落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです 作:ウィングゼロ
NOSIDE
100階層の異様の門の中へと入った正人達は近くにあった階段を下りるとそこは光源となっている柱が等間隔に立てられかなりの広さがある空間が正人達を待ち受けてた。
「かなり広いし天井も高い…これで待ち受けているものがないっていうのは…流石に高望みかな?」
「正人、大丈夫……お約束は守られる。」
「今回ばかりは守らなくていいんだがな」
警戒しながらも辺りを一通り見渡し、如何にも出てきそうな雰囲気を醸し出すこの場に正人は顔を引きつり。
ユエはそんな正人の言葉に定番の決まりは守られると言い、ハジメはそんなユエの言葉にめんどくさいと言わんばかりに何も出ないことを祈る。
正人達が空間の中央辺りに差し掛かった辺り突如としてベヒモスの時よりも遥かにでかい魔法陣が展開され、それを見た正人達は臨戦体制を取る。
「如何にもラスボスが出てきそうとは思ったが…」
冷や汗をかくハジメ、目の前の魔法陣から出てきたのは体長三十メートル、六つの頭と長い首、鋭い牙と赤黒い眼の化け物。それを見て正人が例えるならと呟いた。
「ヒュドラだな…」
「本当にラスボスじゃねえか…ッ!来るぞ!」
色違いの6つの首長龍…ヒュドラ…赤い紋様がある赤頭が口を開けるのを見てハジメは叫ぶと直後、赤い紋様の首から燃えさかる炎を正人達に向けて吐き出してくる。
「任せて!聖絶!!」
香織は自身満々の顔で正人達の前に出て、詠唱なしで聖絶を張ると一面が炎に包まれる中、香織が張った聖絶は罅一つついておらず。香織も余裕の表情でヒュドラを見据えていた。
香織は自身のできることを考え、自分の長所を伸ばすことを考えた。
治癒士としての香織は光魔法と回復魔法に長けている。
回復魔法は魔法のエキスパートである。ユエは不得意な分野でこの中では一番の使い手、先ずはそれを極めることにしたのだ。
結果、回復魔法とそれと頻繁に使う聖絶や光魔法などを無詠唱で従来レベルに発動することができるようになった。
「ユエ!」
「んっ!緋槍!」
香織の合図で日頃の練習の成果で可能になった。少しだけ聖絶に隙間を空けるとその穴からユエが緋槍を放ち赤頭を吹き飛ばす。
先ずは1つ、と喜ぶのも束の間、後方に陣取る白頭が叫ぶと赤頭があった首が白い光に包まれ、赤頭が再生されていく。
「ちぃっ!赤頭は炎、白頭は回復か!正人!白頭を、狙えるか!?」
「言われなくても!」
赤頭が回復していくのを見て舌打ちをするハジメ、後方に居る白頭を最優先で叩くことが最優先と判断したハジメは正人に狙えるかどうかを訪ねると、訪ねられる前に正人はデネブ・ストライクを発動させて掛け声とともにその矢は白頭に向かって放たれる。
正人の放った矢はぶれることなく白頭に直進、確実に射止められると四人とも確信したがその途上に黄頭が割り込んできてデネブ・ストライクを受け止める。
「黄色は盾か!だが…!アストロバレット*1!ファイアー!」
惜しいっと悔しがる顔をなくせない正人は再度白頭に攻撃を仕掛けようと6発のスフィアを形成しスフィアから放たれる紺色の光線が白頭目掛けて飛んでいく。
しかし同じことと言わんばかりに盾役や黄頭が立ち塞がる。
「おい!あれじゃあまた防がれるぞ!」
「問題ない……今!」
あれでは先程の二の舞だと叫ぶハジメに問題ないと言い切る正人はバレットが黄頭に当たる直前……自分の意思で光線を屈折させ黄頭に当たるのを回避させるとまた光線を屈折させて白頭に直進させると意表を付かれたヒュドラは白頭に全弾が命中する。
「これで回復は使えない!ユエ…」
「いやぁああああ!!!」
回復役を潰したことにより一気に決められると判断したハジメはユエに最上級魔法を使うように指示を出そうとするがどこからともなくユエの悲鳴が聞こえてくる。
