ドラえもんとオリ主の奇妙な冒険   作:クリスチーネ小林

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4話 キュゥべえ来訪

俺はドラえもんのラッシュにボコボコにされた···

 

「う~ん···イテテ···アレからどうなったんだ?」俺は目を見開くと三人が俺の顔を凝視していた。

 

「なるほど···コレは凄い!青アザだった顔が完璧にキレイに治っている···!!」

アズサが驚きの声で俺の顔を何度も見ている。

 

「コレぐらいならこの『なんでもキズバン』で簡単に治っちゃうんだ!ほら、この頬っぺたのキズも···」

ベリベリ···イテテ、キズバンとやらを外すのがイテーよ!

 

 

「いやーそれにしてもドラえもんくんの秘密道具は素晴らしい!他には何があるのかな?」

 

完全にクリスマスの日にオモチャ屋でトランペットを見る少年のような眼差しでドラえもんに注目している···

 

「それよりお前···他に言う事あるだろ?」キズは確かに治してもらったがそれとコレとは別!しっかり謝れ!

 

「なに言ってるのさ!君が僕をタヌキ、タヌキと何度も気にしているのを言って、しかも女の子を泣かせたりして完全に自業自得でしょ!」

 

ドラえもんは悪びれもせず、しれっと言い放った。オノレ~···このあお···いや、また同じ結果になるだけなので俺はぐっと堪えた···

 

「あの、気に掛けて下さるのは嬉しいのですが別に晴明さんはわたしをイジメようとしてた訳ではありません。ただ、わたしが少し勢いが凄かったのに驚いてしまっただけですので···」

 

さすが、女神様!!リンネ様の言う通りだ!さあ、正式に謝れ!今なら水に流してやるからよ!

 

「じ~~」すると、ドラえもんのヤツ白い目で、実にイヤな目で俺を見やがる!何だよその目は!謝れば水に流すと言ってやってるだけだろがっ!

 

「まあ、まあ、二人共少し落ち着こうじゃないか!二人はこれから暫くの間一蓮托生の関係なのだから···」

 

見かねたアズサが俺とドラえもんの間に入り仲介する。

 

「···アズサちゃんから話しは聞いたよ、何でも特殊能力のスタンドとかいう能力をもらったって···だけどソコに僕が時空間の裂け目から落ちて来て君に接触···!それが恐らく原因で僕が君のスタンドになってしまったって···冗談じゃない!こんな失礼なヤツのスタンドとか言う能力にされたなんて!僕は断固拒否する!絶対一緒に冒険なんかしてやらないからね!!」

 

 

···ドラえもんは顔を真っ赤にして俺を拒絶する···バカヤロー!そりゃこっちのセリフだっつーの!誰が好き好んでこんな慇懃無礼でマイペースな青タヌキ野郎と一緒に世界を救う旅なんざできるか!こっちからお断りだ!ケッ!

 

 

「二人ともいがみ合っても何も解決しないぞ!何しろドラえもんくん···君は晴明くんのスタンドになったとゆう事は晴明くんが万が一死んでしまったら君もこの世から消滅してしまうのだから···逆もしかり!ドラえもんくんが多大なダメージを喰らったら晴明くん君の命の保証はできかねないねぇ···」

 

 

····そうだった!スタンドは本体が死ねばスタンド自体消滅する。逆にスタンドがダメージを負えば本体にフィードバックされてダメージを負う·····んっ!?待てよ?さっきドラえもんのヤツが俺をボコッた際ヤツは何のダメージを受けた様子はなかったぞ!?

 

 

「それはおそらく、晴明くんの···スタンドになったドラえもんくんは所謂、遠隔自動操縦型のスタンドになったのだと推測する。吉良吉影のスタンド、キラークイーンのシアーハートアタックと同じタイプだと思う···」

 

な、なに~よりによって吉良吉影のと同じ···イメージ最悪で厄介極まりねえじゃね~か!!

