ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク) 作:RIM-156 SM-2ER
1939年2月22日。
ジャッジメント作戦が失敗した後も国防空軍はRF-3戦術偵察機とE-1早期警戒管制機*1による”山”の監視任務を続行していた。
この日の午前6時、扶桑皇国上空で監視任務についてたE-1早期警戒管制機のレーダーに何かが探知された。これを受けて国防空軍は至急、RF-3偵察機を浦塩に急行させた。
「一体何だというんだ・・・・」
RF-3の機長はE-1からのレーダー情報を確認しつつ、この反応の正体がわからずに首を傾げた。しばらくすると、徐々に水平線の先に浦塩が見えてくる。
そこには四角推の影が見えてくる。高度をさらに上げて、カメラを起動させて、影の正体を探る。
「な、なんだと・・・・」
「あ、あれは・・・・」
その正体は”山”であった。四角推のネウロイは土埃をあげて、徐々に高度を上げていく。
「司令部に報告しろ!急げ!!」
この知らせはすぐさま日本本国に伝えられ、扶桑皇国派遣部隊総司令部にも伝えられた。それは無論、東シナ海で訓練を行っていた第1空母打撃艦隊と第2艦隊の連合艦隊にも知らされた。
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”山”が行動を開始したという知らせに連合艦隊は訓練を切り上げて、浦塩に急行した。その間、連合艦隊ではテレビ会議が行われた。
「まさか、こんなに早く動き始めるとは・・・・」
インドミタブル作戦の要である”なか”の艦長がそうつぶやいた。”山”が動き出す可能性は作戦会議でも出ていたものの、いつ動き始めるのかはまったくもって予想ができていなかった。野崎は司令部からの情報を確認する。
「”山”は浦塩上空500mに上昇した後、停止していそるそうだ。しかし、いつ動き出すかはわからん」
「つまり急ぐほかないということだ・・・・」
第2艦隊の司令はため息をつきながらそういう。”山”がどれだけ上昇するかはわからないが、挺身作戦時には高度4000mまで上昇したらしい。それだけの高度を取られると、その形状の関係から距離を取らざるを得なくなる。しかし、それではコアを正確に狙うことは難しくなる。彼らは”山”がこれ以上の高度を取る前に攻撃を仕掛けにいかねばならないのだ。
「艦隊の速度を第4戦速にあげて浦塩に向かう。これしかあるまい」
その日のうちに連合艦隊は27ノットに増速し、事前の作戦で定められていた目標地点に向かった。到達予定時間は20時間後とされ、到着予定時刻は翌日3時。さらに作戦開始には、さらに10時間かかるとされ作戦開始予定時刻は13時となった。
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翌日午後3時。連合艦隊は特に問題もなく目標地点に到達した。”やはぎ”を始めとする攻撃艦隊はここで分離し、さらに10時間かけて浦塩に向かった。
「あと10時間・・・・か」
野崎は艦橋から、分離していく攻撃艦隊を確認した後に腕時計を確認してそうつぶやく。赤い警戒灯の光が艦橋内にいる幾人かの当直乗員の顔を照らす。
野崎は仮眠をとるべく、艦橋から出て行った。この戦争を終わらせるための作戦はまもなく始まろうとしていた。
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1939年2月23日午後1時。ついに”なか”ら攻撃艦隊が浦塩南方100kmに到達した。攻撃艦隊は本隊に到達を連絡した。一旦、空爆部隊との歩調を合わせるべく南方100kmで待機した。
「攻撃艦隊が目標ラインに到達した!第1次攻撃隊発艦開始!」
AGM-179を搭載した2機のF/A-3Bが発艦した。彼らは巡航速度のM1で30分かけて浦塩に向かう。攻撃地点に達したF/A-3Bは”山”のコアに向けて各機12発、計24発のJAGM空対地ミサイルを発射。JAGMの赤外線画像シーカーは怪異のコアを探知すると飛んでいく。
ミサイルは正確に命中するも”山”の装甲を貫通するには至らず、逆にビーム攻撃を受けた。しかし、ビーム攻撃はあらかじめ予想されていたため、F/A-3Bはひらりとかわすと母艦に帰っていった。
