ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク) 作:RIM-156 SM-2ER
火曜日に投稿すると言いつつ、金曜日になってしまいました!
今回から、ストパンのメンバーが徐々に出てくるので許してください。
第26話 欧州へ
欧州でネウロイとの戦争が始まってから5年がたとうとしていた。
欧州の戦局は膠着しており、難民が多数出ていた。日本政府は難民への援助も開始していた。
ネウロイとの戦争の影響で日本製の自動車(トラック)や医療品、船などの需要が高まり、日本は戦争特需に沸いていた。金融業もある程度は復活し、日本経済は徐々に回復していた。
転移で失われた各種衛星の打ち上げも順調に行われており、日本は準天頂衛星システムの経験もあったことからGPS衛星の打ち上げも順調であった。1945年末には各種衛星が完全に復活すると見込まれていた。
欧州には10万以上の国防軍が派遣され、各戦線で大活躍をしていた。
日本では、ウィッチとしての能力が発現した女性たちへ、国防軍が積極的な勧誘を行っていた。意外にもウィッチへの応募者は多かった*1。結果として第1次募集には100人を超える応募があった。うち3割は途中で除隊するも、7割近い人間が実戦部隊に配備できると見込まれていた。
また、日本国国防軍は各国からストライカーユニットの技術者を招いて日本独自のストライカーユニットの開発を進めていた。すでにWF-86セイバーのストライカーユニットの量産が始まっており、扶桑からウィッチが招かれて、WF-86航空戦闘脚を使ったウィッチの育成も行われていた。
陸戦ストライカーユニットでも、74式戦車のストライカーユニットが試験を終えており、正式採用されていた。74式装甲戦闘脚と名付けられたそれは、1944年4月から量産が始まる予定であった。これを操る陸戦ウィッチの訓練も、現在使用しているリベリオンから輸入したM4シャーマン戦闘脚を入れ替えて行う予定であった。半年から1年ほどの訓練を終えたら欧州戦線に投入される予定であった。
またWF-86航空戦闘脚の後継機として、超音速ストライカーユニット計画XW-4の開発も進んでおり、1944年中には試験飛行が開始できるとされていた。
そして1944年2月2日。日本国国防海軍の第1空母打撃艦隊、第2揚陸艦隊、第3艦隊と海兵隊第81海兵戦闘航空団。アメリカ海軍第11揚陸隊と米海兵隊第12海兵航空群からなる日米合同遣欧航空部隊が横須賀から出向した。
――――――――――――――――――――
強力な航空機部隊派遣の知らせは、瞬く間に欧州中に広がった。
ここ
司令執務室には、部屋の主であるミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐と501JFW戦闘隊長の坂本美緒少佐、司令代理兼戦闘隊長代理のゲルトルート・バルクホルン大尉の3人が集まっていた。
執務机に座っていたミーナは、2人に書類を2つずつ手渡す。
「日本軍が航空機部隊の派遣を決定したそうよ」
ミーナは開口一番にそう告げる。
今まで、日本国国防軍はジェット機の運用できる滑走路がないことを理由に固定翼機の派遣を行っていなかったのは、欧州の誰もが知る事実であった。
扶桑海事変以降、強力と囁かれつつも、その姿を一切見せることのなかった国防軍の航空機部隊の派遣は欧州中の興味を引いていた。
「今朝、司令部に行っていたのはそういうことか・・・・」
「ええ。今朝、日本海兵隊の連絡将校からその書類が・・・・。この501にも戦闘機6機と、そのパイロット、整備兵、管制官が派遣されるらしいわ」
坂本の言葉に、ミーナはこくりと頷く。
手渡された書類は、501基地に派遣されるすべての人員の写真付きの経歴書60枚と装備品の書類、その他備考などが記載されており、ちょっとした本並に分厚いファイルに挟まれていた。
「派遣部隊全体だと・・・・大部隊だな・・・・」
もう一つの書類、派遣部隊全体に関する軽い説明資料を読んでいたバルクホルンは、そうつぶやいた。
「大型空母1隻に小型空母3隻、輸送艦4隻に巡洋艦2隻、駆逐艦16隻、潜水艦4隻ですものね」
「大型空母・・・・?」
坂本は、バルクホルンが読んでいるものと同じ資料を開く。
すると、坂本はその資料に載っている名前の中に懐かしい名前を見つけたらしい。
「ほう・・・・。”あかぎ”が来るのか」
