ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク)   作:RIM-156 SM-2ER

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皆さまどうもSM-2です。
皆さまにここでお知らせがございます。一応、毎週火曜日18時投稿とさせていただいておりました本シリーズですが。作者が無計画にシリーズを増やしたので執筆活動が追い付かないという事態が発生しております。
なので、投稿を不定期と代えさせて頂きます。ですが火曜日18時に投稿は変えるつもりはございません。
楽しみにしてくださっている読者の皆様にはお詫び申し上げますm(_ _)m
では本編どうぞ


第10話 会談

―扶桑皇国首都東京―

4月のあたたかな陽気に包まれ、ところどころで桜が咲いている扶桑皇国首都東京。そのど真ん中を黒塗りのレトロな高級車の車列が進んでいた。沿道には多数の住人が並んでおり白地に赤丸(恐らく日本国旗を真似して作ってる)の小さな旗や扶桑皇国の国旗を持っている人間も大勢いた。

高級車の中にいるのは日本国から派遣されてきた特命全権使節団だ。彼らは扶桑皇国の国家元首である帝に謁見した後、両国代表者会談が開かれる高級ホテルに向かっていた。

 

「しかし・・・・・みれば見るほど戦前の日本そっくりだ・・・・・」

 

屋中は車窓から見える景色を見ながらそう呟いた。確かに、和装の女性や浴衣姿の男性もいれば洋服に身を包んだ人物もいる。車両は見えないが路面電車の線路が道の真ん中に通り、人力車がところどころで止まっている。よく古い映像で見る戦前の日本の姿がそこにはあった。

 

「軍艦や皇居で見た戦車も旧軍のに近かったですね・・・・・」

「ふー・・・・・まるで日本のコピーみたいじゃないか・・・・・」

 

同乗していた総合外務政策局新興国外交推進室の参議官でこの特命全権使節団の副使節である野口(のぐち)

 快人(かいと)の言葉に屋中は溜息をつきながらそう言った。

 

「戦前日本みたいに軍部の力が強いなんてないだろうな・・・・・・」

 

屋中は少し不安を覚えるのだった。

―――――――

会談場所についた一行は3時間ほど打ち合わせを行い、その後ホテル内に設置された会談場所に向かった。

扶桑皇国側は外務省条約局第1課と通商局第1課と第6課、商工省貿易局第1部企画課からそれぞれ4人づつの担当者が、日本国側からは外務省総合外務政策局新興国外交推進室と国際法局条約課と経済条約課からそれぞれ4名、経済局政策課、経済産業省通商政策局国際経済課からそれぞれ2名ずつの担当者とそれぞれ両国の代表者が2名ずつの合計36名による実務者協議だった。

 

「日本国外務省外務副大臣の屋中です。本日はよろしくお願いします」

「扶桑皇国外務省外務副大臣の磯部です。こちらこそよろしくお願いします」

 

まずはお互いの自己紹介であった。屋中は相手側の出席者に軍人もしくは軍関係者らしき人間がいないことを見て「戦前日本のように軍部が政権を握っているということはなさそうだ」と安心する。

簡単に自己紹介を終えるといよいよ本題の実務者協議に入る。

既に会談前にお互いが用意した資料を両者とも読み込んでいる。扶桑側は「扶桑皇国概要説明資料」「扶桑皇国ノ要求内容」「扶桑皇国及ビ日本国間ノ各種条約案」の3種類が日本側からも同じように「日本国概要資料」「日本国政府の公式要求内容」「各種条約案」の資料が渡されていた。

 

「資料は読ませていただきました。貴国と我が国は類似点が多くあることに驚きました」

 

磯部は居並ぶ日本側外交官にそう言った。すると屋中がそれに柔和な笑みを浮かべて答える。

 

「ええ、私も同じです。貴国と我が国はお互いを理解し合い、必ずや良い関係が築けると確信しました」

「私もです・・・・。条約の内容もおおむね合意できそうです」

 

磯部の答えを聞いても外交官たちは安心できていなかった。なぜなら扶桑側から配布された資料にはデリケートに扱わざる得ない内容が含まれていたからだ。

 

「ですが、我が国の要求も飲んでいただきたい。()()()()()()()()()です」

「・・・・・」

 

