励みになります。
……白い砂浜、青い海、照りつける太陽。
はしゃいでいる友人たち。
隠れてタイムマシンを直している同居者。
私の反応を気にしているかぐや。
「カオスだ」
★
あの後ドラえもんたちが私の部屋に駆け込んできた。
壊れた壁は大きくしたタイムふろしきで直した。
理由は聞かれなかったが蔓になっていた腕を見てのび太が気絶した。
我が弟ながらもう少し肝を太くしてもらいたい。
「使ったんだね」
「ああ寝ぼけて噛み砕いたみたいだ」
「もう!だから危ないって言ったじゃないか」
肘から手にかけて皹が入り血がじわりと滲む。
「やっぱり形状を変化させて濃度を上げた変身ドリンクを使うのは危険だよ」
ドラえもんはポケットから包帯などの治療道具を取りだしテキパキと私の両腕に施す。
「説明しただろ。変身ドリンクの量と正しい使い方には意味があるんだよ」
初めて変身ドリンクを使った時にされたドラえもんの説明を思い出す。
「飲む量が決まっているのは、自分の記憶が確かなうちに効き目が切れるようにしているため。時間をかけて変身しているのは体に負担をかけないため、だっけか?」
「そうだよ。変身ドリンクを使って変身するにはイメージが大切なんだ。確かに自分自身に戻るには時間はかからないけど、それは自分を完全に覚えているからなんだよ。もし、自分をも思い出せなくなれば戻れなっちゃう。それに、時間をかけての変身には体に負担を与えないようにするためだよ。石を熱したあと急に冷やしたらボロボロになるでしょ?けどゆっくり冷やすとボロボロにならない、それと同じだよ」
「そうか」
体超痛てぇ。え?てか何、変身ドリンクで作ったタブレットそんなに負担やばいの?
確かに三本を1つに濃縮したけど原作ではそんなデメリットなかったよね?
え?まじ?割と便利でお手軽に使えると思ったらそんなデメリットあるの?
せっかく完全に変身するものじゃなくて基本の体と想像したものがいい感じに混ざるように調整できたのに。
何そのデメリット、どっかの救世主かAI絶対ぶっ壊すマンかな?
いや使いますけど。タブレットどころか、粉末、キャンディ、注射、ガム、煙草、ガントレットと、どっかのゴキブリ倒すために作られた薬品レベルで形状のバリエーション増やしたんですけど、むしろそれを楽しみたいだけで開発したレベルの代物なんですけど。
そんなデメリットあるならそれ前提でフォローできるように道具組み込んだんですけど。
先に言ってくれよドラえもん。
あ、騒ぎになるんでピー助を白亜紀に返すのね。
ついて行った方がいい?
あ、自分たちだけで行くのね。
★
「そんなわけでピー助を助けに行きたいんだ」
……ジャイアン達にタイムテレビを見せたのび太。
自分がピー助を送ったところが日本じゃない事を知ったようで迎えに行くと私に言いに来た。
知ってたよ。
だから準備してたよ。
だが、向かう時に待っていたのは定員オーバーの警報とほとんど暴走状態と言っていいタイムマシンの歓迎だった。
タイムマシンから私たちは放り出されたが無事みんな白亜紀の北アメリカへと到着したのだった。
ドラえもんに頼んでおいた道具は頼んでおいたものに入っている。
これがどこまで通用するか。
冒頭に戻る。
「私たちも行きましょ」
かぐやが手を引っ張る。
「ああ」
今は考えても仕方ない。
かぐやと走りながらのび太たちのもとへと向かった。
「あ、兄さん」
「楽しそうだな、のび太」
のび太はピー助の背中に乗って海を進んでいた。
剛田とスネ夫は海底のほうへと潜っている。
源も同じように海底でユリをとって遊んでいた。
皆楽しそうだ。
私一人がこれから起こることを知っていると思うと胃が痛いよ。
…そんなこと思っているとのび太がピー助の上から別の何かに飛び移った。
「ここで甲羅干しー」
楽しそうだな、みんな。
よし、私も今は楽しもう。
「ちょっ、兄さん!海の上走るとかどうやったらできるの?!」
「のび郎さん?!」
答え、気合い。
いつもいつも感想、誤字報告ありがとうございます。
かなりモチベも維持できています。
あと、主人公ですが。
割と作者の好きなように書いてるので割と矛盾の塊ですw。
ツッコミどころはあると思いますが見逃してください。