大きな観音開きの扉。
おれ、エド兄、アル兄の3人でその扉の前に立つ。
「ロゼの言ってた教主の部屋ってのはここか?さて...」
エド兄がそこまで言った所でぎい...と軋んだ音を立てて扉が開く。
...どうやらおれたちを誘っているようだ。
[「いらっしゃい」だってさ]
3人揃って部屋へ足を踏み入れる。
まあ予想通りバタンと扉が閉じられる。
「神聖なる我が教会へようこそ...教義を受けにきたのかね?ん?」
禿頭の杖を突いた男が階段の上から声をかけてくる。
その顔には嘘くさい笑みが貼り付けられていた。
「ああ、是非とも教えて欲しいもんだ...せこい錬金術で信者を騙す方法とかね!」
「.....さて、なんのことやら」
とぼける神父にエド兄が畳み掛ける。
「"賢者の石"使ってんだろ?例えば、その指輪がそうだったりして」
ぴく、とわかりやすく反応した神父は、しかし余裕の笑みを崩さない。
「流石は国家錬金術師、すべてお見通しというわけか
ご名答!!
伝説の中だけの代物と言われる幻の術式増幅器...我々錬金術師がこれを使えばわずかな代価で莫大な錬成を行える!」
「..........さがしたぜェ!!!」
「ふん、なんだその物欲しそうな目は!」
ずっと探してきたその石が目の前にある。
けど平静を取り繕う。
チャンスを決して取り逃さないようにしっかりと気を張る。
神父は語る。
従順な信者達を使い、死も恐れぬ最強の軍団を作るのだ、と。
でも正直
[そんなことはどーでもいい]
「どうっ...!!?」
横はいりしてきたおれに切れたのかその発言に切れたのか。
おそらく後者であろう。
おれの言葉にうんうん、と頷いていたエド兄に食ってかかる。
「我が野望を「どーでもいい」の一言で片付けるなぁ!!貴様無表情でそんなことを言うでないぞ!エドワード・エルリック!貴様...国側の...軍の人間だろが!何頷いてる!!」
「いやーぶっちゃけていうとさ、軍とか国とか知ったこっちゃないんだよねーオレ。
単刀直入に言う!賢者の石を寄越しな!
そうすりゃ街の人間にはあんたのペテンは黙っといてやるよ」
エド兄が交渉を持ちかける。
しかし神父はそれをすぐさま跳ね除けた。
そしてきさまのようなよそ者が騒ぎ立てても信じるものか、馬鹿信者共は私に騙され切っているのだから!!と叫ぶ。
わははは、と勝利を確信した笑いを部屋いっぱいに響かせる。
そこにエド兄が拍手をしながら言葉を放った。
「いやー_____流石教主様!いい話聞かせてもらったわ!
確かに信者はオレの言葉にゃ耳も貸さないだろう。
けど!」
そこまで言った所でおれはアル兄の鎧の留め具を外し、パーツを取り外す。
「彼女の言葉にはどうだろうね」
くい、とエド兄が親指でアル兄を指す。
その仕草につられアル兄を見るとその鎧の中には
_______怯えた顔をしたロゼさんがいた。