資料の「日扶安全保障条約案」には有事の際に日本が扶桑の味方となって参戦することやその際に扶桑が日本国国防軍に最大限の協力をすることなどが盛り込まれていた。おそらく先日の戦闘をみて、日本の軍事力に魅力を感じたからだろう。

この世界よりも圧倒的に技術の進んだ前世界において日本は世界第4位、NATO諸国のなかでは2位の軍事力を誇っていた。アメリカやロシア、宿敵中国がいないこの世界において日本は軍事力世界1位だろう。

 

「貴国と安全保障条約を締結をしたとして我が国に一体どれほどのメリットがあるのでしょう?」

 

骨折り損のくたびれ儲けだけはしたくない。この安全保障条約で活動することになるのは国民の血税で養われている国防軍なのだ。国防軍の行動が日本に何らかの利益をもたらさないことは国民への裏切りと同じなのだ。

 

「貴国は鉱物資源や食糧を要求してきましたね・・・・。これらを格安で貴国に輸出するのはいかがでしょう?」

 

魅力がないわけではない。だが足りない。国防軍が関係ない戦争に巻き込まれて出る損失と得られる利益がまるで吊り合っていないと日本側の外交官は感じた。

そもそも日本の基幹産業はサービス業と加工貿易だ。とくに加工貿易は外貨獲得などで大きな収入源である。ならば要求する内容は一つに絞られてくる。

 

「ふむ・・・・足りませんね。では我が国から輸出される工業製品の関税の大幅な引き下げ、それとこの関税を固定化し変更は両国の同意が必要とさせていただきたい」

 

簡単にいえば、日米通商修好条約のような内容だ。関税は本来その国の産業を安い外国製品から守るために存在する。その関税を引き下げるということは外国製品の流入で国内の産業が衰退するという危険性があるのだ。特に日本製品は前世界に於いても品質が良いことで有名だった。その製品が格安で入ってしまえば扶桑の産業はあっという間に駆逐されるだろう。

 

「・・・・・検討しましょう・・・・」

 

磯部は暫く考えた後、そう苦々しく言った。屋中も安全保障条約程度でそこまで譲歩するということはかなりこの国が危機的状況である可能性が高いと判断した。

 

「なぜ・・・・貴国は我が国との安全保障条約をそこまで熱望するのですかな?」

 

屋中はそう尋ねた。それは日本の外交官全員が思っていたことだ。いくら日本の軍事力がトップクラスといえ、それなりの事情がなければ国内の産業を犠牲にしてまで安全保障条約を結ぼうとはしないだろう。

磯部は暫く黙っていた。だがゆっくりと話し始めた。

 

「・・・・我が国は怪異との戦争の真っ最中なのです」

 

怪異。この世界に転移してきた当初に国防空軍・海軍が交戦した未知の物体。ビームのような物を装備しており、コアと呼ばれる熱源を破壊しない限り再生するという報告書を彼らは読んでいた。

 

「怪異は1914年に突如発生し、ビームや銃弾、爆弾などで人類を無差別に攻撃し、周囲に”瘴気”と呼ばれる有害な物質を発する人類共通の敵なのです」

「・・・・・ふむ」

 

瘴気というものが一体何なのかはわからないが、人体に有害であるのであれば調査する必要があるなと屋中は考えた。一応、国防軍の航空機、車両、艦船はNBC兵器に対応できるようになっているがそれでも歩兵は生身だ。現在研究中の遠隔操作式2足歩行無人兵器が実戦配備されない限り、戦闘にはどうしても歩兵が必要になる。だがその兵器はいまだ研究段階で設計にも入っておらず、実戦配備には少なくとも6年はかかるだろうと聞いていた。である限り、瘴気というものがどういった物質で、人体にどう影響するのかを調査してから防護装備を作らなければならない。

すると横にいた野口がちょっとした疑問を口にした。

 

「失礼ですが、それだけ聞けば貴国の軍隊でも対処可能なのではないでしょうか?なぜ我が国の助けを求めるのですか?」

「怪異は予想できない進化を成し遂げるのです・・・・・」

 