「そういえば美緒は”あかぎ”に乗った経験があったわね?」
ミーナの言葉に、坂本はうなずいた。
「扶桑海事変の時に、アドバイザーの一人として呼ばれたんだ。とてもでかい艦だった」
「一度乗ってみたいわね」
坂本の口調と顔で、よほど良い船だったのだろうと予想できたミーナは、そんな言葉を漏らす。
すると、坂本が何かに気付く。
「そういえば。ここに来る部隊の指揮官も扶桑海事変に参加していたんだな」
「ええ。
ミーナは手元の書類を再び手に取り、日本からの派遣部隊の指揮官の書類を読み上げた。
その経歴に、バルクホルンはつぶやいた。
「エースパイロットか・・・・」
「他の隊員たちも優秀なパイロットが集められたみたいよ」
ミーナは、他の派遣隊員たちの経歴書もペラペラと読む。
書類に記載されているどの隊員も、模擬戦闘訓練での成績が良かったり、対ネウロイ戦において戦果を挙げたパイロットばかりである。
「5日後には、日本の基地業務隊*2が来るそうよ。戦闘機隊の到着は1週間後になるらしいから、準備しておいて。いいわね?」
すでに基地には航空管制用の設備が整っていたので、あとはそれらを運用する人員さえ派遣されれば航空機部隊の運用はすぐにでも可能であった。
ミーナの声に、2人はこくりと頷いた。
5日後、整備兵や管制隊など60名の後方支援要員が基地にやってきた。一緒に運ばれてきた戦闘機の部品などに一部のウィッチが興味津々であった。
――――――――――――――――――――
ブリタニア、クライド海軍基地。
欧州本土が陥落してから、ネウロイの襲撃の可能性は薄いと考えられ、大西洋方面の人類連合軍の海軍補給基地として使用されていた。
他にも、ブリタニアには2つの海軍基地があるのだが、どちらもドーバー海峡に接しているために使用頻度は少なかった。一応、ガリア解放後は主要港として使用することを見込んで、日本政府が港湾設備の改修工事をしていたが、他の港と比べて優先順位は低かった。
さて、そんなクライド海軍基地だが、停泊している艦艇は意外に少ない。この港を主要補給港としている船は軍艦くらいしかおらず、その大半は大西洋上での哨戒任務にあたっているからである。
しかし、先日この港に日本の大艦隊が入港した。潜水艦などすべて合わせて計16隻の大艦隊は、補給のためにいまだ停泊していた。軍人が見ても空母のように見える船が4隻もいる。これだけで日本が、欧州戦線に本腰を入れてきていることがよくわかる。
その中の一隻、空母のように見える船―いず型強襲揚陸艦6番艦”つるみ”に、501JFWに派遣される日本のパイロットたちが乗っていた。
「――すでに後方支援要員と機材は、第5独立海兵連隊と陸軍が運んでくれている。質問は?」
501JFW派遣航空隊の隊長を務める今浦は、彼の目の前に整列している3人のパイロットにそう告げた。
すると、少し童顔気味の若い男性パイロットが手を挙げる。
「私物類はどうするのでしょう?」
「俺らが着いた後に、オスプレイが運び込んでくれるそうだ」
今浦は、質問に短く答える。すると、すぐさまもう一人の男性パイロットが手を挙げた。
外国人の血が混じっているのだろうか、その男性パイロットは青い瞳に、少し明るい髪の色をいていた。
「米海兵隊も派遣されるそうですが、合流はどこで?」
「カーディフ上空で合流したら、そのまま501JFWに向かう」
またもや質問に短く答えると、彼はほかに質問はないかと見まわす。質問はもうないのか、手が上がることはなかった。今浦は腕時計を確認する。
「質問はないようだな・・・・。30分後に出発する。用意しろ」
彼らが解散すると、今浦も自機に向かおうとする。すると、一人の女性が彼の前に立った。
絹糸のような黒髪を、国防軍の規則に沿ってショートヘアにしている。凛とした瞳は、虹彩がわからないほど黒い。顔のパーツは整っており、和装がたいへん似合いそうな美人であった。
そんな彼女を見ると、今浦は立ち止まって敬礼した。もちろん、彼女が美人であるからというわけではない。その理由は、彼女の軍服の肩には、海軍准将を示す階級章が、胸元には艦隊司令を表す徽章がついていたことで、察しがつくだろう。
「河合司令。お世話になりました」
彼らの乗っていた”つるみ”が所属する第2揚陸艦隊の司令であったのだ。
「いえ。任務ですので」
河合は、素っ気なく答える。今浦は、初めてあったときから、彼女のその態度が苦手であった。
