落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです 作:ウィングゼロ
33話
ヒュドラ戦…数日前……
惑星トータス衛生軌道上、駐留アースラにて…
「これより、惑星トータスへの強硬降下の最終確認を行う」
アースラのブリーフィングルームで艦長のクロノの声が室内に響く。
そこに座る局員達はこれから始まる作戦に緊張から顔を強ばらせる。
「ここに集まっている50名の君達には今から結界の一部を破壊しその穴から惑星トータスに降下することになる。地上のことは今回のトータス連続召喚事件に巻き込まれた民間協力者の口頭から得られた情報を端末に整理してある。降下前に今一度、確認するように」
クロノの言葉にこの場いる全員がはいっと声を上げ、それを確認したクロノは再び話し始める。
「最高責任者の責任者の私はアースラに残るため通信状況が悪い、トータス内ではあまり指示を出すことはできない。何かあった場合は現場責任者のハラオウン執務官と八神特別捜査官の2人に指示を仰ぐこと、それが叶わない場合は各自の判断に任せる。以上だ1時間後、降下作戦を開始する。それまでに各自準備を整えてくれ」
解散っという一斉に室内にいる局員達はぞろぞろとブリーフィングルームから立ち去っていき、その中には現場責任者として抜擢されたはやてとフェイトの姿もあった。
「いよいよ、私らもトータスに降りたつんやな」
「うん、やっぱり情報があまりなくて、捜査も結構すんなりとは行かないだろうね。けど私もはやてもそれにシグナムだっている。地上には正人だっているんだ私達なら絶対出来るよ」
問題なしっと力拳で大丈夫と言い切るフェイト、不安でいっぱいなはやての胸の内を少し晴らしてくれて、ありがとうなっとフェイトにお礼を言う。
「フェイトさん!リィンのこと忘れてるですよ!」
「あっ!リィン!」
突然幼い声が響き、はやての服の胸ポケットからひょっこりと顔を出し飛び出てきた空色の髪の1メートルにも満たない小さな妖精?
その妖精はプンプンと自分のことを忘れられていたことに全身を使って現し、フェイトもそのことに気がつき失念してことに謝った。
小さな妖精…基、リィンフォースⅡ、リィンはその後はやての肩に乗るとそれでいいんですぅっとまだ不機嫌な顔隠せずに足をパタパタと動かす。
「リィンも先代にあってみたいですから少し楽しみなんですよね」
「そうやな…ふふ、必ずリィンフォースを取り戻さないとな」
はやての言葉にフェイトも自分のできることを出し切らないとと改めて覚悟を決め、もう一つ気になっていたことをはやてに向かって聞いた。
「そういえば、はやて、白崎さんが行ってたけど…正人に会ったら…どうするの?」
「ふぇ!?」
ユエと仲間にした日、少しだけだが正人達とは連絡がつき、久々に正人と話し合った日。
最後に香織と話していた。
完全に元に戻った正人を託せるのはもう香織しかいないと考え託したのだが、香織にあっさりと返され赤らめて取り乱していた。
「あれはその…」
「正人のこと好きなんだよね?」
「そうやけど…」
あたふたとはやてにしては珍しい取り乱しをニマニマと微笑みながら見るフェイト、はやては見られていることを自覚して更に顔を赤くして俯く。
(ああ~どうすればいいんやこの状況)
まさに絶体絶命、この場を乗り切る方法を模索するが頭の回転が速い、はやてでも直ぐに打開策を見つけることは出来なかった。
そしてしばらくそのことで弄られた後、最終確認のため各自の点検のために散らばりクロノが言っていた1時間後、宙域でも活動可能とする高高度ユニットを装備したはやて達を含む50人がアースラの外へと出られる搬入口に集まっていた。
そして室内の放送からブリッジにいるクロノの声が響き渡る。
《これよりトータスへの降下を開始する。私が最後に言う言葉は一言だけだ。必ず生きて帰ってこい》
クロノの切実な願いに了解っと返事をするはやて達搬入口が開き魔法で空気が漏れることなかったがはやて達の目の前には宇宙が広がっている。
「さあ、ほないくで!」
はやての一声と共に搬入口から飛び出していく局員達。
目指す場所はトータス、事件の中心にある惑星へ……
同時刻………
トータスの大陸南に位置する城の一室、そこに集められた少年、少女達は何処か落ち着いた様子で飲み物を飲んでいた。
「……っ」
「どうかしましたか?」
椅子に座りテーブルに俯せになりうとうととしている黄緑色の髪を肩の辺りまで伸びた少女は体をビクッとして何かを感じ
その隣で紅茶もどきを飲む大人びた金髪の女性は黄緑色の少女に問い掛けた。
「風が教えてくれた。外から何か来たって」
「外、つまりはこの世界の外ということですか。つまりは局が動いたということでしょうね」
ほわほわとした様子の黄緑色の少女は感じたものを口にすると金髪の女性は直ぐにそれが局員達であることを理解する。
そのやり取りは此処にいる他の者達にも聞こえているために全員が二人の方へ顔を向けた。
「ほ、本当なんですか!?ということは私達は助かるってことですか!?」
「ああ、良かったって本来なら喜べるが……」
この中で1番幼い橙色の少女は救援が来たことに大いに喜び。赤髪の少年は喜んでいる反面、素直には喜べなかった。
少年が口にした後黄緑色の少女の顔が暗く俯く。
それを見て金髪の女性は黄緑色の少女の頭を優しく撫でた。
「心配するのも無理はありません。今は管理局に保護されるわけにもいきませんから……」
「……うん」
こくっと短い言葉の後、少女は頷く。
そしてそんな、重い空気が立ちこめる中彼女達の一時が過ぎていった。