ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク) 作:RIM-156 SM-2ER
国家安全保障会議が開かれた5日後。防衛省では作戦会議が開かれていた。
国家安全保障会議で議題に上がったレポートについて検証し、次なる作戦を立てるために会議が開かれたのだ。
「・・・・はぁ。恩を仇で返すとはこのことですな・・・・」
陸軍司令長官がため息をついてレポートをテーブルに放り出す。もはや怒りを通り過ぎて呆れの感情をあらわにしていた。ほかの出席者たちも同じような反応をしていた。
もともと助けを求めてきたのは彼らの方であった。それなのに助けるのに必要な情報を隠していたのだ。呆れるほかないだろう。
「まったくだ。助けてほしいと泣きついてきたのはあちらだろうに」
海兵隊のトップである海兵隊司令長官も不機嫌そうにしながら、陸軍司令長官の言葉に賛同した。彼らからすれば、己のメンツばかり気にするような連中のために部下の命を危険にさらすことは、非常に馬鹿らしいことこの上ないのだ。
「まぁ・・・・しかし、こんな大ごとを見抜けない扶桑政府も不甲斐ないな」
「今までの努力と戦費を返してほしい。わが軍の兵器は金がかかるというのに・・・・」
会議室は「扶桑を助けることが馬鹿らしい」という雰囲気になっていた。すると統合司令長官が彼らをたしなめる。
「まぁまぁ。扶桑皇国に住む民間人らに罪はないんだ。奴さんらにはあとで何かするとしても、今は”山”をどうするかを考えよう」
「そうですな・・・・」
彼らはいつまでも駄々をこねる子供ではないのだ。気持ちを切り替えて”山”をどうするかの作戦を練り始めた。
「まずは、このレポートを分析した結果を聞こうか?」
「はい」
統合司令長官がそういうと、JDCFの統合情報総監部*1の参謀が立ち上がる。彼はモニターの前まで行くと説明を始める。
「統合情報総監部の川西であります。では本レポートの検証の結果、判明したことをご報告させていただきます」
海軍大佐の階級章を付けた川西は、短く自己紹介をすると説明を始めた。
「まず、”山”の装甲の強度であります。これまでの作戦の結果、装甲の強度の、推定される下限は判明しておりましたが上限は未知数でありました」
ここで言った言葉を区切ると、レポートを手に取る。
「しかし、このレポートを検証した結果、レールガンでも十分に貫通可能であることが判明しました」
核兵器を使わなくても対抗可能であるというのは、彼らにとってうれしい知らせだった。心なしか海軍上級大将の顔もうれしそうに見える。彼も本心では核兵器など使いたくはないのだ。
「それを踏まえた、ここからの作戦方針ですが作戦部の宮古中佐に引き継がせていただきます」
そう言って川西はお辞儀をすると、代わりに国防陸軍の軍服を身にまとった女性が出てきた。
「これからの作戦方針を説明させていただきます。宮古です」
宮古がそう言うとモニターに、国防海軍の誇るイージス巡洋艦「あがの」型の写真とその主砲の写真が映し出された。
「まず、今回の作戦には「あがの」型ミサイル巡洋艦の搭載する8インチ電磁速射砲を使用します」
「地中貫通爆弾や貫徹弾頭の空対地ミサイルではだめなのか・・・・?」
防衛大臣は宮古に質問する。その質問は予想できていたらしく、慌てることなくモニターの動画を、”山”偵察時の写真に変えて説明を続ける。
「確かに水平面があるなら地中貫通爆弾でも対処可能でしょう。しかし、”山”は約45度の角度がついた四角錐の形状をしているので水平面はなく、周りは分厚い装甲に囲まれております」
またもやモニターの映像が代わる。今度はどうやらシミュレーション映像のようであった。斜めに傾いた分厚い板のようなものと、爆弾のようなものが写っている。
「これは?」
「現在、推定される装甲強度をコンピューターに入力し、BLU-109が命中した状況をシミュレーションした映像になります」
そう言うと宮古は動画を再生する。すると動画内のBLU-109と思わしき爆弾が落下を始める。
スローモーションらしく爆弾の落下はとても遅い。それでも確実に板に落ちていく爆弾。ついに板とあたり、そのまま板にめり込むと思いきや、そうはならなかった。
爆弾は滑るように方向が変わり、そのまま板の上を滑る。
そこで動画は終わった。
「やはり、そうなるか」
ある程度、予想はできていた空軍司令長官はそうつぶやく。ほかの参謀らも予想できていたらしい、みんな空軍司令長官と同じような反応だ。
