ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?(リメイク) 作:RIM-156 SM-2ER
今回は、色んな話の詰め合わせみたいになっています。
では、本編どうぞ
6人のパイロットは、朝食を終えるとミーティングルームに集まった。今後の活動などについて説明を行うためだ。
「まず航空隊を2機3個編隊に分けることにした」
ミーティングは今浦の言葉で始まった。今浦は、昨日の会議の結果が書かれた資料を、タブレット端末で確認しながら話す。
「編隊長は、俺、緑川、アッカーマン大尉が務める」
説明を聞いて、パイロットたちは順当なところだろうと思った。気になるのは、それら編隊の2番機がそれぞれ誰になるのかであった。
「メンバーは、俺の2番機には桜田。緑川の2番機には川野。アッカーマン大尉の2番機にはベリー中尉が付く。異論はないな」
今浦は彼らを見渡すが、異論などはないようであった。
「コールサインはストライカー。新しいコールサイン、覚えておけよ」
パイロットたちは自分のコールサインをメモしている。
「ネウロイの出現予想日以外は――」
パイロットたちのミーティングは、お昼まで続き、今後の活動計画などについて説明されていた。
――――――――――――――――――――
さて、パイロットたちがミーティングをしているころ、ミーナ、坂本、バルクホルンの3人は倉庫にいた。彼女らは、オスプレイが運んできた木箱の前に集まっていた。
「これが・・・・日本の・・・・」
バルクホルンが、そうつぶやきながら見る木箱の中には、大きな機関銃が入っていた。
「ええ、正確には日本が輸入していたものを改良した物らしいわ」
彼女らの目の前にあったのは、FN MAG汎用機関銃を日本の銃器メーカー豊和工業が改良したMAG-Hと呼ばれるものだった。
「っ!軽いな」
1つを手にとった坂本は、驚きの声を上げた。
このMAG-Hに施された改良はストックの改良や軽量化で、合成樹脂やアルミ合金を多用することで2kgもの軽量化に成功している。機関部や銃身などの構造には、手が加えられていないため、MAG本来の信頼性の高さはそのままであった。
坂本は、今度はストックの部分をいじり、再び驚く。
「すごいな。銃床の長さや高さも変えられるのか」
バルクホルンは、試しに構えてみる。グリップも握りやすく、セレクターレバーの位置も非常に扱いやすそうだ。
バルクホルンは、銃をおろしてからしばらく見つめると、ミーナの方に振り返る。
「ミーナ。この銃は何丁あるんだ?」
「2丁だけみたいね。それと、予備部品と・・・・光学照準器?」
「狙撃眼鏡みたいなものか?」
坂本は、首を傾げながらそう言う。
この世界では、狙撃用のスコープはあるものの光像式の照準器は一部の最新戦闘機についているくらいであった。
「その木箱の中にあるみたい。照準器だけでかなりの種類ね」
「これか?」
坂本は、ミーナが指さした木箱を開ける。中にはいくつかの段ボール箱が入っている。それらの中の一つを取り出し、ガムテープをはがして中身を取り出した。
「これは?」
狙撃用のスコープではない坂本の持っているものを見て、バルクホルンは首を傾げた。
ミーナは、手元にある資料に添付されている写真から、坂本の持っているものを調べる。
「これかしら?ホログラフィックサイト・・・・・光学照準器の一種みたいね」
バルクホルンは、しばらく坂本の手の上にあるホログラフィックサイトを見つめる。
ふと、ホログラフィックサイトが入っていた箱から説明書らしき紙の束を取り出し、そこにかかれた説明通りにホログラフィックサイトを銃に取り付けてみる。イラストを交えて説明してあるため、初めてサイト類を扱うバルクホルンも、スムーズにサイトの取り付け作業を行うことができた。
サイトを取り付けたMAG-Hを試しに構えてみると、アイアンサイトに比べて非常に狙いやすそうであった。
「いい銃だな」
どうやらバルクホルンはこの銃を気に入ったらしい。長らく、ともに戦ってきた2人にはバルクホルンの声が弾んでいるように思えたのだ。
坂本は持っていた銃を箱の中に戻すと、顎に手を当ててつぶやいた。
「しかし、なんで日本は急にこんな武器を供与してきたんだ?いままではどんなに要請しても医薬品類がせいぜいだったのに・・・・・」
「いくつか考えられるけど・・・・武器の処分じゃないかしら?」
ミーナの言葉の意味を、一瞬、理解できなかった坂本は、思わず聞き返す。
「武器の処分?」
「ええ、実は日本本国ではこの機関銃よりも強力で扱いやすい機関銃の配備が進んでいるらしいの」
