落ちこぼれの魔導士は魔王と共に異世界で生きるようです   作:ウィングゼロ

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7話

ホルアドの宿でおきた月下の語り合いから一夜が過ぎ、俺達はオルクス大迷宮の前までやって来た。

入り口前には博物館のような入場ゲートで此処で確りとした点呼を取っているようだ。

集合場所の広間も装備や役に立つ傷薬など大迷宮を挑むために必要なものを売買していて、売れ行きもかなり向上のようだ。

そして今メルド団長が行った手続きを終わらせたのか俺達はオルクス大迷宮に入っていく。

 

迷宮の中に入ると、外とは隔離された別の空気が満たしている。

道は多少広く、光る鉱石が道を照らしていて松明などは要らないようだ。

そんな通路をしばらく歩くと大きめなドーム状の広間に出てきてそこで俺はいち早くこの近くに潜む魔物の気配を感じる。

「南雲、気をつけろ魔物がいる」

「え!?」

既に俺は弓のアーティファクトに後ろ腰に付けている矢筒から矢を取り出し弓に携えている。

臨戦態勢に入ったのをメルド団長も感心してみていると壁の隙間から灰色の毛玉が出てくる。

此処で俺は南雲に話を振るのであった

「南雲、あれはわかるか?」

「えっと確か、ラットマン、すばしっこいけど、大したことない魔物だったはず」

「中々、魔物のことを調べているじゃないか、よし!光輝達が前に出ろ。他は下がれ!交代で前に出てもらうからな、準備しておけ!」

メルド団長は南雲の知識に確りと評価してくれて、その後天之河達勇者パーティーが前に出て俺達は後ろに下がる。

天之河率いる勇者パーティー。勇者天之河を筆頭に剣士である八重樫と拳士である坂上の前衛と後衛は治癒師の香織、そして香織の仲の良い降霊術師のメガネっ娘の中村恵理と元気が取り柄のちびっ子、結界師の谷口鈴といったパーティーだ。

既に習っているフォーメーションをとり前衛さんが後衛を守るように魔物を捌き、後衛の香織達が詠唱で一気に魔物を一掃する。

まさにセオリーともいえる戦術だろう。

といってもちょっとやり過ぎかな?

どうやらメルド団長も同じこと考えていたみたいで香織達を軽めに叱っている。

そんなこんなで順調に下へと進んでいき既に演習の目的地、20階層まで到達していた。

昔は65階層まで到達していたという…だからこそ罠などのトラップを回避していたために俺達も安全にここまで降りれてきたわけだ。

「よし、お前達。ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だったからと言ってくれぐれも油断するなよ!今日はこの二十階層で訓練して終了だ!気合入れろ!」

メルド団長の号令で気合いを入れる俺達、といっても俺と南雲のあぶられパーティーといえば騎士団の取りこぼしの処理とショボい戦果しかない。

といっても戦果がないわけではない。メルド団長を始め騎士達は南雲の戦法に関心を抱いているのだから。まず錬成で敵を封じ込めると動けなくなった敵を串刺しで倒す。まさに錬成師ならではな倒しかたに無能と思っていた南雲を改めることができた。

そして俺はそんな南雲のフォロー、これはメルド団長に提案していたものだ。

なんでも俺が持つ技能には色々と不可解なものがあるらしく、あまり表だってださない方が良いと釘を刺されている。

普通は聖教教会やら王国に伝えるべきなのだが、勇者のつれならば不可解なことの1つや2つ合っても可笑しくないかっと、豪快に笑っていて、その時本当にこの人気さくでいい人と思った。

そんなこんなであまり目立たない立ち位置、南雲のフォローが今の俺の仕事なのだ。

そして小休憩にはいり、各々喉などを潤わせるなど体を休めている。俺も持ってきていた容器の水を含み。一息をつく。

といっても全然疲れていないし今もなお周囲は警戒中だ。

「八坂くん、色々フォローしてくれてありがとう」

「別に気にするな、こっちも予備の矢筒持ってもらってるからお互い様だ」

そう言いながら後ろ腰の携えている矢筒を確認する。

矢は消耗品だから矢の残りは気に配らないといけない。だから予備の矢筒も南雲にお願いをして持ってもらっている。

「…はぁ…デバイスがあれば矢の残数なんて気にしないのに」

「え?八坂くん何か言った」

「いやなにも」

つい、本音を零してしまった。俺の愛機は残念ながらトータスにはない。

召喚される当日は家に置いてきているのだ。流石にアクセサリーに見える愛機を指摘されても困るので 、だからこそ俺が使える魔法も数少ない。

南雲を上手く誤魔化すとまた殺気に満ちる視線を感じる。南雲も感じてるのか辺りを見渡して殺気を出してる本人を探しているが既に殺気は退いている。

「また殺気…僕らが活躍してるからいい気になるな的な感じかな」

「……そうだといいんだが」

少し嫌な予感がする一応殺気を放つ本人をマークしておこう。

そんなこんなで小休憩も終わり行軍を再開する俺達。

道中メルド団長が足を止め、俺も魔物気配に臨戦態勢を取ると周囲に目を配る。

「擬態しているぞ!周りをよ~く注意しておけ!」

メルド団長の忠告が飛ぶと壁に擬態していたカメレオンのような擬態特製を持つゴリラ…ロックマウントだったかそいつが姿を現した。

「ロックマウントだ! 二本の腕に注意しろ! 豪腕だぞ!」

メルド団長の忠告で正面を坂上が天之河と八重樫がロックマウントを囲もうとするが足が悪いのか思うように動けていない。

ロックマウントもバカではないのか、少し後退するとロックマウントの固有魔法、威圧の咆哮で前衛3人が動けなくなる。

そのすきに後衛攻めとロックマウントが岩石を香織達に投げ、その上香織達に接近そのままどこぞの泥棒三世のタイブするように襲いかかってきてそのキモさから香織達は怯え詠唱が破棄されている。

