姉に愛されすぎて動けません   作:暁美ほむら

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どうも皆さま
最近東北でいることが多く、なかなか地元に帰れません。
さて、仕事に追われる私にもある悩みが生まれてしまいました。
現在の悩みは、原作に合流するタイミングをいつにするかです。

どうしようかな……


勇気時々空回り

「さ、先に。そこにいた白髪のやつは大丈夫なのか…?」

 

「白髪のやつじゃないよ。彼女は私の、私たちの大切な妹、中野六花ってちゃんとした名前があるんだ。紹介してないこっちも悪いけど、次からはきちんと名前で呼んでくれるかな?」

 

「あ、あぁ…すまん…六花は大丈夫か?」

 

「いきなり呼び捨てって…まぁいいけど。うん、大丈夫だよ。今は寝てる」

 

「そ、そうか」

 

(な、なんなんだ!?さっきから一花から向けられるこの視線は!?)

 

ドアのチェーン越しに見えた六花?が苦しみ出したあと、直ぐにドアが強い力で閉じられた。何があったのか訳が分からなかった俺は取り敢えずドアの外で待っていたのだ。

 

しばらくすると、一花がドアを開け出てきたが、いつもの姉らしい優しい表情はなりを潜め、感情が死んだ顔で全く目に光が灯っていなかった。

 

その目はまるで

 

(殺意すら篭っているように見えるぞ!?)

 

内心焦りつつ、平静を装い六花の心配をする。これは別に交渉をするわけではない。何も緊張する必要なんてないと分かっていながらも、体の震えが止まらないのは本能ゆえからくるのだろうか。

 

「フータロー君はさ、今日は家庭教師としてきてくれたんだよね?」

 

「あぁ。そ、そうだな」

 

重々しい空気の中、一花が先に口を開く。何を言われるか自然と身構えてしまうが、普通に世間話のようだとホッと息を吐く。

 

「ごめんね、せっかく来てくれたのにこんな事になっちゃって。今日は申し訳ないけど、帰ってもらってもいいかな?」

 

「そうだな、身内がそんな状態だと勉学に身が入らないかもしれないしっ!?」

 

「ん?どうかした?」

 

「い、いや。気のせいか。まぁ、なんにせよ出直すとしよう。また、次の家庭教師の日に」

 

「うん、ごめんね。気をつけて帰ってね?」

 

「あぁ、ありがとう」

 

ニコニコと笑顔が戻り手を振り見送ってくれる一花にホッとしながら、踵を返す。

 

ゴリっという音が聞こえた気がしたのだが、気のせいだったのかもしれない。それより何やら不穏な雰囲気を感じているため、早く退散するため早足でドアから離れる。

 

「……………許すわけないでしょ。私たちの大切な六花を傷つけて………絶対に許さない」

 

噛み締めすぎて恐ろしい音がなった奥歯と、握り締めすぎて皮を切ったのか滲み出てくる血など気にも留めず、一花は風太郎が去っていった方を凝視していた。

 

 

 

 

 

(また、やってしまいました……申し訳ない気持ちで一杯ですが、今日はいつもとは違います)

 

布団の中で大人しく寝ながら、情けない自分に反省しながら、それとは別にある決心をしていた。そう、今日はいつもとは違うのだ。確かにいつも通りの虚弱体質の自分に嫌気が差すが、ネガティブな気持ちでいるといつも姉に怒られ、心配させてしまっている為、今日はポジティブに行こうと思っているのだ。

 

あれから数日経ち、平日のため姉達は今学校に行っている。お父様も出勤前に一度私の体調を見に来て下さったので今日はもう来ないはず。

 

(こんな出来損ないの私を見放さず、優しく接してくれるなんて……は!?だめです!ポジティブに!)

 

思考しだすとネガティブになる癖があるので、考えすぎないように体を動かそうと布団からゆっくりと体を起こす。

 

「それにしても、今日はいい天気です…。そうです!今日は日中外を歩く練習をしましょう!」

 

健全な心はまず健全な肉体から、とは誰が言ったのか。とりあえず外に出るために着替える。今は春なので、白のロングワンピースに同色のカーディガンをはおり、白髪を気味悪がられないための黒髪ロングのウィッグをつけ、お財布を持って玄関まで行く。

 

「今日もよろしくお願いしますね」

 

一声かけて、傘立てに立ててある自分愛用の日傘と麦わら帽子を手に取る。大きく深呼吸をしたあと、玄関に手をかけ外に出る。

 

一階まで降り、大きな自動ドアをくぐる。

 

(うーん!久々の外は日差しが強いです…)

 

一瞬だけ帰りたくなったが、自分の成長のためと、己の心を奮い立たせる。パンっと一度自分の頬を叩き日傘を開く。軽く深呼吸をしたあと、大きな一歩を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ〜!最近はこんな可愛い服が出てるですね!」

 

絶賛私六花は、前回二乃お姉ちゃんと来て以来のウィンドウショッピングを楽しんでいます。二乃お姉ちゃんは五姉妹の中でも特に私に優しくしてくれており、冬はいいのですが、春先になってくると紫外線がと言い外に出してくれません。

 

(久々のショッピングがこんなに楽しいなんて……あ、そうです!お土産を買っていきましょう!)

