Muv-Luv*Vierge 護世界の少女達 血潮染む運命に導かれる   作:空社長

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チェチェン編の後の話となります。
政治描写が多分にあります。
また、描写が少し粗い部分がありますが、ご容赦ください。


間章①
after(妥結)【プログレス】


_モスクワ標準時(MSK)西暦2021年6月3日午前8時10分_

ロシア連邦首都モスクワ 大統領府庁舎

 

 大統領執務室にて、ノヴォーシリ・エゴロヴィチ・ニコルシチャフ大統領はアメリカ合衆国のアンガス・D・ギレット大統領との直通回線(ホットライン)を繋いでいた。

 

『あの戦いから幾日か経つが、後始末はどうだ?ニコルシチャフ大統領』

「まだまだですよ、北カフカース連邦管区の経済復興、彼女らの生活環境整備、首謀者2名への判決など、長期的に考えなければいけないでしょう」

『そうだな……しかし驚いた、まさか囚われている少女達の中に我が国の国民や、それ以外に欧州やアジアの国民まで含まれていたとは』

「彼女らの対応は帰属国へとお任せしていますよ、準備出来次第ですが、返還措置を行う予定です」

 

 ギレットは咳払いをし、本題へと話を切り替える。

 

『まあこの話題はここまでだ、本題へと移る。国連安保理にて緊急首脳会合が開かれる予定だ。無論、議題は先の北カフカース紛争で活躍し、世界から関心を集めているエクシードを持つ少女達、プログレスに関してだ。大使では責任が重すぎると判断した事務総長が首脳による会合を選択している』

「なるほど、我が国も要請していましたが……しかし早いですな」

『議題がそれなりに緊急性を要するものだからな、特別参加国としてシンガポールも召集された。そこでだ、必要だったことではあるが貴国は国際法に違反した行為を行っている、その為制裁決議も行われる予定だ、ルールに縛られた社会だから仕方が無いだろう。まあ我が国は制裁する必要が無いと思っているが』

「それはありがたいですな。しかしその話をするに、根回しということですかね?」

『……そうだな』

「そうですね……ありがたく承諾しておきましょう、それと我が国の提案に同意してもらいたいですが、強制は致しません。他の国にはその国なりの良心がありますから」

『考えておこう』

 

 回線が切られ、ニコルシチャフは机に肘をつき、考えるそぶりを見せる。

 

「2日後か……」

「私もいっていいですか?」

 

 ニコルシチャフのぼやきに反応するかのように、ティナがソファーで寛いだまま姿を表し、そう発言する。

 

「やはりいたか……姿を隠したままでいるのならな?」

「りょうかい!」

 

 ニコルシチャフは面倒事が増えたかのように感じつつ、ティナの喜ぶ様子を横目にこれからの事を考える。

 すると、机の上に置かれていた携帯端末から電話の着信が入る。

 

 その相手は国際連合常駐代表のアガフォン・アントニーノヴィチ・ブレコフであった。

 

『あ、大統領、突然すみません』

「何かあったのか?」

『特にそういうわけでは、それよりもアメリカの情報共有はされましたか?』

「先ほどな、それが何か?」

『つい先ほど新しい情報が入ったので報告をしようと思いまして。緊急首脳会合に四世界の代表者が訪れるそうです。参加国の比率がおかしいですが、向こう側は承諾しているようです』

「わかった、報告感謝する」

『いえ、それでは』

 

 そうして、電話が切れる。

 ニコルシチャフはティナの方を向き、口を開く。

 

「新情報だ。向こう側からの代表者も来る。もちろん、緑の世界からもな。ただし誰が来るのかは明かされなかった、向こうも調整中なのだろう」

 

 ティナはもしかしたらお姉さまが来ると期待するが、誰が来ると分からないと知り、若干落胆する表情を浮かべる。

 ニコルシチャフは腕時計を見て、真剣な表情へと変える。

 

「さて、そろそろ政策会議だな。言っておくが、聞き耳を立てるなよ。軍人であれば気配はわかる。私がここにいることを許可しているだけで、無許可に他の部屋に行ったとなれば撃ち殺されても仕方がないからな」

 

 ニコルシチャフはそう強く忠告する。

 

_モスクワ標準時(MSK)6月3日午前9時_

 

 会議室に主要閣僚が集まると、すぐに会議が始まった。

 

「まず、首謀者の1人、レンゲノ・ザルヴィチ・アポロフの裁判についてですが、()()()()重労働刑の判決を検察から要求します。なお、公開裁判は3日後を予定しています」

 

 リトヴィネンコ検察総長がそう報告する。

 

「弁護人はどうする?いくら重罪人とはいえ法律に則らなければいけない」

「最低限の弁護でいいだろう」

「弁護人の実名は非公開といたしましょう。公開裁判を訪れる人には完全な持ち物検査を実施、写真・動画撮影を禁じ、ネット上の視聴では弁護人の顔そのものを隠すのです」

 

