こんにちは僕、ドラえもんです。22世紀に帰る最中時空乱流に巻き込まれて気づけば見知らぬ場所に落ちて御奈巳晴明という人物のスタンドになっちゃったんだ····これから僕はどうなるの~!?
同じ学校のクラスメイトの東雲アズサちゃんに詳しく話しを聞くと、何でもキュゥべえとかいう別世界の侵略者に世界の治安と管理を担っている女神様の管理システムを乗っ取られちゃったんだって!それは大変!でもこの晴明とかいうヤツは事あるごとに僕をタヌキ、タヌキと連呼してくる!失礼な、僕はタヌキなんかじゃない!ネコ型ロボットだって何べん言わせれば気がすむんだ!
いくら自分の能力が事故で僕になってしまったからと言ってヒドイじゃないか!絶対こんなヤツとは一緒にいけないね。····えっ?何だって!?スタンドになった僕はこいつに何かあったら僕まで消滅するだって?冗談じゃない、こうなったら秘密道具で無理矢理にでも···
女神リンネ様から頭を下げられて僕は自分がみっともなく取り乱したのを恥じた····可愛い女の子の頼みを断ったらロボットが廃るッてね!よーし任せなさい!伊達にのび太くん達と何度も大冒険をしてたワケじゃない!
突然、事件の首謀者であるキュゥべえとかいうヤツが現れた!何だ?見たこともない生物だぞ!?人の言葉を喋って科学システムにも精通している。こんなヤツを見るのは初めてだ!
····誰が青タヌキだってー、誰がダルマだってー、誰がコロ助だってー、誰がウメエ棒のパッケージイラストのアイツだってー!!こんな屈辱に流石の僕でも我慢の限界だ!!おのれ~目にもの見せてやる!ジャンボガン!!ふふふ···やってやる、やってやるぞ~、侮辱という行為に対してはアレするのも許されるんだぜ~!!
ヤッてしまった···でも案外なんて事ないね····と、思っていたらなんと!キュゥべえのヤツは生きていた。何でも集団にして個体という特殊な生き物らしい···僕は心のどこかでホッとしてしまう···でも、それとこれとは別だ!!
☆☆☆
俺、御奈巳晴明は正直言って弱腰になっている···こんなヤツ、どうすりゃ勝てるんだ?そんな俺とは裏腹にアズサは···
「···キュゥべえ···キミは規格外の生物のようだね···せっかくだから尋ねるが、何故キミはこの宇宙を狙っているか教えてはくれないかね?」
アズサは努めて冷静にキュゥべえから情報を聞き出そうとする。弱腰になっている俺と違って、本当にアイツはスゲエよ····
「ああ、別に構わないよ。特にこちらに不利益になることは無いからね」
キュゥべえが自分達の目的を語り始めた。
「···僕の目的···それは僕の宇宙の寿命を延ばすこと、それだけさ、それだけなんだ···君はエントロピーという言葉を知っているかい?」
アズサはすんなりと答える。
「熱力学における方向性のある現象の度合いを数値化したもの、より正確に言うならば熱力学における不可逆性の度合いを数値化したものつまり方向性のある現象を········」
····うん…なんとなくしか分かんねーわっ···俺ってやっぱバカだわ····
「うん、そのとうりだね。さっきも言った僕の元いた宇宙の延命····そのためにこちら側にまで来たんだ」
······俺、置いてきぼり喰らってる·····
「そこの君にも解りやすく説明するとエントロピーというのはね例えると焚き火で得られる熱エネルギーは木を育てる労力と釣り合わない···エネルギーは姿を変換するごとにロスが生じる····
つまり、宇宙全体のエネルギーは目減りする一方なんだ。だから僕たちは宇宙の寿命を延ばすため、熱力学の法則にとらわれないエネルギーを望んでいる」
「へっ、へえ~···な、なるほど····え~····つまりそっちの宇宙の延命のためのエネルギーがそっちだと余りに無駄が多いから、より効率的で法則···規格外のエネルギーを得られる手段をこっちの···つまり俺達の宇宙から見つけ出せた···だからこっち側の宇宙が欲しいと···」
···だ、大丈夫だよね?概ね間違ってないよね?俺だけ的外れじゃないよね?
「うん、まあ、もっと簡潔に言うとそうなるね」
····はぁ~!!よ、よかった~!!
