[鋼の錬金術師]エルリックの三男は「男主」   作:春川遥

15 / 27
十四話「喋る合成獣とおおきなわんちゃん」

「今回の件で1つ貸しができたね大佐」

 

 

にやりーん☆という雰囲気でエド兄がいう。

 

ここは軍の施設の中。ロイさんの部屋でおれたちは革張りの椅子に腰掛けている。

 

窓の外を見ていたロイさんはきい、と椅子を軋ませこちらを見やる。

 

 

「...君に借りを作るのは気色が悪い」

 

 

手を組みながらそういうと大きくため息をついた。

 

 

「いいだろう何が望みだね?」

 

「さっすが♪話が早いね!...この近辺で生体錬成に詳しい図書館か錬金術師を紹介してくれないかな」

 

「今すぐかい?せっかちだな全く」

 

[ロイさんはおれたちとゆっくりしたいの?]

 

 

純粋に疑問だったので首を傾げながら問う。

 

くくく、と苦笑したあと言う。

 

 

「まぁお茶の1杯くらい付き合ってくれてもいいじゃないか」

 

 

...お茶するのは別にいやじゃないんだけどね。

 

 

「オレ達は1日も早く元に戻りたいの!!」

 

「ええと..たしか...ああこれだ」

 

 

エド兄を無視して資料を漁るロイさん。

 

そして1枚のプロフィール資料をおれ達の前に差し出した。

 

 

「合成獣(キメラ)錬成の研究者が市内に住んでいる。「綴命の錬金術師」ショウ・タッカー。2年前に人語を使う合成獣の錬成に成功して国家錬金術師の資格を取った人物だ。」

 

「人語を使うって...人の言葉を喋るの!?合成獣が?」

 

 

タッカーさんの紹介で気になったところをエド兄が聞いてくれた。

 

いくら合成獣とはいえ、そんなに高い知能を有する合成獣がいるのかとその話をもっと聞いてみたくなった。

 

もとより動物は好きな方だ。合成獣というものの作られ方的にあまり好みはしないが人語を理解するなら喋ってはみたいし、実物を見てみたい。

 

そんな好奇心からロイさんの話に耳を傾けていると衝撃の事実を知った。

 

 

「そのようだね。私は実物を見てはいないのだが、人の言うことを理解し、そして喋ったそうだよ

ただ一言...「死にたい」と」

 

 

ひゅ、と息を吸う。なぜ、その合成獣はそう思ってしまったのだろうか。

 

人語を理解できるから好奇の目に晒されることが嫌だったのか。それとも...

 

 

「その後エサも食べずに死んだそうだ。...まあとにかくどんな人物か会ってみることだね」

 

 

 

 

カランカラン、とロイさんが呼び鈴を鳴らす。

 

タッカーさんのお家は想像以上に大きく、おれはあんぐりと口を開けて屋敷を見ていた。

 

ガサッ

 

ふと茂みから音が聞こえた。振り返ると目の前に壁があった。...壁?

 

違和感を感じるがそれを脳が処理する前にその壁が迫ってくる。

 

 

「ふんぎゃああああああ!!!!」

 

 

隣にいたエド兄も巻き込んでその壁はおれたちを下敷きにした。

 

へっへっへっへという呼吸音。人より少し高めの温もり。

 

...おれが壁だと思ったそれは、大きなわんちゃんだった。

 

 

「こら、ダメだよアレキサンダー」

 

「わぁ!お客さまいっぱいだねお父さん!」

 

 

優しげな大人の男性の声と幼げな女の子の声。

 

壁..もといわんちゃん...もといアレキサンダーから抜け出したおれは2人にぺこりと頭を下げた。

 

 

「いや申し訳ない。妻に逃げられてから家の中もこの有様で...」

 

そう言いながらタッカーさんがお茶を出してくれる。

 

その言葉通り家の中は瓶や資料が散乱し、埃を被っていた。端の方では蜘蛛の巣が張っている様子まである。

 

 

「改めて、初めましてエドワード君。綴命の錬金術師、ショウ・タッカーです」

 

 

手を組みながら優しげな表情で話しかけてくれるタッカーさん。

 

ロイさんがタッカーさんに生体錬成の資料を見せて欲しいと頼んでくれる。

 

ええ、構いませんよ、と笑ったあと表情を変える。

 

 

「でも人の手の内を見たいと言うなら君の手のうちも明かしてもらわないとね。それが錬金術師と言うものだろう。

...なぜ生体の錬成に興味を?」

 

「あ、いや...彼は」

 

弁護しようとしてくれたロイさんを手で制すエド兄。

 

 

「タッカーさんの言うことももっともだ」

 

 

そう言いながら真紅のマントを脱ぐ。

 

エド兄の鋼の義肢が露わになる。

 

ぎょっとした顔のタッカーさんにエド兄はあの日のことを淡々と語る。

 

 

「そうか母親を..辛かったね」

 

 

他言無用で、というロイさんに頷き、タッカーさんはおれたちを研究室へと案内してくれた。

 

薄暗いそこには大量の合成獣達がいた。

 

そのどれもが、異形の姿をとっている。ガシャンガシャンと檻を揺らす姿は、見ていて気持ちの良いものではなかった。

 

 

「いやお恥ずかしい。巷では合成獣の権威なんて言われているけど実際のところそんなにうまく入っていないんだ」

 

 

 

ぽりぽりと頭をかきながらタッカーさんが語る。その向こうの扉を開けながらこちらを振り返る。

 

 

「こっちが資料室」

 

「おー!」

 

 

ぎいい、と開けられた扉の先にはまるで図書館のような大量の本棚と散乱した資料たち。

 

 

[すげぇ...]

 

 

手近にあった資料を手に取る。そこに書いてある未知の世界へ、おれは直ぐに誘われて行った。




思ったんですけどハガレンってもう完成されており主入れるのってめちゃくちゃ難しくないですか・・・?やべえ何でやろうと思ったんだろう・・
・・・頑張って続けます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。