 リトヴィネンコの提案に反対するものはおらず、誰もが肯定的に頷く。

 

「ミハイル・セルゲーヴィチ・アニシモフに関しては公開裁判とせず、アポロフと同じような形とした上で死刑でよろしいですね?」

「ああ、それで構わない」

 

 アニシモフの判決に関しては議論することも無く迅速に進む。

 

「では次に教育省から報告を行いたいと思います」

 

 教育省のガヴリイル・イラリオーノヴィチ・ミロフスキー長官がそう発言すると、ニコルシチャフの表情が若干曇る。

 

「現在、特別保護委員会を設置しており、ロシア国籍及び他国籍であるものの戻る場所がなく残留を希望している者の対応に当たっています。外国籍を持ち帰る場所があると思われる者に関しては、外務省と連携し帰国手続きを行っています」

「はい、まずは治安が安定している西欧諸国や日本、アメリカ等を優先しています」

 

 ミロフスキーはブラチーシェフへと目配りし、答える。

 

「彼女達の状態についてですが、外傷を受けたものは少なくありませんが、それ以上に精神的に大きな傷を負っているものがほとんどであり、保健・社会開発省によると対象が異性に限定された対人恐怖症(TSK)に陥っているとのこと。よって、外部の者を出来る限り接触させず、同郷の者との共同生活を遅らせることにしました」

「それが妥当だな」

「それと、これは別の要件です。一部の者に限られるのですけど、軍人になりたいと希望する者がおり、教育省だけでは判断が難しく、国防省との連携が必要な案件だと判断しています」

「ふむ……それは通常の軍人としてか、特例か?」

「まだ不明です、ですが報告だけをしておきたいと思いまして」

「ロスチヤ国防大臣はどう思う?」

 

 ニコルシチャフはロスチヤへと視線を向ける。

 

「……こちらからコンタクトを取ることは?」

「可能です。そうですね、アンケートを取っておきましょう」

 

 ミロフスキーはロスチヤの質問の意図を理解し、返答する。

 

「ありがとうございます」

 

 ミロフスキーの報告が終わると、次に保健・社会開発省のエミーリヤ・ニコラエヴナ・エリセーエフ大臣が口を開く。

 

「保健・社会開発省です。教育省から代弁されたことに加え、彼女達の健康状態に対する報告を行います。予想通りかと思われますが、酷い精神状態と劣悪な衛生環境により、健康状態は大変悪いと言えます。

また、不運と言うべきか迷いますが、数多くの性的暴行を受け、幼いながら妊娠してしまった少女がいることも確認しています。彼女達は教育省が報告した者たちよりも劣悪な精神状態にあり、さらに厳しい外部との隔離措置を取りました」

「速いな」

「ええ。ですが、同じ女性として、見過ごすことはできないので」

 

 30代後半に入るエリセーエフ大臣であるが、子どもを授かった経験もある彼女はいつもの鋭い目線に加えて、さらに怒りで険しい表情を浮かべていた。

 

「続けます。妊娠してしまった少女達には、堕胎か、そのまま出産するか……という大変厳しい選択を彼女達の意思で選ばせるという判断を行いました。出産には身体的に激しい苦痛がもたらされることは予想されており、女性職員がきちんと説明した上で長く時間をかけて相談もしながら考えさせることに決めています」

「我々男性には予想だにしない苦痛、それを幼き少女達に与えるばかりか、死という永遠に孤独な時間を与えるとはな……大変許せない奴らだ」

 

 エリセーエフの報告に、ニコルシチャフは表情には表さないものの、強い憤りを籠めた発言をし、他の閣僚も同感とばかりに頷く。

 

「次は経済発展省だな、報告を頼む」

「経済発展省は紛争終結直後から北カフカース連邦管区の戦火に見舞われた地域、特にチェチェン共和国首都グロズヌイの復旧に取り組んでおります。現在はインフラ設備などを重点的に復旧させており、終わり次第住宅街の再建に取り組む予定です」

 

 コルツネフ大臣からの報告は簡潔に終わり、ニコルシチャフは口を開く。

 

「では私からだ。ブラチーシェフ外務大臣は知っていると思うが、国連安保理で緊急首脳会合の開催が2日後に決定された」

「早いですな」

「北カフカース紛争時から常任理事各国の要請があり、我が国も終結後に開催を要請したが、議題が緊急性を要するものとして判断された。違うわけが無いとは思うが、確実にエクシード・リグラ……いやプログレスと呼ばれる少女達に関することだろう。全理事国及びシンガポール、そして四世界の各代表者が訪れることがそれを証明している」