「うん!流石は我が親友晴明くんだね!」
アズサがやけに嬉しそうに誉めてくれる···
「キュゥべえ···支配する権利を得るためわざわざゲームで決めるという事はお前自身は完全に管理システムを乗っ取れていない···そうだな!」
ドラえもんが勇ましくいい放つ···た、確かにそうだ!俺らとゲームをして決めるなんて回りくどい事せず最初に管理システムを牛耳った時点で作戦は終わっていたハズだもんな!
「····君の言うとうりさ、残念だけどさすがはこちら側の高次元生命体の管理システムだ····完全掌握には至れなかったよ。なるべく年若く、まだ未熟なタイプの支配している世界を選んだんだけどね····少し当てがハズれてしまったよ···」
「それでリンネ様の管理システムを狙ったと···なかなかに虫酸が走るじゃないか·····!」
何時も飄々としているアズサが珍しく苛ついている····ちなみに俺もだっ····!
そしてコイツも····
「そんな身勝手な事、許せる訳ないだろ~!!絶対に阻止してみせる!22世紀のロボットの意地を見せてやる!」
···へへっ、なんだよお前···格好いんじゃないか!熱いじゃねえか···燃えてくるぜっ!
「やれやれ、そんなに目くじらを立てる必要はないと思うんだけどなぁ…」
やかましい!立てるに決まってるだろがっ!
「支配するといっても此方側の宇宙の損害なんて微々たるモノなんだ。君たちだって生命と文明の維持の為に様々なモノを犠牲して成り立っているだろう?だったらほんの少し位僕らの宇宙の為に犠牲になって良いと思わないかい?」
「そんなメチャクチャな理屈が通ると思っているのかー!!×3」
俺とアズサ、そしてドラえもんがハモって一斉にキュゥべえに突っ込んだ!
なんと言うか…此方の理屈とか全く通用しない人間の感情を全く理解していないのかこいつは?
「やれやれ、人間というのは本当に非合理的だね。理解し難いよ⋅⋅⋅仕方ない、当初の予定どうり僕たちと君たちとのゲームを始めようか⋅⋅⋅⋅」
そう言うとキュゥべえは背中から宝石のようなものを吐き出した!?
本当に何なんだよコイツは⋅⋅⋅⋅⋅
「これは異世界転移するためのゲートジュエルさ。これを使って世界を渡り僕たちが用意したボス、全て倒したら君たちの勝利だ、晴明、アズサ、君たち二人が死んだら僕たちの勝利だ」
⋅⋅⋅⋅コイツに名前を呼ばれると何故か無性に腹が立つな⋅⋅⋅⋅⋅
「ふむ、いくつか質問なのだが、ボスとは明確に分かるのかい?そして幾つ世界を巡り、何体のボスを倒せばいいのかしっかりと明瞭にしてもらいたいね⋅⋅⋅⋅」
流石はアズサだ!俺は怒りと嫌悪感で頭が一杯なのにアズサは努めて冷静に思考している!頼もしいヤツだぜ!
「⋅⋅⋅やれやれ、しょうがないな答えてあげるよ⋅⋅⋅一つの世界につき、ボスは
1~2体ぐらいかな?巡る世界は8~から12ぐらいかな⋅⋅⋅⋅」
⋅⋅⋅⋅何だよっ、その妙に曖昧な感じの答えは⋅⋅⋅⋅場合によっちゃあ、幾らでもテメーらの都合のいいように出来るような曖昧な答えをしやがって!!
「⋅⋅⋅なるほど、なるほど⋅⋅⋅⋅キミは我々をコケにしているんだね⋅⋅⋅」
あっ、アズサのヤツ、静かにキレていやがる!?
「⋅⋅⋅⋅キミはまともに答えるつもりが無いらしいので一つ私から提案しよう⋅⋅⋅キュゥべえ、キミは自分達だけ勝利した時の旨味はあるじゃないか⋅⋅⋅⋅それに対して我々が勝利しても此方にはメリットが無い⋅⋅⋅⋅そこで我々が勝利した暁にはキュゥべえ⋅⋅⋅キミたちは我々とリンネ様に忠誠を誓い、キミたちが持つ力と知識全てを寄越してもらおうか⋅⋅⋅⋅まさか、自分達だけ一方的に条件を押し付けてそれでまかり通るとは思って無いだろうね⋅⋅⋅⋅」
ドドドド・・・ ゴゴゴゴ・・・
俺の目にはアズサが身体からオーラを迸らせ、スタンドを発現している!!
