落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです   作:ウィングゼロ

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19話

南雲との戦いと話し合いから2日、俺達は南雲の拠点を利用しこの階層の探索を開始しこの層の隅々まで探索を完了した。

「上に上がる階段はねえし、これは下に降りていくしかないな」

南雲が言ったとおり、脱出口となる上れる階段はなかった。その代わりで下に降りる階段は見つけたがだ。

つまりはもう俺達は下に降りていくしかないということだ。

恐らく下に下りて行くに連れて、敵は厄介になるだろう。だが今の俺達なら問題は無いそう思えた。

「そうだね…ところで南雲くん…魔物の肉って美味しいの?」

 

管理局に支給されていた食糧を食べる香織は南雲ががっついている爪熊の肉を食べているのを見て、気になって訪ねた。

あの後、二人がかりで爪熊の死体を拠点に持って帰り、毛皮なんかを掻っ捌くと体から放つ電気…纏雷で肉を焼いて食べている。

普通は南雲は魔物の毒にやられて死ぬはずなのだが、南雲はこれまでの不幸が幸運として二倍返しで帰ってきた如くの強運を発揮したのだ。

先日調べていたときに見つけたバスケットボールクラスの青い鉱石、それから湧き出る水は魔物の毒は愚か、どんな怪我や病でも治るエリクサー的な代物だったのだ。

魔物の肉を初めて食い全身が毒に蝕まれながらもその水を飲んだことでなんとか生きながらえた南雲の姿が今の姿だと説明し以後魔物の肉を食べても胃酸強化のお陰で何ともなくなったという。

ステータスも魔物の肉を食べて上がるという裏技的な物で…それを聞いたとき香織も食べれば強くなれるかなってぼやいたときは俺と南雲も全力で止めさせた。

 

「いいや、何も食わねえよりかはマシだし、ステータスも上がる…それにおめえらの食料も腹の足しにしてるだけで殆ど同じだろ?」

そう、南雲は指摘しているが恐らく真意は、南雲までこっちの食料に手を出せばその分食料が減っていくのを見越してだろう。

 

「まあそれはそうだが…今日中に動くんだろ?確り食べとけよ…ただし食べ過ぎて動けないとか話だからな」

「その言葉、そっくり返してやるよ」

これ以上この階層にいても仕方ない。そのため俺達は下の階層へと足を踏み入れることになった。

だから皮肉混じりの冗談で場を和ませようと南雲に語りかけるとそっちこそと同じく返される。

まだ少し距離はあるけど…またあの時みたいな関係に戻れればいいな

そう俺は心の中で思うのであった。

 

「さてと、此処が二階層目ではあるんだが…」

「暗くてよく見えないね」

食事をとった後下りる支度をした俺達は見つけた階段で二階層へと辿り着いた。

だが辺りにはこれまであった緑光石の明かりはなく。洞窟全体は暗闇で覆われていた。

「全く見えねえ、おい八坂あの光る弾で辺り照らしたらどうだ?」

「一応あれ、魔力使うんだぞ…それなら南雲がもってる緑光石のランタンで…まあいいか」

そういって左手の手の平から軽く魔力スフィアを生成、それの照らす光で暗闇を照らすと不意に地面を何かが見えた。

「っ!全員物陰に隠れて!」

俺は嫌な予感がしたために即座に指示、南雲も嫌な予感がしたために素早く物陰に隠れ、俺も香織を連れてすかさず隠れると一瞬なにかが光ったと思ったら辺りを照らしていた魔力スフィアが石化して崩れ去り再び暗闇へと踊ってしまう。

「ちぃっ!バジリスクかなんかか!」

「南雲!閃光手榴弾を投げて!相手はこの暗闇でも見えてるんだったら…」

「逆に眩しい光には弱いってことか!ほら!!」

相手は石化持ちでこの暗闇で平然に動ける魔物の南雲は石化能力を見てバジリスクと例え、俺はこのフロアの性質でバジリスク(仮)の弱点になりそうなものを見抜き、すかさず南雲が持つ緑光石を利用して制作した閃光手榴弾を使うように指示すると、俺の考えた意図を気付いたのか不敵に笑って閃光手榴弾を投げる。

投げられて数秒後、この辺りが一気に光に包まれバジリスク(仮)の悲鳴にも似た声が聞こえた瞬間、俺は岩陰から出て魔力でできた紺色の矢…ソニックアロー*1ですかさずバジリスク(仮)を射抜いた。

