姉に愛されすぎて動けません   作:暁美ほむら

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お久しぶりです皆様
現在仕事で佐賀に来ております。ほむらです。

空いた時間での暇つぶし投稿なので、優しく、やさしーく見守って頂けるとありがたいです。


始まり

『あんた………』

 

泣きじゃくる私に、容赦無く振るわれるお母さんの平手。痛い、痛いと叫んだところで振り下ろす手を止めるどころか、より力が入る。

 

『あんたなんか…』

 

助けて欲しくて、何が悪いのか教えて欲しくて。助けを求める様にお父さんをみても、ただただお酒を飲んでるだけでこちらを見てもくれない。だんだんと叩かれすぎて薄れてくる意識の中でお母さんと目が合い、怖いくらい無表情なお母さんが口を開いた。

 

 

 

『産まれて来なければよかったのに』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!はっはっ……」

 

気づくとそこは自分の部屋で、横にお母さんなどいなかった。先程までの光景は夢であることに安堵しつつ、呼吸を整えようとするがうまくいかず、次第に涙まで止めどなく出てきた。

 

「はっ、ヒュッ、ヒュッ」

所謂過呼吸、と言うやつなのだろうか。

息がしづらくだんだんと意識が遠のいて行く感覚。このまま死んでいくのだろうか、それも悪くないんじゃないだろうか。今みたいに誰かに迷惑かけ続けるような私に存在価値なんてあるのだろうか…。などと遠のく意識の中思っていると、勢いよく扉が開けられる。

 

「六花?大丈夫ですか六花!?」

 

もがいた音が聞こえたのか、五月お姉ちゃんが心配そうに部屋に入ってくるなりすぐに駆け寄ってきてくれる。すぐその後に続くように眠そうな二乃お姉ちゃんが入ってくる。

 

「どうしたのよ、五月。って、六花!?」

 

「いつものやつが出たみたいで、あれ持ってきてもらえますか?」

 

「わかったわ!」

 

ばたばたと廊下を走り回る音を聞きながら、私は五月お姉ちゃんに抱き起こされ背中をさすってもらう。

 

「大丈夫ですよ、私たちはここにいますよ。ゆっくり深呼吸しましょうね」

 

「ひっ、はっ、いっ、いつっ、、おね」

 

「ゆっくりでいいですからね。あぁ、こんなに涙までためて」

 

心底申し訳なさそうな顔をし涙を拭ってくれる。申し訳無いのはこちらだ。何度も何度もこんな事で迷惑をかけているのだ。

段々と呼吸が整ってきたころに、に二乃お姉ちゃんが走って部屋に入ってきた。

 

「六花は大丈夫?五月、これ持ってきたわよ」

 

「ありがとうございます、さぁ六花。これを飲みましょうね」

 

「はい、お姉ちゃん…」

 

渡された錠剤を躊躇いなく飲み込む。するとゆっくりと眠気が襲ってくる。耐えきれなくなってきた頃、急にまた同じ夢を見ることが怖くなり、お姉ちゃんが座っている方に手を伸ばす。

 

「六花はひとりじゃないわ。私たちが側にいるし、いつまでも守ってあげるわ」

 

「そうですよ。ですから今はゆっくりおやすみなさい」

 

「…はい……お姉ちゃん………」

 

2人でぎゅっと握ってくれた手に安心し、ゆっくりと意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「寝た…わね」

 

「寝ましたね。まぁ、薬のおかげではあるのですが」

 

「仕方ないでしょ、こうしないと六花がこの後取る行動を抑えられないんだから」

 

「そう、ですね」

 

私たちは睡眠薬でぐっすりと眠る六花を見ながら過去を思い起こす。以前同じようなことがあった時、六花は私たちに迷惑をかけたと自責の念から家出をしたのだ。あのときは5人全員で探し回ったものだ。

 

「前は無事見つかったからよかったものの、次は無いかもしれない。それにもう六花は私たちには掛け替えのない存在だわ」

 

「そうですね。六花がいない人生なんて考えられません。それは他の3人だって思っているはずですね」

 

「まぁ、六花は私たちの家にいることにまだ申し訳なさを持ってるみたいだけどね。」

 

「家に来た時なんてまるでお人形さんみたいでしたもんね」

 

六花の生い立ちを考えれば仕方のないことなのだが、それでも遠慮なんてして欲しく無いと思っている2人は、六花のそばに座り頭を撫でる。

 

六花はこの家に来る前はそれは酷い虐待を受けていた。六花は産まれつきアルビノと言うやつで、肌や髪は雪のように白く、目はルビーのように美しい真紅色だったのだ。

仕方のないことと割り切るのはよく無い事なのかもしれないが、周囲は異分子を嫌うもので。周りからの陰口に耐えきれなくなった母からの暴行、父からの存在否定。

 

それらをまだ小学生だった小さな体に全て受け、心身ともにズタボロになり限界を迎え家出。倒れているところをの私たちのお母さんが見つけ保護したという経緯がある。

 

「遠慮なんて……私たちは姉妹です。誰が何と言おうと、六花は私の可愛い可愛い可愛い妹です」

 

「可愛い多いわね…ま、否定はしないけど」

 

「それに私たちは、六花に一度助けられてます。それに比べれば、私たちのこんな行為なんて」

 

「そうね………。さぁ、私たちも寝るわよ。明日も学校なんだから」

 

六花を起こさないようにゆっくり立ち上がった二乃が伸びをしながら横目で見ながら、部屋に戻るように促してくる。

 

「そうですね。ここで六花の顔を見続けるのも幸せで最高のことですが」

 

「抜け駆けはだめよ。私だって六花と寝たいくらいなんだから」

 

「なっ!?そんな手が……」

 

二乃と他愛もない話をしながら、六花の部屋を後にしました。

 

 

 

 

 

 




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