―悪い人ではないんだがなぁ・・・・
彼女の態度に、今浦は心の中でぼやく。
なるべく苦手な人間と関わりたくない性格の今浦は、短い別れを済ませると戦闘機に向かう。
甲板上には、国防軍の最新鋭ステルス戦闘機F-37C*3が4機、待機しており、その周りにはたくさんの整備士がいた。
彼の部下たちは、すでに戦闘機に乗り込んでおり、整備士と何やら確認していた。彼も、自機の隣で機体を確認している整備班長に軽く敬礼すると、コックピットにかけられたはしごを使って、スルスルとコックピットに入っていく。
すでに補助電源が付いているらしく、コックピットに設置された1枚の大型ディスプレイには機体情報が事細かに記載されている。
「少佐、これを・・・・」
整備士が機体に駆け寄ってきて、何やら差し出す。何か気の利いたプレゼント、というわけではなく、ただの整備確認に関する書類であった。
「武装は自衛用の31式短距離空対空誘導弾2発・・・・機関砲弾、燃料・・・・大丈夫だな」
今浦は、ディスプレイに映し出される情報と確認書類の内容を確認する。機体に搭載されている自己診断プログラムも問題なさそうであった。
確認したことを示すサインを簡単に書くと、書類を整備士に返す。書類を手渡された整備士は、敬礼すると機体から離れていった。
他の整備士はミサイルの安全ピンを抜いて、それを今浦に見せる。ピンの数を数えて、ミサイルが使用可能なことを確認すると、今浦は親指を立てて合図する。
そこまですると、いよいよ機体の周りの整備士が離れていく。すでにコックピットにかけられていたはしごは外されている。今浦はキャノピーを閉じて、パイロットヘルメットをかぶり電源を入れる。
HMDにも、さまざまな情報が映し出される。今浦はそれを一つ一つ丁寧に確認して、機体に異常がないことを確認していった。
「よし・・・・」
いよいよ飛行前の最終確認を終えた今浦は、無線の電源を入れた。
「”つるみ”
『メイジ15。ラジャー。
少し遅れて、”つるみ”の航空管制室から発艦許可がでる。
今浦は、座席に座りなおすと、スロットルレバーに手をかける。
「メイジ15・・・・
スロットルレバーをめいっぱい引くと、ボタンを引いてアフターバーナーを使用する。
エンジンからでる炎が一層強くなると、機体はゴッ、という音ともに発艦する。編隊長機である今浦機の発艦が完了すると、それに続いて編隊機も”つるみ”から発進した。
彼らは上空で編隊を組むと、カーディフ上空の合流地点にまっすぐ向かった。
そこで米海軍第11揚陸隊の強襲揚陸艦から発進した、米海兵隊F-37C2機と合流すると、ドーバー海峡に接する海岸線にある501JFWの基地に向かった。
新素材を多用することで、かのF-22を上回る運動性能と速度を持ち、ステルス性能もF-35並みの戦闘機。STOL機のC型はF-35Bのリフトファンを改良した連装式リフトファンを装備している。
国防空軍、海軍、海兵隊でF-35との入れ替えが行われていたが、転移の影響で計画が見直されることとなった。この世界ではステルス機よりも第4世代ジェット戦闘機が必要とされ、本機の優秀なアビオニクスとエンジン、そしてF-15の機体構造を参考にしたF-5スーパーイーグルが正式採用され、併用されることとなった
いかがでしたでしょう?
日本もウィッチを採用し始めました。使えそうなら使う当たり前だよな?
初期案では日本に徴兵法を制定させるつもりでしたが、志願制を維持することにしました。憲法とか予算とか大変そうだからね。
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ではまた次回!
次回 第27話 第501統合戦闘航空団
お楽しみに!
ネウロイの瘴気の正体は?
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1:放射線もしくは放射能物質
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2:有毒な重金属などの微粒子
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3:毒ガス
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4:日本でもよくわからない