機動戦士ガンダムUC 〜Another War of Pegasus〜   作:希望光

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どうもお久しぶりでございます。
最新話完成いたしました。
戦闘がありませんが、どうぞ。


Ep.01 〜Lost technology〜

 アルビオン(ネクサス)に着艦したペガススから降りたカイトは、意識が朦朧としており前進することもままならないと行った具合だった。

 

「救護班! 担架もってこい!」

 

 整備班に応答した救護班が、担架を持って格納庫へと現れる。

 そして、カイトを乗せると医務室まで連れていくのだった。

 そこへ、遅れてナックが現れる。

 

「カイトは?」

「先程ストレッチャーで医務室に」

 

 整備班長が答えた。

 

「そうか……。RX-0は?」

「これといった外傷はありません。ほぼ無傷です」

 

 RX-0を見上げたナックは、バケモノだと思うのであった———

 

 

 

 

 

 戦闘宙域を脱出したアルビオンⅡは、月面都市『アナハイム』を目指して航行していた。

 クルー達は、いつまたネオ・ジオン残党と当たるか分からないと言う緊張感に覆われており、ブリッジにはピリピリとした空気が流れていた。

 

 それはブリッジだけでは無く、カイト以外のパイロット達も同様であった。

 カイトはと言うと、意識こそ戻ったが、戦闘に参加できる状況ではなかった。

 

 同時に、カイトはこの艦の部隊のエースパイロットでもあった。

 そんなカイトがいないという状況が、パイロット達を余計にピリピリさせるのだった。

 

「クソッ……どうすんだよ」

 

 そう怒鳴り、ロッカーへ拳を叩きつけたのは、カイトの先輩に当たる『リュウ・カトウ』少佐。

 彼は、カイトがアルビオンⅡに配属された際の教育係でもあった。

 

「……落ち着きなよ、リュウ。君がそうなるのも分からなくもない。だが、そうしたところで現状は変わらないんだ」

 

 そう冷静に分析して宥めるのは、リュウの同僚である『ジョー・フラブスキー』少佐。

 

「ま、前回の戦闘で誰も落とされなかったのは、カイトとあの機体のお陰……ですかね」

 

 ジョーに同調するかのように、口を開いたのは『ロー・ヴァルス』中尉。

 

「かもな……それは分かってはいるんだが……」

「そんなに落ち込むなって。落ち込んでるのは、こっちも同じなんだからさ」

 

 そういって、ジョーは、リュウを慰めていた。

 

「そう言えば、艦長はどこへ向かうって?」

「なんでも、フォン・ブラウンに寄るらしいぞ」

「なんで?」

「アナハイムに用があるんじゃねぇのかな?」

「補給……って訳か」

 

 3人がそう話している間も、艦は月面フォン・ブラウン市を目指して進み続けていくのだった———

 

 

 

 

 

 その後、目立った戦闘なども無く、アルビオンⅡはフォン・ブラウン市へと入港した。

 そして、カイトを含むパイロット達と、ナックは同市内にあるアナハイムのMS(モビルスーツ)生産工場へと足を運んでいた。

 

「久しぶりだね。ナック」

「嗚呼。また、ここへ寄らせてもらったよ」

 

 出迎えたのはアナハイムの制服を着た、ナックと同い年ぐらいの男。

 

「で、今日はどういう要件なんだい?」

「ああ、艦のメンテナスと……極秘案件なんだが……」

「ふむ」

「艦長……そちらの方は?」

 

 ジョーに尋ねられたナックは、男を紹介した。

 

「彼は『レイン・カーレス』。私の古い友人だよ。彼等は、私の艦のパイロット達だ」

「レイン・カーレスだ。気軽にレインと呼んでくれたまえ。で、君の言う極秘案件とは?」

 

 その言葉に、ナックは神妙そうな面持ちをした。

 それをみたカイトもハッとした。

 

「まさか……」

「当たりだカイト。見てもらいたい機体があるんだ」

「機体? どんなのだい?」

「RX-0……」

 

 その言葉を聞いたレインは、眉を潜めた。

 

「そうか、取り敢えず実物を見せてくれないか?」

「ああ」

 