「不味い…!メルド団長!岩石の方を頼みます!」

岩石とロックマウントの二重の波状攻撃、流石に矢で岩石を破壊するのは通常では無理なため、ロックマウントを狙うこと高速で思考し既に動いていたメルド団長に上告し矢筒から矢を3本取り出して素早く速射、3本ともロックマウントのほぼ同じ場所を射貫きそのまま転倒。岩石もメルド団長が切り伏せたようだ。

「こらこら、戦闘中に何やってる!八坂!良い援護と判断だ!」

たじろいていた、香織達を叱り、即座判断で的確に行動した俺を誉めるメルド団長。これなら立て直した前衛が難なく倒すだろうと思っていると天之河の絶対正義思考を失念していた。

「貴様……よくも香織達を……許さない!万翔羽ばたき、天へと至れ――天翔閃」

「あっ、こら、馬鹿者!」

メルド団長の言葉を無視して天之河が大技をぶっぱする。こんな狭い迷宮でなくても明らかなオーバーキル、これは後でメルド団長に怒られるな。

天之河の一撃は迷宮の壁などに亀裂を趨らせ破片も落ちている。だが天之河はこれで大丈夫と自分の失態に気付かずに香織達に大丈夫かと声を掛けようとする前にメルド団長の拳骨が天之河の頭に降り注いだ。

「へぶぅ!?」

「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが!崩落でもしたらどうすんだ!」

全くその通りと俺も内心思っていると天之河に駆け寄る香織があるものを発見する。

「……あれ、何かな? キラキラしてる……」

 

香織が指さす方に目を移すとそこには青く光る鉱石、その輝きはかなり神秘的なもので女性陣はうっとりしている。

確かあの鉱石は…俺は頭の中であの鉱石を書物で見たことを思い出しメルド団長も珍しいものをみたという顔であの鉱石が何なのかを説明する。

 

「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」

グランツ鉱石は指輪やペンダントなどにも使われる高級な物、それで作られたものでよく求婚する人もいるという。

 

「…綺麗…」

うっとりする香織、そして何故か俺に視線を向けてきたがまさかあれを取れと?流石にそれは軽率なような…

「だったら俺らで回収しようぜ!」

っとその軽率な行動を取るものがいた。檜山だ。

檜山は香織の言葉を聞いて崩れた壁の瓦礫をよじ登りグランツ鉱石に近づいていく。

そんな身勝手な行動をメルド団長が注意するが檜山は聞こえないふりで注意を無視、そして騎士団員から衝撃な言葉がメルド団長に伝わる。

「団長!トラップです!」

「ッ!?」

「っ!くそ!」

トラップが設置されているそれだけで檜山がいまやろうとしていることが俺達を危険に晒すことだと充分に理解できた、俺は直ぐさま矢筒から矢を取り出し全員が危険にさらされるぐらいならと檜山の腕に照準を合わせる。

しかし、俺が照準を合わせると同時に檜山の手はグランツ鉱石に届いていた。

 

仕掛けられたトラップが作動し、2週間前に見覚えのある魔法陣が足元に出現し部屋全体を囲う、そしてそれは直ぐさまなんなのかわかった。

「転移魔法!?また飛ばされるぞ!!」

「くっ、撤退だ!早くこの部屋から出ろ!」

俺とメルド団長の必死な叫びも虚しく俺達は転移に巻き込まれ、別の場所に飛ばされた。

俺は上手く着地し警戒態勢を取る。同じく前衛職やメルド団長達騎士団員も上手く着地していて周囲を警戒しているようだ。だが南雲や香織、後衛組とおまけに原因を引き起こした檜山は尻餅を撃ち未だに態勢を崩している。

転移した先はどうやら橋の上のような場所でその橋の外はそこが見えない深淵が広がっていて落ちたらひとたまりもないと頷けた。

そして俺達はそんな橋の中間にいる。転移だけで終わるとは到底思えない恐らく挟撃してくるはず!

「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」

メルド団長も急いで指示を出し逃がそうとするも目指そうとする場所に大量の魔法陣が展開、更に反対側には一際大きい魔法陣が展開されている。

そしてその魔法陣から魔物達がそして一際大きかった魔物から大型の魔物が出現する。

その時メルド団長が呻くように呟いた。

「…まさか……ベヒモス…なのか…」

勇者パーティーから香織が離脱する時期

  • 原作通り
  • ベヒモス戦、ハジメが奈落へ
  • ベヒモス再戦後
  • 香織が目覚め、決意後
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