ロゼさんがビクリと身体を震わせる。
教主はそれに気づいていないようだ。
しかしエルリック兄弟の弱点得たり、といった感じで大きな口の端を持ち上げた。
「くくく...エドワード・エルリック!!貴様それで国家錬金術師とは!!これが笑わずにいられるか!?」
「うっせーんだよ石が無きゃ何も出来ねぇどサンピンが!!」
[どサンピンってなかなか聞かないなあ...]
「うっせー」
堪えられなかったように教主はくっくっくと笑った。
そして全て悟ったかのように話しかけてくる。
「なるほどなるほど、それで賢者の石を欲するか。そうだなあ...これを使えば人体錬成も成功するかもしれんなあ?」
それがかなーりカン違いだったからおれは笑ってやろうと思って両手を合わせる。
[カン違いしないで欲しいんだけど〜...石が欲しいのは元の身体に戻るためだよ?]
最大限バカにしたような声が出せたので満足である。
それを聞いたエド兄が「カン違いすんなよハゲ!!」と言っていたから思いっきり噴き出したくて仕方がなかった。
「...もっとも、元に戻れるかもだけどな...!」
「教主さん、もう一度言う。痛い目見ないうちに石をボク達に渡して欲しい」
アル兄の言葉を聞いた教主は賢者の石をはめた手と反対に持っていた杖に触れながら言う。
「くく...神に近づきすぎ、地に堕とされた愚か者どもめ...」
ただの杖が6つの銃口を持つガトリングへと姿を変える。
等価交換を無視した錬金にやっぱり賢者の石ってすげーなーなんて呑気に思う。
「ならばこの私が今度こそしっかりと...」
ガシャ、と教主が銃口をおれたちに向ける。
ぱん、とエド兄と同時に手を鳴らした。
「神のもとへ送り届けてやろう!!」
直後。
ドガガガガガガッと耳が壊れそうな爆音を立てて大量の弾がおれたちに襲いかかる。
「ははははははは!!!」
教主の哄笑とガトリング音が部屋を満たす。
ふと教主が何かに気づいたように笑いと発砲を止めた。
「いや、オレ達って神様に嫌われてるだろうからさ」
[行っても追い返されちゃうと思うなあ!]
本来なら穴あきになっているはずの兄弟の前に大きな土壁がそびえ立っていた。
それが全ての銃弾を受け止めていたことくらい、誰が見ても明白だろう。
おれたちが無傷なのを察した教主は大きく舌打ちをした。
その隙にアル兄がロゼさんを抱えて教主から離れる。
それに気づいた教主がアル兄をガトリングで打つがアル兄にそれは通用しない。
「きゃーーーーー!!!!」
「あだだだだ」
悲鳴を上げるロゼさんに対してアル兄は軽い調子で背中に弾を受けていた。
その間におれは手を合わせてエド兄に目配せしながら壁へと駆け寄る。
「アル!一旦出るぞ!」
「馬鹿め!出口はこっちで操作せねば開かぬようになっておる!」
「ああそうかい!ハルっ!!」
エド兄の言葉を合図に手を壁にくっつける。
バシィッという錬成反応の後純白の小洒落た想像通りの扉が壁に現れる。
「んなぁーーー!!!!」
顎が抜けそうな程に驚いている教主を一瞥し、四人でバンと扉を開ける。
[出口がなけりゃ、作ればいい!!]
外には数人の教徒がいたが、突然のおれたちの登場に頭が回っていないようで間をすり抜けて廊下をかける。
途中で何回か教徒に遭遇したが、エド兄が腕を刃に錬成したり、アル兄が蹴っ飛ばしたり、おれが音で牽制したりしながら協会を逃げ回った。
ふとエド兄が「お?」と言って立ち止まる。
「この部屋は...?」
「放送室よ教主様がラジオで教義をする...」
エド兄の疑問にロゼさんが答える。
それを聞いたエド兄の口元がニヤリと吊り上がる。
多分おれの表情が動くなら同じ表情をしていたんだろうなーと思いながらそれを見ていた。
どうも作者です(唐突)
未だに一巻の途中です・・・終わるまでにどれくらいかかることやらw
なるべく原作沿いに違和感ないようやっていってるつもりですが難しい!
セリフをこっちの主人公が奪っちゃっていいものかめっちゃ悩みながら書いてます・・・
ゆるっとがんばって一日一話は更新していくつもりです
もし気が向いたらお気に入りとかしおりとか感想とか評価とかしてくださったら布団の上で悶えるんでモチベも上がるんで(多分)暇で暇で仕方なかったらしてくれると嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。