 

1人で勝手に出かけて怒られると思っていたが、お土産を買って帰れば1人でお使いをできると思って貰えるのではと考えた六花。何にしようか考えながらずっと歩き、ある商品に目を奪われた。

 

店員さんがニコニコしながら詰め寄ってくることに恐怖を覚える。外に出ることができても、人と話したり接したりさることが苦手なのだ。自然と足が店の出口の方へ向きかける。

 

でもここで諦めたら姉に呆れられるかも、などど考えるとそっちの方が怖いと思い直す。元々ないような勇気を振り絞り、商品を指差す。

 

「こ、これ頂けますか………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいお買い物もできましたし、満足です♪ってあぁ!もうこんな時間ですか!?」

 

ホクホク顔でお店を出て気づく。外は既に真っ赤に染まる夕焼け空であり、そろそろ姉達が帰宅してくる時間なのである。

 

「もっともっとお買い物したいところですが……そろそろ帰らないとですね」

 

外に対しての恐怖心はどこへ行ったのか、普通にショッピングが楽しくて時間を忘れて歩きすぎた六花は、渋々帰路につくことにした。

 

「次は平日ではなく、人が多い休日に……ん?あの方は…………」

 

次の自分の目標を定めていると、自分の前をぶつぶつ言いながら歩く見たことのあるシルエットの人物を発見した。人に話しかけることに少しの恐怖と緊張を覚えながら、話しかけようと、六花は小走りで近づく。

 

「バイトを増やすか?……いや、それより家庭教師に集中して……しかし言うことを一切聞かないし……」

 

「あ、あのっ!」

 

「うわっ!?お、お前…じゃなく六花…か?」

 

「は、はい!」

 

そう、私の前を歩いていたのは以前私が醜態を晒してしまった、男性の方でした。

 

 

 

 

 

 

「紹介が遅れてしまい申し訳ありません。私、中野姉妹の末っ子、中野六花と申します。以前は初対面であるのに対し、あの様な醜態を晒してしまい、また謝罪もないまま別れることとなり、誠に申し訳ありませんでした」

 

「俺の名前は上杉風太郎だ。こっちこそすまなかった。その、色々あって焦っててだな……怖がらせたか」

 

平身低頭して詫びる六花に、慌てながら自分も謝罪する風太郎。場所は変わってファミレス。六花が以前の謝罪がしたいと強引に風太郎を連れてきたのだ。初めは家族がと言っていた風太郎だったが、「ご家族もご一緒に」と言って聞かない六花に、風太郎が折れたのである。

 

「いえ、そんな……ほんとうに」

 

「わかったわかった。謝罪はもういいぞ。それより、それはウィッグか?」

 

風太郎は六花の頭部を指差してなぜ被っているのかと問いかける。

 

「はい、そうですね。やはり私の白髪は……………気味悪がられますので」

 

「そうか……すまん」

 

しまった、触れてはいけない部分に触れたと後悔する風太郎に、疲れた微笑を浮かべながらそんなことないですよと返す。確かに昔は嫌いだった髪だが、家では姉達やお父様が褒めてくれるので、最近ではこんな髪でも好きになりつつある。

 

そんな2人の会話をしている中、もういいかなと空気を察し、小さい女の子が席を立つ。

 

「私の名前は上杉らいはと言います!あの…お姉さん、なんでも食べていいんですか?」

 

「もちろんですよ!これは謝罪のためでもありますが、本当はお礼のためなんです。好きなの、いくらでも食べてくださいね!」

 

「すまんねぇ、俺まで呼んでもらってさ」

 

「何をおっしゃられるんですか。私は風太郎さんに感謝しているのは当然ですが、そのご家族の方にも感謝しているんです。これは当然のことですよ」

 

『いや〜しかっりしてるねぇ』『これ!食べたいです!』『いいですよ』

と盛り上がっている3人を他所に、考え込む風太郎。ジッと六花を見ていると、六花も気づいたのか風太郎の方に向き直る。

 

「どうかされましたか?」

 

「いや、六花がさっき言っていた、感謝ってのは、どう言う意味かと思ってな」

 

「あぁ、そのことですね。それはですね…」

 

そこまで言うと、おもむろに姿勢を正す。そして、すっと綺麗な座礼をした。突然の行為に驚いた風太郎であったが、なるほどと納得する。

 

「あいつらから聞いたのか?」

 

「いえ、姉達からは聞いておりませんでした。ただ、家庭教師が付くということは聞いておりました。確信はありませんでしたが、以前のインターホンの時の声と、家に来た時手にプリントを握ってらしたので、もしやと思った所存です」

 

「なるほどな…あいつらよりは賢そうだ」

 

「お兄ちゃん、どういうこと?」

 

2人だけ納得しているようだが、ついて行けていない2人は全く理解できない様子であった。風太郎は軽くため息をついたあと、らいはの方を横目で見る。

 

「つまり、今の今まで名前も知らないような間柄だった六花は俺が五姉妹の家庭教師って知ってたってことだ」

 

その話を聞いても、らいはの疑問顔は直らない。

 

「普通に、姉から聞いたんじゃないなら両親とかから聞いたんじゃないの?」

 

「家族から聞いていたら、俺の名前を知らないなんてあるか?そもそも俺が行った時玄関に出たのは六花だ。名前は知らなくても家庭教師が来ることを知っていたのならば、それで勘付いたってことだな」

 

「そうです」

 

「ふーん…なるほど…です?」

 

理解しきれないらいはが、うぬぬと悩み出したところでパンパンと軽い音がなる。

 

「はい、難しい話はここまでにして食事にしませんか?実は私、お腹ペコペコなんです」

 

「姉妹は似るというが、そういう所は五月みたいだな…」

 

苦笑いを浮かべながらも、メニューに目を通し、偶にしか食えないレストランの食事を堪能しようと脳を切り替える風太郎。4人でワイワイと楽しく食事しだす様子を、こそっと外から覗き見している影に気づくことなど、なかったのである。

 

そして、六花があることをし忘れていることに気づくことも、今の段階ではなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「六花を見つけたわ。ええ、近くのファミレスよ」

 

 

 




目指せ北海道

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