sideミツル
なんで!?どうして!?一体何が!!?そんな思いが次々溢れて頭がぐちゃぐちゃになる。
僕はじめてのポケモン、ケンタさんたちのおかげでゲットできた僕のラルトス。そのモンスターボールが突然消えてしまった。
「け、ケンタさん!!ボールが、ラルトスの入ったボールが!?」
「落ち着けミツル君。ほら、あそこ見てみな」
ケンタさんの指差した先を見て思わず目を見開く。僕の手から消えたモンスターボール、そしてそのそばで赤いギザギザが宙に浮いていたのだ。
「えっ………なにあれ?」
「ボールと赤いギザギザが宙に浮いてる……」
どうやら驚いているのは僕だけじゃないみたいです。ユウキ君やハルカちゃんも唖然とその光景を眺めている。一方で、ケンタさんだけはその光景を冷静に眺めていた。
「よーく見てな。今に正体がわかる」
そう言われてその赤いギザギザをじっお見つめる。すると、だんだんギザギザの回りに何かが浮かび上がってきた。
薄緑色の体にギザギザの頭、クルクルとカールしたしっぽにボールに伸びる長い舌。どうやらあの赤いギザギザはおなかの模様で、僕の手からボールを奪ったのはあの長い舌だったらしい。あれって、もしかしてポケモン!?
「ア~~、ンム」
「「「あ゛っ!!?」」」
うええええええ!!?ぼ、ボールが、ボールが食べられたーーー!!?
「けけけケンタさーーーーん!!ぼぼぼボールがっ、ボールが変なポケモン(?)にぃぃいいい!!?」
「ぅおっ!ちょ!?大丈夫、大丈夫だから!飲み込みはしないって!」
「レオォ~~ッ?ペッ!!」
ケンタさんの言った通り、そのポケモンはモンスターボールを口に入れるも、変な顔をしたかと思うとそのままボールを吐き出した。って!?
「ボールが!?」
「あっ!?ミツル君!?」
考える間もなく、気が付けば走りだしていた。ボール、ラルトスの入ったボール!僕のパートナー!
「うわあああああああああああああああ!!!」
無我夢中で飛び込んで、ボールをキャッチする。草むらに突っ込んで全身草まみれになっても全然気にならない。ああ、よかった……!僕のラルトス!
「ミツルくーん!」
「大丈夫かー!?」
後ろからハルカちゃん達の声がしたと思うと、僕は抱き起こされる。振り向くとケンタさんの顔があった。
「ケンタさん……」
「ったく、むちゃしおってからに。でもま、カッコよかったぜ?」
そう言ってケンタさんは僕の頭を軽く叩く。何だか照れ臭くなって僕は顔を俯けた。
「あ、そういえばさっきのポケモンは……」
そう思い辺りを見回すと、さっきのポケモンは木に張り付いて器用によじ登っていた。
「ハルカ、図鑑図鑑」
「え?あっうん!」
ハルカちゃんは慌ててカバンから機械を取り出してあのポケモンへ向けた。あれがポケモン図鑑なのかな?
『カクレオン いろへんげポケモン
ノーマルタイプ
体の色を周りの風景に同化させて姿を消せるが、お腹の模様だけは同化できない。
長い舌を素早く伸ばしてエサを食べる。』
「おそらく、モンスターボールを木の実か何かと勘違いしたんだろう。口に入れて食べられないとわかって吐き出したんだな。」
なるほど、そういうことだったのか。なんてことを考えてたら、ボールが開いてラルトスが飛び出してきた。
「ら、ラルトス?」
「ラルッラルーー!」
どうやらラルトスはカクレオンに怒っているようだ。それはそうか。いきなり飲み込まれたんだし。
「ふむ、ミツル君。この際だ、ゲットのついでにバトルも経験してみないか?」
「ば、バトル…ですか?」
ケンタさんの提案に正直迷ってしまう。バトル…バトルかぁ……
「少なくとも、君の相棒はやる気みたいだぜ?」
「ラル~!」
見れば、ラルトスは両手を振り上げやる気を表している。かわいい
「……わかりました。ちょっと怖いけど、やってみます!」
「よっしゃ、その意気だ。」
「でもケンタさん、カクレオンは木の上ですよ?逃げられちゃうんじゃ……」
「ま、見てなって。お膳立てくらいはしてやるよ。」
そう言ってケンタさんはベルトに着けたボールを取り出して放り投げる。すると中から紫色のガのようなポケモンが現れた。
「これは……モルフォンか?」
「あ、フォルルちゃんだ!やっほー」
『モルフォン どくがポケモン むし どくタイプ
コンパンの進化系
羽の鱗粉は様々な種類の毒の成分を含む 夜行性で夜の街灯に集まる小さな虫をエサにしている』
ユウキ君のポケモン図鑑からそんな説明が聞こえてくる。なんかさらっと危険なこと言ってた気がするんですけど……?