「このシミュレーションでもわかりますように、地中貫通爆弾の場合は傾斜した装甲に刺さらずに滑ってしまいます。空対地ミサイルも同様です。ですので、傾斜装甲も無効化できるレールガンを使用するしかないと考えました」
「なるほど・・・・」
映像を交えて説明したことで、防衛大臣もレールガンを使用する理由が理解できたらしい。
「では具体的な作戦は?立ててあるのか?」
「はい。すでに統合作戦総監部では、海軍作戦部、空軍作戦司令本部、海兵隊作戦本部とともに次なる”山”攻撃作戦を立案しております」
宮古は防衛大臣の問いに自信ありげに答えた。
「では作戦の説明を頼む」
「はい」
宮古は持っていたレーザーポインターの電源を入れると、説明を始めた。
「まず、本作戦に参加する部隊は海軍第1空母打撃艦隊及び第2艦隊です」
空母2隻、イージス艦9隻、汎用巡洋艦1隻、汎用駆逐艦8隻、潜水艦4隻の合計24隻の艦艇とヘリ61機、戦闘機54機などを含む航空機115機。総兵力約8,000名の部隊である。
「なかなかの大兵力じゃないか・・・・」
「後方支援としては第2空母打撃艦隊、第1揚陸艦隊、海兵隊第82海兵戦闘航空団、陸軍第1高射砲兵連隊が扶桑皇国上空の防空任務を担当します」
それに空母1隻、イージス艦5隻、汎用駆逐艦4隻、潜水艦2隻、強襲揚陸艦2隻、ドッグ型揚陸艦4隻の計18隻とヘリ52機、戦闘機126機、その他航空機21機が加わり、最終的に作戦参加戦力は艦船42隻、航空機314機、総兵力は約25,000名となるのだ。
彼らの予想を大幅に超える大戦力に、参謀らは驚きを通り越して苦笑する。
「これだけの大戦力を投入してどのように戦うのだ?」
「はい。まず、レールガンについてですが、わが軍が運用する8インチ電磁速射砲の最大射程は360km。対地有効射程180kmです。しかし、”山”のコアを正確に射撃するためにはコアの赤外線を探知し、誤差10センチ以内で目標に命中させねばなりません。そのためには目標の15km圏内に接近せねばなりません」
15kmは現代戦ではありえない至近距離であり、何よりネウロイのビームが十分に届く距離であった。あまりにも近すぎる距離であった。なにより戦闘機よりも鈍重な水上艦艇ではビームが当たってしまう可能性が十二分にあった。
「近すぎる・・・・」
「危険だ」
反対意見は当然のように上がる。国防海軍軍令部との会議でもこの距離は問題となった。しかし、現状ではどうしようもないのだ。
「わかっていますが、これ以外に方法がありません。一応、対策は考えてあります」
「どうするというのかね?」
モニターの映像は浦塩周辺の地図に変わる。浦塩には赤い点が、それから離れた海上には青い大きな点が描かれている。
「まず、浦塩南方600kmに位置した第1空母打撃艦隊と第2艦隊からなる連合艦隊よりイージス巡洋艦”なか”と護衛のイージス駆逐艦”あたご””なす”の3隻が離脱し、浦塩に向かいます」
大きな青い点から小さい点が分裂すると浦塩に近づく。これがイージス艦3隻からなる攻撃部隊なのだろう。
「その後、攻撃艦隊が目標地点南方100kmまで接近するのを待って、”あかぎ”よりF/A-3B2機からなる第1次空爆部隊が発進します」
「この空爆部隊の任務は何なのだ?」
海兵隊司令長官が質問する。たしかに、すでに中型怪異は撃破しているし、”山”にはレールガンか核兵器ぐらいしか効かないのはわかっている。ならば何に空爆を行うのか。まったく見当がつかなかった。
「陽動です。早い段階から空爆を行うことで敵の目をなるべく空に向けます」
「これが・・・・貴官の言っていた対策かね・・・・」
「はい・・・・」
海兵隊司令長官の問いに、宮古は悔しそうに答えた。これは対策というより運の要素が強く、やらないよりはまし、という程度の対策であった。宮古もそれは十分に承知していたが、これが今できる精いっぱいの対策であった。
「うーむ・・・・。この件はあとで考えよう。話を続けてくれ」
「はい。その後は30分ごとに空爆部隊を飛ばし、計3回空爆を行います。その後、攻撃艦隊が目標地点まで25kmに接近するとF-3516機からなる制空戦闘機部隊とF/A-3B8機による攻撃隊が発進。攻撃艦隊の突入と同時に空爆を開始します」
地図が拡大されて、浦塩周辺の地図が映し出された。三角の青いアイコンが2つと五角形の青いアイコン1つ、が描かれている。
