落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです 作:ウィングゼロ
薄暗い迷宮を正人は駆けた。
神経を尖らせ音と気配を取りこぼさないように集中し地面を勢い良く蹴って最短で駆ける。
勿論正人が向かっているのは銃声が鳴り響く方向。
何度も銃声が鳴り響いているために正人は迷わず。速度を緩めることなく進んでいく。
気配は敏感に捉えるようにしている正人だが此処ら一帯の魔物は完全に鳴りを潜めていた。
まるで魔物達が何かに怯えているように感じた正人は更に嫌な予感を強める。
「銃声はこの先だ…!」
オリオンを強く握りしめ通路を出た正人、そしてその先に目にした先には彼が予想していた以上の光景が待ち受けていた。
「俺の糧となれ」
それと共に放たれた銃声、正人が到着した直後、白髪の男は手に持つ大型のリボルバータイプのハンドガンを銃口の先にいる大型の熊の額に銃弾がめり込み。倒す瞬間だった。
白髪の男も屠られた熊も両者睨み合ったままだったが、地面を削りながら止まった正人は白髪の男に対して叫んだ。
「南雲!!!」
「っ!」
南雲と叫ぶ正人、それに反応してか白髪の男も信じられない顔つきで正人を見ていた。
正人の中のハジメは黒髪で白髪の男より体格も小柄だった。
正人も確実な確証は無く、どちらかと言えば反射的にあれはハジメであると思い叫んだのだ。
お互い突然の邂逅で動かなかったが、しばらくするとハジメと思われる男性が乾いた笑い声を上げる。
「そうか…本当に質が悪いな…おい」
「……南雲?」
唐突の笑い声に動揺する正人だが
「随分警戒してるじゃねえか、死んだ八坂の姿をしていれば俺を騙し討ちできるって思ったか?」
ハジメも正人を見て少しだけ動揺したが今いる正人を魔物が化けているだけと決めつけとても話し合う空気ではなかった。
「少し前までの俺ならひっかかってたかもな!」
「っ!」
ハジメの言葉と共に銃口は正人へと向けられ躊躇なくトリガーを引き銃口から弾丸が放たれる。
臨戦態勢を取っていた正人はそれを紙一重で回避、放たれた銃弾をしっかり見て銃の威力を確認する。
正人は南雲の根城で見つけたあの設計図に描かれていた銃器であることは戦闘になる前にわかっていた。だが実物は正人の予想を遥かに上回る性能であることを感じ取り冷や汗をかく。
(予想していたより、かなり完成度が良いあの銃、現代兵器以上の性能を誇ってやがる。多分直撃すればただじゃ済まない)
「ちぃ、避けられたか。スペックはあの爪熊より上らしいな。能力も特殊そうだし、殺して食って、俺の糧にしてやる!」
ハジメの銃器……正人は知らないがドンナーは正人の知る知識地球の銃器の性能を上回り。騎士甲冑を身に纏っている正人もあれを食らえば甲冑は貫通するだろうと予想し強面な顔でハジメを見る。ハジメもまた避けられたことに舌打ち、そして正人の性能は先程殺した仇敵である。爪熊以上と判断すると不適に笑みを浮かべ。ドンナーの銃弾をリロードしてまた構え直し正人目掛けて雷が帯びた弾丸が襲いかかる。
(さっきのリロードでリボルバーから捨てられた銃弾は6発……つまり6発撃たせた後のリロードを肉薄して攻める。)
そう考えながらも正人は三発目の銃弾を回避。四発目と五発目の牽制と先読みの銃弾で牽制の弾丸はまず当たるはずもなく、それで動きを制限され正人の移動先を狙い撃つように撃たれたがそれは武装強化したオリオンで切り落とされる。
(後1発!)
ドンナーの装弾されている弾は残り1発と確信する正人はその1発が撃ち終われば間合いを詰めて近接戦闘で無力化するため何時でも踏み込めるように準備し、ハジメに至っては焦りを見せていた。
(何なんだ、こいつは…!俺の銃弾を此処まで避けるしその上、切り落としやがった。ドンナーの弾も後1発、確実に仕留めるには……!)