「フォルル、"ねんりき"。あいつを地面に下ろしてくれ。」
ケンタさんの指示を受けたフォルルというニックネームのモルフォンは、ヒラヒラと舞うと目が淡い光を放つ。するとカクレオンにも同様の光がまとわりついて、宙に浮かばす。カクレオンはじたばたともがくが、そのままべしゃりと地面に落ちた。
「レ、レオ~~……」
「おいカクレオン。ちょっとこの二人とバトルしてやってくれ。お礼に木の実を食わせてやるよ。」
「フォ~ン」
起き上がったカクレオンはいそいそと逃げようとするが、辺りを舞うフォルル…ちゃんに気圧されて、ケンタさんの言葉が聞こえたのか、渋々といった様子で僕達の方へ向きなおる。
「ミツル君、ちょっと……ゴショゴショゴショ」
「え?……はい、はい……わ、わかりました、やってみます!」
ケンタさんに耳打ちされた内容を忘れないように反芻する。よし、やるぞ!
「いくよラルトス!」
「ラルー!」
◆◆◆◆◆
sideケンタ
いや、おかしくない?俺主人公だよね?何で一人称がゲストの後なの?
「て、そんなこと考えてる場合じゃないわ」
ミツル君とラルトスの初バトル。相手のカクレオンは逃げられないようにフォルルが睨みを効かせてるけど、さて、どうなるか。
「フォル」(逃げたら毒まぶすわよ)
「レオ~ン」(わかっちょるばい。はぁ~、せがらしか~)
カクレオンはやれやれといった様子で舌をベロ~ンと伸ばすと、そのままラルトスに勢いよく伸ばす。
「"したでなめる"だ!ラルトスには効果抜群だ!」
「大丈夫、見てな。」
「ら、ラルトス、"テレポート"!」
ミツル君の指示を受け、ラルトスは一瞬にしてその場から消える。結果カクレオンの攻撃は空振りに終わり、驚いたカクレオンは辺りをキョロキョロと見回す。
「今だ、"ねんりき"!」
「レオッ!?」
そこへカクレオンの背後へと転移いていたラルトスのねんりきがカクレオンを吹き飛ばす。ゲームじゃただの移動技だったテレポートも、実戦ではこんなふうに使うこともできるんだ。
「レ、レオー!」
「ラルトス、もう一度"テレポート"!」
起き上がったカクレオンは再び舌を伸ばすが、ラルトスは再びテレポートで回避する。カクレオンは何度も舌を伸ばすが、それでも全て空振りに終わった。
「レオー!」(ああーーもうっ!チョロチョロチョロチョロうっとおしかー!)
カクレオンは大きく舌を振り上げると、そのままなぎ払うように振り払う。しかし、ラルトスはテレポートで難なくかわし、再びカクレオンの背後を取った。
「今だ!」
ラルトスは再びねんりきを放とうとするが、突如カクレオンのカールしたしっぽが伸びてラルトスを撃ち抜いた。
「ああっ!?ラルトス!」
「レオ~ン!」(アホたれっ、伸びるのは舌だけじゃないばい!)
「うわっ、やられちゃった!?」
「"だましうち"、あくタイプの技だ。効果は抜群だぞ」
「ら、ラルトス、大丈夫!?」
「ラ、ル…!」
ラルトスはふらつきながらもなんとか立ち上がり、ミツル君はほっと胸を撫で下ろす。
「よ、よし!反撃だ!"ねんりき"!」
「ラルッ!」
ラルトスは再びねんりきを向けるが、カクレオンはそれを難なく振り払ってしまう。これは、もしや……
「そ、そんな……!」
「ラルっ!?」
「レオーン」
二人の狼狽する姿に、カクレオンは勝ち誇りながらゆっくりと近づいて行く。ゆらゆらと舌を揺らして余裕そのものだ。対するミツル君は完全にガクブルだ。今ので戦意が折れかけてる。
「あ、うあ……も、もうダメだ……」
「諦めるなミツル君!まだラルトスは諦めてないぞ!」
ミツル君ははっとしてラルトスを見る。ダメージを受けてふらふらになりながらも、その闘志はまだ消えていなかった。
「ラルトス……!で、でも」
「トレーナーが投げたらバトルは終わりだ!自分のポケモンを信じて、ドンと構える!……それがトレーナーの役目だ。」
「ポケモンを、信じて……」
「レオーン‼」(これでしまいばい!!)