「空爆完了と同時に”やはぎ”が砲撃を開始し、目標を破壊します」
宮古はそう言うと、説明を終えた。作戦を初めて聞いた参謀たちは難しい表情をし、事前に知っていた参謀らもなんとも言えない表情をする。
「運の要素が強いんじゃないか?」
「ああ、”やはぎ”が砲撃地点まで無事でいられる保証はない」
作戦の成功を懸念する声が上がる。彼らの心配は最もで、健全と言えた。参謀の仕事は自身の立てた作戦を成功させて誇ることではない。彼らの仕事は作戦を立てて、欠点を議論し、少しでも現場の人間の損耗を減らすことである。
「だが、これが今できる精いっぱいだな・・・・。これ以上は核兵器を使うしかない・・・・」
陸軍司令長官がそうつぶやく。
「うーん・・・・どうにかできないかなぁ・・・・」
それでも参謀らはどうにか対策ができないかどうか悩んだ。会議室内にいる全員が頭を悩ませる。
「ん?そういえば・・・・」
一人の空軍参謀が何かを思い出したように持っている資料をあさる。突然のことに、彼が何をしているのか、周りの人間は気になって覗き込む。
「どうしたんだ・・・・?」
そんな問いにも答えずに彼は資料をあさり続ける。
「たしか・・・・この辺に・・・・あった!!」
ようやく目的の資料を見つけたらしく、彼は一つの紙の束をつかんで、歓喜の声を上げた。その資料には「機械化航空歩兵及び機械化陸戦歩兵に関する資料」と題がうってあった。
「それは・・・・?」
「これは扶桑皇国から渡されたウィッチに関する資料です。これによると・・・・」
ペラペラと資料をめくる。しばらくすると目的の項目を発見したらしく、それを指さしながら会議室にいる全員に見せる。
「ウィッチはシールドと言うものが使えるようです。これは怪異による攻撃を防ぐことが可能らしく、これを使えないでしょうか?」
思わぬ発見に会議室が色めき立つ。もしかしたら被害をほぼ出さずに”山”を破壊できるかもしれない。
「な、なるほど・・・・。そのシールドとやらを使って”やはぎ”を砲撃地点まで護衛するのか」
「いけるかもしれん・・・・」
すると彼の報告を受けて、同じ資料を確認していた海軍の参謀が何やら見つけたようだ。
「・・・・待ってください。シールドを効率的に使用するにはストライカーユニットというものが必要なようです」
「ストライカーユニット?」
「はい。ウィッチが装着する装備のようです。ストライカー本体と発進装置とやらが必要らしいです」
資料内に添付された白黒写真を見る。ふむ、と統合司令長官が顎に手を当てて考えると海軍司令長官の方を見た。
「なるほど・・・・そういえば”あかぎ”にはアドバイザーのウィッチが乗船していたな?」
「はい。そうですが・・・・」
海軍司令長官はこくりと頷く。
「ならば”あかぎ”にストライカーユニットを持ち込んで運用してもよかろう」
「つまり”あかぎ”からウィッチ隊を発艦させて攻撃艦隊の護衛をしていただくわけですね?」
シールドの正確な強度はわからないが、挺身作戦時にはウィッチ隊からの死者はなかったとのことだからネウロイの攻撃を防げるだろう。先ほどの作戦に比べて成功率は格段に上がった。
統合司令長官はひじ掛けを拳でトンと軽くたたく。
「よし。この方針で行こう。至急、作戦概要をまとめてくれ・・・・」
「了解しました」
作戦会議はここで終わった。
その日のうちに国防軍より政府に”山”攻撃作戦――インドミタブル作戦の作戦概要書が提出され、国家安全保障会議が開かれた。国家安全保障会議で作戦が認可された。あとは扶桑皇国の協力を取り付けるだけとなったのだ。
ついにこの戦争を終わらせる光明が見えてきた。
北朝鮮の軍事パレード。多数新型兵器が出てきたんだとか。ニュースでやってるICBMなど以外にも新型戦車や装甲車、地対空ミサイルなどなど色々出てきたようで。今の自衛隊の装備で十分日本を守れるんですかねぇ。日本が核の傘に入っているとはいえ、非常に不安です。
ロシアも極超音速ミサイルの開発に成功したようですし、中東あたりのどっかでは戦争が始まったし
非常にきな臭い。自衛隊は、特に陸自は実戦に耐えれるだけの装備を配備してくれ。せめて装甲車にエアコンを、普通科に米軍並みの衛生装備を!
常日頃より私の思っていることです。
次回 第22話 作戦前
ネウロイの瘴気の正体は?
-
1:放射線もしくは放射能物質
-
2:有毒な重金属などの微粒子
-
3:毒ガス
-
4:日本でもよくわからない