同時刻に第2次攻撃隊が発進した。第2次攻撃隊も第1次攻撃隊と同じように”山”に攻撃を行い帰還する。
この間も小松基地から飛んできたRF-3偵察機が監視を続けていた。
そして第3次攻撃隊が発艦すると、ついにウィッチ隊が”あかぎ”を飛び立った。彼女らはAR無線機に表示されるレーダー情報を頼りに攻撃艦隊のもとに向かう。
そして第3次攻撃隊の攻撃が成功すると”山”がついに動き出した。
「”山”が再び動き出したぞ!詳細を司令部に伝えるんだ!」
RF-3偵察機からの報告はすぐさま全部隊に通達された。レーダーを確認したところ”山”は高度を維持したまま、時速10kmという超低速で西に向かって動き始めていた。増速する可能性もあることから攻撃艦隊は速度を上げた。
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午後3時。作戦開始から2時間が経過したころ、ついに攻撃艦隊がウィッチ隊と合流した。
「こちらウィッチ隊!指揮官の江藤だ!攻撃艦隊に合流する」
「こちら”なか”艦長の君島だ。援護感謝する」
無線を通じて、お互いを確認した後にウィッチ隊は攻撃艦隊の上空に展開する。合流した彼らは全速力で”山”に向かう。
もしかしたら出てくるかもしれない小型怪異をレーダーを使って警戒しながら進んでいく。
そして合流から30分後。ついに水平線上に”山”の姿が見えてきた。
「いたぞ!」
その瞬間、彼女らの頭上をゴォオオという轟音とともに何機もの戦闘機が通っていく。8機のF/A-3Bと16機のF-35JCからなる攻撃部隊であった。
「奴さんの目を上に向けてやるぞ!」
空爆隊の隊長の掛け声とともに、8機のF/A-3Bはアフターバーナーを使って”山”に突入する。
流石に3度も行われた空爆で学んだのか、突入してくるF/A-3Bにビームを放つ。しかし、相手は熟練のパイロット。ひらりひらりとビームを躱して”山”に各機2発づつミサイルを放つ。
一度反転して距離を取ると、再びミサイルを放つ。なんとか注意をひこうと攻撃を繰り返すが、攻撃艦隊が17kmほどまで近づいたとことでビーム攻撃が止んだ。
「攻撃が止んだ?」
戦闘機隊の隊長は”山”の様子をうかがう。確かに、ビーム攻撃はやんでいるが、ビーム攻撃の予兆である赤い光は灯ったままだ。
「ま、まさか!?」
その瞬間、ビームが海面に向かって走った。
そのままビームは”なか”に命中すると思われたが、ビーム攻撃と同時に”なか”の上空に青く光る半透明の盾のようなものが現れる。
”山”のビームはこれによって防がれ”なか”への着弾は防ぐことができた。
「ふぅ・・・・あれがシールドか」
戦闘機隊の隊長は一安心すると、再び”山”への攻撃を再開した。
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「今のは肝が冷えたな・・・・」
君島は帽子を脱いで、額の汗を拭きつつそういった。
「航海長!速度を上げるぞ!上空のウィッチ隊にも連絡を入れろ!」
少しでも早く撃破して、このビーム攻撃をもう受けないようにしたいという思いから、君島は速度を上げさせた。しかし、それは”山”からの攻撃を増させることとなった。
大した攻撃をしてこない航空機部隊よりも高速で近づいてくる艦隊を脅威としてみたのだろうか、ビーム攻撃は艦隊に集中した。
「くっ・・・・なんて攻撃!」
シールドを張って、艦隊をまもっている江藤らウィッチ隊は苦しい戦いを強いられていた。あまりに苦しい攻撃に彼女は竹井に護衛を任せて、後ろに下がる。しかし、ビーム攻撃の勢いは増す一方であった。何とか耐え忍んでいたものの、ついにシールドに当たってそれたビームが”くま”の近くに着弾した。
「うぉおお!」
水蒸気爆発によって船が大きく揺さぶられる。CIC内で衝撃に襲われた君島艦長は、すぐさま立ち上がると艦内無線を使ってダメージコントロールルームに連絡を取る。
「ダメコン!異常はないか!?」
『航行に異常はないものの船内複数個所で断線!!レールガンへの電力供給配線に異常あり!』
最悪の報告であった。作戦の要であるレールガン。それを使用するにあたり必要不可欠な電力供給を行う配線が異常をきたした。それはすなわち、レールガンの使用不能を意味していた。
「ダメコン班をレールガンの電力供給配線の修復にあてろ!サブ配線は使えそうか!?」