 

「君ってヤツは随分と失礼だな!」ドラえもんはまたもプンスカ怒っている。

 

「あの~スミマセン、わたしから提案したいことがあるのですが···」

 

女神リンネ様が何か思い付いたらしい。その提案とは?

 

 

「ドラえもんさん···こんな事態になったのに何も出来ず申し訳ありません。ですが、晴明さんと共に世界救済の戦いに参加し、救って下さった暁には必ずわたしの権限において貴方様を元の状態に戻し、元の世界へお帰しする事をお約束致します。どうか何卒お考え下さいまし」

 

 

別に女神様の責任ではないのに必死でこいつに頭を下げて···やれやれ、変にムキになって頭にきてた自分が恥ずかしく感じてしまうな。我ながら小さい···どうするんだよドラえもん···女神様が自分に落ち度は全く無いのにこうやって頭を下げてるんだぜ····?

 

 

「····わかったよリンネ様、だから頭を上げてよ。ついついムキになってゴメンね。僕の方こそお願いするよ、な~に僕に任せなさい!なんたって今まで色んな世界を巡り、大冒険してきた経験があるんだ!!恐竜ハンター、惑星の悪質な地上げ屋、犬の王国のクーデター、深海の支配者、魔法世界の魔王、機械兵士の侵略者、異次元世界の妖魔、妖怪達、そして未来からやって来た精霊王····!!僕はそんな困難を仲間と共に秘密道具に知恵と勇気で立ち向かい勝利してきたんだ!だから安心してね!」

 

 

「ド、ドラえもんさん···」リンネ様は、いたく感激している様子だ···つーかよぉ····何だよその、恐竜ハンターやら、精霊王やら···さすがに話し盛りすぎだろ···大体子守りロボットが何でそんな決死の冒険をせにゃならんのだ?俺はドラえもんの話しがどうにものみ込めず半信半疑だ。

 

 

一方のアズサは何やら思案している。

「女神リンネ様···そういえば肝心の報酬やら死んでしまった場合どうなるのかを聞いていなかったよ」

     

 

···あっ~!確かにまだ何も聞いていなかったな···スタンド能力とドラえもんというイレギュラーですっかり忘れてたわ···命を掛けなくちゃならないだろうからな。そこら辺はハッキリさせとかねえとな!

 

 

「あっ、すみませんすっかり忘れていました···お二人····いえ、三人様がキュゥべえの提案したゲームに勝利し、管理システムを奪還して下さった暁には願いを3つ叶えます。そしてもし、命を落とされた場合はわたしの力と権限の全力をもって再生し、元の世界に戻し、願いを一つだけ叶えます···いかがでしょうか?」

 

思いの外好条件を出してくれた!随分と太っ腹だなあ···

 

「報酬の件を切り出しておいてなんだがそんなに願いを叶えて下さるのですか?」アズサは珍しく驚いており、少し声を震わせている。

 

 

「無理矢理召喚し、わたしが不甲斐ないばかりに危険な目に遭わすのですからコレぐらい当然です!」可愛い顔で鼻息を荒くしてリンネ様は断言してくれた。なんだか嬉しい···

 

 

「それじゃ少し休憩しようか。どら焼きでも食べて♪」ドラえもんがウキウキとしてまたグルメ···?テーブルかけだったか?で、どら焼きを出し頬張る···お前これで何個食べてんだよ···アズサとリンネ様も一緒にテーブルを囲み和やかムードを出す···べっ、別に寂しくなんか、ないんだからねっ!

 

 

テーブルを囲んでいる三人を少し距離をおいている自分にドラえもんが、

 

「晴明···くんだったっけ?しょうがないから君もおいでよ」と誘う···

 

しょうがないからって何だよ···ったく、正直な所ヤツに対してまだ信用できない部分もあるし、納得していない部分もある、ギクシャクもしているが···ま、しゃあない。水に流してやるよ。精々俺のスタンドとしてコキ使ってやるさ···

 

俺は···まあ、渋々とアズサの隣りに座り、茶をすすって気を静めた。····すると、突然後方より何かが話しかけてきた!?