ミーナがそこまで言うと、坂本にも彼女が言わんとすることが分かった。
「なるほど、それで旧式化し、余剰になった機関銃を格安で有償で供与するわけか・・・・」
「ええ、日本からしたら旧式化した武器だから壊れても問題ないし、有償だから少なくてもお金が入ってくる」
実際、ミーナの推察は正しかった。
転移前のNATO軍では、7.62㎜×51㎜NATO弾の後継大口径ライフル弾として、より長射程かつ高貫通力とストッピングパワーを持つ338ノルマ・マグナム弾を改良した8.58㎜×63㎜NATO弾を採用していた。日本も8.58㎜NATO弾に合わせた機関銃の開発が行われた。その結果、豊和工業が開発した36式8.58㎜汎用機関銃が採用され、7.62㎜弾を使用する銃は徐々に退役することとなった。
しかし、ここで問題となるのは退役した銃や7.62㎜弾の行方である。転移前、世界各国は8.58㎜弾の使用を開始しており、退役した銃や弾を買うとなると紛争地帯くらいしかなかった。だが、政府は紛争地に武器を提供し、さらに悪化させることなどできなかったのだ。そのため、長らく予備兵器として倉庫の奥で眠ることとなる。
この状況は転移によって好転することとなる。世界各国はネウロイとの戦争で少しでも武器が欲しいのだ。武器を少しでも処分したい日本にとっては渡りに船であった。しかし、日本にはある危惧があった。それは、ネウロイとの戦争後に人類同士の戦争が起きた際に日本が供与した武器が使われるのではないかという心配だった。これは日本国内でも慎重に協議されることとなった。
最終的には、国会が設置した第3者委員会から「現時点での世界の技術水準と、戦争状況からネウロイとの戦争が終結し、人類間戦争が起こる時期には、供与予定品と同水準の物を各国は自力で開発できるようになっていると考えられる」というレポートが提出されたことで、予備武器として眠っていた大量の武器が供与されることとなったのだ
「日本の思惑などどうでもいい。ベルリンさえ奪還できれば・・・・それで・・・・」
バルクホルンは、ミーナと坂本の推察をやめさせる。
「ミーナ、この銃は私が使ってもいいか?」
「ええ、構わなけれど」
「なら、早速使えるように訓練してくる」
バルクホルンは、MAG-Hを1丁と200発弾帯を2本ほど、予備の銃身1つをもって訓練場に向かった。
ミーナは、そんなバルクホルンの後ろ姿をじっと見ていた。
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さて、ところ変わって欧州から遠く離れた日本の首都、東京。その総理官邸では一人の男――第103代内閣総理大臣
すると、扉をノックする音が聞こえてきた。
「入っていいぞ」
「失礼します」
部屋の主である男は、報告書から一切目を離さずに入室の許可を出すと一人の女性が入ってきた。狐目が特徴的なキャリアウーマン風の女性は、部屋の中ほどまで進む。
男は一旦、パソコンで送られてきた書類を読むのをやめて女性の方を向く。
「
情報大臣とは、日本の国家機密情報の保全から外国の国家機密の収集などを行う国家戦略情報省をまとめ上げる人物である。
転移後、国家戦略情報庁と公安情報調査庁の2つの情報機関が合わさり、情報戦を統括的に行える国家戦略情報省が立ち上げられたのだ。ほかにも国家戦略情報省の役割は、国防軍や外務省、警察などが独自に持つ情報網を統括・管理及び情報共有も仕事である。
「実は、ブリタニアに派遣している諜報員から妙な報告がございまして・・・・」
「妙な報告・・・・?」
大泉は、黒木の言葉に目を細めると頬杖をつく。
「はい。ブリタニア軍がネウロイ戦争を有利に進められる極秘兵器を開発しているらしいのです」
「新兵器開発か・・・・どういう兵器かはわかっているのか?」
「いえ・・・・。今までの戦闘を変えるような画期的な兵器だとしか・・・・」
大泉は視線をずらすと、左手で顎を掻く。彼が熟考しているときの癖であった。
「とりあえず調査を続けろ。どんな兵器なのか、どこで作っているのか、だれが作っているのかも詳細にだ。いいな?」
「はい」
黒木は大泉からの指示を受けると、執務室を後にした。
大泉は、先ほどの黒木からの報告について考えていた。
――今までの戦闘を変える画期的な兵器か・・・・。まさか・・・・
大泉はそばにあった電話の受話器を手に取る。
「もしもし。防衛大臣と外務大臣、参謀司令長官*1を呼んでくれ。大至急だ」
――――――――――――――――――――
1時間後。防衛大臣と統合参謀司令長官の岩峯は同じ黒塗りの公用車に乗って、防衛省のある市ヶ谷から総理官邸がある永田町に向かっていた。