凄まじいプレッシャーを感じさせる⋅⋅⋅⋅
アズサのスタンドが右手をキュゥべえに向ける。すると⋅⋅⋅⋅
ベコォ、ズギャン!!!
キュゥべえの体が突然へこみ、地面に張り付いた!?
「あっ、アズサ!今のは一体⋅⋅⋅何をしたんだ!?」俺はキュゥべえが酷い目に合った喜びよりもアズサが何をしたのかの方に興味がいった。恐らくアズサのスタンドの能力なんだろうが⋅⋅⋅⋅⋅!
「ああっ、驚かせてしまった様だね⋅⋅⋅⋅私としたことが、つい、感情のままにヤってしまったよ⋅⋅⋅すまない。お察しの通り私のスタンドの能力だよ。感覚的に理解出来たので使ってみた。能力は重力を操れると、いった具合だ」
「じゅっ、重力を操れるだと?それって超強力でカッコいいじゃないか!!」
俺は心の底から羨ましくなってしまう。
「そっ、そうかい!?カッコいいかい⋅⋅⋅⋅イヤ~照れるねぇ~♥」珍しくアズサは有頂天になっている。
「あっ、そうそう私のスタンド、名前も実は既に決めてあるんだよ!その名も⋅⋅⋅アビス・ノクターン
(深淵なる夜想曲)!!どっ、どうかな?晴明くん⋅⋅⋅?」
「名前もかっちょえ~!!」俺は息を吐いて言った。アズサはさっきまでの静かな怒りは何処かへと消え、ドヤ!と、言った表情をしている。
「ヤレヤレ、また回収が難しい状態じゃないか⋅⋅⋅酷いことをするねぇ⋅⋅⋅⋅」
ワクワク・テカテカした空気はソイツ⋅⋅⋅⋅⋅新たにやって来たキュゥべえにより掻き消されてしまった。やはりコイツの倒し方を見つけないと勝ち目が無いと俺は思う。
「やあ⋅⋅⋅⋅すぐに来ると思っていたよ。それで、さっきの条件は飲むんだろうね?」
「まあ、君たちが納得できるのなら僕たちも約束しよう⋅⋅⋅⋅まあ、かなり厳しいと思うけど」
アズサとキュゥべえは互いに目線を合わせ見えない火花を散らした。
「それじゃ、僕たちは遠くから観察させてもらうよ。それじゃ」
新しく来たキュゥべえはぺちゃんこになったもう一体の自分を何の感情も見受けられない瞳で一瞥すると早々に何処へと駆け出して消えていった⋅⋅⋅⋅
「あんなに不気味な生物を僕は初めて見るよ⋅⋅⋅今までの冒険した経験からみても余りに異質だ⋅⋅⋅!」
ドラえもんのヤツはシリアスな面でぼやいた。何のかんの言いながら俺はコイツの事を頼もしく感じている。まっ、本の少しだけだけどなっ!
「あっ、あの~皆さん⋅⋅⋅⋅⋅⋅」すっかり空気な感じの女神リンネ様が困り顔で俺たち三人に話しかける。
「いや、その、リンネ様、勝手に話しを進め、挙げ句にヤツをやってしまって申し訳ない⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
アズサは膝をついてリンネ様に謝罪した。俺も同じようにする。
「あっい、いいえ、別に怒ってなんかいませんよ!寧ろキュゥべえ相手にオロオロしていた自分が恥ずかしくなる位で、その、アズサさんとても⋅⋅⋅⋅格好良かったです!」
⋅⋅⋅⋅⋅女神リンネ様は頬を赤く染めてアズサにお礼を言う⋅⋅⋅⋅ああ⋅⋅⋅⋅こりゃ、アズサに惚れる⋅⋅⋅⋅⋅⋅と迄は行かないがそれに近い状態になったなと俺は思った。恐るべしアズサのカリスマ!!こうやって周りを見ると俺って本当に居る意味はあるのか?とっ、自分の存在意義を疑ってしまう。まっ、自分は自分の出来る事をするだけだがな⋅⋅⋅⋅
アズサのスタンドのラッシュ時のかけ声募集中です。何かいいのがあったら教えて下さい。