”やはぎ”は実戦を想定して建造された軍艦である。メインの電力供給配線に異常があってもレールガンの発射ができるように2つのサブ配線を持っていた。しかし、ダメージコントロールルームからの報告は最悪の一言に尽きた。
『だめです!第1サブ配線は断線!第2サブ配線は配電盤に異常あり!レールガンへの電力供給不能!!』
「くそっ!!最悪だ!!」
どちらのサブ配線も何らかの理由で使用不能となっていたのだ。よほどの不運が重なったとしか言いようがない。
君島は自身の運のなさを呪い、彼の前にあった海図台をたたく。
「メイン配線の損傷位置はわかっているか?」
『はい!すでにダメコン班の無線にデータ送信済みです!』
「よろしい!メイン配線の修復を急がせろ!」
君島はダメージコントロールの指示を出すと、回線を僚艦とウィッチ隊につなげる。
「こちら”なか”!!先ほどの攻撃でレールガンの電力供給配線に異常あり!現在修復中!」
この知らせは作戦にかかわっていたすべての人間を絶望させた。しかし、この知らせを聞いた中で絶望から立ち上がり、行動を起こした人間もいた。
攻撃艦隊の護衛艦であった”あたご”の艦長だ。
「”なか”が修復を行う時間を稼ぐ!ウィッチ隊にも連絡を入れろ!」
「は、はい!!」
指示を受けた副艦長が、すぐさまウィッチ隊への連絡を行う。それを確認すると艦長はすぐさま操艦を始める。
「取舵一杯!!右舷、砲戦よぉい!!目標、敵大型ネウロイ!」
「とぉぉりかぁじ」
「艦橋よりCIC!右舷砲戦用意!目標、敵大型ネウロイ!」
航海長が艦長の指示を復唱し、操舵手が舵を切る。その間にウィッチ隊への連絡を終えた副艦長がCICに砲戦を指示した。
『右舷砲戦!了解!』
すると艦首に搭載されているMk.45 5インチ単装砲が”山”を向く。砲安定装置によってピタリと狙いが付けられる。
「撃ち方はじめぇ!!」
艦長の号令とともに127㎜砲弾が放たれた。最大発射速度、20発/分を誇る艦砲は砲身を冷却水で冷やしながらも3秒に1発のペースで撃ち続ける。
突然攻撃してきた”あたご”のほうを脅威としたのであろう。”山”の光線の向きが変わった。
「攻撃来るぞ!衝撃に備え!!」
しかし、あとちょっとで着弾するというときに横から割り込んできたウィッチのシールドによって守られる。双眼鏡を使ってよく見ると、それは坂本であった。
『援護します!』
「坂本少尉!援護感謝する!」
”あたご”は砲撃で注意をそらす一方、もう1隻の護衛艦である”なす”は”山”と”なか”の間に割り込むような位置を取る。最悪、”なか”の盾になるつもりなのだ。
ウィッチ隊も2手に分かれて2人は”あたご”を残る4人で”なか””なす”の2隻をまもっていた。そんな味方の姿に君島は胸が熱くなった。
「ダメコン!修復具合を知らせろ!」
『現在、断線個所の修復を開始しました!安全に連射ができるようになるまで1時間!どんなに急いでも30分です!』
「おそい!一発撃てればそれでいい!あとはこっちで何とかする!10分で仕上げろ!」
『了解!!』
君島はダメコン班にハッパをかける。
その間も”あたご”は砲撃を続けていた。しかし、いくら発射速度がおそいとはいえ連射をすれば砲身が加熱し、安全な射撃が不可能となる。
「くそ!主砲オーバーヒート!これ以上の射撃は不能!!」
”あたご”CICでは若い砲術士が悔しそうに報告を行った。砲雷長は艦長の意思を組んで、すぐに次なる命令を出す。
「CIWS!!マニュアル射撃を開始!少しでも気を引け!!」
「了解!全CIWS起動!マニュアル射撃に移行し攻撃を行う!」
担当の乗員がCIWSをマニュアル射撃に設定して、狙いを”山”に定める。
「撃ち方はじめ!」
ヴォオオオといううなるような音とともに、20㎜ファランクスが火を噴く。曳光弾を交えた20㎜砲弾は”山”に命中するもむなしくはじかれる。
「すごい連射速度・・・・」
シールドを張りながら”あたご”を掩護する坂本は、思わずつぶやいた。しかし、その連射速度ゆえの欠点があった。
「ファランクス、弾切れです!!」
そう、弾切れの速さである。CIWSには1000発以上の弾が装填されているが、そのあまりにも早い連射速度のせいで数秒足らずで撃ち尽くしてしまうのだ。
もう攻撃可能な武装はミサイルぐらいしかないが、この至近距離では発射することは危険であった。実質、攻撃可能な武装がないかと思われたその時、”山”が爆炎につつまれ光の線のような曳光弾の群れが”山”に着弾した。