磯部は一旦そこで区切ると、より一層悲痛な顔をして話を再開した。

1年2ヶ月前。こちらの年号では1937年7月に当時、扶桑皇国が保有していた大陸領が突如発生したネウロイに侵攻を受けた。扶桑皇国軍の必死の抵抗もむなしく敗退が重なり、ついには扶桑皇国は大陸領の放棄を決定した。

その後、怪異侵攻軍の中心と思われる超大型怪異。通称”山”が確認される。

2か月前、扶桑皇国陸軍は”山”を中心とした大規模な怪異群が、大陸領と扶桑皇国本土との間にある扶桑海を超えて本土に侵攻を開始するという予想を立てた。そのため扶桑海沖合で陸海軍共同で迎撃することを主張するも、扶桑皇国海軍が「怪異は水を越えられない」という今までの観測結果からの推測を根拠として作戦を拒否。

だが”山”が侵攻を開始したことが観測され、鶴の一声もあったことから海軍は渋々作戦を承諾。ウィッチ部隊の必死の攻撃により”山”並びにその子機である怪異群は甚大な被害を負った。しかしウィッチ部隊と海軍部隊の連絡不足により、撃退には成功するも一番の目標であった”山”は取り逃がしてしまい、甚大な被害を負って作戦は失敗してしまった*1。その後”山”は活動を休止しているものの、”山”の子機と思われる中型もしくは小型のネウロイが定期的に扶桑皇国に対し空襲を行っており、扶桑皇国は危機に立たされていることが磯部の口から語られた。

 

「ふむ・・・・・・・」

 

屋中は話をすべて聞き終えた後、顎に手を当てて思考する。

磯部たちの言うことが真実とは限らない。だが彼らの様子を見ていると、とても嘘だとは思えなかった。もちろん外交官は役者であることも求められるから、全てうその可能性もある。だが仮に、これらの話が真実であるとすれば日本は大事な外交窓口、そして貿易相手の候補を失う可能性はある。

 

――ここで扶桑皇国に貸しを作れば我が国の外交カードは増える・・・・・・

 

一国の存亡がかかわった問題だが屋中はそれでも冷徹に、そして貪欲に日本の国益を考えていた。外交官にとっては長期的に国の利益になるか、それだけが問題なのだから。

屋中はにっこりと笑うと口を開いた。

 

「わかりました・・・・。貴国以外の第3国にも確認を取らせていただきます。他国と国交を結び、貴国の話が本当であるという確証を得てから安全保障条約の締結を検討させていただきます。それでどうでしょうか?」

 

かなり悠長だが、あせってかかわらなくてもいい戦争にかかわることは避けたい。ならばこの方法が最も良いのだ。

だが磯部たちはかなりうれしそうな顔をしていた。

 

「あ、ありがとうございます。その方針で参りましょう」

「ええ。ではほかの条約についても話を煮詰めていきましょう」

 

屋中は話を進めるよう促すが心中では「気持ちが外見に現れるなんて・・・外交官に向いてないじゃないか?」と思っていた。

―――――

2週間後。扶桑―日本は日扶友好条約(にちふゆうこうじょうやく)並びに貿易協定、経済協力協定、社会保障条約をはじめとした10以上となる各種条約・協定を締結。正式に国交を樹立した。

世界各国では、彼らにとって謎多き新興国である「日本」と、末席ながらも列強に名を連ねる「扶桑皇国」が国交を結んだことに注目が集まることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
公式見解ではそうなっているが、真相は海軍軍令部の一部高級将校がウィッチ部隊を疎ましく思っており、手柄を独り占めしたいがために意図的に必要な情報の連絡を怠り、部隊を勝手に動かし攻撃を開始したことが原因




いかがでしたでしょうか?
最近、切実に文才が欲しいと願う。ストーリーや台詞はまぁまぁいいんだけど・・・・いかんせん他の部分がねぇ・・・・。文才のある人に嫉妬してしまう。しばらくいろんな本読み漁ろうかなぁ・・・・。
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次回 第11話 派遣決定

お楽しみに。

ネウロイの瘴気の正体は?

  • 1:放射線もしくは放射能物質
  • 2:有毒な重金属などの微粒子
  • 3:毒ガス
  • 4:日本でもよくわからない
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