「しかし、プログレスに関することとしても、一体何を」

「ルール作りの概案だよ、先の悲劇を再び起こさせない為のな」

 

_EST(東海岸標準時)西暦2021年6月5日午前9時30分_

アメリカ合衆国ニューヨーク ジョン・F・ケネディ国際空港

 

 この日、ニューヨークで最大の来客数を誇るジョン・F・ケネディ空港は閑散とし、警察や重装備の警備部隊、州兵1個連隊をも動員した厳重な警戒態勢がとられていた。

 国連安全保障理事会にて緊急首脳会合が開催されることに伴い、各国代表が玄関口として使用するジョン・F・ケネディ国際空港は一般人の入場が禁じられた。

 アメリカを除くロシア、イギリス、フランス、中国の常任理事国4カ国と、インド、トルコ、ドイツ、スペイン、サウジアラビア、日本、アルジェリア、ニュージーランド、ブルネイ、ナミビアの非常任理事国10カ国、特別参加国であるシンガポールの首脳が自らの政府専用機及びチャーター機でジョン・F・ケネディ空港を訪れた。

 

「これは……凄いな」

 

 ある州兵の言葉は誰もが思っていたことであった。

 15カ国の首脳を乗せたそれぞれの政府専用機、チャーター機が同じ空港で一堂に会することはとても珍しい光景であった。

 大型機や小型機等の多種多様な15機が管制塔の指示で順番に着陸し、それぞれの駐機位置に移動する。

 警備を担当する州兵は1機ごと機体を確認していく。

 

 ロシア連邦大統領専用機Ⅰl-96-300PU。

 イギリス政府専用機エアバスA330MRTT。

 フランス大統領専用機エアバスA330-200。

 中国政府専用機ボーイング737。

 インド政府専用機ボーイング777-300ER。

 トルコ大統領専用機エアバスA330-200。

 ドイツ政府専用機ACJ350-900。

 スペイン政府専用機ダッソーファルコン900。

 サウジアラビア王室専用機ボーイング747-SP。

 日本国政府専用機ボーイング777-300ER。

 アルジェリア政府専用機エアバスA330-200。

 ニュージーランド政府専用機ボーイング757-200s。

 ブルネイ王室専用機ボーイング747-400。

 ナミビア政府専用機ダッソーファルコン900。

 シンガポール政府チャーター機ガルフストリームV。

 

 それぞれの機体から降り立った各国の政府首脳は、空港内にてアメリカ合衆国大統領アンガス・D・ギレットの出迎えを受けた。

 

_EST(東海岸標準時)西暦2021年6月5日午前10時30分頃_

ニューヨーク市マンハッタン区イースト川西岸

国際連合本部理事会議場ビル 安全保障理事会議場

 

 開催時間となり、各国首脳及び国連大使はそれぞれの席へと座る。

 国連安全保障理事会の円卓は21の代表団が座れるようになっており、その全てが埋まっていた。

 ニコルシチャフは着席している面々の顔を見渡す。

 アメリカ合衆国大統領 アンガス・D・ギレット。

 中華人民共和国国家主席 宋張偉。

 イギリス首相 マクドネル・R・ブレイス。

 フランス共和国大統領 ロベール・シェブラン。

 インド共和国首相 レヤンシュ・バンディー。

 トルコ共和国大統領 ナレノダ・ムベルゲン。

 ドイツ連邦共和国首相 レオポルト・ローレンツ・フェルマー。

 スペイン共和国首相 フラビア・セルベラ・チャパ。

 サウジアラビア王国副首相 サーディク皇太子。

 日本国総理大臣 山井浩一。

 アルジェリア民主人民共和国大統領 フレッド・ド・アルトー。

 ニュージーランド王国首相 ノーラ・オーレリア・パターソン。

 ブルネイ・ダルサラーム国国王 ナーシィル・アイハム。

 ナミビア共和国大統領 ネンデラ・シモン。

 シンガポール共和国首相 キャロライナ・ジェシー・ターナー。

 

 国連安全保障理事会理事国の国々の首脳、そして特別参加国であるシンガポールの首脳が並ぶ。

 その横には国連事務総長ユリア・ティルザ・デ・ズヴァーン、そして四世界の代表者が座っていた。

 

(ふむ……開催前に忠告していたが、ファロ三曹はしっかりと隠れているのだろうか)

 

 ニコルシチャフは他人事の様に装いながらも、少女の事を心配していた。

 考えつつ、四世界の代表者の方へと視線を向ける。

 

(……意外だな、直接見たわけではないが、我々と同じような人間か……いや配慮しているだけか……しかし)

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とニコルシチャフは思った。

 そうして考えるうちに緊急首脳会合が始まった。

 

「これより、緊急首脳会合を開催いたします」

 