 そういって、全員は停泊しているアルビオンⅡへと向かう。

 そして、格納庫に収容されている、RX-0(ペガスス)を見せた。

 

「……ユニコーンか」

「矢張り知ってたか」

 

 レインは、なんとも言えない表情をしていた。

 

「この機体、何処で?」

「上層部が試験を行えって、押し付けてきたんだ。確かフル———」

「フルサイコフレーム採用式の機体だ」

「そこまでわかってるか。なら、システムについては?」

 

 ナックの問いに、レインは少しばかり考え込むような仕草をした。

 

「このRX-0は、我々アナハイムが作った。だが、その中身を知っているものはごく僅か。そして、搭載されているシステム『NT-D(ニュータイプ・デストロイヤー・システム)』も、ブラックボックス化されている……」

「ま、待て!」

 

 ナックは、レインの言葉に慄いた。

 

「それじゃあ、オリジナルの再現なんて理論上は不可能なはず……!」

「そうなるね」

「まさか……なら、連邦のお偉いさん方は、どうやってあんなもん再現したんだ……」

 

 ナックの問いに、レインは答えるのだった。

 

「NT-Dは、その名の通りニュータイプのみを抹殺することを前提にしたシステムだと聞いている」

「じゃあ……」

「恐らく、君の思う通り、『EXAM』や、『HADES』の技術を応用したものだろう」

「その『EXAM』や『HADES』というのは?」

 

 レインの言葉に、カイトが問いかけた。

 

「まず、EXAMというのが、OT(オールドタイプ)NT(ニュータイプ)ばりの性能を発揮させて、NTを抹殺することを目的としたシステムだ」

「そして、HADESはEXAMをベースとした強引に機体のリミッターを外すシステムだ」

 

 ナック、レインの順番に答えるのだった。

 

「『蒼い死神』って知ってるか? これは『ブルーデスティニー』って機体を示して呼ばれていたんだが、この機体に搭載されていたのがまさしくEXAM」

「そして『第4の騎士』こと『ペイルライダー』に搭載されたのが、派生型のHADESだったんだよ」

 

 2人はそう説明するのだった。

 

「どっちも……聞いたことがある……」

「まさかそんなシステムが……」

 

 リュウ、カイトの順に呟いた。

 

「と、これに関してはまだまだ謎が多いってことか?」

「そうだね……。残念だけど、私にもわからないな」

 

 そうか……、と言ったナックは、次の話を振るのだった。

 

「で、もう一つ。新たな機体を調達したい」

「……なるほど。付いてきてくれ」

 

 そう言われた5人は、レインに連れられて工場の立ち入り禁止エリアへと足を運んだ。

 

「ここから先のことは、内密に頼むよ」

 

 レインはそう断って、1つの扉にICカードを通す。

 そして、開かれた扉の先には———格納庫があった。

 

「……おい、あれって!」

「間違いないよ。GP-03『ステイメン』だ」

 

 ジョーの言葉に、リュウが答えた。

 

「とんでも無いものが出てきたな……」

「戦後、上層部がデータを抹消して行方知れずになってたが、極秘裏で入手した」

「動くのか?」

「勿論。近代化改修も済ませている。スラスターの推力強化はもちろん、装甲強度、エネルギー効率等全てな。だからこれは『ガンダム試作3号機ステイメン・リヴァイブ』として生まれ変わっている」

 

 ただ、と言ってレインは告げた。

 

「あの機体、元々は全天周囲モニターだったのだが、コア・ブロック式のコックピットへと変更した」

「なんでだ?」

「あの機体は、本来の装備であるアームド・ベース『オーキス』が失われてしまったことが原因だよ。オーキスがあったのなら、モビルスーツが脱出艇の扱いになったのだが、オーキスが無い以上、機体にその機能を加えるしかなかった」

 

 なるほど、とナックは頷いた。

 

「で、こいつを持ってて良いのか?」

「構わない。後、完成品ではないが、新たな武装も作成してある。それも一緒に持っていけ」

「助かる。後……」

「まだあるぞ」

 

 そういったレインは、壁際にある、スイッチを押した。

 すると、先程までステイメンのみが照らし出されていたが、ステイメンのまっ隣が明るくなる。

 