「総理が呼び出しとは何事だろうか・・・・」
防衛大臣は足を組み、窓の外の景色を眺めながらぽつりとつぶやいた。防衛大臣の視線の先には赤坂御用地があった。
「わかりませんが。私も呼ばれるということはただ事ではなさそうです」
防衛大臣の横に座る岩峯は、持っていたタブレットで書類を確認しながら、防衛大臣のつぶやきに返した。
市ヶ谷から永田町は意外と近く、車で8分ほどで着く。防衛大臣らを乗せた公用車が、総理官邸の玄関前に止まると、後ろから同じような公用車がやってきた。
防衛大臣と岩峯が公用車から降りると、後ろの公用車からも誰かが降りてきた。
「那須さん。あなたも呼ばれたんですか?」
後ろの公用車から降りてきたのは外務大臣であった。
「君も呼ばれたのか」
彼らはSPを連れて、総理官邸の中に入っていく。
総理の執務室に向かうまでの間、2人の大臣は、呼ばれた理由について話していた。しかし、どちらも突然、呼び出されたため、理由は全く分からなかった。
そのうち、一行は総理執務室についた。SPを外で待機させると、2人の大臣と岩峯は、中に入っていく。
「来たか・・・・。3人とも座りたまえ」
大泉は3人の姿を認識すると、ソファに座るように指示する。そして、横にいた秘書官に合図して、外に出て行かせた。
「さて、本題に入ろうか。今日、黒木君から報告があった」
情報省からは、毎日のように総理に報告が上がっているが、総理がわざわざ自分で大臣に話すということは、いつもの報告とは何かが違うらしい。
「どのような報告が?」
「ああ、ブリタニア軍がどうやら極秘兵器の開発を進めているらしい。なんでもこれまでの戦闘を変えてしまうような画期的な兵器らしい」
兵器開発ということであれば、気にするほどのことではない。だが「これまでの戦闘を変えるような画期的兵器」という文言が引っかかった。
そんな兵器というといくつか思い当たるが、その中でも彼らの脳裏に強く浮かぶものがあった。
「まさか・・・・核兵器?」
「そこまではわからん・・・・黒木君には更なる調査を命じておいた」
防衛大臣のつぶやきに、大泉はそう返した。
「では総理。われわれはどうすれば?」
「うん。まず那須君は在ブリタニア大使にいつでも動けるように指示しておいてくれ。兵器の正体がわかったら対応を伝えるが、万が一、核兵器だった場合はこちらも核をちらつかせて開発を止めさせる」
大泉の指示に、外務大臣はこくりと頷く。まずは戦争にならないように外交で解決することがベストなのだ。
「岩峯君に聞きたいが、ブリタニアに展開しているのはどの部隊だ?」
「海兵隊第5独立海兵連隊ですが・・・・」
「では
この指示はつまり、場合によっては非合法作戦などで開発をやめさせることもいとわないということである。特に特別作戦軍の出動をみとめるということは、開発に従事する科学者・関係者の
いつになく険しい顔をした大泉の顔を見て、岩峯はこくりと頷いた。
「わかりました。今月中にサート1個中隊を欧州に派遣します。特別工作部隊*2は本国で派遣待機させておきます」
「それでいい。早速、取り掛かってくれ」
大泉は重々しく頷く。
3人は立ち上がると、大泉にお辞儀して部屋から出ていった。
一週間後。国防空軍入間基地からC-2*3中型輸送機4機が発進した。
彼らの任務は、補充要員や損耗した物資の輸送であるとされていたが、実際には
国家戦略情報省もブリタニア担当の諜報員を増やすなど情報収集を強化することとなった。
いかがでしたでしょうか。
やっぱり、特殊部隊を書きたいというのが私の願望なのです。察しの良い方は、わかると思いますが特殊部隊の登場場所はすでに決めてあります。楽しみにしていてください。
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では、また次回。さようなら
次回 第30話 失敗
お楽しみに
ネウロイの瘴気の正体は?
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1:放射線もしくは放射能物質
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2:有毒な重金属などの微粒子
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3:毒ガス
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4:日本でもよくわからない