落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです   作:ウィングゼロ

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6話

オルクス大迷宮

そこは百層からなるその建造物はこの世界の7つあると言われる大迷宮。

下に行くに連れて魔物が強くなっていく。今回は二十層まで行くらしく、南雲のフォローなどを考えると妥当な案だとメルド団長も言っていた。

当の南雲はかなり面目ないと落ち込んでいる。

オルクス大迷宮前の宿場町ホルアドで一日休息を取ることになり王国御用達の宿屋で俺と南雲は同じ部屋に割当たられた。これは多分メルド団長の計らいがあるのだろう。

南雲も部屋割りが俺と同じだったことでほっとしているようで現在ベッドにダイブして完全にばてている様子。

俺と俺でオルクス大迷宮についての生態系や鉱物などの本を昨日のうちに借りておき事前の知識として椅子に座りながら読みふける。

明日は実戦…生徒達からしたら初めての命をかけた戦い、俺からしたら7年ぶりの実戦、心構えは問題は無いが実戦や訓練を怠り、無限書庫の手伝いばかりで腕が鈍っている感覚はある。実際、檜山達とやり合った時にそう感じた体が思考に追いついていない感覚。それに内心痛感しながら本を読んでいると部屋の外からノックする音が聞こえてくる。

「ん?こんな夜中に一体誰だ?」

既に夜遅い、深夜の時間帯普通は来訪者など来るわけないのだが…

南雲も、うとうとしていたがノックで起きたようだ。

「正人くん、南雲くん、起きてる?私だけど…ちょっと、いいかな?」

「ん?香織か?」

この声は紛れもなく香織だ。一体何しに来たのだろう。そう思って扉を開けるとそこには純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの香織の姿だった。

「…なんでやねん」

「香織、流石に警戒しなさすぎだ」

「ふえ?」

明らかにアウトだよくもまあこんな姿で宿を徘徊して来れたものだ。もし、深夜でなければうちの一部を除く男子生徒どもは嫌らしい目で香織を見ていたに違いない。

「香織、それで夜分遅くに何しに来たんだ?連絡事項ならメルド団長辺りが来そうだが」

「その、少し2人と話したくて……やっぱり迷惑だったかな?」

「…少し長くなりそうだな、まあ入れよ、南雲もいいか?」

「…どうぞ」

ルームメイトの許可も下りたことで香織を部屋に入れ先程座っていた椅子に香織を座らせると紅茶擬きを3人分注ぎ椅子に座る香織と南雲に渡し、俺は立ちながら紅茶を持ち、香織の話に耳を傾ける。

「明日の迷宮だけど……2人には町で待っていて欲しいの。教官達やクラスの皆は私が必ず説得する。だから!お願い!」

あまりにも唐突な内容だった。香織がここまで必死になるのは何か理由がありそうだが、横目で見てみると南雲はかなり引きつっている。

「えっと……確かに僕は足手まといとだは思うけど……流石にここまで来て待っているっていうのは認められないんじゃ……それに八坂くんは別に足手まといでもないし…」

「違うの! 足手まといだとかそういうことじゃないの!」

どうやら言葉の綾のようだ。だが香織はそれほど気にしているものそれは一体何なのだろうかと考えているとごめんねと香織は誤解を生む言葉を使ったことを謝るも改めて話始める。

「あのね、なんだか凄く嫌な予感がするの。さっき少し眠ったんだけど……夢をみて……正人くんと南雲くんが居たんだけど……声を掛けても全然気がついてくれなくて……走っても全然追いつけなくて……それで最後は……」

