[鋼の錬金術師]エルリックの三男は「男主」   作:春川遥

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五話「教主の野望とどーでもいい」

大きな観音開きの扉。

 

おれ、エド兄、アル兄の3人でその扉の前に立つ。

 

 

「ロゼの言ってた教主の部屋ってのはここか?さて...」

 

 

エド兄がそこまで言った所でぎい...と軋んだ音を立てて扉が開く。

 

...どうやらおれたちを誘っているようだ。

 

 

[「いらっしゃい」だってさ]

 

 

3人揃って部屋へ足を踏み入れる。

 

まあ予想通りバタンと扉が閉じられる。

 

 

「神聖なる我が教会へようこそ...教義を受けにきたのかね?ん?」

 

 

禿頭の杖を突いた男が階段の上から声をかけてくる。

 

その顔には嘘くさい笑みが貼り付けられていた。

 

 

「ああ、是非とも教えて欲しいもんだ...せこい錬金術で信者を騙す方法とかね!」

 

「.....さて、なんのことやら」

 

 

とぼける神父にエド兄が畳み掛ける。

 

 

「"賢者の石"使ってんだろ?例えば、その指輪がそうだったりして」

 

 

ぴく、とわかりやすく反応した神父は、しかし余裕の笑みを崩さない。

 

 

「流石は国家錬金術師、すべてお見通しというわけか

 

ご名答!!

 

伝説の中だけの代物と言われる幻の術式増幅器...我々錬金術師がこれを使えばわずかな代価で莫大な錬成を行える!」

 

「..........さがしたぜェ!!!」

 

「ふん、なんだその物欲しそうな目は!」

 

 

ずっと探してきたその石が目の前にある。

 

けど平静を取り繕う。

 

チャンスを決して取り逃さないようにしっかりと気を張る。

 

神父は語る。

 

従順な信者達を使い、死も恐れぬ最強の軍団を作るのだ、と。

 

でも正直

 

 

[そんなことはどーでもいい]

 

「どうっ...!!?」

 

 

横はいりしてきたおれに切れたのかその発言に切れたのか。

 

おそらく後者であろう。

 

おれの言葉にうんうん、と頷いていたエド兄に食ってかかる。

 

 

「我が野望を「どーでもいい」の一言で片付けるなぁ!!貴様無表情でそんなことを言うでないぞ!エドワード・エルリック!貴様...国側の...軍の人間だろが!何頷いてる!!」

 

「いやーぶっちゃけていうとさ、軍とか国とか知ったこっちゃないんだよねーオレ。

 

単刀直入に言う!賢者の石を寄越しな!

そうすりゃ街の人間にはあんたのペテンは黙っといてやるよ」

 

 

エド兄が交渉を持ちかける。

 

しかし神父はそれをすぐさま跳ね除けた。

 

そしてきさまのようなよそ者が騒ぎ立てても信じるものか、馬鹿信者共は私に騙され切っているのだから!!と叫ぶ。

 

わははは、と勝利を確信した笑いを部屋いっぱいに響かせる。

 

そこにエド兄が拍手をしながら言葉を放った。

 

 

「いやー_____流石教主様!いい話聞かせてもらったわ!

確かに信者はオレの言葉にゃ耳も貸さないだろう。

けど!」

 

 

そこまで言った所でおれはアル兄の鎧の留め具を外し、パーツを取り外す。

 

 

「彼女の言葉にはどうだろうね」

 

 

くい、とエド兄が親指でアル兄を指す。

 

その仕草につられアル兄を見るとその鎧の中には

 

_______怯えた顔をしたロゼさんがいた。

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