 安全保障理事会議長国であるニュージーランドの国連大使が開催を宣言する。

 宣言が終わると、すぐにズヴァーン事務総長からニコルシチャフへ質問が投げかけられる。

 

「ニコルシチャフ大統領、北カフカース紛争の対処お疲れ様でした。そのことについて質問なのですが、あなた方ロシア政府が他国の主要報道機関に対してビデオを放送させたという事実、あれが内政干渉に匹敵するという認識をお持ちでしたか?」

「ええ。確かにあの行為が法律的観点から見れば内政干渉であったという認識はあります」

「そうですか……それについてコメントはありますか?」

 

 ニコルシチャフは「ふむ」と呟き、マイクを自分の口の前に更に近づけさせる。

 

「確かに我が国が行ったことは明白な国際法違反であり、反省しております。

ですが、一切恥じる気はありません。

囚われている少女達を救うためにやるべき事をしたと自負しております」

 

 ニコルシチャフは力強く声を上げる。

 その清々しいまでの受け答えに「おぉ……」と感嘆の声を漏らす者もいた。

 

「そうですか……あなたの答えが誠実なものであることが伝わりました。

では、制裁決議に移らせていただきます。国名は申し上げませんが、一部の国々が国際法違反を理由に制裁を課すべきとの共同提案がありました。

制裁に賛成する国は賛成の、反対するものは反対のボタンを押してください」

 

 この発言を聞き、ニコルシチャフはギレットに目配せを行う。

 こちらに視線を向けたギレットは何か言うわけでもなく、口に笑みを浮かべ、反対票のボタンを押す。

 アメリカと、その根回しがあったイギリス、フランス、ドイツ、スペインが反対票を投じ、根回しが無かったインド、トルコ、サウジアラビア、日本、アルジェリア、ニュージーランド、ブルネイ、ナミビアも既に反対票を投じていた。

 ニコルシチャフ自身は言うまでもなく反対票を投じており、残されたのは中国であった。

 周りが続々と反対票を投じていく様子にわずかに動揺していた宋であったが、予定通りという風に装いつつ反対票を投じる。

 

「全会一致で反対ですね、決議案を廃案とさせていただきます。では、本題に移りましょう」

 

 その本題はもちろん、当初「戦略的に脅威のあるものでは無い」と判断されたエクシードについてだった。

 どの国も北カフカース紛争を機に再調査が行われ、集団且つ軍隊との共同運用であれば、正規軍を打ち破ることが可能だと結論付けた。

 四世界の情報提供により、彼女達がプログレスと呼ばれているということは既に認識されており、プログレスに関するルールの指針作りであることはほぼ決まっていた。

 

「我々は人権の専門家でも法律の専門家でもない、具体的なルールは彼らが決めるとして、我々がやるべきなのは、具体的な指針を決めることだ」

 

 ギレットがそう口に出し、他の首脳も頷く。

 

「では各国それぞれ提案を行ってください」

 

 ズヴァーン事務総長が促すと、最初に手を挙げたのは中国の宗主席であった。

 

「我が国は国家による徹底管理を提案する。テロリスト組織に利用されることは避けなければならない。だからこそ国家による行動を把握して拉致や誘拐に備えるべきだ」

 

 宋の提案に誰も頷こうとする者はおらず、眉をひそめる者が大半であった。

 

「もっともらしい提案ではあるが、自由と正義を標榜する我が国にとっては認められない提案だ」

「同じく、香港*1を忘れたかね?」

 

 ギレットとイギリスのブレイス首相は反論する。

 特にイギリスは中華人民共和国の人権軽視国という証拠として、香港という言葉を口に出して強調する。

 

「貴国らが反対するのは理解できる。だが、少なくともあれは関係ないだろう?」

 

 宋は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべつつ強く反発する。

 

「いや?私には共通点があるように見えて仕方がない。徹底管理とは彼女達の青春を奪うことと同義だ。民主運動家も()()()()()()()()()()()()()()のと同じだろう」

「詭弁だ……」

 

 狡猾な口調を見せるブレイスに宋は吐き捨てるように声を上げる。

 それを止めるように遂にニコルシチャフが口を開く。

 

「それならば、各理事国に賛成か反対を問いてみたほうが早いだろう、どうかね?宋主席」

「……それなら、良い……」

 

 宋は全理事国からの非難の視線を浴び、抵抗を諦めて賛同する。

 

「では、二度目になるが、自由の国であるアメリカは反対だ」

「同じく。イギリスも反対だ」

「フランスも反対だ」

「ドイツも反対です」

「日本も」

「父は諸事情によりこの場にいませんが、必ず反対と申し上げるでしょう。代表である私の権限により、サウジアラビアも反対です」

「スペインも反対ですよ」

「インドは反対だ」

「悩ましいですが、トルコも反対です」

「アルジェリア政府は反対票を投じます」

「ニュージーランド政府は反対です」

「イスラーム法に則り、ブルネイも反対」

「ナミビアも反対です」

「特別参加国ですが、シンガポールも反対です」

 