焦るハジメの顔は直ぐに良いことを思いついたと笑みを浮かべ始める。それは正人が来た通路から現れた少女を見て
「正人くん!!」
香織だった。
彼女は飛び出していった正人を一生懸命追いかけ、銃声が鳴り響いていたために迷うことなくついに追いついたのである。
香織が大声で叫んだために戦闘に集中していた正人も気付く。そして嫌な予感が過ぎった正人は直ぐさまやってきた香織に向かって叫んだ。
「逃げろ!香織!!」
途轍もない焦りを滲ませる正人の言葉は香織を動揺させ、ハジメは正人に向けていた銃口を香織へと向け、最後の1発を放った。
そして正人の行動も早かった。
いきなり現れた香織に動揺したがそれを隙と見て最後の1発を香織に向けるのは今のハジメなら平気で行うと確信していたため香織の前にシールドを展開し銃弾を受け止める。
だが銃弾はハジメの技能纏雷によりレールガンと化した銃弾。容易に弾くことができずにシールドと拮抗…否、銃弾の方がシールドより勝りシールドに亀裂が走っている。
防いでいる間に香織は逃げる余裕はあったが、いきなりハジメに銃口を向けられ躊躇いも無く発砲されたことに腰を抜かして動けなかった。
そしてシールドの亀裂は更に大きくなっていき、ついにシールドは砕け散った。
それでもなお銃弾は香織へと向かっていくがそれは香織に当たることはなかった。
銃弾は防いでいる間に香織の前へ辿り着いた正人によって切り落とされたからである。
「ま、正人くん」
おぼつかない声で正人に話す香織、そしてその正人はというと完全に怒りが滲み出ている顔でハジメを見つめていた。
「…此処まで、変わるもんなんだな…人ってのは」
半月前のハジメはとても戦いが嫌いな男だった。しかし今の彼は好戦的で邪魔するものは排除するという明らかに反対の思考をしているがまさかリロードの時間を稼ぐために香織を狙ったことに正人は完全に怒っていた。
「…香織、聖絶は発動できるか…時間を稼いで欲しい」
「…え?出来るけど…」
「一二発防げばそれでいいよ。チャージはそれまでに完了するから」
そういいながら正人はオリオンを弓にすると矛先をリロードしているハジメに向ける。香織も正人がハジメを殺す気はないとわかると頷いて詠唱を始めた。
「ここは聖域なりて神敵を通さず聖絶!!」
香織が素早く詠唱を完了すると正人と香織の周辺に障壁が張られ、間一髪1発目の銃弾を防ぐが香織は次の攻撃で聖絶が持たなくなると直ぐに理解する。
「正人くん!次で持たなくなる!」
「ロードカートリッジ」
香織が意図を短く伝えるが正人は焦ることなくオリオンの排出口からカートリッジが1発排出され足元に魔法陣、弓の先にスフィアが生成、そのスフィアを弓を引くように伸ばし狙いを定める。
「さあこいつで終わりだ。二人纏めて食ってやる!」
そういって正人達目掛けて銃弾か2発少しの間を置いて放たれる。
1発目は聖絶を破る銃弾で後に発射した2発目で正人と香織共々貫通させて殺すと言った戦法だ。
そして正人は魔法のチャージで動けず。香織に至っては聖絶の発動で動けない。
これはとったと微笑みを浮かべるハジメ、そして聖絶が破られた瞬間正人が動いた。
「少し眠ってろ」
[ベガバスター]
正人は摑んでいた弦を離し直径二メートルはある紺色の砲撃がハジメに向かって放たれる。
「なっ!?縮…」
砲撃は二射目の銃弾を飲み込み進み。ハジメも攻撃が飲み込まれたことで動揺したが直ぐに回避をするため縮地を発動しようとしたが既に砲撃は目の前にやってきており、為す術もなく砲撃に飲まれた。
それが10秒ほど放たれ続け撃ち終えるとオリオンから蒸気が排出、砲撃により舞っている土煙が晴れるとそこには倒れるハジメの姿で気を失っていた。
ヴォルゲンリッターの先行加入を誰にするか(最終的には全員来ます)
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シグナム
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ヴィータ
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シャマル
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ザフィーラ
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誰も来ない