落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです   作:ウィングゼロ

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幕間『八坂先生の魔法講習!!』

 

 

 遂にオスカー・オルクスの大迷宮を攻略した俺達、ハジメの提案でしばらくの間残ることになりその期間の間俺達も強くなることを決め修業に入ろうとしていた。

屋敷の一室…その教卓の前に俺は居た。管理局の支給された日本の私服を着て、懐のポケットからはみ出ていた眼鏡をかけて知的ポーズを決めた後、俺は柔やかに香織達の方へと向ける。柔やかさはどこか歪だが

 

「さて、今日から香織の特訓を始める。香織には俺達の魔法ミッドかベルカの魔法を覚えて貰うわけだが」

 

 香織の特訓のため用意した場、香織も意気込んではいっと何処にあったのか学校で見かける椅子に座りながら彼女の前にはこれまた学校で見かける机が置かれている。

そこまではまだ良い…問題はこの先にある。香織の隣の席…少し大きい椅子に座るハジメとユエの姿。

ご丁寧なことにユエはハジメの膝に乗っかり俺達を蚊帳の外にいちゃついている。

 

「おい、お二人さん、いちゃつくんなら他所でやってくれないか?色々目も当てられないから」

「そんなこというなよ、正直正人の魔法にも興味はあったんだからよ」

「気にしないで、正人はそのまま授業を進めて、さあさあ」

「いちゃつくと気が散るんだよ!」

 

 思いっきりツッコミを入れるがハジメ達は直すことはないだろうから思わず溜め息をついた後、時間も有限だからとハジメ達は無視して説明に入る。

 

「まずミッド式とベルカ式の区別について教えておこう。まずミッド式は中距離、遠距離主体の魔法が主で近接戦闘は不向き、魔力弾主体だから殺傷もあまり低い、そしてベルカ式については近接戦闘や広範囲殲滅魔法が主体…その代わり射撃なんかは余りない」

「ミッドは射撃…ベルカは近接…」

 

 そう呟きながらどこから持ってきたノートに目もしていく香織…支給品に入っていたのか? 

そんな疑問思っていると横の席のユエが手を上げた。

 

「質問……正人の魔法は確かベルカ式って言ってた……けど正人は射撃メイン……さっきの言葉には矛盾が存在する」

 

 確りと聞いていたのか的確なところをついてくる。

 

「ユエの質問ももっともな話だ。確かに俺の使う術式はベルカ式だが近年新しくなった近代ベルカ式…それには射撃魔法も組み込まれている。例えるなら今メインで使われているトータスの魔法と遙か昔に存在した神代魔法……そんな感じだ」

「……なるほど…日々術式も変わっていく……そういうこと?」

 

 ユエの言葉にその通りと頷くとわかったと短く返事をする。

 

「さて、香織には少し実際に試してもらおうか……香織この前みたいに魔力スフィアを生成してくれるか?」

「あ、うん」

 

 香織は席を立ち俺の教卓の前にやってくると両手突き出し親指と人差し指を触れると目を閉じ意識を集中する。

白みの掛かった水色の光が香織の手を間で収束10秒ほどで俺の扱うスフィアの大きさに生成された。

 

「まあまあだな、それじゃあ次はそのまま維持して射撃魔法を使おうか」

「う、うん…………あれ?」

 

 俺に言われるまま、俺みたいに魔力スフィアからの射撃を放とうとしたが放つ前に魔力スフィアが飛散する。

 

「まあこうなるな……香織の魔力スフィアが飛散したのは単に魔力スフィアを維持する頭のリソースを射撃に集中しすぎたせいだ。射撃魔法でも魔力スフィアの維持と射撃二つの工程が必要になる。こんな風に」

 

 待機状態のオリオンを教卓におくとなれた動きで右手を突き出し魔力スフィアを生成し射撃する。この間に掛かった時間は3秒

因みに放った光線は壁に当たる前に飛散させた。当てると後が怖いから

 

「この通り、熟練の魔導士ならデバイスなしでもこれだけ速い…中にはデバイスなしで魔法を使うものもいる。用は魔導士として必要なのは頭の処理の速さと並列思考だな」

「正人の魔法、トータスの魔法より…難しそう」

「だな、俺には不向きそうだ。白崎は大丈夫か?」

「…大丈夫、絶対に正人くんの魔法を習得して見せるもん!」

 各々個人的な感想を述べた後、ハジメが何か思いついたのかニヤリと俺に向けてくる。

 

「そういえば、魔力操作をマスターすればどういった魔法を使えるんだ?正人、少し実戦してくれよ」

「ほう……良いよ、ただしその魔法に直に受けてもらうけど構わないよね?」

「OKOK、生半可な攻撃なんて効きやしないし、問題ない。さあ見せてくれよ」

 

 明らかな挑発的な態度に俺はニヤリと笑みを浮かべ左手で右手首を摑み。魔力を右手に集める。

右手の手の平に収まる球体が作り出されるしかし魔力スフィアとは違い乱回転している。

 

「マスターすればこんなこともできるってことだ」

「凄い、ただの球体じゃない球体の中で流れが乱回転してるしそれを上手く球体で纏めてる」

「魔力操作を極めればこんなことができるんだね……でもその技、何処かで……」

 

 見せた魔法にユエと香織はそれぞれ感想を述べるが俺を受ける発言をしたハジメは俺が作り出したこれを見て小刻みに震えながら声を上げた。

 

「ま、正人…お前…それ!」

「こういう分野のことを一番知ってるハジメならわかるよな。まああれだ……オリオンもまだ作りかけだった頃、はやてと魔法使えばアニメマンガキャラの必殺技も使えるんじゃね?という議論に三日三晩討論した結果、完成させた魔法だ。威力は……申し分ないから……さあ……味わえ」

 

 既に戦闘態勢を取った俺はいつでもハジメに飛び込みこれを当てる気でいる。

少しの静かな空気が部屋に流れる中、無言のハジメは…

 

「…………………………縮地!」

「逃がすかぁ!!!!」

 

乗せていたユエをおいて逃走突如として開いた扉を見て俺もすかさず魔力全開でハジメを追跡する。

絶対に逃がさない……!!

 

 

NOSIDE

 

 逃走したハジメ、それを追撃する正人。その二人がいなくなったことで部屋は香織とユエだけになった。

突然のことでポカンとなる二人……どうすればいいのかわからないだ。

 

「えっと……ユエ……どうしよう」

「……ん、ハジメも正人もいない。正人なら事前にプランを考えてそう………やるとすれば一日も早く魔力操作を完璧にするべき、そして正人にご褒美もらう」

「そうだよね、わかった私頑張ってみる!」

 

ファイトっ!と力強く奮起する香織を見てユエはくすりと微笑みをこぼす。

 

「○旋丸!!!」

「ああぁぁぁぁぁっ!!!」

 

その直後、屋敷の外からハジメの悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか……

 

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