落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです 作:ウィングゼロ
正人SIDE
「全く、世話をかけさせる」
おもいっきり魔力を消費したためか肩から息をするように倒れている南雲を見つめる。
「正人くん…あの人ってまさか…」
途中でやってきた香織はあの白髪の男が南雲であるとは思っておらず。しかしこんな奈落の底に人の姿をした人間がいれば薄々だが気付くものもあった。
「ああ、南雲だ。ちゃんと俺のことも認識してたからな」
まあ偽物と思ってるみたいだけどとは口には言わなかった。流石にショックだろうし
「そっか…」
香織は南雲が生きていたことには嬉しいがあまりにも変わりすぎていることに動揺が大きく。どう顔に出せばいいのかわからない様子だった。
「…にしてもバスター使っちまったな…天之河のこと言えないな」
そんな香織を横目に俺は辺りの洞窟の状態を観察する。香織が狙われてついかっとなって砲撃をしたがこの場所では悪手と言っても良かった。
まず戦っている場所はダンジョンの中しかも周囲は岩で囲まれている。
だからこそ砲撃なんていう馬鹿でかい大技は返って落石や崩落なんかを引き起こす要因になるのだが…運が良かった。問題はないらしい。
「香織、南雲をあの拠点まで運ぶぞ。こんな所で放置するのはあれだし起きたら色々聞かないと駄目だからな」
「正人くん…うん!」
此処に長居する気もなく。南雲を連れてあの見つけた拠点に戻ろうと香織に提案すると香織はいいの?っと不安そうな顔をして訪ね、俺は頷くと微笑みを浮かべて南雲の元へ近づいていく。
やはり色々変わってしまったが南雲であるということには変わりない。そう香織は結論づけたのだろう。
そうして俺が南雲を担ぎながら拠点に戻り、南雲が目を覚ますまではこの拠点に居座ることになった。
香織もそれを了承し気絶している南雲に回復なども施したがあまり左腕の惨状以外の外傷がないことで不思議に思い首を傾げるといった一面もありながら
俺は南雲のステータスプレートを確認していた。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:17
天職:錬成師
筋力:300
体力:400
耐性:300
敏捷:450
魔力:400
魔耐:400
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・言語理解
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結論から言ってかなり化けてる。
既に俺の基本スペックや天之河以上の力を持ち。恐らく喰らった魔物の技能も使え、持ち前の錬成で作った銃器があるために既にこの世界では最強の一角と言っても良いだろう。
というか、魔力が異様に高い。少し調べたところ南雲がリンカーコアが覚醒していた。
俺達魔導士の要となる魔力を貯めることが出来る器官、その器官を使えるのは基本的先天的な物なのだが、後天的にリンカーコアを覚醒させる例がある。
南雲の場合、後天的…魔物の肉を喰らったことでリンカーコアを刺激し覚醒したのかもしれない。
リンカーコアは現代でも解明できていないことが多いためハッキリした答えはない。
「取りあえず、バインドで縛ったのは正解だったか」
そういって南雲をちらっと見ると四股は鎖型のバインドで固定しかも南雲用にと5分ほど時間を費やして作ったのだ。これが力ずくで破壊されれば俺少しはプライドが傷つきそう。
そしてしばらくすると南雲から小さい声が上がりゆっくりと見下ろすの南雲が目を覚ましたのがわかる。
「目が覚めたか」
「っ!!なん!?」
俺は軽くそう言葉を交わすと南雲はこれまでのことを思い出したのか、食い殺さんとする目で立ち上がろうとしたがバインドにより身動きは取れない。
「南雲が暴れるのは予想済み、悪いと思ったけどバインドで縛らせて貰ったぞ」
「エグいことしてくれるじゃねえか、だがなこんな鎖ぐらい…!」
強引に引きちぎろうとしているが一向に砕くことは出来ず。南雲も自身の身に起きている異変に気付く。
「そのバインドには対象の魔力無効化、つまり魔力で上がっているステータスも平凡クラスまで落とすことが出来る」
元々大型な生物の捕獲用の魔法なのだがそれを人サイズで縛りなおかつ魔法を使えないように術式を組み立てるのはかなり複雑で時間もかかった。
「さて、これで話し合いに持ち込めるわけだが…色々聞きたいことがあるけど先ずは…」
南雲に正直に話してくれるとは限らないが訪ねようとしたとき、香織が俺を静止して南雲の前にでる。
「…香織?」
「………」
何処か悲しそうな顔をしている香織、銃口を突きつけられたことへの恨みではないようだが何か思い詰めているのは確かだった。
「白崎の…偽物か、俺に何のようだ」
南雲に関しては未だに俺達を偽物と誤解してる。彼の考える言い分も強ち否定できないものもあるために強く言わなかった。
「ごめんなさい」
香織が放った言葉は謝罪だった。
一体何にたいして、そう俺も南雲も目を丸くして香織に視線を向けると香織は話を続けた。
「守るっていったのに守れなくて…どんな怪我でも治すって期待されて…治せなくて…」
ごめんなさい、痛かったよねっとまた謝る香織、視線は今はもう無い左腕に向けられていた。
そんな香織にギスギスしていた空気も晴れて南雲は溜め息を吐く。
「……南雲、もう俺達が偽物じゃないのはわかってるだろ?出来れば聞く耳を持って欲しいんだが」
「ったく、やってられねえな…八坂、答える代わりにそっちも色々話せ、こっちに来る前に言った転移術式っていう言葉もな」
此処でその言葉がでてくるか…あの時聞かれていたのは南雲だったわけだ。
別に隠す必要もないために包み隠さず話すと南雲は頭を抱えていた。
「……なるほどな、時空管理局に次元世界……それに魔導士にリィンフォース…ねえ…漸く八坂が取り乱したのが理解できた。」
そりゃあ死んでたと思ったらそうなるわなっと共感する南雲。
俺達ことも本物とわかってくれたことで多少だが話しやすくなった。
「現状帰還する方法は不明、管理局が血眼になって探してる。だがこっちを呼び出したことが出来たのなら戻ることも可能なはずだ。俺も此処を出れば自力で探すさ…南雲はどうする?香織は俺に付いてくるってことになってるんだが…」
「…目的は同じだが、馴れ合うつもりはない俺は俺なりに帰る方法を探す。」
行き着く先はどっちも同じ、地球に帰る。俺達の大方針は決まり、取りあえずこの奈落から脱出するまでは共闘という形に落ち着くのであった。
ヴォルゲンリッターの先行加入を誰にするか(最終的には全員来ます)
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シグナム
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ヴィータ
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シャマル
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ザフィーラ
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誰も来ない