「ッ!!!」
その直後、超音速で”山”の上空をフライパスするF-35とF/A-3の群れ。
「攻撃艦隊の援護を行なえ!使えるものは何でも使うんだ!」
戦闘機隊の隊長の指示とともに、F-35に搭載されていた31式短距離空対空誘導弾が放たれる。本来、対空用なので”山”には効果がないが、気をそらすには十分だった。
それ以外にも機関砲を使ったり、中にはかなり接近してチャフやフレアをばらまく機体もあった。
この場にいる全員が”山”を破壊するという目的で一致していた。
『艦長!修復完了です!』
そんな彼らの様子を見ていた君島のもとにダメコン班から報告が届いた。君島は待ってましたと言わんばかりに砲雷長の方を向く。
「正面砲戦用意!目標、敵怪異コア!」
砲術士は赤外線カメラを使って照準を合わせる。
「一発しか撃てんから、よぉくねらえ!」
君島の指示に、砲術士は慎重に狙いを定める。
「照準よろし!」
「電力充填70%完了!」
急いで直したために電力の供給速度が遅く、発射に必要な電力のチャージに時間がかかる。
その間に”なか”の砲が、自身のコアに向いていることに気が付いたらしく、ビームを”なか”に向けて発射する。
「くっ!」
”なか”と”山”の間に竹井が滑り込み、シールドを展開する。シールドに当たったビームはいくつかに分裂してしまう。しかし、そのビームも江藤の展開したシールドで完全に防いだ。
その間に上昇した穴吹と北郷の2名が、”山”に向かって銃撃を仕掛ける。魔法力が込められた大口径ライフル弾が”山”を襲う。さすがのネウロイも自身の弱点である魔法力が込められた銃弾は危険と判断し、攻撃を2人に向けてしまう。
「・・・・90・・・・充填完了!」
しかし、それが”なか”にレールガン発射の時間を与えてしまった。
「撃てぇええええええ!!」
ありったけの声で出された号令とともに、砲術士は主砲の引き金を引いた。その瞬間、レールガンの砲身に電流が流れ、タングステン合金でできた重さ15㎏の砲弾が放たれた。
M27という超高速で放たれたタングステン合金の砲弾は、”山”の装甲を容易く貫通してコアを貫いた。
「・・・・・」
全員が言葉を失ってみている中、コアを失った”山”は徐々に白い破片となって崩れていく。その様子を生で、映像で見ていた全員が一斉に歓喜につつまれた。
あるものは隣の同僚と抱き合い、あるものは握手し、あるものは飛び上がって喜んだ。
扶桑海事変が始まって1年以上、扶桑皇国を脅かしていた怪異の脅威が取り払われた瞬間であった。
”あかぎ”に帰還してくる戦闘機隊、そしてウィッチ隊を連合艦隊の乗員は敬礼をして出迎える。
ウィッチ隊はストライカーユニットを収納して、艦内に入ろうとすると野崎が彼女らを出迎えた。
「野崎司令!扶桑を救っていただき、ありがとうございました!!」
江藤がそういって頭を下げるとウィッチ隊の全員が野崎に頭を下げた。
「江藤大佐。私が扶桑を救ったわけではありません。攻撃艦隊の乗員全員や航空機部隊の隊員ら、作戦を立案した参謀、そして何より攻撃艦隊を命がけで守り抜いた貴官らが扶桑をまもったのです。私にお礼を言うのは間違っていますよ」
野崎はそう返すと、見事な敬礼をして見せた。
「こちらこそ”なか”以下攻撃艦隊3隻をまもっていただきありがとうございました」
作戦開始からすでに4時間。冬の短い1日が終わろうとしていた。
西の空から広がる美しい冬夕焼けが、戦いに勝利した彼らを祝福していた。
またもや投稿時間をミス。やってしまった。今回は戦闘が一段落しました。深夜テンションで書き上げたので、後で恥ずかしくなるかも
次回 第24話 その後
ネウロイの瘴気の正体は?
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1:放射線もしくは放射能物質
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2:有毒な重金属などの微粒子
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3:毒ガス
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4:日本でもよくわからない