 驚異の14か国が中国案に反対するという異例の光景に宋は驚愕する。

 最後に答えを出していなかったのは、ニコルシチャフだったが、彼の答えはすでに決まっていた。

 

「無論、ロシアも中国提案に反対です。これでチェックメイトだ」

 

 これで少なくとも中国提案が差し戻しされる可能性は潰えた。

 それを予感したのか宋は大きくため息を吐く。

 

「では、中国案は破棄ということで次に進めて行きます」

 

 そして、その結果に忠実なズヴァーン事務総長によって速やかに決議は進行していく。

 

「しかし、徹底管理などではないが、放っておくわけにもいかないだろう?その辺はどうなんだ?

正直に言うが、無警戒とするべきではない。これに関してはニコルシチャフ大統領も同意見か?」

「ええ、無警戒だからこそあのような悲劇が起きたのですから」

 

 フランスのシェブラン大統領が初めて口を出し、ニコルシチャフもその意見に対して肯定的に頷く。

 シェブランの言葉にギレットとブレイスは示し合わせるように互いに合図を送る。

 

「シェブラン大統領の意見ですが、ごもっともです。ですから、我が国はイギリスとの共同提案を持ってきました。事務総長お願いします」

 

 ギレットはそう言い、モニターにその提案を映し出す。

 

「簡単に申し上げますと、プログレス専門の養成機関、いえどちらかと言えば教育機関を含んだ複合機関の設立を提案します。

これは身寄りの無い少女達の生活の場や、家族のいる少女達の進学先としての意味があります」

「つまり、我が国で言う孤児院の様なものですか?」

 

 ギレットの話に日本の山井首相が発言する。

 

「ええ、そのように捉えて構いません。

そして、プログレスのいる家庭に対しては、先ほどの複合機関を進学先として斡旋しつつ、警戒を呼びかける……いえ警告を実施します。

また、特例としてではありますが、軍人や各警察機関への一時的な採用を行えるようにすることを提案します」

 

 ギレットの提案は終わり、各国は代表団と共に議論する。

 最も早く質問を返してきたのは、サウジアラビアのサーディク皇太子であった。

 

「サウジアラビアは賛同いたします。ですが、このような曖昧なものでいいのでしょうか?」

「先ほども言いましたが、我々は専門家ではありません。なので、これは世界人権宣言のように考えていただければ」

「なるほど……我が国はシャリーアによる法を敷いていますが、それに抵触する可能性は……?」

「……各国法には配慮致しますが、過剰な場合はあなた方の良心が求められます。少なくとも個人の自由を剝奪する行為はやめていただきたいと思います」

「……そうですね、少なくとも()()()()()()()()は禁止といたしましょう」

 

 意味深な会話内容且つ両者の間に警戒心が生まれるが、サウジアラビア側の妥協により一応は賛同する立ち位置となった。

 

「フランスはこの提案に賛同いたします」

「ロシアも賛同する」

 

 会話が終わったタイミングを見図って、フランスとロシアが賛同の意思を伝える。

 それを追うかのようにその他各国も回答を出していく。

 

「ドイツも賛同します」

「スペインも賛同しますよ」

「インドも賛成です」

「トルコは賛同します」

「ニュージーランド政府は賛同します」

「日本も賛同します」

「サウジアラビアと同意見、ブルネイも賛同する」

「アルジェリア政府も賛同します」

「ナミビアも賛同です」

「シンガポールはこの提案に賛同します」

 

 再び中国以外が賛同するという異例の光景となり、宋は苦々しい表情を浮かべる。

 だが、結局は賛同の意思を示した。

 

「中国は……賛同します」

 

 最後となった中国の発言を聞き、ズヴァーン事務総長は発言する。

 

「では、アメリカ・イギリス共同提案は全会一致の賛同により、採択されました。ギレット大統領、複合機関設立の議題は国連総会に回すということでよろしいですね?」

「ええ、構いません」

「では、一旦休憩を挟みます……どうしましたか?」

 

 休憩へと入ろうとした直後、一時的に部屋の外へ出ていたアメリカ国務省職員がギレットへ耳打ちする。

 

「そうか……少しだけ時間をください」

「……ええ、分かりました」

 

 ギレットより事前に伝えられていたズヴァーンは周りには把握できない程度で眉をひそめ、不機嫌な表情を浮かべる。

 

「先ほど……台湾島を占拠する中華民国政府においてクーデターが発生したとの情報が入り、そのクーデター勢力は台湾共和国として独立宣言を行いました。

わがアメリカ合衆国は非合法に占拠する中華民国ではなく、クーデター勢力である台湾共和国を独立承認いたします」

「何……!」

 