「アレは……ブルーデスティニーか?」

「1年戦争時代に大破した2号機と3号機の残骸を集め直して組み上げた、技術検証用の機体だ。EXAMも搭載されている。その機体を、さらに近代化改修し『ブルーデスティニー・セカンド』へと改造した」

「EXAMってことは……暴走の危険性は……」

「一概に、無いとは言い切れない。だが、君達なら乗りこなせると思った。だから、私はこうして差し出したのだ」

「だとさ。誰か、乗ってくれるか?」

 

 ナックの問いに答えたのは、ジョーだった。

 

「自分が乗ります」

「危険な機体……だぞ?」

「承知の上さ。なんなら、カイトが乗った機体の方が危なかっただろうに」

「決まりだな。というわけだ、レイン。こいつも使わせてもらう」

「ああ、頼むよ。それと、あと2機あるのだが、どうする?」

「見せてくれ」

 

 そう言われたレインは、再びスイッチを押した。

 すると、今度は格納庫全体が明るくなる。

 

「これだよ」

 

 そこあったのは、紛れも無いΖガンダムと、ペイルライダーだった。

 

「なんでペイルライダーが……!」

「量産目的に作られた型の機体情報を入手してね。それを逆にワンオフ機体として仕上げた。それがこの、『ペイルライダー・フラガラッハ』。先祖帰りみたいな感じだな。勿論、HADESも搭載してある」

「さっき危険って言ってた機能積んだ機体ばっかりじゃないですか……」

 

 出てきたモビルスーツに、ローは思わずそうこぼしてしまうのだった。

 それに対して、レインはこう答えた。

 

「さっきも言っただろう。君達だからこそ、たかそうと思うんだ」

「お前らを信用してくれてるってことさ。で、こっちに乗るやつ入るか?」

「自分が乗ります」

 

 そう言ったのは、リュウだった。

 

「リュウさん、なんで?」

「信頼には、答えないと、だろ?」

「そうですね」

 

 

 リュウの言葉に、カイトは頷いた。

 そして、ペイルライダーを見上げた。

 

「これが、俺の次の機体……」

「じゃあ、自分はΖガンダムに乗ります」

「なら説明が必要だな」

 

そういったレインは、機体について説明を始めた。

 

「この機体はΖ開発時の余剰パーツで組み上げた機体だ。ただ、部分的に足りないものもあったから、規格が合いそうなパーツで補ったりもしている。無論、可変機構に問題は無い」

「武装は?」

「オリジナルと大差はないが、この機体は電子戦向けのカスタムが施されている。後は、哨戒能力が高い」

「偵察向き……ということですか」

「ああ。だが、先ほど言った通り、武装はオリジナルのものとは大差ない。それに、追加武装もあるからな」

「そうですか」

「そういうことだ。Ζガンダム2号機……こいつの名前だ。宜しく頼む」

「お任せを」

 

 ローは敬礼しながら、そう返すのであった。

 

「良いのか? ステイメンじゃなくて?」

「自分は、ここへ配属される前は、リゼルになっていました。故に、可変機の方がしっくりくるのです」

「なるほど」

 

 ナックは頷くと、カイトへと告げた。

 

「なら、カイト。お前の機体はステイメンだいいな?」

「え、自分アレがあるじゃないですか……」

「バカヤロウ、またああなるぞ?」

「たしかに艦長の言うことに一理ありますけど……」

 

 まあまあと、レインがナックを宥めた。

 

「とりあえずは、暫くここに滞在することになるんだからゆっくり考えればいいさ」

「そうだったな……。艦の修復はどれくらいかかりそうだ?」

「1週間は必要だろうね」

「そうか」

「ああ。後、その滞在期間中に、RX-0を調べてもいいかい?」

「構わない」

 

 ナックは了承した。

 こうして、彼らは新たな機体(チカラ)を手に入れた。

 そして同時に、ペガススも新たな力を手に入れようとしていた———




はい、今回はここまで。
新たに出てきた機体ですが、設定がまとまり次1話の上に設定を挙げておきたいと思います。
最後に、読んでいただきありがとうございます。宜しければ感想・評価等お願いいたします。
では、これで
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