カクレオンはとどめを刺そうとラルトスにとびかかる。
「ラルトス、頑張れええええええええええ!!!」
『Raaaaaaaaaaaaaaaaa!!!』
「レオッ!?レオォォォォォォォ!?」
ミツル君の声援を受けたラルトスは、ソプラノボイスの衝撃波を放ち、それを正面から食らったカクレオンは大きく吹き飛ばされる。
「あれは!?」
「”チャームボイス”だ!」
「レ、レオ~ン……(き、きつか~~……)」
そのままカクレオンは目を回して倒れた。
「ミツル君!」
「え?わわ!?」
ミツル君にからのモンスターボールを投げると、ミツル君は慌てながらもキャッチする。片手で投げるモーションを見せると、それで察したのかボールを構える。
「いっけえええええ!!」
投げたボールは弧を描きカクレオンにヒット、カクレオンはボールに収まる。
ウィン ウィン ウィン………カチッ☆
そして、ボールが完全に閉まる音が響いた。
「……やった、やった!やったああああ!!!ラルトスやったよ!?僕ら勝ったんだあああああ!!!」
「ラルラルーー!!」
ミツル君とラルトスはともに抱き合い喜びを分かち合っている。いいね~青春だね~
「すごーーいミツル君!!はじめてなのにポケモン二匹もゲットなんて!?」
「けど、なんでカクレオンにねんりきが効かなくなったんだろう?」
「ああ、それは『へんげんじざい』だな。」
「へんげんじざい?」
「そ。カクレオンの特性のひとつでな、自分の出したわざと同じタイプに変化するってものなんだ。さっきのも、あくタイプのだましうちを使ったことであくタイプに変化してたんだ。それでエスパー技のねんりきが効かなくなって、フェアリー技のチャームボイスが効果抜群になったってわけだな。かなり珍しい特性なんだぞ?」
「「へぇ~~」」
「ケンタさん!ありがとうございます!!僕!僕!!」
「わかってる、わかってるよ。よく頑張ったな、君も、ラルトスも。」
「~~~ッ……はい!!」
「いよっし、そんじゃ、帰るとしますか」
「「おーー!!」」「お、お~~!////」
再びトウカジム。オレたちはミツル君の見送りに来ていた。
「皆さん、本当に、本当にありがとうございます。ラルトスとカクレオンを捕まえることができたのはみなさんのおかげです!」
「ふっふーん、どういたしまして!」
「ハルカちゃんはなにもしてないだろ?」
「そーそー。ミツル君が頑張ったからさな」
「あー!?二人ともひっどーい!!」
「あははは!」
俺たちのやり取りを見てミツル君も笑い出す。そこにはじめのおどおどとした雰囲気はなく、キラキラと輝いていた。
「ラルトス、カクレオン。ミツル君を頼んだぞ。」
「ラール!」(おまかせを!)
「レオーン」(仕方なか。面倒見ちゃるばい)
「僕、ラルトスたちと精いっぱいがんばってみます!みなさんも頑張ってください!」」
「おう!」「またねっミツル君!」
「頑張れよ、君にはポケモンたちがついてる」
「はいっ!!」
そうしてミツル君はトラックに乗り込み、トウカシティを後にした。
「……ふむ、なかなか将来有望な子だったね」
「ええ、ハルカたちのいいライバルになると思いますよ。」
本当、今年のホウエンの新人たちは豊作だねぇ~
「そういえば、さっき何か私に言いかけてたが、何だったんだい?」
「ああ、そうそう」
こればっかりはちゃんと伝えとかないといかんね。俺はセンリさんに向き直り、正面から宣言する。
「師匠……いや、センリさん。俺と、本気でジム戦をしてください。」
正直 挿し絵って必要でしょうか?
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一話に一枚欲しい
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あった方が面白い
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文章だけで表現して欲しい