 ギレットの発言に会場がざわつく。

 動じていないのは、イギリス、フランス、ドイツ、スペインのアメリカから根回しされていた4か国、そして根回しは無かったがその予想をしていたニコルシチャフだった。

 

(ふむ……あの時の発言はこういう事だったか、驚きはしないが……予想はしていなかったな)

 

 ニコルシチャフは根回しがあったように装いながら、ギレットとの会話を思い出す。

 

『突然だが、安保理で協力してほしいことがある。付き合ってくれるか?』

『一体それはなんですか?』

『それは秘密だ。だが、ある国への仕返しの意を込めたものということで許してもらえないか?』

『なるほど、サプライズか。まあいいでしょう、そちらへの義理もありますし』

『ありがたい』

 

(茶番なのは変わらんな……)

 

 そうニコルシチャフは思いながらも、反論をしようとする宋に視線を向ける。

 

「どういうことだ、アメリカは我が国と国交結んでいるはず、また国民党と手を結ぶと?」

「論点がずれていますよ。国民党云々は関係ない。我が国は台湾共和国を独立承認しただけです」

「しかし台湾は中国の一部だ、アメリカはそれを認めていたはずであろう」

「我が国が認めていたのは台湾の領有ではありませんよ。我が国は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を認めていたのです。彼らは中国とは名乗っていない。つまり、貴国の一つの中国という夢はここに達成しているのです」

「詭弁を言わないで貰いたい……!」

 

 宋は幾度もギレットに反論するが、ギレットは微妙なラインで批判をかわしていた。

 既に多くの者は理解していたが、これはアメリカと中華民国政府が仕組んだ計略であった。

 アメリカの狙いは明白で、台湾に確固たる軍事拠点を置き、太平洋の安定と優勢を確保することであり、中華民国政府も自国の安全確保の為に組んでいた。

 アメリカの報告にあるような台湾共和国という国はただ中華民国が国名を挿げ替えただけに過ぎず、体制や閣僚も同じ人であった。

 そして、アメリカの狡猾なところはそれを一部の国に根回ししていたことだった。

 さらに追い打ちをかけるように、根回しをされ、新たに独立承認をする国が現れる。

 

「イギリスは台湾共和国を承認する、そして現在保護占領中の香港を台湾共和国へと譲渡する手続きを行う」

「フランスも独立承認します」

「ドイツ政府は台湾共和国を支持いたします」

「スペイン政府も直ちに独立承認を行いますよ」

 

 狡猾にもこのタイミングで爆弾発言を行ったブレイスは自信満々ににやけ顔を見せる。

 

「香港は聞いていない……!」

「あなたにどうこう言う権利は無いでしょう、香港自治の約束を破ったのはそちらですからね。当然、約束を履行している我々に権利がある」

 

 宋はブレイスに反論するが、約束を破った事実がある以上、さらに不利な状況であった。

 

「ではロシアも独立承認を致します」

「どうしますか?宗主席」

「休憩を提案します……」

 

 ニコルシチャフもブレコフの困惑をよそに承認し、ズヴァーンが顔をしかめる宗を問い詰めると、逃げるかのように休憩を提案し、理事国各国もこの議論に少し疲れたのか、賛同の意思を伝える。

 

 待機室へと戻ったニコルシチャフはブレコフと会話する。

 

「大統領、アメリカの提案に賛同したのはどのような意義があってのことですか?」

「単にアメリカの意趣返しに乗ったまでの事だ。向こうには恩義もあるからな」

「ふむ……まあ私も方法はともかく意趣返しには賛成でしたがね」

 

 結局同じではないか、と笑うニコルシチャフはちらりとティナの方に視線を向けると、そこには不満めいた表情を浮かべる少女の姿があった。

 

「不満かね?」

「まあ……うん」

「正義や人徳でうまくいかないのが、この星だよ。あの時の投票は例外中の例外だ。普段はあんなように行かない」

「……まだよくわからないけど、ありがとう……」

 

 情報量が多すぎたのかティナは少し意味不明な返答をニコルシチャフに返す。

 その時、ドアが叩かれ、外務省職員が対応する。

 

「どなたでしょうか?」

「怪しい者ではないのですが、ドアを開けていただけないでしょうか?」

 

 中からはその人物の姿は見えない。

 その言動が怪しいなとその職員は思うが、近くで聞いたことがあるような声を信頼材料に渋々開ける。

 

 開けた時にはその姿は確認できず、職員は困惑する。

 だが、その気配は部屋の中に入っていった。

 そして、寛ぐティナの傍に近づいた時に姿を表し、彼女に飛びついた。

 

「お、お姉さま!?」

「やはりか、妙な違和感を感じると思ったら」

 