「こりゃあ迂闊なことは出来ないな」

この先のことを思いやりながら俺達は先に進む。

因みにバジリスクは美味しく南雲が食べ暗いところでもよく見える夜目や石化耐性などを習得したという…凄いな魔物肉。

 

それから俺達は休み休みではあるが順調に階層を下りていった。

下りる先もフロア全体が火器厳禁で南雲のドンナーが封印せざる終えなくなり、気配探知に引っかからないサメ?が襲ってきたり。毒霧で充満したフロアで俺が作った中和するバリアで進みながら毒を吐く虹色カエルや何処かモスラに似ている蛾と戦ったり…密林みたいなフロアでは巨大ムカデが出てきて俺はまだ見慣れていたが南雲や香織は発狂し香織は顔を青くして気絶し南雲はドンナーや爪熊のスキル風爪でそのムカデや俺達でも食べられる果物を実らせているトレント擬きを狂瀾怒涛の如く撲滅したり…そんな感じの勝るにも劣らないレベルの凶悪なフロアばかりだった。

そして10日以上…このオルクスの深淵に来てから一ヶ月が経ちそうなとき、俺達は50階層で異様な扉の前に居た。

高さは大凡三メートル、扉の両脇には侵入者防止のための1つ目の巨人が二体いる。

大方不用意に開けてしまえばこの2体が目を覚ますと言ったお約束な事態になるのだろう。

しかしこれを無視するほど今の俺達には出来なかった。なんせ50階層も下りてきてここまで進展なし。そして滅茶苦茶気になる扉があるのだから調べたくなるのも致し方がなかった。

 

「さながらパンドラの箱だな。……さて、どんな希望が入っているんだろうな?」

「そうだね…きっと帰れる方法が見つかるかも」

ドンナーを片手に不敵に笑う南雲に呼応して香織も頷く。

「南雲、香織も気をつけろ扉に不用意に触ったりこじ開けたりしたら間違いなく両脇のサイクロプスが動く。こんな仕掛け、遺跡でのベタな仕掛けだ…といっても聞き分けてはくれねえよな…取りあえず俺は左な」

「じゃあ俺は右だ」

取りあえず打ち合わせをして南雲が強引に錬成でこじ開けようとすると拒まれるように南雲の手が扉から弾き飛ばされると案の状の事態になった。

両脇のサイクロプスが目覚め壁から抜き出て俺達を葬り去ろうとしていたが本当に相手が悪かった。

[デネブストライク*2

オリオンから自然に貯めていた魔力矢が放たれそれは左のサイクロプスの1つ目を貫通し後の壁を破壊すると何も出来ずに南雲が処理したもう一体のサイクロプス共々地面に倒れ込み絶命した。

「悪いが、空気を読んで待っていてやれるほど出来た敵役じゃあないんだ」

「同じく、こんなわかりきった展開を受けるほどお人好しではないから」

「なんか…魔物の方が可哀想…かも」

…香織にすら同情されるなんて…サイクロプス…哀れ

 

その後扉を調べ考察した末、サイクロプスの魔石が鍵ではないのかと推測した俺達はサイクロプスの魔石を扉にはめ込むと扉が開いた。

「さて、こいつらが何を守ってたのか見物だな」

そう言いながら何時でも臨戦態勢な南雲を見て苦笑いしつつ俺達は開かれた扉の奥へと進む。

奥は真っ黒で何も見えない。これは南雲の夜目頼りかと思っていると俺はこの中にいる気配を感じた。

「……だれ?」

部屋の中から弱々しい女の声が奥から響いてきた。

外の光でわかってきたが内装は聖教教会の大理石のように艶やかな石造りで柱も規則正しく立てられている。何よりこの部屋の中央に何やら大きな菱形の石と何かが生えているように見える。

「まさか…人…か?」

先程の声からしてそこにいたのは生きている金髪の女の子だった。

 

*1
ソニックアロー 射撃魔法

正人がよく使う射撃魔法 矢状の魔力弾を飛ばし相手を射抜く。

生成する時間は早く連射が可能なために正人は通常弾として頻繁に使っている

*2
デネブストライク

正人の使う射撃魔法の1つ、ソニックアローのバリエーションでソニックアローより溜めに時間が掛かるも強さと強度と貫通性はソニックアローを上回る

ヴォルゲンリッターの先行加入を誰にするか(最終的には全員来ます)

  • シグナム
  • ヴィータ
  • シャマル
  • ザフィーラ
  • 誰も来ない
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