俺はきっと諦めていた。
だからこそ、俺をまた進ませてくれた香織には感謝しかない。
「ううん、私は正人くんが戻ってくれただけでそれだけでいいの」
本当に良かったっと涙ぐんで笑みを浮かべる香織に本当に心配されていたと改めて俺は思う。
まずお礼を言った後俺はこれからの方針を香織に伝える。
「香織、これからのことなんだが、まず管理局の救援が来るのは難しい。この星全体に覆われた結界をどうかしないと駄目らしい。それについてはクロノ達に任せるしかない。まず俺達は南雲を探してこの場から脱出する。始めの方針はこんな感じで良いんだけど」
「正人くん?」
「脱出した後、俺は天之河達のところには戻らずにこの世界を旅する。リィンフォースや脱出の方法を模索するために…多分危険な旅になるから、香織や南雲は…」
「待って、私も付いていくよ」
香織と南雲はメルド団長に預け俺だけでと考えていたがそれにストップを入れたのは香織だ。香織も覚悟の上であれはテコでも動かない。
「正人くんを見てないと本当に危ない橋を渡りそうだし」
私心配だよ?っと優しく語りかけてくるが何処か抗えない威圧感も感じられた。
しかも何も言えないから、香織の同行は確定といってもいい。
「ま、まあ、取りあえず休んでから早速…と言いたいところだが新調されてるオリオンの馴らしや完全に調子が戻るまでは動かないでおこう。食料の方は二人で二ヶ月分くらい、その他諸々役に立ちそうな物もあるし…問題ないだろう」
っとオリオンと同じく転送してくれた大型のバックを見せ、食糧問題は解決したというと、香織は笑みを浮かべうんっと頷いた。
だがこの時、早めに動いていればと俺は思うようになる。
「殺してやる」
この奈落の別のところで錬成の魔王が誕生していたなんて…
ヴォルゲンリッターの先行加入を誰にするか(最終的には全員来ます)
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シグナム
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ヴィータ
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シャマル
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ザフィーラ
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誰も来ない