 ニコルシチャフは先ほどの決議時に目の前にいる女性の輪郭がティナと似ていることを見抜き、違和感を感じていたが、今この時その正体が判明した。

 

「申し遅れました。(わたくし)グリューネシルト統合軍大尉フェリシア・ファロと申します」

「よろしく……と言いたいところですが、今更装われてもこちらが反応に困るのだが」

 

 フェリシアは礼儀正しい挨拶を行うが、先ほどの光景を目にしたブレコフは苦言を呈する。

 

「少なくとも、ここが公式の場であることぐらいわかっておいてですよね?」

「まあ、いい。ブレコフそこまでだ。ところで何用でここに来たのだ?」

 

 さらに問い詰めようとするブレコフを抑え、ニコルシチャフは彼女に質問を投げかける。

 

「ええ。まず一つはこの子の回収です。もう十分役目を果たしたので、この機会に連れ帰ろうと思いまして。そしてもう一つは……これです」

 

 と、フェリシアが差し出したのは、丸い押しボタンであった。

 ニコルシチャフがそれを受け取り、どういうものか聞くも、彼女は意味深な笑みを顔に貼り付けたままだった。

 

「答えるつもりはないと……仕方ない。押すぞ」

 

 若干不機嫌となったニコルシチャフがボタンを押す。そこから聞こえてきたのは中国の宗主席と外務省職員等との会話であった。

 

 ニコルシチャフと同じように自国代表団の待機室へと戻った宋は腹を立てた。

 

「何の意図があってこんなことを……台湾共和国というのもただ看板を挿げ替えただけに過ぎん」

「我が国にそのようなクーデターの情報が入ってきていないということは、おそらく」

「とりあえず中南海*2へつなげろ!」

「は……」

 

 中南海へと繋げられた通信は壁に貼り付けられたモニターの映像を介して行われた。

 

「なるほど……ええ、台湾がクーデターしたという情報は一切来ていませんので、おそらくは……アメリカと台湾による計略でしょう」

「こうなれば軍事侵攻して台湾を……」

「いえ、それは解決策にならないかと……」

「何?」

 

 宋の意見に異を唱えたのは国防部長であった。

 

「台湾は小国とはいえ、一応の軍事力を有しています。しかも、アメリカが参戦しない場合でも大規模な軍事支援を行う事は確実。泥沼化するのが目に見えています」

「ならどうする?」

「認める以外に方法は無いかと、軍事力に頼らずとも我々が利益を得る方法は幾らでもあります。」

「我が国が台湾の独立承認を?香港はどうする?」

「この際、構いませんよ。我々のような経済体制では満足な成長は見込めないでしょう、台湾に合った方がより成長に期待できます」

「分かった。そうするとしよう」

 

 宋はプライドが重く伸し掛かっていたが、説得に応じてその重い腰を遂に上げる。

 そうした話し合いがちょうど終わったところで録音は途絶えた。

 

「なるほど、認める方針となったのか。しかし、我々に伝える意義が感じられないのだが」

「あくまでパフォーマンスの一つです。統合軍はこのような謀略も担当することを知らせておきたかったので。加えて、あなた方ロシアとはこれからも友好関係を続けていきたいと思いましたので」

 

 ニコルシチャフは鋭い視線でフェリシアの目を見て真意を探る。

 だが、元軍人の彼でもそれは分からなかった。

 

「ふむ、まあそういうことにしておこう」

 

 と、丸い盗聴器をフェリシアの手に返す。

 

「では、そろそろ決議が再開される。ここにいたと知られては国際問題だろう。君、彼女らが出られるようドアを空ける準備を」

「分かりました」

 

 数分後、職員がドアを開け、まず二人が姿を隠して颯爽と部屋から出ていき、その後を周りからは自然に見えるようにニコルシチャフらが姿を表す。

 

 決議が再開されるや否や、宋が発言を求める。

 

「我が国は台湾共和国を承認いたします。また、香港の譲渡も認めます」

 

 その発言に各国代表は驚きを隠せない。

 また、イギリスのブレイス首相は面食らった気持ちとなっていた。

 

(あくまで言いがかりであり、本来する気は無かったのだが……まあいい。手続きを進めるとしよう)

 

 

 常任理事国全てが承認したことにより、非常任理事国も一部議会での承認等を行わないといけない国々を除いて、続々と承認していく。

 

「それでは国連への招待も行いますか?」

 

 ズヴァーン事務総長の言葉に常任理事国代表全員が頷く。

 

「ではそうしましょう。プログレスに関する決議を再開させていただきます。共同提案を深化させた条項の採択へと移ります」

 

 この後、安全保障理事会全理事国の全会一致で、『世界プログレス防犯安全規定・養成機関及び国家機関職務採用規定』、通称『プログレス条項』が採択された。

 