咄嗟に正人とハジメは振り返ると6つの中1つである黒頭が放心状態のユエの目の前にいて2人にも黒頭がユエに何かしたことは直ぐに理解できた。
「ユエ!!」
「まさか、幻術の類!?南雲はユエの元へ行け!俺が敵を引きつける!」
ユエの身が危険だとハジメはユエの名前を叫び。今の状態からユエは幻覚か何かを見せられているのではと正人は予測しソニックアローでヒュドラの気を引くと赤、青、緑色の頭から火、氷、風のブレスが正人に目掛けて襲いかかり、正人は攻撃はせず回避に専念するも掠る。火の粉や氷、風などで騎士甲冑は至るところが破け、少なからずの出血も出ていた。
「ぐっ!」
正人は痛みで顔を歪ませる中、動きを止めずに回避していたが、ヒュドラに上手く回りこまれ赤、青、緑の頭に囲まれ三方からの3属性のブレスが降り掛かる。
正人も避けきれないと判断すると防御魔法を展開しようとする最中、香織が正人の元へやってくる。
「正人くん!聖絶!!」
ブレスが正人に襲いかかる前に聖絶のバリアが正人と香織を包みバリアが耐える轟音が正人達の周りで響く。
先程は炎のブレスだけで、防ぎきれたが今回はそれ以上の攻撃でバリアが軋む嫌な音が全方向から響く中、香織は絶対に諦めないと決意した顔つきで聖絶の制御に全力を使う。
「うっ!!負けない!絶対にぃ!!!」
「んっ!大丈夫、直ぐに終わらせる」
「ユエか!?」
香織が防御に全力を注ぐ中そんな正人達の危機的状況にやってきたのは先程、何らかの精神攻撃で行動不能になっていたユエが正常で正気を取り戻している。
「緋槍!砲皇!凍雨!」
矢継ぎ早に発動する魔法、炎の槍に氷の雨、そして真空刃を伴った竜巻が3つの頭を襲う。
正人も香織の聖絶に重ね重ねるようにバリアとシールドの防御魔法を展開し耐久力を高めてユエの攻撃の巻き添えを防ぐ。
「そ、そういえば南雲くんは?ユエが治ったのなら……」
聖絶を発動している香織が咄嗟にハジメは今どこにと隣に居る正人に訪ねると。正人はくすりと笑いハジメが何をしているのか予想できたのか嬉しそうに語った。
「南雲なら今頃、残り2つの頭を何とかしてるんじゃないか?」
「まとめて砕けろ」
正人が残る黄色と黒の頭の対処をしているのだろうと言いきった直後、ハジメの言葉とともに閃光が走った。
極大の砲撃……ハジメがサソリもどきから手に入れた魔力により硬度を増すシュタル鉱石で作られた。対物ライフル…シュラーゲンによる一撃が放たれ、その威力は正人のベガ・バスターを上回り。砲撃は2つの頭を飲み込み、盾役の黄色と黒の頭を消し炭にする。
その光景に思わず正人は冷や汗をかきとんでもないものを作りやがってと内心思いながら、同じく唖然としている残る3頭を他所に香織を抱えて包囲を離脱する。
「今だ!やれ、ユエ!」
「天灼」
正人達が離脱したことで、全力で残りの3頭を倒せると判断したユエは短い名を呟くと三つの頭の周囲に六つの放電する雷球が取り囲む様に空中を漂ったかと思うと、次の瞬間、それぞれの球体が結びつくように放電を互いに伸ばしてつながり、その中央に巨大な雷球を作り出した。
中央の雷球は弾けると六つの雷球で囲まれた範囲内に絶大な威力の雷撃を撒き散らした。三つの頭が逃げ出そうとするが、まるで壁でもあるかのように雷球で囲まれた範囲を抜け出せない。天より降り注ぐ神の怒りの如く、轟音と閃光が広大な空間を満たす。
そして、十秒以上続いた最上級魔法に為すすべもなく、三つの頭は断末魔の悲鳴を上げながら遂に消し炭となった。
正人の扱うアストロスフィアから放たれる光線
スフィアより威力は劣るが連射や光線を任意で屈折させて曲げることが可能
視点について、どちらの方が戦闘時見やすいか
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一人称
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三人称