 

 

「随分とのんびりしているじゃないか、リンネ?」

な、なんだ!?こいつ気配を感じなかったぞ?目の前に突然、奇妙な生き物が現れしゃべった!?

 

「···キュゥべえ···!」リンネ様がどこか怯えた感じでその奇妙な生物の名を口にした····こいつが別世界からやって来て管理システムを乗っ取った侵略者なのか!?

 

 

アズサとドラえもんも、なんとも言えない緊張した面持ちでキュゥべえから視線を外さないでいた····

 

「此処には結界を張っていたハズ···どうして···?」察するに結界でこの場所にはキュゥべえが侵入しないようにしていたらしい。

 

 

「あれくらいのバリアシステム位、簡単に分析して解除するのは訳ないさ」

淡々と無表情で少年のような少女のような声で女神様の備えを嘲笑うかの様に破ってここに来たのか····!?

 

 

「ふむ、君がキュゥべえとやらか···なかなか可愛いんじゃないか?···」アズサが挑発なのか、実直な感想なのか判断のつかないことを呟いた。

 

 

「君と、隣にいる人間が今回呼ばれたゲストなんだね?」キュゥべえが淡々と聞く

 

「ああ、そうだよ初めまして私の名前は東雲アズサ、隣が御奈巳晴明、以後よろしくとだけいっておくよ····」アズサは余計なことは言わずに名前だけ述べて警戒感を顕にする···

 

 

「東雲アズサに御奈巳晴明か···覚えおくよ。で、その隣の···なんだい?青いタヌキのようなダルマは?」

 

···俺はこんな緊張状態だというのに思わず吹き出しそうになるが、辛うじて堪えっ···プッ~クックッ~···ん?

 

 

 

  ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

  ドドドドドドドド!!!

 

 

 

「···今、なんと言った···なんて言ったー!!この白まんじゅうー!!」

 

···俺の時以上にドラえもんはキレた····!アレ?なんか体からオーラみたいなの出てるぞ·····?

 

 

「許さないぞぉー!!誰がコロ助だとぉー!誰がウメエ棒のパッケージイラストのアイツだとぉー!!」

 

 

 

······いや!いや、イヤイヤ!!キュゥべえ、そんな事言ってないよ~!?

 

ドラえもんはポケットをまさぐり、奇妙なオモチャのような銃を取り出した。そんなオモチャみたいので大丈夫なのか?

 

「ジャンボガン!」なんともレトロな感じが拭いきれない銃を躊躇いもなくドラえもんはキュゥべえに向けて放った·····

 

 

  

  チュドォォォォン!!!

 

 

 

俺は今凄く現実から目を背けたい気分だ···キュゥべえが存在していた部分が真っ黒焦げになり跡形もなく、ただ煙が揺らめいているだけだった···!?

 

 

俺は冷や汗が背中に絶えず流れるのを感じた···隣のアズサも何時も余裕のある表情は消し去りただ、目の前の黒くなった部分の地面を目を見開いて見つめていた······って、オイ!ドラえもん!!お前は子守り用ロボットってゆーてただろっ!何でこんな破壊力、殺傷力が桁外れな、物騒なモン所持してるんだよ!!防犯用とか言われてもオーバーキル過ぎるぞー!!

 

 

頭の中でドラえもんに対するツッコミをしていると背後から何かが近寄ってきた!?

 

 

「やれやれ、ヒドイな~これじゃあ回収不可じゃないか」ソイツは···キュゥべえはまるで何事もなくシレッと現れた!!何でだ!?ついさっき目の前で消し炭になったハズ····!?

 

混乱している俺達をなんとも思わずキュゥべえは淡々と話しをしてきた···!?

 

「僕は個体が複数あって意識を共有しているのさ。だからやられてもすぐに新しい僕がやって来れる。だけど残骸がなくなるのは流石にヒドイね」

 

 

な、なんつー生き物なんだ···

 

 

これが俺達が戦う相手なのか?俺はこんなヤツをどうやって倒せばいいんだ?歯を食い縛った····

 

 

 

 

 


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