「…消えるってわけか」

「…うん」

つまり、悪夢に魘されて心配でやってきたとそういうことか

だけど、あくまで夢な訳だからそこまで気にすることもないだろう。

「単なる夢なんだろ?だったらそこまで気にすることも無いだろ?」

「それだけじゃない…前にもこんなことがあったから……7年前、クリスマスの1週間前ぐらいに…こんな悪夢を」

「7年前…っ!」

7年前…それは俺にとって色々と心当たりがあるキーワードだった。

その上クリスマスとなればもはや疑う余地はないその辺りだと闇の書事件の真っ只中、シグナム達共にはやてを救うために動いていた時期だ。

「覚えてるよね?そのぐらいの時期に正人くん、意識不明の大けがを負って入院してたの」

「…その前日にも悪夢を見たっていうのか」

俺の問にうんっと頷く香織、香織や家族にはあの時暴力団に絡まれてボコボコに鳴りながらも命辛々逃げ出したと表向きの理由を言った。だが本当は当時夜天の…闇の書の主であるはやて勢力に加担するのを看過でいない本局の提督ギリアムさんの使い魔、リーゼロッテとリーゼアリアの襲撃により受けたダメージ。本人達からは事件後謝罪されたが俺をこれ以上関わらせないために闇の書事件の舞台から下ろそうとした。

だけど、クリスマスイブの日、闇の書の覚醒で結界に飲まれた俺も痛む身体を引きづって出てきたものの、飛行魔法を習得していなかった俺は結界を維持する武装隊とともにフォローすることしかできなく、事件の終息を遠からず見ることしかできなかった。そしてその後のあの結末も…

「…八坂くん?」

どうやら周りの声に気付かないぐらい考え込んだのだろう深刻な顔をする俺を南雲が心配して声を掛けたことで気がつき、ああ、すまんっと謝る。

「安心しろ、香織、あんなこともう二度とない、それに夢は所詮夢、あの時は絶妙に重なっただけで偶然の産物だったんだ。それにみんなに置いてかられるほど俺は落ちぶれてない」

化け物スペックでハイスピード出世していくはやて達に自身の劣等感を感じている俺だが、ついこの前まで一般人だったクラスメート達に後れを取るほど弱くはなかった。

「そんなに心配なら俺がそんな不安を吹き飛ばしてやる。約束する。もう二度と不安になってさせない」

「正人くん、うん、そうだね!」

「あはは、それじゃあ僕は二人に守って貰おうかな、白崎さんは治癒師だし、僕が大けが負っても直してくれるよね?それに八坂くんは弓使い、僕が危険なときに離れていても助けてくれそうだし、それなら僕も大丈夫だよ」

自分の弱さを前面に出しながら顔を赤くしている俺はともかく女である香織に守って欲しいと懇願するのはやはり羞恥心がかなりあるのだろう。

「別に構わない、ついでに南雲守ってやるよ」

「つ、ついでって…」

「冗談だ…気にするな」

少し冗句も交えながら俺と南雲は話していると自然笑みを零す。

そういえばこうやって他人と確りと話したのはいつ依頼だろうか…この世界に来て少しは意義があったのかもしれない。

その後、香織が南雲と初めてあったのは高校からではなく中学の頃で土下座していたと暴露して俺は紅茶擬きを吹きかけたり…

その光景を見て香織が南雲が優しくて強い人と言ったとき南雲が全力で香織にへんな性癖でもあるのかとマジな目で見てきたときに俺が全力で否定したり…

それは他人を守ろうとした行動だと香織が述べて俺は香織が特殊性癖の持ち主なのではと疑ったのが晴れてほっとしたりと、月下に照らす中、俺達は笑みを浮かべながら話を交わした。

 

その後香織は自分の部屋に帰っていき俺達も決意したことを胸にベッドで横になり眠りに落ちた。

だがこの時俺達の部屋から香織が出ていくのを他人に見られていて、そいつが俺達に憎悪の感情を更に高めているなどこの時の俺達は知るはずもなかった。

 




オルクス大迷宮突入前です。アンケート終了は今日の午後3時にさせていただきます

勇者パーティーから香織が離脱する時期

  • 原作通り
  • ベヒモス戦、ハジメが奈落へ
  • ベヒモス再戦後
  • 香織が目覚め、決意後
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