_モスクワ標準時(MSK)西暦2021年6月6日_

 

 北カフカース紛争を起こした首謀者であり、CLFの指導者であったレンゲノ・ザルヴィチ・アポロフの公開裁判が予定通り行われ、ネット中継の元、必要最小限の弁護が行われた後、裁判官の口から重労働刑の判決が下された。

 

 その移送先はロシア連邦サハ共和国ミールヌイにある世界有数のダイヤモンド鉱山であるミール鉱山であった。

 東シベリアという極寒の地域にある鉱山であり、時折事故が起きて行方不明者が出る鉱山でもあった。

 その監視にはМЧСの2個分隊が当たり、か弱な少女でなく民間人の暴動鎮圧も想定された訓練をこなしている屈強な男たちで構成されていた。

 

 また、同日もう一人の首謀者であり、CLFの実質的な副指導者であったミハイル・セルゲーヴィチ・アニシモフには死刑判決が下され、即日死刑が執行された。

 

_EST(東海岸標準時)西暦2021年6月12日_

 

 緊急首脳会合から1週間後。

 正式に台湾共和国が国連に加盟した後、国連総会では『複合機関設立の議題』が議論されていた。

 四世界の代表団も積極的に説明を行い、活発な議論がなされる。

 プログレスの養成や教育を兼ねる複合機関の概要はまとまり、またエクシードに関する人道に基づく研究機構も必要だとして、国際エクシード研究機構も作られることが決定した。

 特に議論が白熱したのはその設置場所であったが、滞在するその多くが精神的な未熟な少女ということもあり、治安の安定する地域、特に人口密集地から外れた場所、島であればなお良いという事で、ほぼ設置場所の候補が絞られる。

 さらに、(ハイロゥ)のある地域ならば連携がしやすいという四世界の代表団が告げたことで、設置場所は決まったも同然であった。

 

 その結果、日本国東京都小笠原村にある青蘭島が設置場所に選ばれることとなる。

 青蘭島は青蘭が咲き誇る美しい島であり、人口が少なく自然環境豊かな島で少女の精神育成に向く場所であり、

祈りと神々が守護する赤の世界【テラ・ルビリ・アウロラ】と繋がる門があった。

 デメリットとしては島の面積が小さく、大型施設の建設には向かない点であったが、【白の世界】の助言で海岸沿いに大型メガフロートを設置すれば、建設可能ということで最終決定がされた。

 なお、プログレス複合施設や国際エクシード研究機構施設の建設費用は国連分担金から支払われることとなった

 

_西暦2021年6月13日_

リビア共和国キレナイカ地方クフラ県県都ジャウフ近郊

 

 サハラ砂漠という乾燥する砂の大地を黒いフードを被った二人の男が歩いていた。

 近くに町はあるが彼らは目もくれない。

 しかし、前の男が視界にあるものを映すと、突然立ち止まる。

 

「……力の持つ女か……許せんな」

 

 男の視界に映るのはボロボロの服を着た少女の姿であった。

 だが、()()少女では無く、掬いあげた砂を透き通った水の入ったボウルへと変えていた。

 その光景は男を苛立たせ、少女に狙撃銃の照準を向けると、躊躇なく引き金を引く。

 発射された銃弾は無慈悲にも少女の心臓を貫き、口から血を吹き出し、ボウルから手を放してうつ伏せに倒れ伏す。

 だが、男は二度目を撃ちだした。

 今度は容赦なく頭を撃ち抜き、痙攣を起こしていた少女の生命活動を停止させる。

 

「そのまま太陽に焼かれて死ねばいいが、手向けも必要だろう」

 

 そう言い、 足早に少女に近づくと持っていたガソリンをかけ、一輪の花を添えて火を付ける。

 少女の体は激しく燃え、塵となるまで焼き尽くされる。

 その光景を見つつ、もう一人の男が口を開く。

 

()()()()設置完了しました」

「そうか……計画は順調だな」

「この後はいかがしますか?」

「ふむ……これ以上は余分だが、魔法の力を持つ女たちを殺しまわるのもいいだろう」

「それは良い献身ですな」

「ふっ、そうだろう。そうだろう!プログレスに死をっ、エクシードに死をっ」

「はっ!()()()()()()()()!」

 

(帝がここに至るまで暫し時間はかかる。だが、それまでの間に少し余興として楽しむのもいいだろう。帝、計画は進んでいるゆえ、成果はいずれ……)

 

*1
香港動乱の事。2019年、香港の民主運動家が中国警察に無条件に拘束された事を発端に香港全土で暴動が発生し、手綱が効かなくなり暴走した人民解放軍が介入した事件

*2
中国の国家権力中枢を指す言葉




※次回予告

【平和は戦争の準備期間】(1)

各国は新たな技術、新たな力を手にし、その刃を研ぐ。
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